キアシス南方、そこに突如として奇妙な物体が撃ち込まれる 巨大な…槍?
穂先だけで30m、柄がタワーのように天を向いたそれは、大地に垂直に突き刺さっている
不自然なほど周囲に被害はなく、ただ大地に突き立つオブジェクト それは少しずつ沈降しているのが観測できる
どこから降って来たのか。少しずつ、ほんの少しずつ沈むそれは、なんなのか。目的は。
時を同じく、大都市から少し離れたところに同じような巨大オブジェクトが発見される
いずれも同じデザイン。異界漂流物の可能性が上げられたが、刺さり方などから意図的なものと推測された。
少なくとも沈んでいっているので、放っておくとまずいのではないか?
速度として日に数cm。自らの重さで沈んでるだけとも考えられた。
だが、調査のために向かった者が、まさかの事実を確認する
──“抗魔金属の巨大槍”
厳密には穂先に多くの抗魔金属を含み、また柄の部分もヴァース由来でない謎の金属質で構成されたもの。
誰もが思った。『また抗魔金属か』
だが、引っこ抜こうとしても抜けない。横から砲撃を浴びせても角度がかわらない。
『都市連合くん』はたまたま先の戦いで使用されたため、次弾の作成は当面先になる。
…まあ反撃されるわけでもないし、この大きさなら抗魔金属を持ち出されることもない
物好きな戦闘者が、調べてくれるだろう!
きっとなんとかしてくれるだろう!
よしんば、別にこれ刺さったままでも都市に影響はなさそうだし、問題ないだろう!
この前の円盤の方がよっぽど脅威だ!
そんな感じで、割と放置されようとしていた。人は完全に未知の出来事に対して、時に無関心になる。
…いや無関心過ぎでは?ほんとにこれを放っておくのか?
放っておかれようとしている。数日中には、完全に人々の意識の中に溶け込むだろう。
──あれは無害なものだ──
……
…
最終更新:2018年07月12日 13:52