闇よりの足音 [グリアス フィウミ ウルファング]

キアシス地下牢さんが入室しました
キアシス地下牢 : ––––––これは今から少し前か、それとも少し後の話…。
キアシス地下牢 : 場所はキアシス地下牢。
キアシス地下牢 : その奥の奥。大罪人が収容されるなかの、小さな一室。
キアシス地下牢 : 不死の病にかかった老人に割り当てられたため、牢獄にしては整えられた一室。
キアシス地下牢 : そこに収容されていた老人が突如として消滅した。それも跡形もなく。
キアシス地下牢 : 一滴の血痕のみを残して。
キアシス地下牢 : 室内には乱れた筆跡で書かれた遺書のようなものが残されており、魔導警察は自らの魔術を用いた自殺と断定した。
キアシス地下牢 : その遺書には、このように書かれていた。
キアシス地下牢 :  
キアシス地下牢 : 「          自らを 恥じる    
キアシス地下牢 : 魔法使いとして               
キアシス地下牢 :              
キアシス地下牢 : グリアス」
キアシス地下牢 :  
キアシス地下牢 : 死を気に病んだ老人の自殺か。
キアシス地下牢 : なんにせよ後味の悪いニュースに違いない。
キアシス地下牢 : そのニュースは密やかに次の日の紙面の隅を飾るにすぎなかった。
キアシス地下牢 : だが当然、この消失は波紋を呼んでいくこととなる。
キアシス地下牢 : それは少し後に……。
キアシス地下牢さんが退室しました

 

 

 

フィウミさんが入室しました
フィウミ : ………!
フィウミ : (いつもの通り、喫茶EMで時間を潰していたフィウミだったが…、
フィウミ : (携帯に一通のメールが入る。
フィウミ : (母親からのメールだ。
フィウミ : (今まで本当に悪かった。あなたがどれだけ傷ついていたか、やっと気づくことができた。今までごめんね。これからは心を入れ替える。
フィウミ : (ざっくばらんに言えば、そんなような内容。ありきたりな内容だが…、
フィウミ : (それはフィウミにとって、記憶しているかぎりでは母親にかけてもらったことのなかった言葉だった。
フィウミ : (特に祖母が死に、父親が愛人を連れて家を出ていってからは…。
フィウミ : (きっと嘘だと思うけど…、幼い頃の優しげな母の表情を思い出す。
フィウミ : 嘘だと思うけど…、信じてみるくらいならバチはあたらないよね…。
フィウミ : (フィウミは家に帰る決心をした。
フィウミ : (期待してはいないはずなのに…、できるだけ早く家につい向かってしまうフィウミだった。
メレラニ邸さんが入室しました
グリアスさんが入室しました
グリアス : (穏やかな表情をたたえた優しげな表情の老人
グリアス : ふぉっふぉっふぉ。頭の弱い青二才の若造を吊り出すにはこんな感じのメールで十分じゃろて…。
メレラニ邸 : (虚ろな目をしたフィウミの母が部屋の隅に横たわっている。
メレラニ邸 : (そうこうして数十分。リンゴーン、となるドアのベル。
フィウミ : お母さん……?
グリアス : ふぉっふぉっふぉ…。
グリアス : なりすましドッキリメール作戦大成功じゃて☆
メレラニ邸 : そして、メレラニ邸のなかに、この世のものとは思えない悍ましい地鳴りのような音がこだまする。
メレラニ邸 : 次の瞬間に、フィウミの意識は、ぽわわわわ〜ん、と……遠くなっていった。
メレラニ邸さんが退室しました
グリアスさんが退室しました
フィウミ : ぽわわわわ〜ん
フィウミさんが退室しました

 

 

 

ウルファングさんが入室しました
ウルファング : (これはフィウミが家に帰る決心をしてから数日後の喫茶EM。
ウルファング : ここが俺の行きつけの喫茶EM …。今日こそは時代の最先端に追いつく…!
ウルファング : (テーブル席で意気揚々と婚活アプリを開き、あれこれ操作をしている。
ウルファング : (しかし、やはり美女が多いな……。こんなに美女が世界に多かったとは…!
ウルファング : なんて夢があるんだ………(顔を真っ赤にしながら希望に満ちた言葉を吐く
???さんが入室しました
??? : (年頃のちょっとぽっちゃりめの若い女性が入ってくる。
??? : あの…
??? : ウルファングさんですよね、
??? : 相席よろしいですか……。実はその、ファンなんです…。(いい終わらずにウルファングの対面の席に座る
ウルファング : ……。ぃ、いいぞ。(ついに……、オレの時代が来たか……。
ウルファング : (つー、っと一筋の涙を流す
??? : キアシスの表舞台には出てきていないけど、有翼の魔術師の息子として…、
??? : その名に恥じることのない…、屈指の実力者だと思うんです。
??? : それに……、かもし出される雰囲気も知的で…、
??? : 顔もすごくタイプで……。
ウルファング : なるほど……。
ウルファング : (一体何が起こっている!!!
ウルファング : (そうか!!!
ウルファング : (これが、人生で三度くるモテ期というものか!!
ウルファング : ファンとはいうが、一体オレに何のようかね…。(冷静なフリをして、クールで知的な雰囲気を演出しながら、返答する。
??? : 実は、ある呪いを受けてしまって…。
??? : ここに魔力痕が残されているんですけど……、(胸元をはだけ、魔力痕を見せる、
??? : (いわゆる巨乳である。
ウルファング : こ……これは………
ウルファング : (落ち着け、落ち着くんだウルファング(メガネくいっ
ウルファング : (これはただの呪いの影響から作られた魔力痕…。どうってことはない…、何度も見てきたではないか。(メガネくいっ
ウルファング : (だがなんだこの胸の高まりは…(メガネくいっ
ウルファング : (それとも…これは新手の告白なのか…?(メガネくいっ
ウルファング : (最近の新しい世代は恋愛感覚も変化しているだろうし…、ありうるな。(メガネくいっ
ウルファング : (しかし立派な大人として年の差カップルになった場合、清い付き合いから始める必要があるのではないか…?(メガネくいっ
??? : どうか…、助けてください…、
??? : どうか…、もっと……近くに来てみてください……。(さらに胸をはだける
ウルファング : なるほど、この術式は…(もっと胸の方に寄ろうとした瞬間
ウルファング :     ぐ  さ  っ
??? : (ウルファングの首筋に液体が入ったアンプルが突き刺される
??? : (魔力吸収。何者かが最近流行のとある事件を模して作ったのだろうか。件の効果を持つアンプルである。
??? : (このアンプルを注射された人間は…、少なくとも一ヶ月以上、魔力を使用することができなくなる。あるいは使用できても威力は極端に弱くなる。
ウルファング : か   は   っ(机から地面にどさりと倒れ込み、意識を失う。
ウルファング : …………
ウルファング : 
ウルファング : (そして意識は途絶えた
ウルファング : (––––数時間後、病院に運ばれたウルファングは聞き覚えのある声によって目を覚ます。
ウルファング : (師匠、師匠…ッ!!ひどい!!いったい誰が…。
ウルファング : (こんなの…悔しいっ!あたしが犯人を見つけてやるんだから!
ウルファング : (憤り嘆く弟子の声を聞きながらウルファングはこう思った。
ウルファング : えっ……、キアシス編なのに、オレの出番これで終了かよ……。
ウルファングさんが退室しました
??? : (––––遡ること数時間
???さんが退室しました
フィウミさんが入室しました
フィウミ : (倒れこむウルファングの様子を見ながら、光のない眼でけらけらと笑う。
フィウミさんが退室しました