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ここは貴方の裁きを下す所…



ようこそ



あの世へ






死神さんとぼくら
        第一章 死神しぃ
 一人目 ギコ

「…なさい。起きなさい…」

「あ、あれ?俺 死んだはずじゃあ…」
そう言うと、このギコ族の男は(そのまんまギコだけど…)あたりを見回す。
下も上も黒い雲で覆われたここ、あの世を…
「そうよ。だからここに私がばっちりと居るのよ。」
「お、お前誰?」
ギコは驚いて私を指差す。

お、お前、普通に見りゃ分かるだろ。
この黒い服!!これが現世の人間に見えるかぁ!?
こいつ絶対馬鹿。うん。馬鹿。絶対。

分かんないから聞いてるんだよねぇ。分かった分かった。教えてやるよ。

「私は『死神』よ。ようこそあの世に…。」
「あの世?…やっぱり俺 死んじゃったか…」

は、はぁ!!さっきお前自分で「死んだはずじゃあ」とか言ってただろうが!!

「貴方、何で死んだのか自分で分かってます?」

ここで「分かりませーん」なんていったら……

「勿論。病死だろ。覚悟はしてたんだけどな…」

あら。以外。
ん?「覚悟はしてたんだけどな…」って…もしかして

「もしかして、まだ現世に未練があるようで?」
ギコは気まずそうに言った。
「…あぁ。あると言っちゃあ有るんだがな…」


………居た。



「どうします?」

「どうするって?」

…おい;

「三分だけ幽霊になって、やり残したことをする事が出来ますよ。もちろん物を持ったり、霊感のない人に会うことなどは不可ですが…」
「……。」

「ただし」
「…?」
「現世の人間に何か危害を加えたり、ましてや呪い殺す(霊はやろうと思えば出来てしまう)なんてしたら…」

手に大きな鎌を出す
「この鎌で、貴方の魂を切り、輪廻転生の輪からはずされる事になるわ。さぁ。どうするの?」

ギコは少し考えてこう言った。
「…このまま成仏(?)することは出来るのか?」

え!?

「も、勿論。でもそれでもいいの?未練があるのでしょう?」



しばらく続く沈黙



先にこの沈黙を破ったのは彼の方だった
「……成仏する…。
死んじまったもんはしょうがないだろう?」
正直驚いた。
そんな選択をする人がいたなんて…
「それでいいのですね?後悔はしませんね?」
「ああ。俺は成仏する。」
彼の目は、皮肉にもとても生き生きとしていた。


「わかりました。」


「…では貴方に裁きを下します…」
片手を天に向かって上げる…




手には白いカード。
「裁きが下りました…」

「……」

「さぁ、この道をお行きなさい。」
「…なんか世話かけちまったな。」
「いえいえ。これが『死神』の努めですから…」

「じゃあな、俺いくよ。ありがとな。」
彼は手を振ってその場を去って行った…。

「……。」


私は気づけば彼にそっと微笑んでいた…



「行っちゃったか…。」


世の中こんな人ばかりだったらいいのに。


馬鹿を除いて…ね。





私は『死神』
輪廻転生からはずされた者…



 一人目 ギコ FIN






 二人目 フーン


ここは現世
 人通りが少ない踏み切り付近


「あ~あ。頭いてぇ。」
(二日酔いかよ…。流石だな…)
急ぎ足で歩く、灰色のAA=フーン

カン カン カン カン

(くそっ、遮断機が下がりやがった。急いでるてぇのに…)
フーンはさも機嫌が悪そうにつぶやく。すると、
「…モニャァ!足が外れにゃいモニャ!」
(…子供?何してんだ…)
線路に足が挟まり、身動きが取れない子供のモナーが…

ブォォォォン!!
と鳴る、すぐ近くまで迫った電車の汽笛!
「モニャ!」
(っち、仕方ねぇ!)


バァン!!!

    ボタッ!!




ポツ… ポツ… ポツリ…
と雨が降り出す…
「………。」
しばらく続く沈黙…
ザァァァアア…
「おじさん…?」

子供が見つめる先には…灰色のAAの姿…

カン カン カン… 

ザァァァ…

「…ねぇ、おき…てモニャ。おきて…よ…。ねぇ…」





~~~~~~~~~~~ 

 ようこそ、あの世に…


ふと、聞こえた声…

「…ん、ここは…あの世…?」
反射的に答える。
「はい、ここはあの世です…」
そこに居たのは、ギコ族で女の死神…
フーンはあたりを見回す。そして
「フーン。じゃあ俺は死んだってことか。」
なんてこともない顔でつぶやく…。すると、その死神は優しそうに言った。
「そうです。電車にはねられそうになった子供をかばってね。」
(フーン…)
「ところでさ、何でそんな足が見えなくなるくらいの長い黒い服着てるわけ?おまけに肩には大きな鎌まで。」
からかい半分で聞いてみる。
「え、…私は『死神』ですから…;」
「フーン。死神なんだぁ。ップ!」
(手ごたえありぃ!!)
「…。」
(な、何なのこの人…;見て普通わかるでしょう!!…;)
「は、はじめに聞きますが、貴方は現世に未練がありますか?」
いつもの調子を取り戻そうとがんばる死神…
「フーン。未練ねぇ…。」

「お望みなら、3分だけ幽霊になって現世に戻ることができます。」
「フーン。」
「それを悪用するも、善用するかは貴方次第ですよ。ただし悪用した場合はそれなりの罰が貴方に下されます…。」
フーンは、何か言いにくそうに言った…
「…少しだけ時間をくれないか?なにも現世に戻りたいと言っているわけじゃないからな。」
「わかりました…。時間を差し上げましょう…。」
(いったい何をするつもりだろう…)



「さぁ、貴方の選択を教えてください。これ以上の時間は差し上げられません。」

「…現世には行かねぇ。」
「そうですか…」
するとフーンが一枚の封筒を死神に差し出す。
「あのさ、これヅーに渡してくんねぇかなww。」
「か、かまいませんが、貴方が直接渡せばいいじゃないですか…。」
そう言うと、フーンが、(照れているのか?)言い返す。
「ヤダwめんどくさいwwそれにあいつがおどろくww」

(いや、あんた私がなんだかしってるはずじゃぁ…)

「わ、わかりました…;渡しておきましょう…」
「見るなよww」
(だから、そう思うなら自分で渡せと…)
「み、見ませんよぉ;」
「フーン。本当か?」
ニヤリと笑いながら死神に話しかける
「見ませんから…。本当に…;」
(この人、いったいなんなの!?)

「もう一度聞きますが、本当にいいのですね…。」
「クドイ。」
きっぱりと答えられた…
「……;」
「でさ、はやく決めてくんない?俺の道。」
「わかりました…。」
片手を天に向ける。
「裁きのときです…」
「……。」




手には黒いカードが。
「…。裁きが下りました…。」
「フーン。」
「どうぞ、あの道です。」
死神は一本の道を指差す。
「…。なぁ。あの子供はどうなったんだ?」
「あの子のことですか?残念ですがそれはわかりません…。一人一人見ているわけではないので…」
「フーン。」
「さぁ、お生きなさい。」
「ップ。ありがとよ。あの手紙たのんだぜww」


「……。」
彼女の顔には笑みがあった

「どうしたモナ?しぃ?」
「モナ先輩…」
彼はモナ先輩。文字どうりしぃの死神としての先輩。彼の特徴は右耳に二個のピアスといったところだろう。
「何か悩みでもあるんならモナに話すといいモナ。」
モナーが心配そうに訊ねる。しぃは明るくこう言った。
「いいえ。何でもありません。だいじょうです。」
「そうモナか…。それならいいモナけど…。」

「…ちょっと出かけてきますね。」
「っえ?何処行くモナ?」
「秘密です!」
「もったいぶらないで教えてほしいモナ!!」
「やーです。」
「モナァァァ!!」
「…;」
(はぁ、またこれだ…)



 現世

「あ、いたいたあの子がヅーちゃんね。」
この手紙をっと。

~~~~~~~~~~ 

「ア~。キョウモツカレタナ~」
ヒラリ
「ン?ナンダコレ?」
ヅーの目の前に一つの封筒が…
ヅーは、あたりを見回し、ここには自分しかいないことを確認する。
「オカシイナ…。ッマトリアエズナカヲミテミルカ!!」
封筒の中には、紙が一枚入っていた。ヅーはその紙を広げた。
「…エッ。」
彼女の頬に一粒の涙…

「さて問題です。
手紙には、なんて書いてあったでしょうか?」



 二人目 フーン FIN








           間章1

「しぃさ~ん!!」
一匹のAAが汗だくになりながらもこちらにかけよってきた。
「あら?モラ君どうしたの?」

彼はモララー。左耳に一本の切れ目が特徴。新人の死神で、私の後輩。
もし、生きていたとしたら小学生の中学年ぐらいの精神年齢…

「しぃさんは、何で、死神になったんですか?ハア…ハア」
息が切れてる…
「そ、それだけのことを聞くためだけにここまできたの!?」
「は、はい…」
私は今とある用事のため現世に来ていた。人通りが少ない裏路地。天界(あの世)から、ここまで来るにはかなりの体力が必要で、それはモナ先輩でも私でも大変なことことだ。
「全く…。じゃあ質問に答えるわね。」
モラ君の目からは、とても気持ちが高ぶっていることがわかる…
「やったぁ!!」
「あのね…」
言いかけたそのとき、後ろの方から新たな声が
「しぃは~ん。そないとこで何やってはるんですか?」
すると、モラ君が
「げ、現世の人間!?」
っと、驚いて言うので、そっとつぶやき返す。
「そうよ。」
彼女は『のー』。現世の人間(正しくはAA?)で、私がまだ生きていたころの友達。実際にはいまでもそうだけど…
彼女には、かなりの霊感があって浮遊霊だけでもなく、死神や怨霊まで見えたりする。
「しぃはん?誰やそいつは?」
のーが不思議そうに問いかける。
「あぁ、この子はね、私の後輩のモララーよ。」
「は、はじめまして!!よよ、よろしくおながいします!!」
がちがちに緊張しながらも挨拶
「そうかぁ、かわええなぁ。緊張しとるんか?っま、お仕事がんばってや。」
のーは、優しくモラ君にはなしかける
「あ、ありがとうございます!!がんばります!!」
(やったぁ。ほめてもらっちゃった♪)

「しぃはん。もうわい行くで。」
「そう。じゃあまたどこかでね。」
のーの姿が見えなくなるまで二人で見送った…


 しぃ→モララー

[ねぇ、しぃさん。ひとついい?」
「ん?別にいいわよ?」
どんな質問でも答えますよと言っているみたいな顔だ…
「僕まだよくわからないんだ。僕たちは天界に住んでるじゃん。(居るといったほうがいいかな?)」
「ええ、そうよ。っで?」
しぃさんの顔が引きつる。なんかまずいこと言っちゃったかな;
「その、なんていったらいいのかな…?天界に居る僕たちはこの現世に行くことができるよね…。だから他の事は可能なのかなって?」

しぃさんはしばらく考えこんでからこういった。
「ええ。可能よ。さっき私たちが現世に行ったようにね。ちょっと待ってて。」
しぃさんはそう言うと一枚の紙に何かを書き始めた。

しばらくしてその紙を僕に突き出す。
「こ、これは?」
その紙には、こう書いてあった。

『天国
 |↓
 |天界(あの世)
 | ↑↓  |
  L→現世 |
        |
 地獄←――」 』

「この世界はね、上から天国、天界、現世、地獄、となっているの。
この矢印は、『そこには移動可能』ってことを表してるわ。」
へぇ~
「じゃあ、天国から天界に行ったときは天国には戻れないの?」
「いいえ。戻れるわ。ただし、地獄から天界にはある時を除いてはもどれないわ。」
ある時?それってもしかして…
「そのある時ってもしかして…」
「そう。月に一回ある新しい死神を選ぶときよ。」

やっぱりそうだったんだ…
「さあ、次の当番はモラ君よ。がんばって、死魂をみちびいてあげてね。」
「はぁい。」



なんか忘れてるような気がする……




        第二章 死神モララー

現世 夕方ごろ

ここはとある病院
そのうちの個室で二人のAAがいた
ベットに横たわっているのはフーン族で水色のAA
そしてそれを静かに見守る同じフーン族で黄緑色のAA

ピッ ピッ ピッ ピッ 

と水色のAAの心拍数を告げる
「弟者……」
心配そうに見守る中そっとつぶやく黄緑色のAA

突然!
ピーーーーーー(ry

弟者と呼ばれたAAの心臓が停止したことを告げた
「そ、そんな!…と者?弟者!?」

そのとき異変に気づいた医者が部屋へ飛び込んできた
「せ、先生!お、弟者が!弟者が!!」
「落ち着くんだ。兄者くん…」
「っえ…?」
この言葉には何で俺の名を知っている
という気持ちも込められていたが
ある別の気持ちの方が大きかった

「弟者……」




  サヨウナラ



~~~~~~~~~~~~ 

 三人目 流石弟者


「ようこそ。いらしゃい。」


「こ、ここは?お前は…死神?」
「ここはあの世。そして僕は死神。」
今回の魂はフーン族かぁ…。
しぃさん、フーンにはけっこう苦労したとか言ってたなぁ……
そういえばこの人体中傷だらけだけどうしたんだろ?

「な、なぁ…。なんで俺ここに居るんだ…?い、いつのまに!?」
…違う意味で苦労するかも…
「ハァ…。そういう魂って本当に困るんだからな。」
「すまん。本当に知らんのだ…」
「じゃあ、教えてあげるよ。君はついさっき病院で息を引き取ったのさ。」
「そうか…」
「何一人で納得してるの?」
「話すと長くなりますが、何か?」
「別にかまわないけど…;」
ちょうど一話一話が短くて困ってたんだぁ

「じゃあ話すぜ。」



「俺は流石 弟者。
流石家の次男として生まれた。
ちなみに兄とは同い年だ。つまり双子。
流石家は…まぁ普通(?)の家族さ…;」
「な、なるほど…;」
普通って言うのかな…?ここ天界でもある意味有名なんだけどなぁ…
「で、家は知らないうちに大量の借金を抱えていたみたいで…」
「それは、それは…」
お気の毒に…
「やっぱ毎日借金取りがくるわけよ。やくざ五人がな。
っでそいつらは俺と兄者に毎回毎回一本ずつ傷をナイフでつけていくんだ。
『大丈夫。いたくないよ』って。
はじめは足、次は手、胴、頭、耳、と」
「……。」
「ちなみに母者、父者はどっかに連れて行かれた。
妹者や末者が居たから母者はおそらく手出しできなかったんだろうな。」
もう借金取ちゃうやん…

「最終的には、末者も妹者も殺されて…。俺たちは何にもしてやれなかった…。」
ひどい。てか作者…。無理ありすぎなんじゃ…?
「家に残ったのは俺と兄者だけ。俺は変な薬を飲まされ続けた。おそらく麻薬だろう。兄者は痛々しいほどの暴行を受けてたな。」
「信じられないことする人が本当に居るんですね。」
まさかとは思うけど、リアルにはいないよな…。ねぇ。
「続けるが、明くる日。借金取が来なくなったんだ。俺と兄者は大いに喜んださ。けど、母者たちはいつまでたっても帰ってこなかったんだ。」
「え!それって、ま、まさか…。」
「そう。母者たちはもう地上にはいない…。」
よほどの借金だったんだね…。
…しぃさんは何か知ってるかも?
「で俺は誓った『必ずしやこの手で奴等に仇を討つ』ってな。」
「で、全員殺れたんですか?」
そう言うと弟者さんは僕と目を逸らしてこう言った。



「一人だけ生き残った…。」




「弟者さん、一つ聞いてもいいですか?」
「ん?何だ?」
弟者さんの目は不安に満ちていた。
「未練ってありますか?」
突然目つきが変わる。
「あるさ。あるに決まってる。」
やっぱり、生き残った最後の一人の…。
「じゃあ、現世へ?」
僕の心を読んだのか、こう言った。
「俺の未練はそっちのことじゃない。兄者だ。」
「貴方のお兄さん?」
今にも泣き出しそうなのがわかる。
「そう。兄者は今一人だろ。あいつ、一人じゃ何にも出来ないんだ。殺しを働いたのは俺だけであって兄者は何にも関係ない。」
「では、貴方の望みは何ですか?」
弟者さんは今までにもない真剣な目つきでこう言った。





「俺を死神にしてくれないか。」






 三人目 流石弟者 FIN






              間話1

「モナァさ~ん!!聞いてくださいよぉ~。」
「ど、どうしたモナ?」

甘え口調で問うモララーにモナーはたじろぐ。

「弟者さんのことなんですけど~。」

その口調はやめて欲しモナ、と思いながらもモナーは聞くことにした。

「ああ、モララーが迎え入れた新入りさんモナ?」

そう、モララーはあの後、彼の願いを叶えることにしたのだ。
彼、弟者は兄を最後まで見守りたいと言っていた。

「そうです!!弟者さんのことです!!死神の儀式が終わった後『お疲れ様』って話しかけたら弟者さんなんていったと思いますか!!?」 

必死に訴えかけるモララー。

死神の儀式、それは死神になるための儀式のこと。
足を切り落とし、記憶を消す。そして死神の力を与え、コレで完了だ。
記憶はある程度必要な部分は残しておける。

「え?なんていったモナ?」

「『うせろ』って言われたんです!!」

ああ、それにショック受けたモナね…。



「どうして人に対してあんな事が言えるんでしょうか!!?モナーさん!!」



そっち…?
記憶が消えるから性格が変わるのは仕方のないこと…。

モナーも、しぃも、モララーも例外ではない。

「ねぇ、モララー。」

「どうしました?モナーさん。」

「モナ、モララーにモララーが死神になる前の話ってしたモナっけ?」

モララーは、こぶしを顎に当て、しばらく考えてからこう言った。

「いいえ。聞いてません。」

モナーはにっこり笑うと、じゃあ教えるモナね、と言った。


~~~~~~~~~~ 
今から約一年前

ここは、しぃ虐待スレッド…――

「ヤメナサイヨ。コノギャクサツチュウ!!」
一人のしぃが、ベビしぃを抱えて一人の男に叫んだ。
するとその男は母親のしぃを蹴飛ばす。
「ハニャ!!ワ、タシノベビチャンガ!!」
ころころとべビしぃが男のそばに転がる。
「お前らみたいな糞虫がいるかぎりやめねえよ。」
その男、「モララー」は傍に居たベビしぃの頭に足を乗せる。
「ハ、ニャ…。」
ベビしぃは母親に助けを求めるように声を上げる。
がモララーはそんなのはお構いなしに踏みつける力を少し上げる。
「ハニャ!!モララーサンダッコスルカラベビチャンヲユルシテ…。」
ベビの母親がモララーに泣きながらよってくる。
「ふーん。ダッコねぇ…。」
モララーの顔に笑みが浮かぶ。
「いいぜ。ダッコしてやるよ。」
「ハニャ!!ホント!!?」
モララーが来いよと言わんばかりに両腕を広げる。
母親しぃが腕に飛び込もうとし、ジャンプする。
しかしモララーの足の下にはベビしぃ…。
この状態でダッコ=体重が加われば…。


グシャッ!!


この通り潰れる。
「ベ、ベビチャン!!!?」
モララーは母親しぃをドカッと下ろすと、しぃ親子に背を向け歩き出す。
「お前のベビしぃは、お前が殺したんだ。っけいい気味だ。」

しぃは変わり果てた自分の子供をしばらく見つめる…。
そしてモララーへと視線を変えた目は誰が見てもわかるほど恨みがこもっていた。
足を地面にけりつけ、拳を強く握りモララーに飛び掛る。
「コ、コノギャクサツチュウ!!」


ッバン!!


しかし、しぃの拳はモララーの手によって止められた。
「この俺がお前のような糞虫にやられるとでも思ったか?」
このモララーの余裕な顔…。
それを見てしぃは一瞬笑い、っふと倒れた。
「…おかしいな、まだ何もやってないのに…。」

モララーはそのままこの場を立ち去った。
自分の子供の後を追っていったこのしぃの手には小さな針。
笑いながら死んでいったこのしぃに気づかないままモララーは我が家へと帰った行った。


「ただいま~。」
「おかえりモナ。」
帰宅したモララーをモナーは快く向か入れる。
ちなみにモナーとは同じ屋根の下で暮らしている。
それに同じ虐待・虐殺仲間だ。
「今日、処置した糞虫はどのくらいモナ?」
モララーは、はあとため息をつくとヘタっと座り込む。
「今日は、たったの42匹だからな…。」
処置した数までもを覚えているモララーをモナーはすごいと思った…。


遅いながらもモナーはモララーの異変に気がつく。
「どうしたモナ?顔色が悪いモナよ?」
モララーはぐったりと床に倒れこむ。
そしてとても辛そうだった。
「…くそ…、何故だ…目の…前が…ゆが…ん…で…やがる…。」
めまいの原因はモララー本人にも分からないらしい。

一方のモナーは無二の友の突然の危機にどうしていいか混乱していた。
「と、とにかく、もう喋るのはやめるモナ!え~と…今助けを呼んでくるモナ!!」
モナーはそう言うと助けを呼ぶために家を飛び出していった。
「……馬鹿が…。」
モララーは最後の言葉をそっとつぶやくと目を閉じた…。

自分はもう生きられない。

モララーはそう悟った。


最後に殺ったあのアフォしぃ…。
笑ってた理由がやっと分かった。

自分の命と引き換えに、糞虫たちを救ったんだ。

くそ、相手のほうが一枚上手だったか…。

モララーは一人自分の家の中で息を引き取った…。



…―ウフフ…。

お前は…、あのときの糞虫…。

ってあれ!?俺死んだんじゃ…ないの?

―フフフ…。

な、何笑ってやがるんだ!!

―だってぇ…、貴方本当の馬鹿みたいなんだもの。

は?


「さあ、仕事しなくっちゃ。
ごめんね。私は死神。貴方の魂の行き先を決める死神よ。」
「し…に神?……はぁぁ!!!?」
突然のモララーの大声にしぃは耳を塞ぐ。
「あんたは私ほど馬鹿じゃないんだから、静かになさい!!」
以前と感じがかなり変わってしまった、アフォしぃをモララーは呆然と見つめる。

糞虫の笑みとは違う笑みを浮かべるしぃにモララーは問う。
「お前、俺を恨んでないのか…?」
「どうして?」
「いや…どうしてって…。」

どうしてって俺はお前の子供を…。


モララーは自分の中に初めて芽生えた「情」という芽に戸惑っていた。
いつものモララーならすぐに摘み取っていたであろう。
けれど、彼は摘み取らずに水を与えた。
もう、以前のようなモララーではないということかもしれない。

「私は貴方のことは恨んでなんかないわよ。」
「っえ?何で…。」
フフっと笑うとしぃは、少し潤んだ目で言った。


「だって私、前世の記憶なんてないもの…。」

この言葉を聞いた瞬間、モララーの中で何かが音を立てて崩れ去っていった…―。

~~~~~~~~~~

「ってな話モナよ…ってあれ?」
モナーの隣には、すやすやと寝息をたてているモララーがいた。
「…ふふ。ほんと、死神って不思議モナよね…。」

前世で虐殺を平気でやっていた香具師は、今では子供のように無邪気に…。

前世では虐められてて、弱かった香具師は、今ではしっかり者で頼れる存在に…。

前世ではとても思いやりがあって、家族思いだった香具師は、今では孤独を望む、冷静沈着な香具師に…。

そして、

前世ではある男の大親友のふりをして影から殺そうとしていた香具師は、今では影でそいつをひっそりと見守っている…。


天界には 時間 と言うものが存在しない…。
だから、年を取る速さは、そいつの心によるんだ。

鬱々しいことばかり考えていると、年を取る速さは早くなる。
でも、逆に明るいこととか楽しいことばかり考えてると年を取るのは遅くなる。

死神でいられるのは100歳まで。
現世でたとえる、60歳くらいだ。



でも、皮肉なことに、『本物の死神』が誕生した。

「来たか。」

そいつは、善悪問わずに人を狩って行く死神。

「呼ばれんでも来てやったで。」

モララーとしぃがお前を見たら、どう思うかな…。

このモナでさえも深い傷を負ったっていうのに。

「今日は、あんたの魂もらっていくで…。」

そいつは皮肉めいた笑みで笑うと、手に持っていた大きな鎌を振りおろした…―。

間話 FIN






 最終章 死神弟者



運命ってとても残酷だよな。


あ~あ…。

こんな考えを持っちまったのは、あんたに会ってからだたっけなぁ…。


~~~~~~~~~~~~~~~


他人に裁きを下すのは死神だって決して楽じゃない。


だって、この俺の手で亡霊の行き先が決まるんだろ?


もう、はらはらドキドキの連続だぜ…。



お、こうしているうちに客人だ。

俺は座っていた黒い雲から飛び降りる。

「へぇ…。お前死んじまったのk…。」

いつものように皮肉を交えた口調で言ってやろうとしたんだが…。

緑色でフーン族。
そして八頭身のお前は……。



……誰だ?

「ん?お前…どうしたのだ…。」

…何故お前なんぞに心配されなきゃならねえんだ?
「何でもねえよ。」
冷たく接する俺に対しあいつは声を上げて笑いだす。
「な、何がおかしい!!」
それでもまだ笑い続けるので俺は床の黒雲を少し引きちぎって投げてやる。

ゴチイィンッ!!

…あ、やべぇ……。





「ったく。亡霊に怪我をさせるなってあれほど言ったじゃないですか!!」
「…すまん。」
あ~あ…。
また説教だぜ…。
モララーの説教は段違いに長いんだよなぁ…。
「これでもう何回目だと思ってるんですか!!?」
「42731回目…。」

向こう側で一人ぽつんとたたずんでいるあの緑。
どっかで見たことあんだよな…。

「弟者!!」
「はいぃっ!!?」
自分でもワケの分からない声が出る。

突然あの緑が駆け寄って来た。
「お取り込み中スマンが…」
緑の視線がモララーから俺に変わり、緑は涙を浮かべる。

「やっと会えたな、 弟者。」



そうか、お前は―――。





だめだ、分からない…。

「いきなりなんだよ。し か も 誰だよお前。」
緑とモララーの顔が一瞬引きつる。
「弟者!!」
耳を塞ぎたいほどの声でモララーは怒鳴る。
「知らねぇもんは仕方ねえだろ!!」


後ろで地面(黒雲)を蹴る音がした。

「おい緑!!そっちは危ねぇ「兄者待つんだ!!」



― 兄 者?

モララーは兄者を追いかけて行ってそして見えなくなった。


俺はヘナっと地面に座りこむ。
そういやあ…しぃが俺が死神になりたてのころ何か言ってたな…。



―弟者君は弟者君のお兄さんに会うために死神になったのよ。


  俺に兄貴が居るのか?――


―ええ。名前教えなきゃね。え~と名前は…



俺は立ち上がるとモララーたちを追いかける。
「待て二人とも!!そっちには…」

そっちには―――

              魂を糧とする死神が居るんだぞ――!!

頼む…。間に合ってくれ…。


「兄者ぁあ!!」



~~~~~~~~~~~


『運命』って残酷すぎるよな…。


だって折角の出会いを無様にも 引き裂きやがったんだぜ。



嗚呼…。


どうしてこっちの世界に来ちまったんだよ…。


どうして馬鹿な俺のことを今の今でも覚えてたんだよ…。


まだ何も聞いてねえよ…。


楽しいこととか沢山あっただろ?


嬉しい事とか沢山あったろ?




なぁ…聞かせてくれよ…。




どうして俺をかばったんだ―――?


「あ、…兄者?」
俺は唖然とする。
何故なら、今俺の目の前で兄者が死神の大鎌にさされて倒れているから。
血を流して――。
「うぅ……と者ぁ…。」
兄者が涙目になりながらも必死に俺に何か伝えようとしている。

兄者が何か言う前に俺は兄者の口を閉じさせた。
「おk。お願いだからもう喋らないでくれ…。」
それでも兄者はスースー言っているのどで話そうとする。
「…つ…けた…んだ。…いごの……一人を…。」
体よりも感情がいち早く反応した。
俺はわざと強く言う。
「…本当か。」
声が途切れ途切れだが、言いたいことはよく分かる。
兄者は続ける。
「…そいつは……死神で…お…前にあわ…せて…やる…て…がはっ!!」
突然兄者が血を吐き出した。
俺はすぐに兄者に話しかける。
「兄者、いいから黙れ。言いたいことは分かった。けど一つ言わせてくれ。」

向こう側で静かに座っている死神はこの俺の言葉を聴いて深い笑みを浮かべる。


モララーは皮肉なことに大鎌の餌食となってしまった。



ちなみに死神などといった霊族は血を持たない。
それと、ここには血を持った香具師は入れない。
が、勿論例外もある。

霊に魂を売ったときだ。

「何でこんな馬鹿なことしたんだ。兄者。」

そのときだけは、ここに来ることが出来る。
たとえ血を持っていてもな。


「…ご…めん。」
兄者はそう呟く。
兄者の全身から力が抜けたのが分かった。
「…兄者。」



俺の目から何かが握ったこぶしに滴り落ちる。


あともう一つ。
魂を売った香具師のその後は必ずっていいほど死んでゆく。(魂のその後は買った霊が勝手に決められる。)
しかもその魂はこの世の規則を破ったことになるので、地獄よりもはるか下にある、名前は知らないがとにかくそこに送られる。
勿論輪廻転生の輪からは外される。
それ以上に辛いのは、自分の存在がこの世の全てから消えてしまうことだ。


死神が立ち上がり俺に近づいて言う。
「悪いのはウチや無い。あいつや。」
死神はいつの間にかに姿が消えてしまった……あいつが悪いと言う。


死神のその顔に俺は顔をしかめた。
「お前……さっきからどっかで見たことあると思ったら…のーだったのか。」
こんなときも冷静な弟者にのーは笑いかける。
「ああ。そうや。ウチはのー。そして…」
のーのその言葉に弟者は数歩引き身を屈めた。
「…そして…なんだよ。」
のーは少しだけくすくすっと笑うと弟者の後方を見つめる。

「そして、ウチんとこのリーダーは…」


弟者の首につめたい何かの金属が触れる。

後方から笑いを堪えたような声が聞こえた。
「私よ。弟者…。」
その声は皆が信頼し、頼りにしていた同じ亡霊に裁きを下す仲間―――

「どういうことなんだよ…
















                             しぃ…。」










第…話 

「なぁ、しぃはん…。」
何故か不安な声でのーは私に呼びかける。
「どうしたのよ。」
私はわざと冷たく言ってやる。
「……いや、何でもありまへんわ…。」
「じゃあ、聞くな。」


日ごろの私たちのやり取りはいつもこうだ。
手下になめられたらお終いだからな。
「次の魂、探しに行くぞ。」
「はい……。」
私も、もとはのーと同じ魂を狩る死神だった。
ちなみに魂を狩る死神は現世に一般人と同じように普通に暮らせるの。



けれど、私がアブ板(虐殺スレ)に魂を狩りに行ったときだったわ。
ちょうど迷子の赤ん坊がいたのよ。
あ、そうそう。私たちみたいな死神は魂を主食としているの。
そのときちょうどお腹が減ってて、その赤ん坊の魂を食べようとしたら、突然変なモララーがやってきたの。
流石に死神だってばれちゃいけないから、あの馬鹿しぃの真似をしたのよ。
そうしたらあいつどうしたと思う?
いきなり腹を蹴り飛ばしてきて、獲物を横取りしたのよ!


まぁ、お礼に猛毒を彼にプレゼントしてあげたわ。


なんだかんだ言って、私は生きていたのよ。
もう死んだ身だったし。
一時的にあの世に戻ったのよ。
私は二つの顔を持ってたからね♪


でも、まさかそこであいつに会うなんて思ってもいなっかたわ。
無理やり、敵となる死神にしてやったけどね♪




「さあ。ついたわ。」
ここは現世。

おいしいモノが沢山あるところ。
「しぃはん。もうウチ嫌やわ…。」
のーがしゃがみこみ涙声で言った。


そう。のーは好きで死神をやっている訳ではないのだ。



そうなったのは、全てあの日がきっかけ。
兄者と弟者の家族が皆死んだあの日。


その場を目撃してしまったのーに突然与えられた 運命…―――。



「立て。さもなければお前を殺す。」
しぃにそう言われるとのーはしぶしぶ立ち上がる。



それを見るとしぃはいつもの笑顔を浮かべる。
そして、とある場所に向けて指を刺す。
「よし。じゃあ次はあいつを狙え。」

「……わかりました…。」















貴方には何時どんな時にも『信頼』出来る人が居ますか―――?



管理人の処女作品です。
完結させるのに半年近くはかかりました;
でも完結させた後の達成感は言葉では表せないほどですw

元ネタは『死神さんとぼくら』から。
内容の方は全く違ってますのでw
元ネタは始めの方を参考にさせてもらいました(有難うございます


何か言いたいことがありましたらドゾ↓
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