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「なあギコ・・・知っているか」

  冷たい雪が降る冬のこと。
  ようやく部活が終わり、俺とモララーは、共に通学路を歩いていた。寒いせいか、早足で。
  モララーとは昔からの幼馴染で、消防のころはよく、二人で悪さしては先生に怒られていたな。こんな俺らも今じゃ厨房の一員だ。
「何が?」
  さっきの呼びかけに疑問符を浮かべる。それに対しモララーは、呆れ顔を見せた。
「何がってギコ・・・お前なぁ。お前の出席番号って『四四』だったよな」
  俺は間をおいて答えた。
「・・・『四四』だけど、それが?」  
  そう。俺の出席番号は『四四』。
  皆、不吉だとか最悪だとか何とか言っているけど、俺には普通の数字にしか思えない。
  だってそうだろ?
  四は『死』を表す。それが? 
  九は『苦しい』? ふざけんな。
  それが嫌なら何で別の読み方にしなかったんだと小一時間問い詰めたい。

  急にモララーが立ち止まった。俺も釣られて立ち止まる。
  車がめったに通らないこの静かな路地に雪は容赦なく、しんしんと、降りつづける。

  ようやくモララーが口を開けた時には雪は不思議なことに止んでいた。

「俺たちの中学に代々伝わるマジ話なんだけどさ。ギコ、お前は知っておいたほうがいいぜ。『死に神様の呪い』をな」


第一章 始まりの宴

「ごめん。それはとっくの当に知っている」
  よっぽど驚かせたかったのか、顔がムスッと膨れた。
「ったく、ギコはつまらないんだからな! もう帰る!」
  モララーはそう言うとそそくさと歩いて去っていった。俺は笑いを堪えながらじっと、見つめていた。それから、家と正反対の方向へゆっくりと歩き出す。
  どうせ俺は、つまらない生き物ですよ。

  さっ、とモララーが逃げていった方向に振り返る。むろん、モララーの姿はすでにない。
「……死に神様の呪い、か」
  それを知ったのは中学に入学したての頃だったような気がする。

  それは今から九ヶ月ほど前の話だ。
  俺がまだ、自分の教室がどこにあるのかすら分からなかったころ。
  たしかその時は運悪く、クラスメイトとはぐれて校内をさ迷っていたような気がする。

  突然、大きな脱力感に襲われて近くの空き地の雪の上に寝転ぶ。
  やっぱ、冷たい。
  背中全体に伝わってきた。
  自然とまぶたが重くなる。
  ああ、そういえば最近寝不足だったっけ……。
「少しぐらい、寝ちゃおうか……」
  俺は重くなるまぶたに抵抗しなかった。


  俺は学校の中にいた。
  しかし、すぐにそれは夢だということに気がついた。

「くそ・・・。ここは大きな迷路みたいだな・・・」
  うつむいていた顔を上げる。下ばかり見ていても解決策は出てこないからだ。
  すると前方には、しぃ族の女子がこっちに向かって歩いてきていた。
  あまりにも白すぎる眼に、嫌気がした。

  俺を見つけると、スリッパを鳴らして駆け寄ってきた。
「あ、あの・・・。は、はじめまして」
  彼女につられて俺も声にならない声で挨拶する。
「えっと、私、一年三組の、しぃ、って、言います」
  不自然な間が気になったが、このまま黙っているのも悪いと思い自己紹介する。
「俺は……一年二組のギコ・ハニャーン。ギコって呼んでくれ。よろしくな」
  しぃ歓迎するかのように、手を差し伸べる。
  しぃは満面の笑みを浮かべ、俺の手を握った。

  氷のように冷たい感覚がした。
  やけに体冷たくないか・・・?
  俺はその言葉を飲み込んだ。

  気を取り直して、しぃを見つめる。何処からどう見ても、普通のAAだった。足もちゃんとある。疑った自分が馬鹿馬鹿しく思えた。
「いきなりで悪いけど、しぃも迷子?」
  俺の呼びかけを華麗にスルーして、別の話題に呼び込んだ。
  せっかくのイイ話題だと思ったんだがな・・・。
  貴方とは違うのよ、とでも言いたげにしぃは俺に問うた。
「ねぇ。ギコは『死に神様の呪い』って知ってる?」
「……なんだそれ」
  俺はため息を漏らした。
  また怪談話か、そう思ったから。
「へぇ……知らないんだ。なら教えてあげる。確か番号四四だったよね」
  しぃのその言葉に俺は耳を疑った。
  しぃに出席番号まで教えた覚えはない。
  なんで知っているのだ?
「どうして……。どうして俺の出席番号知ってんだ?」
  俺は唖然としてしぃを見つめた。しぃはニッコリと笑っていた。
  気を紛らわしたくて、近くにあった時計を見る。針は『十二時三五分』さしていた。四時間目終了まであと五分だ。俺はひたすら早く時間が過ぎることを願った。
  何故って? とっても嫌な予感がしたからさ。
「なんとなく。そんな感じがしたの」
  なんとなくで相手の出席番号を当てられるものだろうか……。
未だに唖然とする俺にしぃは腕輪を差し出してきた。腕輪は漆黒色で、俺の恐怖心をふくらませる。俺はおそるおそるそれを受け取った。
「この学校のどこかには深紅色の階段が存在するのよ。普通の人が通っても、普通の階段にしか見えないんだけど、ある一部の人には血に染まった階段に見えるんだって。でね、そこには死に神が住んでるって言われてるの。とくに出席番号が四四の人は注意よ。呪いをかけられるわ」
  時間が止まっているような気がした。
  心臓が高鳴り、冷や汗が背中を伝う。
  しぃは俺の手の上にある腕輪を指差す。
「で、この腕輪はね・・・」



何か言いたいことがありましたらドゾ↓
  • 感想・・・良いですか??ホラーは苦手ですが、これは面白いですねww -- yori (2007-03-15 17:51:03)
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