春の呪い [フィウミ カルク]

フィウミさんが入室しました
フィウミ : (テーブルに座りコーヒーを飲んでいるフィウミ
カルクさんが入室しました
フィウミ : ふぅ……。(スマホを見る
フィウミ : (と、親から鬼のようなコール履歴が残っているが……、
フィウミ : (何もなかったかのようにスマホを閉じる
カルク : (夕曇りの薄い明かりが差し込む喫茶
カルク : …(無言で備え付けのサイフォン器具の整備をしている
カルク : …。(客の入りもまばらで、静かな店内
フィウミ : う〜ん…、(ぼーっとしてる
フィウミ : (何かすることがないって、それはそれで暇だな〜
カルク : …(一通り作業を終える
フィウミ : (そう絶賛家出中のフィウミだった
カルク : (しゅるっとエプロンを解き、適当な場所に置いて
カルク : 今日も此方ですか。(フィウミの元に歩いてくる
カルク : (いつもの席、いつものコーヒー。 すっかり見慣れた様子
フィウミ : ああ、こんばんは。いつもごめんね〜
カルク : いえ。仕事ですから。 …こんばんは。
フィウミ : ちょっと色々揃ってて便利すぎるから…つい。(軽く舌出す
カルク : えぇ、普通に生活できる設備が揃っていますよね。
カルク : 僕も家出をするなら真っ先に候補にします。(真顔で
フィウミ : そうだね〜。お風呂もすごい広くて綺麗だし。
フィウミ : 寝るところもあるし
カルク : はい。(その辺りの掃除をやる事もあるので、凡そ把握している
カルク : 食費さえ賄えれば、大体、住めますね。
フィウミ : そうだね〜。こんなにのんびりすること今までなかったから、
フィウミ : 変な感じだよ〜
カルク : …。(その言葉に
カルク : …委員長はこれまでは、どういう生活を?(少し伺いながら切り出す。
フィウミ : え…、
フィウミ : いや、やだなぁ。普通だよ〜(取り繕うように、へへ、と笑う
カルク : …ぁ、いえ。 …余りのんびりする事は無かった、と、言っていたので。
フィウミ : ……うちは教育ママ?だから、
フィウミ : あれしろこれしろ、っていうのが多いっていうだけだよ〜
フィウミ : だから反抗期が来たんだけどね〜
カルク : …そうでしたか。 厳格なご家庭なんですね。
フィウミ : (そう、私の家が元老院にずっと所属できるように…名家に相応しい人間になれって…
フィウミ : ……。
フィウミ : そんなとこだね〜
フィウミ : カルクくんは?
カルク : 僕の家ですか。 (説明する言葉を探し)…ごく普通だと思います。
カルク : キアシスですが、かなり外れの方にあって。 ですから今は一人暮らしですけど。
フィウミ : へぇ…、外れのほうなんだね〜意外〜。
フィウミ : 田園地区あたり、かな?
カルク : 察しがいいですね。(少し驚いて
カルク : はい、田園地区になります。
フィウミ : そうなんだ〜。のどかでいいとこだよね〜
フィウミ : 小学校の時に遠足で行ったな〜
カルク : …あぁ、ありますね。 妙に広い公園ですとか。(やたら長いローラー滑り台とか。
フィウミ : あぁ〜、あったねー懐かしいな〜
フィウミ : 高くて、登ったはいいけど降りれなくなっちゃって泣いちゃったな〜。ふふ
カルク : 地区市民は毎年あの公園に行くんですよね。遠足で。 …へぇ、
カルク : そういう頃があったんですね。委員長にも。(こころなし緩んだ様子で
フィウミ : んー、どういう意味かな〜
カルク : 、(言われて)…まぁ、そうですね。
カルク : …今はあまり、そういう所は見せないのかなと。
フィウミ : え〜、そんなことないよ〜(笑って
カルク : …。そうでしょうか。
フィウミ : ………。
フィウミ : 嫌な言い方するね
カルク : …。すみません。そういう心算は無かったんですが。
フィウミ : カルクくんはいつもわかったような言い方するけど、
フィウミ : そういうのやめてくれない?
フィウミ : (光のない目でじとっと
カルク : …。… … それは。(表情は殆ど動いていないように見える
カルク : …僕の話の仕方に難があるという事でしょうか。それとも、
カルク : 君の事を、いちいち探るような事を言うのを止めろ、と。そう言っているんでしょうか。
フィウミ : ………。
フィウミ : デリカシーがない、
フィウミ : かな〜?(にこっと
カルク : ………、
フィウミ : ………。
カルク : …… 君、は、(何度か目を瞑り、少し視線を逸らしがち 表情こそ殆ど動かないが
カルク : …そうやって突き放すような事を言うのに、…
カルク : (…――どうしてあんな事を言ったんですか。 どうして贈り物をくれるんですか。 どうして受け取ってくれるんですか。)
カルク : …(続く言葉は吐き出せず)… 君の事が分かりません。
フィウミ : …………。
カルク : …… 僕が、
カルク : 近付く事と、離れる事と、どちらを望んでいるんですか。
フィウミ : ………、
フィウミ : ん〜なんか眠たくなっちゃったな〜(伸びをして
カルク : 、 …。
カルク : ……。 …お休みになりますか。(息吐き、少し揺れる声を整えて
フィウミ : ……、という訳で。お話しできて楽しかったよ〜、ありがと〜。
フィウミ : それじゃあ、ね。(代金を払い、休憩室へ消えていく
カルク : …。 えぇ、此方こそ。
カルク : ……ご利用ありがとうございました。(言葉を返し、背を見送る
フィウミ : (すたすた、っと
フィウミ : (カルクの声を反芻する
フィウミ : (––––君の事が分かりません
フィウミ : (––––近付く事と、離れる事と、どちらを望んでいるんですか
フィウミ : ……。
フィウミ : そんなの、私だってわかんないよ。
フィウミさんが退室しました
カルク : ………。(休憩室までの階段を、暫く無言で見つめている
カルク : ……。
カルク : …。
カルク : (…二択の問いに、答えは無かった。
カルク : (それは救いか、それとも、――……否、詮無い事だ。
カルク : (…例え後者が選ばれたとして、自分は従う気が更々無かったろうから。
カルク : … (ふぅ、と息を吐き
カルク : (全く、……いつの間にこんな……
カルク : … 呪いに掛けられた。(ボソ、と
カルク : の、かもしれませんね…(くるっと踵返し、厨房の方へ
カルク : (今は休憩時間 適当なまかないをチョイスしに向かった
カルクさんが退室しました