透明の心臓 [ロゼ シエル]

ロゼさんが入室しました
ロゼ : (不幸中の幸いか、彼は彼女に会わなかった。
ロゼ : (物陰に隠れていたが……ために!
ロゼ : ………
ロゼ : ……っ
ロゼ : (逃げ込むように駆け込んだのは喫茶。
ロゼ : (荒い息を整えつつ、ずるずるとソファに座り込む
ロゼ : ………、
ロゼ : (手が出せなかった。
ロゼ : (震えて逃げ帰ったわけじゃない。  …すごい怖かったけど。血浴びて嗤うトコとか。
ロゼ : (終盤だったから(違う   決め打ちに入ってたから(違う
ロゼ : ――…… 手、出せないわ……。
ロゼ : (革ベルトと紐で繋いだ鞘が重い。
ロゼ : (私にとってはこんなにも重いのに。  あそこでは、どこまでも軽い。
ロゼ : …………。
ロゼ : (PADに指を伸ばして……途中で降ろしてしまう
ロゼ : ………――
ロゼ : (っふ、と自嘲して
ロゼ : はーぁ、努力が足んないわね。(伏せ目のまま嗤い
ロゼ : (PADを取り直し、夜な夜なの紅茶を注文。
ロゼ : ……(戦歴再生はどれだったかしら……ええと…(不慣れに何度か操作して
ロゼ : ………(ふと、コールボタンが目に入って
ロゼ : ……(少し目線が泳いだ末に たっぷ。
ロゼ : (すう、と息を吸って
ロゼ : シエルー!! シエル!いる!? 事件よ事件!
シエルさんが入室しました
シエル : (パァァとPAD画面が輝き
シエル : (返り血フキフキ
シエル : (これでよし。
ロゼ : (一瞬ヒッ!ってなる
シエル : (気を取り直して――パァァと画面が輝き!
シエル : (テーブルの上に映し出される―158cm虹咲シエル(中)!
シエル : 「事件とな?」
ロゼ : 8番と9番の間の通り!(腕組みで顎先でくいっと
ロゼ : 魔導警察と八首ココスが対応して……もう解決済みだと思うケド。
シエル : 「アリガト。 ――ン、」(ロゼの体積に着地し、少し間。ちょうど情報が入ったのか
シエル : 「あぁ、その件については収束したみたい。ちょーどデータが入ってきた。」
ロゼ : そう。 …まぁ、そう、よね(バツ悪そうに
シエル : 「現地調査は… 本職の方々にお任せしよー。」
ロゼ : …そうね。(ふむぅ、と
シエル : 「ンーン。通報はある方が助かるに決まってるよ。」
ロゼ : 貴女は寝る暇もないってことになっちゃうけどね。
ロゼ : ……今日は原寸サイズ?なのね?
シエル : (ヨイショとソファ席に座りなおして)「事件と聞きましたので…」
シエル : 「まあそれに、この時間は割と余裕があるからね。」
ロゼ : …そうなの?(きょとんと
シエル : 「まあね。 …キミの方はまた随分宵っ張りだね。」
ロゼ : ……たまたまよ。家にじっとしてると、色々ね。
ロゼ : ……(じーっとシエル見遣って
ロゼ : 暇があるなら、手合わせでも願いたいくらいね。
シエル : 「…ふむ」(少し沈黙して
シエル : 「何かあった?」
ロゼ : ………、(目を細める。
シエル : 「…こないだの事を気にしてるのなら、その必要は無いと言うけど。」
ロゼ : こないだ、って?
ロゼ : ……ボロ布のように殴って蹴飛ばされたあの日のコト?
シエル : 「言い方。 …まあソレだね。魔導工区街での襲撃の件。」
ロゼ : ……(腕を組み直して目線を外す
ロゼ : シエルは、反対? 私が戦うの。
シエル : 「…」(視線がロゼから逸れ
シエル : 「うん。賛成は、できないな。」
ロゼ : …理由は?
シエル : 「自分の為に研鑽をするのは良いと思う。でも、きっとキミの言ってるのはそういう事じゃないよね。」
ロゼ : ……
シエル : 「市民を保護する防災マスコットとしても、公務員としても、」
シエル : 「街の大人の一人としても。 年若い市民を危険に晒す事を、由とは言えないよ。」
ロゼ : ……ごもっともね。(面白くなさそうに
ロゼ : ……それに戦力的に微妙だから?(片目瞑って、自分のことだが冷ややかに
シエル : 「…」(四角四面な話で濁したが、要するに。
ロゼ : …。 意地悪な質問をしたわね。(肩を竦める
ロゼ : 判ってるわ。 身の丈ぐらい(手をひらひらと
ロゼ : …いえ、判ってないからこんな莫迦なことを続けてるのかもしれないけれど。
シエル : 「…半分は自分の為の言い訳なんだけどね。」
ロゼ : …自分の?
シエル : 「庇い切れない、ってコトが実際に起こるまでは、こんな事言ってなかったんだし。」
ロゼ : ……だって戦場よ。 …そりゃ期待はしてるけど…… 全部が全部は無理なんじゃない。
ロゼ : …ぁー……だから一つでも不安の種を取り除きたいって話よね。 (自分で言ってて嫌気が差したのか、ため息混じりに
シエル : 「…もう半分は本当に心配してるんだよ。」
ロゼ : ………
シエル : 「…」(少し、迷うような沈黙。
ロゼ : ……。?(伺うような目線で返す
シエル : 「…確証の無い話をするから、違ってたら笑っても怒ってもいいんだけど。」
シエル : 「… 初めに聞いた時から気になってた。 炉心が無いなんて、本来有り得ない事だよね。」
ロゼ : ……シエル……?(眉を顰める
シエル : 「どんなに魔術の素養が無い人間でも。 それは炉が小さく弱いか、眠っているか、死んでいるかで。」
ロゼ : ……、何。 訓練すれば少しは使えるかもって話? それなら幼い頃何度も――
シエル : 「”無い”ってコトは。 …その言葉の通り、無いんだよね?」
ロゼ : …そう、、云われてるけど……(怪訝そうに困惑顔で
ロゼ : 自分じゃ確かめようがないし、判らないわよ。
ロゼ : (確かに。 盲目で産まれた人に、青空の色など伝えようもない話だ。
シエル : 「…そっか、そうだね。 そうなると… いや、実際のトコロがどうかは些末だね。」
ロゼ : ………シエル…?
シエル : 「実情として、そんな状態でいるなら…間違い無く生体機能に影響があるハズだ。」
シエル : 「霊体に関係する部分なんかは、顕著なんじゃないかな。」
ロゼ : ……、、(胸元辺りを抑え、次いで掌を見て
ロゼ : ……(生まれつきの体。どこまでが正常か、云われるとわからない。
ロゼ : …シエル、貴女ならわかるの? その…… 何か、、
ロゼ : ヘンなところが……無いか、とか。
シエル : 「…キミ自身は、周りから何も聞いていないの?」
ロゼ : ……。(少し考える沈黙
ロゼ : (思い立ったように席を立つと、シエルの手を取る
シエル : 「。」
ロゼ : こっち(何を思ったか奥の固執に連れ込んでいく
ロゼ : ((個室
シエル : 「…何をするの?」
ロゼ : 頭が良いのは判ってるけど。 目だって良いんでしょ?(バタン、と閉じて
ロゼ : ……お父様やお母様からは、生まれつきの体質だ、って聞いているわ。
ロゼ : (奥に行きながら、首元のボタンを外し、付け襟を仮眠用のベッドに放る
ロゼ : 魔術の核となる炉心が無い、って。先天的な障害だとか。…それこそ不運、だとか(一言で片付けるのに抵抗があるのか、眉を顰める
シエル : 「…」
ロゼ : 兄様も姉様もね。 ……今思えば、腫れ物触るような扱いだったと、思うけど。
シエル : 「…虹咲にあるのは公務員として魔術師としての知識と、軽いサーチ機能くらい」
シエル : 「だから、完璧にとは行かないと思うけど… 調べる事は、出来るよ。」
ロゼ : …そう。ならよかった(ふ、と微笑んで
ロゼ : 私だって馬鹿じゃないわ。あれこれ勉強もしたつもりだし、それこそ魔術だって。
ロゼ : (しゅるしゅると布の擦れる音
ロゼ : でも結果は散々。 見兼ねたお父様が別家の紹介をしてくれて……そこで剣術は磨けたけど。
シエル : 「…、」(何故かちょっと後ずさる
ロゼ : 結局、”これ”に頼って首革一枚、ってところね(魔術を遮断する 衣服を手に取り
シエル : 「…(何故かロゼを見ていない
ロゼ : (そう、これがあるとサーチもままならない。 安全のためだと、家より授かったものだが。
ロゼ : …炉心がない、って変、よね。 それは、何となくわかるわ。事例が無いもの。
ロゼ : (目を細め、ワンピースを放ると…)――……シエル?
ロゼ : ……、どうしたの。 ヘンな所、あった?(下着姿で対峙する、16歳の女性
シエル : 「アッハイ あぁ、うん、大丈夫大丈夫。大丈夫。」(斜め下見つつ
ロゼ : …こういう時お世辞だと困るんですケド(ジト目。
シエル : (ヴァーチャル美少女のガワを被る奴のリアル女性耐性? 聞いてくれるな。それは晒し上げだ。
ロゼ : (仮想体だが…細身で洗練された印象を受けるシエルとはまた異なる。
ロゼ : (白い肌に小さい肩幅。 胸元はそれなりで…年相応の女性の体……健康的、という印象だ。
ロゼ : …? もしかして端ない娘だと思ってない?(む、と
シエル : 「ぁぁぃゃ、大丈夫だよ。 マジメな話だものね。」(…正直、こんな展開になるとは思ってもみなかった。のだが。
シエル : 「・・・。」(ジト目真顔で、息吸って吐いて、
ロゼ : ……。
シエル : (心の中で念仏を唱えながら、ロゼの体に視線を向ける
ロゼ : …。
シエル : (見た目でわかる異常が無いかチェック。 雑念とか無いって無いったら(南無阿弥陀仏
ロゼ : …炉の具合とか、回路がどうとか、そういった品は、家にはないのよ。
ロゼ : (身体は、至って正常のようだ。脈拍も健康そのもので、スリーサイズは念仏で半分ノイズが掛かっているようだが
ロゼ : かといって外で脱ぐのもねー…って 思ってたんだけど……
ロゼ : ま、これで私も魔法が使える?なら? 願ったり叶ったり?だし?(軽口を滑らしながら
シエル : 「…見た所、明らかに妙な所は無いね。。それじゃ、サーチ掛けるよ」
ロゼ : ええ。お願い(ふう、と深く呼吸。 少し緊張している
ロゼ : (……だが、霊体側を視た時、息を呑むコトになる。
シエル : (ビカーッとシエルの両目がプリズムレインボーに光り出す 魔力を主とした解析サーチモード
ロゼ : (虹光に照らされ……あくまで、概念視による”捉え方”と”視え方”の世界だが
ロゼ : (胸に、孔が空いている。 人の体でいう、心臓の位置。
シエル : 「―――。」
ロゼ : (文字通り、魔術炉が、無い。
ロゼ : (ともなれば霊体は滅びるが必然――しかし、薄く弱く、回路に魔力が通じている。
ロゼ : (恵まれた魔術回路の量からくる偶然か。 回路全体が炉心の代わりとなってゆっくりと鳴動している
シエル : 「――… ……これは。」
ロゼ : (しかし絶対量は平均を遥かに下回る。 か細い魔力が回路を巡り、辛うじて霊体を繋ぎ止めている
ロゼ : ……何かわかった?
シエル : 「………」
ロゼ : (ひとつだけ直感で判るとすれば。 こんなものが先天的である筈がない。
ロゼ : シエル?
シエル : 「…… 言葉の通り、だった。」
ロゼ : ――……
ロゼ : ……そう。 やっぱり、そうなのね(ふぅ、と
シエル : 「…キミの体には、どうやら本当に炉心が”無い”。」
シエル : 「…本来なら、生きているのも不思議な状態だよ。」
ロゼ : (幼少より聞かされていた話。自明のことながら言葉にすると少し、ショックだが。
ロゼ : ………何それ。危篤っていいたいの?
シエル : 「…少なくとも、霊体は極端に弱いね。 …危惧してた通り。」
ロゼ : ………。
ロゼ : ちょっとまって。それ、本当?
ロゼ : 魔力を奪う例の襲撃者とか……
ロゼ : 抗魔金属に極端に弱い、って言ってる?
ロゼ : (まぁ、キアシスではありえないと思うけど、とポツリと付け加え
シエル : 「…ホント。 …命に関わるよ。」
ロゼ : ………、それは……厄介ね
シエル : 「…襲撃者っていうのは、基本的にコッチの命を奪いに来るんだよ。」
ロゼ : それは……まぁ(そうよね、と
シエル : 「…いきなりキミは死にやすいなんて言われても、実感は薄いだろうけどね。」
ロゼ : …………。
ロゼ : どうにか、しようは、ある……?
シエル : 「………」(考える沈黙
シエル : 「炉が無いなら入れれば、とは考えられるけど、…簡単じゃないね」
シエル : 「霊体拒絶を起こす可能性が非常に高いし、完全な人工炉心は成功例を知らない」
シエル : 「…全く逆の事例なら知ってるけど。逆はな…」(ポツリと呟くように
ロゼ : ……?
ロゼ : ……とにかく、お陰で望み薄ってのがはっきり判ったワケ、ね。
シエル : 「…。」(今更のようにサーチ光停止   あれ?
シエル : 「と  りあえず服着よう。風邪引くよ。」
ロゼ : ……、? え、ええ。
ロゼ : (ベッドの方へ向かい、放った衣服を着ていく
シエル : (何か離れて明後日の方向見てる
ロゼ : ……、しかし、まいっちゃうわね(ため息混じりに
ロゼ : 私が悩んでたのは攻撃面なのに。防御面まで難ありだなんて…
シエル : 「そうだったんだ。」
ロゼ : はーぁ、やだやだ。弱気になりそう(軽口で誤魔化しつつ
シエル : 「………」
シエル : (そういう話を始めたのは自分の筈なのに。何とも重苦しい気持だけが残る。
ロゼ : ……。シエル
シエル : 「、ん」
ロゼ : ……ありがとう。おかげで一歩進められたわ(ふぅ、と微笑んで
シエル : 「………。 そう?」
ロゼ : まぁ、……ショックな一歩ではあったけどね。
ロゼ : でもいいわ。何も知らずに生きるよりは、ずっと良い…ハズよ。
シエル : 「そっか。 …余計な事知らされてうんざりしてないかなって思ったけど、」
シエル : 「…うん、そうだね。 虹咲もそう思う。」
ロゼ : ……魔法の杖でもあればね。
ロゼ : 剣じゃ勝てない相手に何とか、とか言えるんだけどねー……
シエル : 「……。」(それにしても―――あの霊体は、見るからに異様だった。
ロゼ : ……はーぁ、少し横になろうかしら(完全に着終えた後だが。
シエル : (……其処まで踏み入る事は躊躇われてしまったけれど。しかし、あれは――
シエル : (――人為的に取り出しでもしない限り、あんな風には――…)「うん。それがいいよ。夜も遅いし」
ロゼ : ええ。そうするわ(わざとらしくアクビして、のそりとベッドに入る
シエル : 「…それじゃ。」(ドアの方に歩き、
シエル : 「オヤスミ。」
ロゼ : …ええ。お休み(微笑み見送り
シエル : (真顔でかるく手をフリフリして、退室。
シエル : (閉じたドアを背にし)「、……」
シエル : ……… ―――はぁ……(顔を抑え、深い溜息。 それしか出てこない
シエル : (…嫌気が差す。 事の重さにも、自らに出来る事の少なさも、振る舞いの拙さも。
シエル : (二次元存在の皮を被っても、結局全てに応じるのは他ならぬ自分なのだと。 解っていたはず。解っている筈。
シエル : (……なのに。
シエル : (ふらりとドアを離れ、店内へと戻る。
シエルさんが退室しました
ロゼ : ――……(そうして、やがて啜る声が。 少しだけ響いた。
ロゼさんが退室しました