翅を休めて [ロゼ クオリア]

ロゼさんが入室しました
ロゼ : (――それからしばらくしてからの事。
ロゼ : (すっかり長くなった陽も落ち、辺りも薄暗くなってきている
ロゼ : (薄目を開けて、時間を確認する。 夜中かと思ったが、そこまでではないか――
ロゼ : ……、(のそりとベッドから身を起こす。
ロゼ : (ああ……あれから……喫茶に殆ど無理やり連れてこられて……
ロゼ : (治療と同時に気を失うように眠ったんだっけ
ロゼ : ……。(ふと、扉の隙間から溢れる光と、歓談が聞こえてくる
ロゼ : (いや、時折罵倒も混じっているような……
ロゼ : …(ベッドから降り、ふらふらと扉の方へ
ロゼ : (そっと扉を開けると、 ――それはいつにも増して…いや、いつもの数倍は喧騒とした光景
ロゼ : (ソファにカウンター席に あちこちとメンバーが腰掛け、ああでもない、こうでもないと難しい話をしている
ロゼ : (先程の襲撃の件と、その黒幕について云々……と聞こえはしたが、ぼうっとしている頭には、もう一つ入ってこない。
ロゼ : ……(正直。息苦しい。 明らかに自分は場違いなのがわかる。
ロゼ : ……(仮眠室に籠もるか、いっそ帰ってしまおうかとも思ったが……ふと目に入るは一人の、女性。
ロゼ : (ソファに深く座り、喧騒とした会話からは一歩身を引いた……いつもの聞き上手な、あの姿。
ロゼ : ……
ロゼ : (ふらふらっと、テーブルを回り込んでソファの方へ
クオリアさんが入室しました
ロゼ : ……クオリア、大姉様(ソファの横から、ぽつりと
クオリア : (お紅茶を傍に ソファに腰掛けた・・・見た目は少女。だが実際は…
クオリア : ・・・。 あらま、ロゼちゃん。(ゆっくりと首を動かし
クオリア : もう具合は大丈夫なのかしら・・・?(バリバリのアイメイク ゆっくりと瞬きを一回して、水晶の瞳がロゼを見つめる
ロゼ : …、(もじもじとうつむき加減。
ロゼ : (家出の時もそう。…あの水晶のような瞳には全てを見透かされそうで
ロゼ : ……(後ろめたさと恥ずかしさで目を合わせられない。
クオリア : ・・・まぁま。お座んなさい・・・。(隣を手で示して
ロゼ : うん……(言って、ぽすりと隣に
クオリア : (PADで器用に紅茶を注文する。 ロゼのお気に入りの、屋敷にストックしてあるのと同じ品種の茶葉
クオリア : ・・・(少し待つ。ロゼが何か言い出すようなら、それを聞こうと
ロゼ : (やがて甘い香りと共に置かれるカップ。 ……何だか懐かしい。あの時も、こうして話したっけ
ロゼ : …………
ロゼ : (一口つけて、一息付いて
ロゼ : やになっちゃうわ。(ぽつりと
クオリア : (クオリアが嗜んでいるのもいつもの物。マンネリだろうとこのまろやかに苦いのが良いのだ。
クオリア : ・・・。(ロゼの言葉に
ロゼ : ……炉心がないの。生まれつきじゃなかったわ。
クオリア : ・・・。(両手でカップを持ったまま)・・・そう。
ロゼ : 姉様に聞いたの。 抗魔対策に偉大な魔術師がいるって――(病院で姉本人から聞いたことを喋る
ロゼ : ――ってね。 笑っちゃうわよね(疲れた溜息をついて
クオリア : ・・・。(……何となく、想像していた範疇ではあった。 人間の身で炉心が無いなど、そうそう在り得ない事。
ロゼ : ………
ロゼ : ……大姉様は(ふと違う声色で
ロゼ : ……大姉様は、シエルのこと、知ってた?
クオリア : ・・・突然ね。(急な話題転換だが…これも彼女の澱の一つなのだろうと
ロゼ : ……女の人だって、思ってたわ(ソファに深々と
クオリア : ・・・あらま。 ・・・女の子じゃないのね・・・。(素朴に
ロゼ : うん……
クオリア : ・・・となると。アレはああいう魔法かしらね。 …(ロゼの様子に
クオリア : ・・・お友達だったのかしら。
ロゼ : ……うん  私は、そう思ってたわ。
ロゼ : (クオリアに凭れ掛かり、肩に顔を埋める。 ……懐かしい香りがする
ロゼ : ……ほんと、やになっちゃう。
クオリア : ・・・。(衣服越しの肌は温度が薄く、妙に硬い。
クオリア : (少し思い出す。 件の相手と、殆ど場を共にした事は無いが…
クオリア : ・・・もうお友達じゃない、と言われたのかしら。
ロゼ : ……それは…
ロゼ : 言われてはないけど…… でも、判らないわ。
クオリア : ・・・きっと色んな事がいっぺんに起こったのね。
ロゼ : ……。
クオリア : アナタがワタシに会う時はいつもそうだけど…、とりわけひどく、心が乱れているように見える。
ロゼ : ………(おでこをぐりぐりと押し付ける。 そんな事は無いと言いたいが そんな事ばかりである
クオリア : (寄り添うように傾け)・・・ひとつずつ、整理してみましょうかね。
クオリア : ・・・アナタが何を思って、傷付いて、悲しんでいるのか・・・。
ロゼ : ………
クオリア : (普段はあまりしない事だ。 いつもは黙して聞く。彼女が自身で整理を付けるのを見守る。
クオリア : (だが、今回は何もかもが複雑に絡まってしまっているように見える。…心身共に、満身創痍の様子だ。
ロゼ : …ん……、(まぶた越しに伝わる熱が、温かい
ロゼ : (いつだって、そうだ。 学園で問題を起こした時も、家で大喧嘩した時も。
ロゼ : ごめんなさい……甘えて、ばっかりね……
クオリア : ・・・おばあちゃんになるとね、若い人に頼られるのが楽しくなっちゃうのよ。(人形のような無表情だが、笑みを含んだ声で
クオリア : さて、じゃあ、・・・(…炉心の事は一先ず置こう。200年近く生きる人生の大先輩でも、扱うには慎重な話だ。
ロゼ : ……
クオリア : 件のお友達について、聞きましょうか・・・
ロゼ : ……。
クオリア : ・・・シエルさん、が、女の子じゃなかったと分かって・・・アナタはどう思ったのかしら。
ロゼ : びっくり、したわ。そりゃ……
ロゼ : ショック、よ。
クオリア : そう、驚き。 そうよね・・・(ふむ、と
ロゼ : ここでもまた、嘘、つかれたって思ったら、、、もう………(言ってて辛いのか、言葉が浮ついていく
クオリア : ・・・騙されていた、と思ったのね。大事な事を隠されていたのも、悲しかったかしら。
ロゼ : ……そう、ね。
ロゼ : 友達だって、、、思ってたもの。 相棒、って言ってくれて……
ロゼ : 私、嬉しかったわ。 必要とされたって思って
ロゼ : 頼りになる、って思ってたのよ。 ……けど、何処か無理してそうで、本当は何考えてるんだろう、って
ロゼ : でも…  私が見てたのは、彼が作り出した彼女<まぼろし>だったのね……
クオリア : ・・・。何度か、お茶会(※会議です)でご一緒しただけだけれど…
クオリア : 真面目な人だ、と思ったのを覚えてるわ…。言葉も態度もああだけれど…まるで完全無欠の英雄を目指しているようだった。
ロゼ : …………
ロゼ : (確かに、呼べば来る、を地で行くタイプだった。 いつでも何処でも、災害あれば。キアシスを危ぶむモノがあれば。
クオリア : きっとシエルさん…女の子の姿は、その方の理想的な姿なんじゃないかしら。
ロゼ : 理想……?
クオリア : ええ。無理してそうってロゼちゃんの言葉は、きっと慧眼ね…。
ロゼ : ……ヒーローに、なりたいって、こと?
ロゼ : ……でもどうして、性別まで。
クオリア : ワタシにはそういう風に見えた、という話ね・・・。
クオリア : ・・・性別は、(考え)・・・。 おばあちゃんには難しい話だけれど・・・(理解の範疇ではないらしい
ロゼ : …………
クオリア : ・・・さてね。ちょっと話が逸れてしまったけど・・・、
ロゼ : ……。
クオリア : ロゼちゃんは、「男の子とは友達でいられない」と思っているかしら…
クオリア : それとも、「アナタに嘘を吐く人とは友達でいられない」…?
ロゼ : ……そこまでは、言わないけど ……でも、難しい、わ。 大姉様
ロゼ : 自分を偽ってまで、したいことが、あったのかしら……
ロゼ : でも……じゃあ、どこまでが本当で、嘘か、判らないわ。
クオリア : そうねぇ…。本当を話してくれた方が、ずっと健全でさわやかね・・・。
ロゼ : …私ばっかりお腹見せて、バカみたいよ。
クオリア : ・・・。 嫌になってしまったのなら、無理しないで離れていいと思うわ…。
クオリア : けれど、そうね、…本当を知りたいなら、暴くか、訊くか。 どちらにせよ疲れるでしょうけどね…。
ロゼ : ……私、そこまで器用じゃないわ。 どうしても……気になっちゃう。
ロゼ : ……嘘じゃない、って。 そう思いたいわ。 ……けど
ロゼ : もし…全部嘘だったら……  私、立ち直れないわ。
ロゼ : それに……、
クオリア : ・・・。
ロゼ : 勘、だけど…… 嫌なんじゃ、ないかしら
ロゼ : 踏み込まれたり、暴かれたりするのは。
クオリア : そうねぇ・・・。態々そんな風にしてるのだものね・・・。
ロゼ : ……どうしたら、いいのかしら……
クオリア : ・・・難しい話ね。正解の無い事だもの。
クオリア : ・・・でも、そうね。 一つだけ言える事はあるわ・・・。
クオリア : (のそりと片腕が上がり…  PI。
クオリア : (2人分のお茶のおかわりと、茶菓子のクッキーを注文
クオリア : ・・・疲れてる時の考え事も…、大事な決断も…、大抵良くない方向に行くわ。
クオリア : 甘いものでも食べて、一息入れて。 このけったいな夜を越えて…またぐっすり眠って。
ロゼ : …………。
クオリア : それからでも充分。焦る事は無いわ・・・。 …まだまだ人生、長いんだから。
ロゼ : …………そう、ね……
クオリア : ええ、そうよ・・・。(やがて注文が届き・・・焼き菓子の甘い香りがしてくる
ロゼ : ………、(香りに誘われて置かれたクッキーを見る。 そういえば昨日から殆ど口にしてなかった
クオリア : (花を象った素朴なクッキー。シンプルな味は婆の気に入り
クオリア : (ロゼのティーカップに新たにあたたかい茶を注ぎ
ロゼ : (もぐ、とひとかじりして)……大姉様
クオリア : なぁに、ロゼちゃん・・・。
ロゼ : ……ありがとう。
ロゼ : ……もうちょっとだけ、頑張ってみるわ。
クオリア : ・・・そう。
ロゼ : (紅茶を豪快に一気に飲んで、カチャリとカップを置いて
ロゼ : ――。  落ち着いたら、またお屋敷に遊びに行くわ。
クオリア : えぇ、いつでもいらっしゃい。(柔らかな雰囲気で
ロゼ :   。(に、と微笑んで返す。無垢で素の自分。
ロゼ : (ちょうど、話もまとまった所のようだった。 各自 余韻で話をしているようだが
ロゼ : ――(ソファを降りて、テーブル席をぐるりと回って
ロゼ : (ぐ――、と。 彼・彼女の袖を引っ張る。
ロゼ : (見上げて)――話が、あるの。
ロゼ : (その時、だった。 丁度、扉が乱暴に開いたのは――
ロゼさんが退室しました
クオリア : (頬杖突いて、ほほえま見守りモード・・・・・・だったが――
クオリアさんが退室しました