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異変」(2007/08/28 (火) 17:30:28) の最新版変更点

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満月まで後三日。 「……ろ。」 暗闇の中ふと聞こえた声にオレはピクっと反応する。 (またお前か…) 「…起きろ。」 …ん? 声が違う? 声が一時的に止んだので、その声を再び聞くために耳を傾けた。 「起きろ末者ぁ!!」 「な、何!?」 突然の大きな声に思わず飛び起きる。 「やっと起きたな末者よ。」 「ふ、普通に起こしてよ!」 ニッコリ笑って言う大きい兄者に怒鳴った。 だって無理も無いだろ? いつもはオレが兄者を怒鳴り起こしているって言うのに――! 「さ、早く。朝食が冷めるぞ。」 「はーい。」 ひとまず朝食を食べに大きい兄者と共に下へと降りる。 リビングには大きい兄者の弟。と同時にオレの兄の「小さい兄者」が居た。 「おはよう。末者。」 「おはよう。小さい兄者。」 小さい兄者はみんなから「弟者」と呼ばれている。ちなみに大きい兄者は「兄者」と。 「ずいぶんうなされていたようだけど・・・大丈夫か。」 小さい兄者が心配そうにオレに問う。 (オレ、うなされてたんだ…) オレは何とも無かったかのように答えた。 「平気、平気。所詮夢だよ。」 所詮は夢…… 「なんと。兄者君でしたら泣いて飛びつくのに。なぁ。」 「っ~!! もしかして弟者はお天道様が恋しいのかな……?」 「……Ok.Ok.時にモチツケ兄者。つい本音g…――」 そうさ。所詮夢さ…… 「くたばれ、アホ弟者」 「ま、待て兄者。とにかく落ち着こう」 本当に夢だったらいいのに 本当の自分を知っていなければよかったのに 「「……末者?」」 この世界を壊す事も…… この家族を壊す事も…… 「「末者!!」」 兄者達の声にオレはハッと目が覚めた。喧嘩の最中なのに声がかぶるのは双子だからだろうか。不覚にも笑いがこみ上げてくる。 「……末者」 オレは兄者達の方へと顔を向けた。 「なんか遭ったのか」 何故かボコボコにされた兄者の問いにオレは首を横にブンブン振る。そして笑って 「え? 何のこと?」 やっぱりオレは何ともないように答えた。 「末者」 静かに自分の名を呼ばれて体が固まった。しかも呼んだ本人――兄者はじりじりとオレの方に歩み寄ってきた。 「……もしかしたら寝惚けているのではないか?」 へ? 「流石は兄者。今はやけに冴えてるな」 小さい兄者の方に視線を向ける。 大きい兄者に対し、小さい兄者は傷はおろか殴られた跡もなし。 いろんな意味でこの二人が凄いと思えた。 鏡に映る自分の顔…… さっきの冷たい水で濡れている自分の顔…… 「出来ないよ……そんなこと」 そうボソっと呟く。 すると一瞬、鏡に映る自分の顔が勝手に笑みをうかべる。 『ウラギルノ? ジブンガドウイウタチバカ ワカッテイルノ?』 く、口が勝手に動いた!? 頭を振って再び冷たい水で顔を洗う。 鏡に再び目を向ける。今の自分だ。何故か疲れきっていて絶望の色をしている目…… 「寝不足かな……」 自分でも驚く顔だった。 (きっと疲れてるんだ。) そう自分に言い聞かせる。 鏡に背を向けようとした。が、鏡の自分は全く動かない――! 『アレハ ユメ ジャナイ』 頭が今の状況を理解する前に、オレはリビングに駆け出していた。 (おちつけおちつけおちつけ) 自分で自分に暗示をかけるかのように何度も言い聞かせる。 きっとさっきの現象は疲れているから能力が勝手に――。 あれ? そういえば…… ふと、あることを思い出して足のスピードが緩む。 恐怖もあっという間に無くなてしまったオレはきっと単純なのだろうな、なんてことを思いながらオレは未だに喧嘩をしているであろう二人の元へ歩き出した。 「ねぇ、小さい兄者。」 「ん? 何だ?」 オレは小さい兄者に問う。案の定、二人の喧嘩はもう既に終わっていたようだが。 「母者と小さい姉者は何処?」 大きい姉者は、一人暮らしだし聞かなくもいいよな。 あれ……でも……何か忘れてるような。 まぁ、いいや。 すると台所の方から声がした。それと同時に皿のぶつかる音も。 「母者と妹者なら一ヶ月ほど家を空けるって今日旅行にいったぞ。」 答えに困っていた小さい兄者は大きい兄者の声に驚きの顔を見せる。 「ふーん。それは初耳でしたよといってみるテスト。」 「オレもー。」 小さい兄者はいつもの皮肉めいた口調で言った。 「つか、何処でそんな情報をてにいれたんだ。スパイか? それとも盗聴か?」 すぐに返事は返ってきた。 「ばーか。俺みたいなヒッキーにそんな金があると思うか?」 そういいながら大きい兄者はエプロン姿でやってきた。皿洗いごときでエプロンつけるのかと小一時間(ry 「どっこらせと」 そう言うと大きい兄者はいすに腰掛ける。 (「どっこらせ」て中年親父かあんたは…;) 「じゃあ、どうして?」 「今日、妹者が教えてくれたんだ。」 「妹者が!? 俺には教えてくれなかったぞ。」 なんだこりゃ…。 時々思う。こいつらマジで馬鹿なんじゃないかって。 「ねぇ。ご飯は? 母者いないよ。」 「その点については安心していいと思われ。この俺が担当するから。料理には絶対の自信がある」 そう言うと耳元でささやいた。 〔ほら、誰かさんに任せると、料理が真っ赤に染まってしまうからな…。〕 「ップ」 思わずこれには吹いた。 そうだった小さい兄者h… 「全部、丸聞こえだという罠。」 「「!!」」 俺らの後ろには小さい兄者が―― 「二人とも殴られたいようで?」 あははは…… めっちゃやべぇ…… 「ま、待て弟者。事実を言ったまでだ。事実を!!」 大きい兄者が慌ててフォローするが全て無になり終わる。 「そ、そうだりょ…。〔って大きい兄者それ逆効果〕」 「〔そ、そうか?〕」 とてつもない殺気を後ろから感じた…… ひとまずここは…… 『ボッシュート』 チャラッチャラッチャーン ミヨヨーン どこからともなく効果音が流れ、オレは床の中に吸い込まれていった。 「あ、末者逃げたな!」 「さぁて兄者君。遺書は書き上がりましたか」 指の関節がバキバキ鳴る。 「ま、待て、ときにモチツケ弟j「問答無用!」 ああ、二階(!?)まで聞こえてやがる…。 まったく。近所迷惑だっつうの。 「……それにしても退屈だな…。」 真っ先に目に付いたのは馬鹿共のFMV… 「ちっと悪戯してやっか……。」 こうしてオレは、さっそくPCを起動させた。 夕暮れ時。 スーパーから出てきたビニル袋を持ったふたりのフーン族。 「なぁ。弟者…」 アザだらけの顔で問いかける兄者。 「ん? どうした?」 「今日の末者、いつもと感じが違うと思われ。」 俺は少し考え込んでから返事を返す。 「ああ。確かに。違ったな。」 いつもと感じが違った…か。 兄者ってそういう所だけはしかっりしてるよな…。勘が鋭いってことか…。 「そういえば、今日は超能力使ってないよな末者。」 「ああ……ってボッシュートは超能力ではないのか?」 少し間をおいて兄者は知らんと言った。 もし、ボッシュートが超能力なら俺らも使えるわけだし……て、なんかすごいややこしい事になっていないか、これ。 「弟者?どうした?」 「ん?あ、ああ。何でもない。あ、俺急用思い出した。だからちょっと先に帰っててくれないか?」 持っていたビニル袋を突き出す。 「べ、別にかまわんが……なんだその途中で抜け出すためのありきたりの台詞」 ぶつぶつ言いながらも兄者はしぶしぶそのビニル袋を受け取った。 「どこにいく」 俺は少し間を置いてからあいまいに返事を返した。 「…ちょっと、な。」 走り出そうとすれば兄者から制止命令が出される。 「何だ?」 俺は兄者の質問に身構えた。 だっていつも兄者の口から出てくるのはくだらない事ばかりだから…。 「……家ってあの角を曲がったところだよな。」 ああ、なんだか泣きたくなってきた。 「弟者遅いな……。」 「うん。あ、もう九時だ。」 まったく……。一体何処ほつき歩いてるんだか。 俺が家に着いたのは六時ごろ。 それ以来、弟者からは一本の電話もきていない。 …リビングの机には淋しく一人分の夕食が置いてある。 机に頬杖をつきながらうとうとしていると、玄関からドアを開ける音が。 俺はその音にすぐさま反応し末者共に玄関に駆け寄る。 「弟者!! 何処いっt…」 「……。」 ドアから入ってきたのは弟者ではなかった。 「どうして姉者が!?」 「ったくもう。びくっりさせないでよ。電話入れたでしょうが!!」 「すまん。」 まさか姉者だったとは…  しかも電話のこともすっかり忘れてた… 「お久なのりゃ。姉者。」 「ほんと。久しぶりね。末者。…ところでみんなは?」 姉者は家の中を懐かしそうに見回す。 「母者と妹者は一ヶ月ほどの旅行へ。弟者は出かけたまま、まだ戻ってきていない…」 ん?誰か忘れてるような…。っま気のせいだろう。 「そうそう。その事なんだけど、弟者しばらく帰ってこれなって。さっき電話があったわ。」 「それは本当か!?」 「ええ。嘘なんて吐く必要なんて何処にもないじゃない。」 「そうだ。姉者今回はここに泊まるのか? いつも日帰りだったよな。」 すると姉者はリビングの隅においてある大きな荷物を指差す。 「ええ。一週間ほど泊まらせてもらうわ。」 「ところで姉者よ。」 「ん?なに?」 「……飯、食うか」 「さあ、やっとPCが出来るぞ!!」 その言葉を聴いた末者の顔に自然と笑みが浮かぶ。 (いいぞ…いいぞ…そのままPCを立ち上げれば最初に迎えてくれるのは…) (グロ画像――。) 夜。雷が落ちたような悲鳴が響き渡った…。   [[<<>プロローグ ~期限~]] [[TOP]] [[>>>誘惑]] ここまでのページは軽く訂正をしてありますが、内容は変わっていませんのでご安心ください。
満月まで後三日。 「……ろ。」 暗闇の中ふと聞こえた声にオレはピクっと反応する。 (またお前か…) 「…起きろ。」 …ん? 声が違う? 声が一時的に止んだので、その声を再び聞くために耳を傾けた。 「起きろ末者ぁ!!」 「な、何!?」 突然の大きな声に思わず飛び起きる。 「やっと起きたな末者よ。」 「ふ、普通に起こしてよ!」 ニッコリ笑って言う大きい兄者に怒鳴った。 だって無理も無いだろ? いつもはオレが兄者を怒鳴り起こしているって言うのに――! 「さ、早く。朝食が冷めるぞ。」 「はーい。」 ひとまず朝食を食べに大きい兄者と共に下へと降りる。 リビングには大きい兄者の弟。と同時にオレの兄の「小さい兄者」が居た。 「おはよう。末者。」 「おはよう。小さい兄者。」 小さい兄者はみんなから「弟者」と呼ばれている。ちなみに大きい兄者は「兄者」と。 「ずいぶんうなされていたようだけど・・・大丈夫か。」 小さい兄者が心配そうにオレに問う。 (オレ、うなされてたんだ…) オレは何とも無かったかのように答えた。 「平気、平気。所詮夢だよ。」 所詮は夢…… 「なんと。兄者君でしたら泣いて飛びつくのに。なぁ。」 「っ~!! もしかして弟者はお天道様が恋しいのかな……?」 「……Ok.Ok.時にモチツケ兄者。つい本音g…――」 そうさ。所詮夢さ…… 「くたばれ、アホ弟者」 「ま、待て兄者。とにかく落ち着こう」 本当に夢だったらいいのに 本当の自分を知っていなければよかったのに 「「……末者?」」 この世界を壊す事も…… この家族を壊す事も…… 「「末者!!」」 兄者達の声にオレはハッと目が覚めた。喧嘩の最中なのに声がかぶるのは双子だからだろうか。不覚にも笑いがこみ上げてくる。 「……末者」 オレは兄者達の方へと顔を向けた。 「なんか遭ったのか」 何故かボコボコにされた兄者の問いにオレは首を横にブンブン振る。そして笑って 「え? 何のこと?」 やっぱりオレは何ともないように答えた。 「末者」 静かに自分の名を呼ばれて体が固まった。しかも呼んだ本人――兄者はじりじりとオレの方に歩み寄ってきた。 「……もしかしたら寝惚けているのではないか?」 へ? 「流石は兄者。今はやけに冴えてるな」 小さい兄者の方に視線を向ける。 大きい兄者に対し、小さい兄者は傷はおろか殴られた跡もなし。 いろんな意味でこの二人が凄いと思えた。 鏡に映る自分の顔…… さっきの冷たい水で濡れている自分の顔…… 「出来ないよ……そんなこと」 そうボソっと呟く。 すると一瞬、鏡に映る自分の顔が勝手に笑みをうかべる。 『ウラギルノ? ジブンガドウイウタチバカ ワカッテイルノ?』 く、口が勝手に動いた!? 頭を振って再び冷たい水で顔を洗う。 鏡に再び目を向ける。今の自分だ。何故か疲れきっていて絶望の色をしている目…… 「寝不足かな……」 自分でも驚く顔だった。 (きっと疲れてるんだ。) そう自分に言い聞かせる。 鏡に背を向けようとした。が、鏡の自分は全く動かない――! 『アレハ ユメ ジャナイ』 頭が今の状況を理解する前に、オレはリビングに駆け出していた。 (おちつけおちつけおちつけ) 自分で自分に暗示をかけるかのように何度も言い聞かせる。 きっとさっきの現象は疲れているから能力が勝手に――。 あれ? そういえば…… ふと、あることを思い出して足のスピードが緩む。 恐怖もあっという間に無くなてしまったオレはきっと単純なのだろうな、なんてことを思いながらオレは未だに喧嘩をしているであろう二人の元へ歩き出した。 「ねぇ、小さい兄者。」 「ん? 何だ?」 オレは小さい兄者に問う。案の定、二人の喧嘩はもう既に終わっていたようだが。 「母者と小さい姉者は何処?」 大きい姉者は、一人暮らしだし聞かなくもいいよな。 あれ……でも……何か忘れてるような。 まぁ、いいや。 すると台所の方から声がした。それと同時に皿のぶつかる音も。 「母者と妹者なら一ヶ月ほど家を空けるって今日旅行にいったぞ。」 答えに困っていた小さい兄者は大きい兄者の声に驚きの顔を見せる。 「ふーん。それは初耳でしたよといってみるテスト。」 「オレもー。」 小さい兄者はいつもの皮肉めいた口調で言った。 「つか、何処でそんな情報をてにいれたんだ。スパイか? それとも盗聴か?」 すぐに返事は返ってきた。 「ばーか。俺みたいなヒッキーにそんな金があると思うか?」 そういいながら大きい兄者はエプロン姿でやってきた。皿洗いごときでエプロンつけるのかと小一時間(ry 「どっこらせと」 そう言うと大きい兄者はいすに腰掛ける。 (「どっこらせ」て中年親父かあんたは…;) 「じゃあ、どうして?」 「今日、妹者が教えてくれたんだ。」 「妹者が!? 俺には教えてくれなかったぞ。」 なんだこりゃ…。 時々思う。こいつらマジで馬鹿なんじゃないかって。 「ねぇ。ご飯は? 母者いないよ。」 「その点については安心していいと思われ。この俺が担当するから。料理には絶対の自信がある」 そう言うと耳元でささやいた。 〔ほら、誰かさんに任せると、料理が真っ赤に染まってしまうからな…。〕 「ップ」 思わずこれには吹いた。 そうだった小さい兄者h… 「全部、丸聞こえだという罠。」 「「!!」」 俺らの後ろには小さい兄者が―― 「二人とも殴られたいようで?」 あははは…… めっちゃやべぇ…… 「ま、待て弟者。事実を言ったまでだ。事実を!!」 大きい兄者が慌ててフォローするが全て無になり終わる。 「そ、そうだりょ…。〔って大きい兄者それ逆効果〕」 「〔そ、そうか?〕」 とてつもない殺気を後ろから感じた…… ひとまずここは…… 『ボッシュート』 チャラッチャラッチャーン ミヨヨーン どこからともなく効果音が流れ、オレは床の中に吸い込まれていった。 「あ、末者逃げたな!」 「さぁて兄者君。遺書は書き上がりましたか」 指の関節がバキバキ鳴る。 「ま、待て、ときにモチツケ弟j「問答無用!」 ああ、二階(!?)まで聞こえてやがる…。 まったく。近所迷惑だっつうの。 「……それにしても退屈だな…。」 真っ先に目に付いたのは馬鹿共のFMV… 「ちっと悪戯してやっか……。」 こうしてオレは、さっそくPCを起動させた。 夕暮れ時。 スーパーから出てきたビニル袋を持ったふたりのフーン族。 「なぁ。弟者…」 アザだらけの顔で問いかける兄者。 「ん? どうした?」 「今日の末者、いつもと感じが違うと思われ。」 俺は少し考え込んでから返事を返す。 「ああ。確かに。違ったな。」 いつもと感じが違った…か。 兄者ってそういう所だけはしかっりしてるよな…。勘が鋭いってことか…。 「そういえば、今日は超能力使ってないよな末者。」 「ああ……ってボッシュートは超能力ではないのか?」 少し間をおいて兄者は知らんと言った。 もし、ボッシュートが超能力なら俺らも使えるわけだし……て、なんかすごいややこしい事になっていないか、これ。 「弟者?どうした?」 「ん?あ、ああ。何でもない。あ、俺急用思い出した。だからちょっと先に帰っててくれないか?」 持っていたビニル袋を突き出す。 「べ、別にかまわんが……なんだその途中で抜け出すためのありきたりの台詞」 ぶつぶつ言いながらも兄者はしぶしぶそのビニル袋を受け取った。 「どこにいく」 俺は少し間を置いてからあいまいに返事を返した。 「…ちょっと、な。」 走り出そうとすれば兄者から制止命令が出される。 「何だ?」 俺は兄者の質問に身構えた。 だっていつも兄者の口から出てくるのはくだらない事ばかりだから…。 「……家ってあの角を曲がったところだよな。」 ああ、なんだか泣きたくなってきた。 「弟者遅いな……。」 「うん。あ、もう九時だ。」 まったく……。一体何処ほつき歩いてるんだか。 俺が家に着いたのは六時ごろ。 それ以来、弟者からは一本の電話もきていない。 …リビングの机には淋しく一人分の夕食が置いてある。 机に頬杖をつきながらうとうとしていると、玄関からドアを開ける音が。 俺はその音にすぐさま反応し末者共に玄関に駆け寄る。 「弟者!! 何処いっt…」 「……。」 ドアから入ってきたのは弟者ではなかった。 「どうして姉者が!?」 「ったくもう。びくっりさせないでよ。電話入れたでしょうが!!」 「すまん。」 まさか姉者だったとは…  しかも電話のこともすっかり忘れてた… 「お久なのりゃ。姉者。」 「ほんと。久しぶりね。末者。…ところでみんなは?」 姉者は家の中を懐かしそうに見回す。 「母者と妹者は一ヶ月ほどの旅行へ。弟者は出かけたまま、まだ戻ってきていない…」 ん?誰か忘れてるような…。っま気のせいだろう。 「そうそう。その事なんだけど、弟者しばらく帰ってこれなって。さっき電話があったわ。」 「それは本当か!?」 「ええ。嘘なんて吐く必要なんて何処にもないじゃない。」 「そうだ。姉者今回はここに泊まるのか? いつも日帰りだったよな。」 すると姉者はリビングの隅においてある大きな荷物を指差す。 「ええ。一週間ほど泊まらせてもらうわ。」 「ところで姉者よ。」 「ん?なに?」 「……飯、食うか」 「さあ、やっとPCが出来るぞ!!」 その言葉を聴いた末者の顔に自然と笑みが浮かぶ。 (いいぞ…いいぞ…そのままPCを立ち上げれば最初に迎えてくれるのは…) (グロ画像――。) 夜。雷が落ちたような悲鳴が響き渡った…。   [[<<>プロローグ ~期限~]]  [[TOP]]  [[コテハン・オリキャラ小説TOP>コテハン・オリキャラ小説]]  [[>>>誘惑]] ここまでのページは軽く訂正をしてありますが、内容は変わっていませんのでご安心ください。

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