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現在 夜11:00―




今、俺は俺に宛てられた部屋に居る。
ちなみに弟者は別の部屋だ。




千の話によるとここは俺と同じ三次元出身者が作り出した。そいつは今は三次元に居るらしい。
異次元に住んでいる人たちのことを『データ』といい、俺たちみたいな三次元出身は『実体』と言うらしい。何故『データ』と言うのか。それはその言葉の通りやつ等がデータだかららしい。データと言っても実体と同じように生きているし、死ぬこともある。
ちなみにシーンはデータらしい。(実体は「実現している体」の略だ)
さらに、実体は異世界に行くことが出来るが、データは三次元つまり、現代に行くことは出来ない。実体は異世界に居ても実体のままだ。データ化することはない。




こんなに覚えることが出来るなんて流石だよな俺――




そうそう。大会の話は、弟者と話し合った結果受けることにした。
大会の内容は、二対二でトーナメント形式で行われる。
制限時間は五分間。道具は何でも使用可能。(どうも中には、糸を使うやつみたいに、変な道具で戦う香具師が居るらしい。



武器については、俺はPC。(雷層刃に変化させるからな。)
弟者は短剣二本だ。



千とエメラルドはその大会に参加しないらしい。
どうしてかは教えてくれなかった。(ちなみにシーンは全く関係ない。とのこと。




コンコンと突然のドアを叩く音――
「どーぞ。」
ガチャっと音を立て入ってきたのは千だった。
「どうしたんだ?千。」
すると千が顔色を変えた。
「どうしたじゃない!! もう十一時だぞ、明日は明後日に備えて特訓するんだからだからもう寝ろ。」
俺は口を細めしぶしぶ頷いた。
夜型の俺に早く寝ろだなんて・・・
「OK.分かった。・・・時に弟者はもう寝たのか?」
千は、ああとだけ言うと、乱暴にドアを閉め、部屋を出て行った。
「じゃあ、寝るか。」
電気を消そうとしたとき気が付いた。



そういえばここ、
            ――電灯がなにもないじゃないか。




とりあえず布団にもぐって寝ることにした。





……眩しい……。















熱い…。




痛い…。




体が動かない…。





唯一動くまぶたをそうっとあけて見る…――




俺は目の前の光景に目を疑った。





辺りは真っ赤な海――



そして近くに倒れている自分と同じくらいの身長のAAとまだ幼いAA。




俺にはそれが誰だかすぐに分かった。




「お、弟者!! 末者!!」




駆け寄ろうとしたときふと気づいた。



俺の体は血まみれだった。
その血は自分のものではなく…――



「う、嘘だろ?」



―嘘じゃない。お前が殺ったんだ。



「違う。俺はやってない。俺は違う!!」



―じゃあ、後ろ見てみろよ。



俺は自分の裏の声に言われたとおり後ろを向く。
そこに居たのは――



「千?エメラルド?」




二人の目はとても鋭く俺を睨みつける。
「違うんだ。俺じゃないんだ。俺はやってない。」



すると千が顔を上げる。
「オ前ガ殺ッタンダ。コノ町モ、コノ世界モ、オ前ガ全部破壊シタンダ。」



今度はエメラルド。
「オ前ナンテ 消エチマエ。俺タチノ目ノ前カラサッサト消エロ。」



――これでも違うと言えるのか?



「違う…。俺じゃない…。」



――もう認めたらどうだ。



俺の頭の中はグチャグチャだった。





「う、うああぁァア!!!!!」















「……者。兄者。」
誰かの呼びかけで俺は目を覚ます。



「う、う…。」
どうやらさっきのは、夢だったらしい。
俺はあの夢のショックでうまく声が出なかった。
「大丈夫か?兄者。」
俺を悪夢から救ってくれたのは弟者だった。



この後も俺はこの夢に苦しめられるが、何故かその夢から救い出してくれたのはやっぱり弟者。
うん。弟者が俺をこの夢から救い出してくれたんだ。おかげでその後はこの悪夢には襲われなくなったさ。



「お…弟者…。」
しかし、俺の頭はまだ夢の中をさまよっている。



弟者が所詮夢だよ、と励ますように俺の肩を叩いた。
「さあ。朝練の時間だぞ。」




俺たちは朝練の為に外へ千とエメラルドの待つ庭へと出た。




「Good mrning.兄者君。」
そう声をかけてきたのは自分の四枚羽根の手入れをしているエメラルドだった。
「おはよう…。」
俺を心配した千が近づいてくる。
「気分が晴れない兄者君に一つ良いことを教えてやろう。
この世界で見た夢は、かならず、実際に起こるんだとさ。」
エメラルドが動かしている手を止め、千をキツク睨みつける。
それに気が付いた千が気まずそうに
「これジョークだから、気にすんな。っな。そんな事マジありえないから。」
とだけ言った。





『この世界で見た夢は、かならず、実際に起こるんだとさ。』




俺の中でずっと千のこの言葉がグルグル回っていた。



突然後頭部に強い衝撃が走る。
「いったぁ!!」
「ジョーダンだって言ってるだろが!!何本気にしてやがるんだ、アフォか。」
弟者よりも激しいつっこみ―エメラルドに殴られたらしい(本人にとっては単なるつっこみだろうが――



「さあ、明日に備えて実践練習。始めるぜ。」







「確かお前、まだ自分のアビリティ(能力)を知らないんだよな。」
千の問いに弟者が顔をしかめる。



ちなみに俺とエメラルドは待機中だ。
ここ、庭が狭いと言うのもあるし、千の戦い方を参考にしろとのことだ。



「アビリティ?何のことだ。」
千はペンダントを握る。
「アビリティ。それはこの世界の中で持てる能力。俺の能力は――火!!」
そう言うと千は弟者に向けて、火の玉を繰り出す。
「へえ~。『火弾』か。千も容赦ないな。」
とエメラルドが解説。
てかあんたら、『も』ということは初心者相手に手加減無しですか…。




バアァアンッ!!!




弟者!?



煙が晴れてくる。その中に弟者は居た。
弟者は持っていた二本の短剣で…違う。刃が長い二本の剣で攻撃を防いでいた。



「俺、分かったぜ。自分の能力が。」








一部の人しか知らない、とあるタワーの中…――




「あの用意は出来たか?放浪人。幻鬼。」
放浪人と呼ばれた男が答える。
「あたりまえだ。」
「ちょっと良いご身分だからっていい気になってるんじゃねえよ。」
と幻鬼が言う。
それを聞いた黒いマントをはおっている男は言う。
「仕方ないだろ。上からの命令なんだから。でも俺はお前たちよりも強いんだぜ。」
放浪人はっちと舌打ちすると、はいはいと言い返す。
幻鬼が叫ぶ。
「おい、つー。俺のナイフはどこだ。」
すると奥の方から背には斧、体は赤、左腕には包帯を巻いたAAが出てきた。
「オレガシルカ!!ジブンデモッテコイ!!」
「へいへい。」
そう言うと幻鬼はこの場を立ち去る。
つーは黒いマントをはおっている男に近づく。
「コレガオワレバ、フーヲカイホウシテモラエルンダヨナ。」
つーは、その男を睨みながら言った。
男はコクンとだけ頷くと声を張り上げこう言った。
「いいか。明日は一人でも多くの人間から魂を奪い取れ。そして一人も逃がすな。あのお方の為にも。」
男はそれだけ言うとその場から消えた。
ちらりと見えた漆黒の体は痛々しいほどの傷があった。








俺は立ち上がるとエメラルドに声をかけた。
「さあ、次は俺たちだなエメラルド。」
「そうだな。」
弟者と千の戦いは千が勝利した。
弟者はまだ自分の能力がうまく使いこなせないようだった。
だから、もたもたしている間にドーンだ。



俺らは定められた位置につく。
「兄者ー。ガンガー。」
明らかに棒読みの弟者の声が聞こえて来た。
俺は聞き流して、PCを雷層刃に変化させる。
エメラルドも自分の武器をどこからか取り出す。



重い空気が流れる―――



するとエメラルドが自分の黒いぎざぎざ模様の入った武器を捨てた。
「俺の緑龍剣は使わない。 ハンデ だ。」



カチンッ



俺も武器を捨てる。
「ハンデなんていらねえよ。俺は対当で勝負したいんだ。」
「実練如きでそう熱くなるなよ。まあ、いいけど。」



地面からエメラルドの足が離れた。





勝負開始!!