神経梅毒

神経梅毒


Treponema pallidumというスピロヘータが脳または脊髄に感染することによって生じる

脊髄癆(tabes dorsalis)

梅毒による10数年間の炎症によって、脊髄の後根と後索が著明に萎縮する
  • 発症後15~20年後に発症
感覚を中枢に伝える後根で炎症が起こる→刺激症状として、数分~数時間続く電撃痛。特に下肢に著明
後索障害→深部感覚障害、Romberg sign(+)、
腱が伸展された時に、筋紡錘や腱紡錘は脊髄後根に悲鳴を伝えるが、本症では後根は悲鳴を聞く耳を持っていない→深部腱反射は低下。Westphal sign=膝蓋腱反射消失
脊髄のいろいろな場所を走っていた自律神経線維が侵され、、膀胱直腸障害が出現
瞳孔にArgyll Robertson pupilを認める
  • 関節の変形(シャルコー関節)
  • 血清、髄液の梅毒反応陽性。そのほかの髄液所見はおおむねウイルス性髄膜炎と同じ。(スピロヘータは髄液中の糖を利用しない)
  • Tx:原則として、ペニシリンGを大量静注


進行麻痺(general paresis)

Treponema pallidumによる脳炎。やはり感染から発病まで10数年以上を要する
本症は無気力や抑制欠如などの人格変化、記銘障害、知能低下などで始まる。そしてconvulsionや卒中様症状などの麻痺性発作を伴い、これを契機に一段と精神症状も進行(※名前の由来)
Argyll Robertson pupil、言語蹉跌

言語蹉跌(げんごさてつ)
うまく口が回らずに語の一部を反復したり、欠落する現象。(例)「ダルマサンガコロンダ」というフレーズを復唱させると、「ダルマサンガコンダ」「ダルマサンガコロコンダ」「ダルマサンガコロビマショウ」という風になってしまう


最終更新:2009年11月02日 20:52
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