言葉遊びではダーツは上手になりませんが、言葉と言うのは非常に難解です。受け取り方を間違うとドツボにはまる可能性があるのです。以下ではよくある狙い方の間違い例を挙げておきます。

1 「構えたときにボードにダーツをしっかり合わせて狙う」という間違い

人間の感覚と言うのは随分ルーズです。構えた時にしっかり狙っていてもそこに毎回
飛ぶことはありません。構えと言うのは楽に投げられる姿勢のことを言うのであって、狙いを定めることではないからです。

2 「テイクバックはずれないように丁寧にゆっくり引く」という間違い

 ゆっくりテイクバックをする選手は大勢います。
だし、これは彼らがたどり着いた結果であって
最初からそうすることが万人にとって有用であるわけがないのです。
ゆっくりテイクバックする上手な人は「ダーツを落とす(僅かな力でダーツを投げられる)」ことの出来る人です。
試しにダーツを持ち、5秒くらいかけてテイクバックしてみてください。
筋肉が張って「もう投げさせてくれ!」と疼くようならゆっくり引くべきではないです。

3 「テイクバックしきったらタメを作るために一瞬止める」という間違い

そもそも溜めというのは作るものではありません。慣性の法則に基づいて発生する力です。
慣性の法則とは「静止している質点は静止し続けようとし、動いている質点は動き続けようとする」地球の重力下での法則です。
ダーツをテイクバックする動きと、リリースする行為は真逆の腕の動きです。
ダーツを引ききった瞬間(リリースし始める瞬間)に運動の向きが変わります。
この瞬間ダーツを持つ腕にはテイクバックしてきたときの慣性質量がかかります。この質量(重み)こそ溜めの正体なのです。慣性質量はテイクバックの速度が速いほど増加しますので、一瞬止めたところで溜めなどできません。それはただの「力み」に過ぎないと知るべきです。

※慣性質量について
深く考えないで下さい。一階から物を落として受け止めるときと、同じものを三階から落として受け止めるのではどちらがより重くなりますか、という程度のことです。

4 「最初に構えていたところでリリースする」という間違い

ダーツを構えて、引いて、投げるという行為をつなげてみた場合、手首の位置は不完全ながら
扇形の弧を描きます。
下図で構えた点をB、テイクバックしきった点をC、投げきった点をAとしましょう


最初に構えていたところ、というのは普通ならばA~Bの間に存在するはずです。
Bでダーツをリリースした場合、ダーツはBの高さから上へ飛ぶことはありえません
(Yの放物線)。
しかし皆さんのダーツはD20やブルに届くことでしょう。
それは無意識のうちにB~Cの間でダーツをリリースしているからです。
上方に向かって放出されたダーツはより遠くまで飛ぶのです。
(Xの放物線)

「構えて狙うな」というのはここに通じます。構えてBで狙ったとしてもB地点ではダーツはもうリリースしてしまった後です。つまりBで狙う意味がないのです。

5 「腕をまっすぐ伸ばす」という間違い

腕を伸ばす作業はダーツをリリースした後のことです。さっきの図でいえばB~Aの作業になります。
つまり、ダーツはもうボードに向かって飛んでいる最中ですから、腕をどうこうしたところでダーツの軌道は変わりません。ダーツを気持ちよく楽に投げた結果、腕が伸びるならそれも良し、気持ちよく楽に投げたけれど腕を途中で止めるならそれも良し。ダーツを投げるにあたっては全く気にしないでよいのです。

6 「肘はリリースまで固定する」という間違い


先ほどの絵は上が肘を固定しているもの、下が肘の位置が動いているものですが
肘を支点とする上の図でも、実際に投げるとA点の直前では僅かながらにでも肘の
位置は動きます。固定する、という言葉は「何が何でも動かしてはならない」という誤りを生みやすいので注意が必要です。


スパットボウリングの考え方を取り入れる

ボウリングのレーンにはラインから3mほど向こうにスパットという「▲」のマークが張ってあり、これを利用する方法が基本となっております。
10mほど先のピンに届くまでに、どのくらいずれるかを事前に知っておきます。そこから逆算して、10m先のピンを狙う為にどこからどの方向に投げるかを考えます。
投げるときは、10m先のピンではなく3m先のスパットに向かって投げることで投げる位置をコントロールするというものです。

ダーツの場合も応用できます、ブルを狙うときにはブルを見ながらブルに向かって投げるというやり方ではなく。数10cm先のある部分を狙って腕を動かすことでブルを狙うというやり方があります。フォロースルーの位置を決めるというやり方もこれに準じます。


テイクバック


■ズバリ、ダーツはこれで決まると言っても過言ではありません。
ダーツがバラつくときはテイクバックがうまくいってないケースが多いようです。

ダーツを引く場所は個人差もありますのでここでは詳しく述べませんが、重要なことは真っ直ぐ引くことです。(横から見れば肘を基点に円弧)そして、その時に脇が極端に開いていたり、閉めすぎて窮屈になっていては一定さに欠けます。肘と手首が床に対して垂直にするクセをつけると自分自身で脇の開き具合を確認しやすいのですが、中には垂直にできない人もいるので参考程度にして下さい。

では実際にどれ位引くのか?
極論ですが、答えは引ける所まで引きます。

しっかり引くことでタメができます。飛ばすのにチカラは不要です。
この時どこから引くのか?ってことにも配慮して下さい。
ご想像通り、引く距離が長いほど一定動作の難易度は高くなります。引く距離が短ければ一定動作はしやすくなります。
肘を90度に曲げて構える人は15cm~20cm位引くことになると思います。鈍角になっている人は30cm以上引くことになる場合もあります。鋭角過ぎてもタメができません。
自分に合った距離を見つけましょう。
そしてタメができるまでは肘を動かさない意識で引きます。どんなプロでも実際はミリ単位で動いているのですが、意識上は完全固定です。


リリース


テイクバックに入ったところでダーツを離すというイメージを持ちましょう。

リリースのコツ

リリースまでに重要なコツが一つあります、

ダーツは必ず構えた位置を通ってリリース

されることです。これはダーツを構え-引ききるルートと引ききったところから投げるところまでのルートが同じ道を通るようにする考えを単純化したものです。

ダーツが思ったところより下に落ちるという方が多くいますが、大抵はこの引くまでのルートより、引ききってからのルートが上を通っております。注意してみると、構えてから引ききるまでには肘を固定し、引ききりから投げる動作になった瞬間に肘をすぐ跳ね上げる投げ方になっている場合が多いです。

素振りをしているだけだとあまり気づきませんので、防止するには2人組になり、一人は横からチェックしてください。チェックする項目は二つです
  • 投げる際に構えた位置を通るか?
  • 引ききってから投げの動作になるまでに肘がすぐあがっていないか?
これで、チェックしていた方は構えたところを基準にして、投げている人に教えてください。

この練習は癖をつける必要がありますので、注意深くしっかりやるようにしてください。これを無意識にできるようになるとグルーピング精度が格段に上がります。
ただ現在狙っているところと全く違うところに刺さる可能性があります。しかし本来ずれていたのを、無理矢理合わせていた証拠でもありますので、自己分析に役立ててください。


フォロースルー


指がダーツから離れた後は、腕がどんなことになっていようとかまいません。
飛び、狙い等には影響が無いってことです。
しかしフォローを意識して投げた方が、より良い結果になります。
つまり一連の動作の中では欠かせない要素となります。

では何故良い結果になるのでしょうか。
それはスローイングのなかでリリースポイントが安定しやすいからです。

フォロースルーの効果として、
-狙ったところに投げやすい
-リリースポイントを有利に確保できる
-スローをかっこ良く演出できる
という点に絞って考えます。

■狙ったところに投げやすい
これは分かりやすいですね。目標に向かって手を放り投げるイメージです。
手首を使う、使わない、で少し表現が異なりますが、ダーツを目標に持っていきやすくなります。

■リリースポイント可能距離を有利に確保する
ダーツから手を離してもいい距離がスローイング距離の中で、2cmの間に手を放さないといけないのか、10cmの間ならどこで離してもいいかの違いです。
言い換えると、肘の角度が90度に戻った時にだけリリースできるのと、80度~90度の間ならどこでもリリースできることとの差です。
リリースポイントとして有効な距離を稼ぐためにフォロースルーは重要です。

■スローをかっこ良く演出できる
見た目的にも極端にフォローで腕が曲がるより、美しく見えます。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2009年04月10日 11:30
添付ファイル