第1話 「横浜に行ったときに会ったような・・・」
荒廃し紙束の山と化した大会会場、傷だらけの男性、
「ワタシトケイヤクシテ宴プレイヤーニナテクダサイ!」と微笑みかける外国人…。

ごく普通の社会人・あやきはそんな奇妙な夢から目を覚ます。
その日、夢の中で見た男性・ろくすたが会社に転勤してくる。
何故か自分の事を知っているかのようなろくすたの態度にあやきはつい「どこかで会った?」と尋ねるが
ろくすたはその問いには答えず「家族や友達が大切なら何が起きても『自分を変えよう』などと思うな」と忠告する。

帰宅途中に親友の祐一と一緒に寄ったお店であやきは自分に助けを求める声を聴く。
声を辿って建物の奥へ行くと、そこには夢で見た外人・裏鍵と
裏鍵を害さんとする不思議な格好をしたろくすたの姿があった。
ろくすたはボロボロの裏鍵を引き渡すよう要求するがあやきは拒否。
そこにあやきを追ってきた祐一が昇竜拳を連発して乱入、
2人は裏鍵を連れて逃走するも奇妙な少女が跋扈する異様な空間に巻き込まれ
危うい所を同じ関西ノ宴の先輩で『宴プレイヤー』の少々に救われる。舌打ちしてその場を立ち去るろくすた。

少々の気合で快復した裏鍵はあやきと祐一に
「ワタシトケイヤクシテ宴プレイヤーニナテクダサイ」と微笑みかける…。

第2話 「それはとっても嬉しいなって」
裏鍵に選ばれ、契約した男の子は魔力の源『幻想ノ宴』と言うTCGを手にして、
希望を振りまく『宴プレイヤー』に変身し、煽りを撒き散らす『糞ゲッター』と戦う使命を課される。
しかし糞ゲッターを倒すと見返りがあるために手柄の取り合いで衝突する事が多く
宴プレイヤーは必ずしも味方同士とは言えないらしい。
そこで祐一は「宴プレイヤーのろくすたはライバルが増えるのが嫌で裏鍵を襲ったのか」と合点する。

糞ゲッターとの戦いは危険だが「ヒトツダケドンナネガイモカナエマス」と裏鍵は言う。
しかし2人は即断出来ない。そこで少々は自分の糞ゲッター退治につきあってみないかと誘う。

翌日ろくすたは「もうオワコンだ」と裏鍵を襲う事を諦めるも
再び「そいつ(裏鍵)の甘言に耳を貸すな」とあやきに警告する。

放課後、糞ゲッターの呪いを少々の幻想ノ宴で探知し廃ビルへ向かった3人。
大量のモヒカンを蹴散らした先に異形の存在『糞ッゲッター』(糞ゲッターと言うが形体は華徒)がいる。
少々は危なげなく糞ゲッターを倒し『デッキ』という糞ゲッターの卵を手に入れる。
呪力を使う事で魔力を消耗すると幻想ノ宴は輝きを濁らせてしまうが
デッキを使う事で濁りをそちらへ吸収させ魔力も回復出来ると言う寸法だそうだ。

糞ゲッターの呪いで自殺しかけた女性を救った少々の姿を見て
あやきは「俺でも誰かの役に立てるなら嬉しいな」と憧れを抱く。

第3話 「もう何も蠱惑ない」
祐一にはスコア係と言うコンビニ定員の幼馴染がいる。
しかし彼は事故で入院中。左手の自由を失い、もうレジを打つ事は叶わない
祐一は足繁くお見舞いに通ってはコンビニのおでんを差し入れるが嘆くスコアの姿に胸を痛める。

なかなか願い事の決まらないあやきはふと少々にどんな願い事をしたのか尋ねる。
数年前、少々はこはぽんの車で出かけたドライブ中に交通事故に巻き込まれ、
目の前に現れた裏鍵にただ「助けて」と縋ってしまう。
選択の余地の無かった自分と違って2人にはよく考えて欲しいと言う少々に対し
祐一は「自分の事じゃなくて自分より余程困ってる人の為に願い事は出来るのか」と聞く。
裏鍵は可能だと言うが少々は感心しないと釘を刺す。

スコアのお見舞いの帰り、2人は病院の外壁に完成しかかったデッキが刺さっているのを発見。
このままでは病院が丸ごと糞ゲッターに取り憑かれてしまう、とスコアの身を案じた祐一は
あやきに少々を呼びに行く様に頼み、自身は裏鍵と共に糞げったーの結界内に飲まれて行く。

戻ってきた少々はあやきと共に結界内に乗り込もうとするがそこにまたろくすたが現れる。
今度の糞ゲッターはこれまでとは訳が違う、俺がガンダムだ、と言うろくすたを少々は二次元と三次元の境界で拘束、
呪力不足で動けないろくすたを置いて奥へ進んでしまう。

糞ゲッターが居る奥へと進む間、あやきは少々への憧れを語り
「宴プレイヤーになって誰かの役に立てるって胸を張れるだけでそれでもう願いが叶う」と言い
事故で家族を失い、孤独な戦いを続け独り泣いてばかりだった少々に「もう独りじゃない」と手を握る。

その時デッキを見張っていた裏鍵から「モウスグ完成シマス」とチャットが届く。
もう独りじゃないと大張り切りの少々は変身、一気呵成に攻撃するも一瞬の油断を突かれ、
糞ゲッターに衣服を噛み千切られ絶命する。

少々が喰われている間に裏鍵は2人に宴プレイヤー契約を迫るが
眼前の惨劇に2人は完全に恐慌状態に陥ってしまう。
そこに少々の死で魔法から解放されたろくすたが現れ糞ゲッターを一撃で葬り去る。

「おまえ宴プレイヤーになるってのはどういうことか知ってるか?こういうことだぞ?記憶したか?」

第4話 「輝石も御石もあるんだよ」
少々の惨死に完全に怖気づいたあやきは宴プレイヤーになる事を諦め、裏鍵は去っていく。
一度は願った憧れの宴プレイヤーを思い描いたノートを少々の部屋に残し、自分の臆病さを詫びる。

その帰り道あやきは待ち構えていたろくすたと出会う。
『向こう側』で死んだ少々は衣服は残らず永久に全裸のままだと聞かされ
ずっと独りで戦ってきた少々の最期が誰にも気づいてもらえない事にあやきは悲しみ、
ろくすたは「誰にも気付かれなくても忘れ去られても仕方がない」と諦めた様な口調で話す。
しかし「俺は少々さんの事もろくすたさんの事も絶対に忘れない!」と叫ぶあやきに
急にろくすたの顔色が変わりその場を走り去って行く。

その頃お見舞いに行った祐一はいつも嬉しそうにおでんを食べていた筈のスコアの態度が急変した事に驚く。
「レジ打ちは諦めろって医者に言われた、奇跡か魔法でもない限りもう左手は動かない」と荒れるスコアに
祐一は「奇跡も魔法もある」と告げる。その視線の先には裏鍵が座っていた…。

夜、あやきはいつもはお稽古事の筈の友人のポコ吉が街中をふらふら歩いているのを目撃する。
その首筋に糞ゲッターがつけた呪いのマークを見つけてしまうが
ろくすたに連絡する手段を持たず、しかしポコ吉を見捨てるわけにもいかず、
他の大勢の人たちと共に誘われる様に華徒邸に入ってしまう。
そこでは糞ゲッターの呪いで絶望に打ちひしがれた人が自殺をしようとしていた。
あやきは慌ててポコ吉を振り切って混ぜるな危険洗剤の入ったバケツを外に放り捨てるも
「神聖な儀式を邪魔した」と取り憑かれている人たちに襲われかけ物置部屋に逃げ込む。
が、そこで糞ゲッターの結界内に飲み込まれてしまう。
「俺が弱虫で嘘つきだからバチが当たった」と絶望しかけたあやきの前に
宴プレイヤーの姿になった祐一が滅・昇竜拳で糞ゲッターを倒す。

漸く駆けつけたろくすたは結界が消えた事と祐一が宴プレイヤーになった事に愕然とする。
その頃眠っていたスコアが目を覚まし、左手の感覚が戻っている事に気づく。

そして少々が死んだ事で空席となったこの絶好の縄張りの街を求めて
新たな宴プレイヤー・藤原刻命(ふじわらきざみ)が現れる。
裏鍵はこの地にはさっき契約したばかりの新しい宴プレイヤーがいると言うが
きざみは「みすみすルーキーにくれてやるのは癪だ、ソイツをペロペロしてしまえばいい」と不敵に笑う。

第5話 「後輩なんているわけない」
願い事を行い裏鍵と契約を行い宴プレイヤーとなる祐一。
「サア、ウケトルトイイ。
 ソレガアナタノサダメデス」

糞ゲッターの呪いの影響によって集団自殺をしようとしていたポコ吉は、夜遅くまで警察や病院へ行っていたのですっかり寝不足。
真実を知りながらとぼけて尋ねる祐一に、ポコ吉は医者によると集団幻覚だと言われたと落ち込む。
そんな祐一の様子を冷たく見つめるろくすたと、辛そうにするあやき。

怖くないのか?と問い掛けるあやきに、祐一はもちろん怖いが、友達二人を同時に無くしていたかもしれず、その方が怖いと告げる。
これからの関西ノ宴の平和は自分が守ると告げる。
「後悔とか、全然ないんか?」
「そうだな。後悔と言えば……迷っていた事が、後悔だな」

自らが宴プレイヤーになっていれば、少々を死なせずに済んでいたかもしれないと語る祐一。
落ち込み、迷うあやき。
自分はなるべくして宴プレイヤーになった、命がけで戦うだけの理由を見つける事ができたのだとという祐一は、あやきが引け目など感じる必要はないと告げる。
確かに二人がかりなら少々は死ななかったのかもしれないけど、全ては後の祭り。

スコア係のお見舞いに行った祐一。
医者にも理由不明のまま回復した左手。足の怪我などが回復していないため、直ぐに退院とはいかないが、スコアの体は至って順調であった。
「祐一さんの言ったとおり、奇跡だよね……これ」
祐一に酷い事を言ってしまった、と暗い表情を浮かべるスコアだが、祐一は笑う。

スコアを屋上へと連れて行く祐一。そこではスコアの両親や医者たちが回復祝いのため待っていた。父はスコアには捨てて欲しいと頼まれながら、捨てられずにいた彼のおでんを手渡す。

おでんを食べるスコアの様子を不安そうに見つめる祐一。
――少々さん、俺の願い……叶ったぞ。
――後悔なんて、あるわけない。
――俺は今……最高に幸せだ!
嬉しそうにスコアを見つめる祐一。

祐一の姿をきざみが見つめていた。
祐一をペロペロして、町を自分のテリトリーにとようとするきざみに、本当にやるのかと確認する裏鍵は、この町にはもう1人の宴プレイヤーがいると警告する。
ろくすたについては裏鍵にも詳しくは判らない。
裏鍵と契約して宴プレイヤーになったはずだが、「ソウトモイエマスガ、チガウトモイエマス」という。
「アノヒトハキワメツケノイレギュラーデス。
 ドウイウコウドウニデルカ、ワタシニモワカリマセン」
退屈すぎてもつまらないから、少しはおもしろみもないとと気にも掛けないきざみを、裏鍵はじっと見つめる。

あやきはろくすたを呼び出して、祐一の事について語る。
祐一の性格を語るあやきに、ろくすたは宴プレイヤーとしては致命的だと語る。
「度を超した優しさは、甘さに繋がるし……
 蛮勇は油断になる。
 そして……どんな献身にも見返りなんてない。
 それを弁えていなければ、宴プレイヤーは務まらない。
 だから少々も衣服を失くした」
「そんな言い方止めろよ!」
冷たく突き放すろくすたに抗議するあやきだが、同じ不安を抱えていたあやきは、直ぐに少々と同じく祐一が死んでしまったらと不安を口にする。
祐一の力になる事が出来ない自分に変わり、祐一と仲良くして欲しいと頼む。

しかしろくすたは嘘は吐きたくないし、出来はしない約束もしたくない、と祐一の事は諦めろと突き放す。
「アツは契約すべきではなかった。
 確かに、俺ののミスだ。
 お前だけでなく、彼もちゃんと監視しておくべきだった」
「なら!」
「でも、責任を認めた上で言わせてもらう。
 今となっては、どうやっても償い切れないミスだ。
 死んでしまった人が帰ってこないのと同じこと。
 一度宴プレイヤーになってしまったら、もう救われる望みなんてない。
 あの契約は、たった一つの希望と引き替えに、全てを諦めるって事だからな……」
「だから、ろくすたさんも諦めてんの?
 自分の事も、他の子の事も、全部?」
「おう、罪滅ぼしなんて言い訳はしないわ。
 俺はどんな罪を背負おうと、俺の戦いを続けなきゃならない」
自分の意思を曲げる事はせず、突き放すようにして立ち去るろくすた。

パトロールへとむかう祐一に、あやきは迷惑だと判っているけど、祐一の身を案じてついて行けるところまで着いていきたいと告げる。
あやきの気持ちを嬉しいと素直に喜ぶ祐一は、不安な気持ちを吐露する。
誰かと一緒にいる事は心強いのだというさやかは、必ず守るからと着いてきてほしいと告げる。あやきがいるという事で、慎重になれる筈だと考える祐一に、裏鍵は考えあっての事なら構わないと受け入れる。
糞デッキの結界を発見した祐一は宴プレイヤーとなって戦いを挑む。
祐一の武器は無し。いわゆる徒手空拳。
しかし戦いにきざみが割って入り、糞デッキには逃げられてしまう。
糞ゲッターではなく糞デッキはデッキなど持っていないため、人を殺して糞ゲッターになってから殺した方が良いと考えるきざみに怒る祐一だが、きざみは弱い人間を糞ゲッターが喰い、糞ゲッターを宴プレイヤーが喰う、という連鎖だと告げる。

人助けのために戦おうとしている祐一をバカにするきざみ。
「遊び半分に首突っ込まれるのって、ホントむかつくねん」
圧倒的な力で祐一を吹き飛ばすきざみ。
強いダメージを受けながらも、癒しの祈りによって宴プレイヤーとなった祐一はの回復力は人一倍強い存在であり、再び立ち上がる。

相容れない考えを持つ二人。
尚も挑みかかる祐一を圧倒するきざみは、祐一を殺すべく襲いかかる。
負けいまいと必死に抵抗する祐一。
そんな二人の戦いを宴プレイヤー同士が何故戦わなければならないのか、と不安を感じて裏鍵に止めて欲しいと告げる。
だが自分には無理だという裏鍵は、止める方法としてあやきに宴プレイヤーになる事を薦める。

自分が契約すれば、と宴プレイヤーになろうと考えるあやき。
「それには及ばない」
きざみが止めをさそうとした場に現れたのはろくすた。
ろくすたの出現により、きざみの攻撃は外れ、二人の間にろくすたが舞い降りる。

第6話 こんなの絶対おかしいよ
ろくすたの介入により、祐一ときざみの戦いは終結する。
頼み込んだコトを叶えてもらったと思い明るい顔で見上げるあやきだが、ろくすたには厳しい顔をして
「さんざん関わるべきでないと忠告した事を聞き入れぬ愚か者」と断じてこれ以上踏み込むなと咎められ落ち込む。

祐一家。ポコ吉やあやきを助けた時に収得したデッキで体力を回復させる祐一。
宴プレイヤーにならなくても穢れの溜まるデッキを回復させるには、糞ゲッターを倒してデッキを獲得しなければならない。その為にも障害となるきざみの打破。
しかし今の実力では夕宇一はきざみに勝利できない。素質や才能の違い・・・勝てる可能性の一つとしてあやきを挙げる裏鍵に、祐一は「これは、俺の戦いなんだ」と拒否する。

明くる日、祐一ときざみが戦った場所を訪れるあやき。其処には取り逃がした糞ゲッターの手下の手がかりを辿ろうとする祐一がいた。昨日の戦いを受けて今一度話し合い協力して戦うべきだと語るあやきに対して、あやきに秘められた素質に対しての劣等感もあって拒絶する祐一。しかも少々が死んだのを待ち構えていたようにろくすたが現れたのだと誤解していた。

あの戦いは喧嘩じゃない、殺し合いだったと。そして、祐一はあやきに言い放つ。「宴プレイヤーでも人を殺す」、ましてやその糞ゲッターよりも悪い人間だとしたら、俺(祐一)は戦うと。
どうあっても勝ち目の無い戦い。去っていく祐一の後ろ姿を見ることしか出来ないあやきは裏鍵に縋るが、彼はただ「ムボウスギマスネー」と告げるのみだった。

日は過ぎていつもの病院。スコアがいる筈の病室を訪れる祐一だったが、スコアは腕のケガが完治した事もあり予定を前倒しにして退院していた。
彼の家に訪れ呼び鈴を鳴らそうとする祐一の耳に響くスコアのニコ生放送。その声色に聞き惚れるのを打ち破るように祐一の後ろにきざみが佇んでいた。

祐一の戦う理由であったスコアを自分のモノにしたいならもっと効果的な方法があるだろうと、凄惨な手段を突きつけてきざみは祐一を焚き付ける。

 「アイツをモノにするなら、もっと冴えた手があるだろ。折角手に入れた強デッキでさ、今すぐ乗り込んでいってアイツの手も足も二度と使えないぐらいにペロペロしてやればいい。お前無しでは何も出来ない身体にしてやるんだよ!そうすれば今度こそアイツはアンタのモノだ。心も身体もぜーんぶな?」

心の中で引き戻せないだけの激情を抱えた祐一は、きざみに誘われ人通りの少ない高架橋へと向かう。
激戦を予感させる雰囲気のまま対峙する二人に割って入るように、裏鍵の呼び掛けに駆けつけたあやきが祐一を止めようとする。
同じくして、きざみと結託し彼に関西ノ宴を任せて祐一を打ち払おうとするろくすたもきざみの背後に立つ。

混ざり合う感情のるつぼで、どうしても祐一に宴プレイヤーとして戦ってほしくないあやきは彼のデッキを奪い橋の下の道路に落とす。
落としたデッキはトラックの荷台に乗り、遠くへと離れていく。ろくすたがそれを見て、血相を変えてトラックを追い駆ける。

とんでもないコトをしてくれた、とあやきを責める祐一だったが、ふと何かが抜け落ちたかのように崩れ落ちる。
何も反応の無いのを訝しんだきざみが祐一を掴み上げ、異変に気付いた。

「…どういう事だ、コイツ死んでるじゃねーかよ!」

デッキを失った祐一は、人形を失ったアリスのように動かない。

「アナタタチ宴プレイヤーガニクタイヲコントロール出来ルノハ、セイゼイ100メートルケンナイガ限度デス」

泣き叫ぶあやきに、問い詰めるきざみに対して淡々と説明する裏鍵。
普段は起こり得ない事故。あやきが揺すった祐一の肉体は抜け殻だと、そして祐一自体はあやきがさっき投げて捨てたデッキだと。
宴プレイヤーとして契約した者は、ただの人間と同じ・・・壊れやすい肉体で戦ってもらうワケではない。
呪力を扱いやすい、本体としての魂に安全な形態・・・最適なソフトウェア・デッキが与えられる。

「宴プレイヤートノ契約ヲ取リ結ブ私ノ役割ハ、君タチノ魂ヲ抜キ取ッテ、デッキニ変エル事デス」

どれだけ傷ついてボロボロになっても、喩え心臓を貫かれたとしても、その肉体は魔力で修理すれば元通りになる。
普通の人間では対処できない糞ゲッターと戦うにあたっては無敵、とても便利な手段。
宴プレイヤーが戦わなければならない理由。それは糞ゲッターから得られる褒美でも、人を護る目的や優勝する為の誓いの成就の為でも無い。

ただ純粋に、「戦わなければ生きていけない」のだ。

ろくすたがトラックの荷台から取り戻したデッキを祐一の胸元に置く。
暫くして、祐一が目を覚ました。何事も無かったかのように。

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最終更新:2011年04月23日 03:06