「なぁ、しぃはん…。」
何故か不安な声でのーは私に呼びかける。
「どうしたのよ。」
私はわざと冷たく言ってやる。
「……いや、何でもありまへんわ…。」
「じゃあ、聞くな。」




日ごろの私たちのやり取りはいつもこうだ。
手下になめられたらお終いだからな。
「次の魂、探しに行くぞ。」
「はい……。」
私も、もとはのーと同じ魂を狩る死神だった。
ちなみに魂を狩る死神は現世に一般人と同じように普通に暮らせるの。





けれど、私がアブ板(虐殺スレ)に魂を狩りに行ったときだったわ。
ちょうど迷子の赤ん坊がいたのよ。
あ、そうそう。私たちみたいな死神は魂を主食としているの。
そのときちょうどお腹が減ってて、その赤ん坊の魂を食べようとしたら、突然変なモララーがやってきたの。
流石に死神だってばれちゃいけないから、あの馬鹿しぃの真似をしたのよ。
そうしたらあいつどうしたと思う?
いきなり腹を蹴り飛ばしてきて、獲物を横取りしたのよ!




まぁ、お礼に猛毒を彼にプレゼントしてあげたわ。




なんだかんだ言って、私は生きていたのよ。
もう死んだ身だったし。
一時的にあの世に戻ったのよ。
私は二つの顔を持ってたからね♪




でも、まさかそこであいつに会うなんて思ってもいなっかたわ。
無理やり、敵となる死神にしてやったけどね♪






「さあ。ついたわ。」
ここは現世。



おいしいモノが沢山あるところ。
「しぃはん。もうウチ嫌やわ…。」
のーがしゃがみこみ涙声で言った。




そう。のーは好きで死神をやっている訳ではないのだ。





そうなったのは、全てあの日がきっかけ。
兄者と弟者の家族が皆死んだあの日。




その場を目撃してしまったのーに突然与えられた 運命…―――。





「立て。さもなければお前を殺す。」
しぃにそう言われるとのーはしぶしぶ立ち上がる。





それを見るとしぃはいつもの笑顔を浮かべる。
そして、とある場所に向けて指を刺す。
「よし。じゃあ次はあいつを狙え。」



「……わかりました…。」

















一から仕組まれていた運命には、誰にも逆らう事はできないのだ。


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最終更新:2007年08月28日 15:33