帰還 [フィスト ゴミ] - BCまとめ

フィストさんが入室しました
フィスト->（ボロボロの服で力なく
フィスト->（喫茶に入店する長身の男
フィスト->………
フィスト->（喫茶常連で『リヴァイバル大会』第３位だった彼も今は昔
フィスト->（『第二次抗魔戦争』での活躍や洗脳を経て
フィスト->（亜人蘇生術士まりかとのレイダー行為に明け暮れ
フィスト->（二十二憐星燈でまたも別人に洗脳されてお尋ね者になり
フィスト->（ある一戦から、二十二憐星燈からも旧友からも見放され、消息を経っていた男
フィスト->………
フィスト->（ズルズルと足を引きながら店内を進んでいく
フィスト->っ、
フィスト->（ﾄﾞｻｯ
フィスト->（木組みの椅子に半身を載せてうつ伏せに倒れる
フィスト->、、
フィスト->ここは………
フィスト->見覚えは…、、あるはず、だが…
フィスト->（霞む目を開いて店内を見上げる
ゴミさんが入室しました
ゴミ->らっしゃいませー（お冷乗ったトレイを片手に奥から出てくる
フィスト->（木組みの椅子にうなだれているボロボロの服の長身の男
ゴミ->って、（入店してきた客の様相に
ゴミ->お客様、大丈夫っすか？（小走り気味にフィストの席まで
フィスト->、…、っ…（苦しそうにゴミを見上げる
ゴミ->―、（見上げたその顔に、思わず目を見開く
ゴミ->…てめえ（余りに様変わりした姿で一目では気が付かなかった
フィスト->・・・、
フィスト->随分と…
フィスト->殺気立った店員だな…？
ゴミ->…はぃ？（眉ﾋﾟｷｯ　首傾げて笑い
ゴミ->自分が何やったか解ってて物言ってんのか？それは。
フィスト->・・・、
フィスト->昔、何度か来ていた店だが…
フィスト->っ、恨みを買うような事でも…・・・してた、か？
ゴミ->…（気持ちを落ち着かせるように、テーブルにトレイを置く
フィスト->（挑発するわけでもなく、ただ、記憶を呼び起こせないように朦朧と
ゴミ->ギャグのつもりなら笑えねーからそのぐらいにしときな。
フィスト->っ、・・・、（椅子に手をやり立ち上がり
フィスト->オレが・・・昔、何をしてたって？
フィスト->（ゴミを見下す長身
ゴミ->…はぁ、（溜息吐き、フィスト睨み
ゴミ->一体何処から説明してやりゃ満足か？
フィスト->覚えてないな・・・何も。（右手で頭抱えながら
フィスト->好きなだけ喋ってくれ・・・店員ならまず、メニューの説明をして欲しい所だけどな。
ゴミ->……（フィストの様子を見て
ゴミ->（周囲に警戒を巡らせながら
フィスト->どうした…？
ゴミ->…不意打ちの襲撃行為、を考えてる、って訳じゃ無さそうだな。その様子だと。
フィスト->オレが？おまえを？（ゴミ見下し
ゴミ->あんたがやってた事の一つだ。警戒して当然だろ。
フィスト->・・・へぇ。
フィスト->過去に何か、あったんだな？
ゴミ->随分他人事みたいに言うんだな。
フィスト->思い出せない記憶が幾つか・・・ある。（頭を抱えながら
フィスト->少なくともココの店員の恨みを買うような記憶はない・・・ないな。
ゴミ->…『元』護衛依頼請負人フィスト・クリーヴの所業の、ソレはごく一部でしかねーよ。
ゴミ->その言い草、まさか、
ゴミ->全部忘れた、っつーのか？
フィスト->・・・全部、じゃねえよ。
フィスト->護衛人としての技や力は全て、この身が覚えてる…幾多の戦いの多くも…
ゴミ->…戦い？
フィスト->だが、依頼請負人として…『誰の』『どんな依頼を』受けてきたかは・・・
フィスト->ははっ、失格だな。　まるで覚えていねえ・・・
ゴミ->……ソレは、
ゴミ->自分に都合の悪い事忘れただけじゃねーのか。（フィスト睨んで
フィスト->・・・（ゴミを睨んで
フィスト->そう、なのかも、しれねーな。
フィスト->覚えてねえオレには反論の余地もねえよ。（両手を上げて
ゴミ->俺はお前の『依頼人』も『依頼内容』も知ったこっちゃねえ。逐一説明してやる気はねーよ。
ゴミ->・・・けどな、
ゴミ->シドリーの街を襲撃し、都市と一般市民に甚大な被害を齎した、
ゴミ->『襲撃者』の事は……よーく覚えてる。
フィスト->それが・・・オレか？
ゴミ->……（フィストを睨み見て
ゴミ->……本当に、何も覚えてねーのか。
フィスト->覚えてねえが、合点はいったぜ・・・
フィスト->通りでバウンティ・ハンターやアカデミー生に襲われ続けるわけだ。
ゴミ->はっ、完全自業自得だな。
フィスト->…それで？
フィスト->オレに詳しいお前は…何者だ？
フィスト->警官？ヒーロー？賞金稼ぎ？それとも・・・
ゴミ->ただの喫茶店員だよ。（半目で
フィスト->・・・
ゴミ->シドリーで被害に巻き込まれた「一般市民」……まあ、
ゴミ->お前をわざわざ攻撃するつもりはねーが、
ゴミ->逆に、お前をポリスに突き出さない理由も何一つ無い。
ゴミ->って所だな。　…どーするよ、お尋ね者。
フィスト->そいつは困るな。
フィスト->伝説の喫茶にゃ誰でも自由に来れると思ってたが…
フィスト->飯と宿は別を当たるか。
ゴミ->来店客の事情はそれぞれ。店員は其れに触れる事無かれ。
ゴミ->とは言うけどな。…ちょっとやりすぎたよ、お前は。
ゴミ->……（フィストを見て
フィスト->ふぅ、（息を吐いて
フィスト->じゃあ厄介事にならないうちに退店とするか。
フィスト->（背を向けて
ゴミ->…（見る影もない背中を見る　護りのプロとして名を馳せていたはずのその姿
ゴミ->あんた、
ゴミ->まだ護衛人でいる気はあるのか。
フィスト->今は自分の身で精一杯さ。（背を向けたまま力なく答える
フィスト->じゃあな。別の店で食おう―っていう客を引き止めるほど、強引な店員じゃねーよな？（手を振りながら
ゴミ->…ああ。そーだな。（その背を見送り
ゴミ->ご来店、ありがとうございました。（形式ばった風に言い、フィストに一礼
フィスト->（店の外へ消えていく
フィストさんが退室しました
ゴミ->………
ゴミ->っ（その辺の椅子に腰掛け
ゴミ->何、だってんだよ……
ゴミ->（……道を外れて、落魄れて、彷徨い歩いて、
ゴミ->人の事どうこう言えるような人生、送っちゃいねえけどよ…
ゴミ->……それでも、いつかは、
ゴミ->あんたも、何かを見付けられるか………？
ゴミ->（一人呟く
ゴミさんが退室しました