第7話「本当の気持ちと向き合えますか」
あの後、祐一も事情を説明されたらしく、部屋に帰ってきた
彼は激怒して裏鍵に言う…

「騙してたんだな…俺達を。」

裏鍵は宴プレイヤーになってくれってちゃんとお願いはしたし「聞かれなかったから」と、あの事を説明しなかった理由を言う。
人間というものの魂はそもそもが神経細胞の集まりでしかないし、そこは循環器系の中枢があるだけ、
そのくせ生命が維持できなくなると精神までもが消滅してしまう。
そんな脆い人間では糞ゲッターと戦えないから魂を実体化し、きちんと手で守れる形にしたと裏鍵は言う。

裏鍵は、祐一を理解させる為に、
もし、マジスパでアクエリアスを食べた時の痛みを祐一に味あわせる。
裏鍵がデッキに触るとデッキが光り、祐一が腹とケツに痛みを感じて苦しみ出す。

祐一がきざみとあれだけ戦えたのも、肉体が魂と直結してないからこそで、
もし、直結していたら戦えなかった… 
慣れてくれば完全に迎撃を遮断する事もできるらしいが、それはそれで動きが鈍くなってしまうらしい。 
つまりはこの状態なら、いくら負傷してもちょっとの痛みで済み、戦い続ける事ができるわけだ。

翌日、祐一は会社を休み、あやきは祐一を心配する。
昼休みに、ろくすたと屋上で話すあやき。
ろくすたは、宴プレイヤーが人間じゃなくなる事を知っていたが、話しても誰も信じてくれないので話さなかったという。
裏鍵はこのことを別に悪いとなんて一切思ってなく、もっとも、裏鍵には日本人の価値観なんか通用せず、何を言っても、奇跡の相当の対価だと言い張るだけらしい。

本来ならば祐一が彼の一生を費やして介護してもスコアの手は治る事がなかった…それを治したのは間違いなく奇跡であることにちがいない。
奇跡というものは本来ならば、人の命でさえあがなえるものではないのに、それを売って歩いているのが裏鍵だ、とろくすたは言う。
たとえ、あやきが命を救ってもらった事を感謝しても感謝と責任を混同してはいけない、祐一の事は諦めろと再びあやきに告げる。

あやきには祐一を助ける手だてなんてない。
借りを返そうだなんてそんな出過ぎた考えは捨てろ。

そう言うほむらに、「ろくすたさん、なんで、いつも俺を煽るの?」と言ってくるあやき。
すると、ろくすたは「そうだな…きっともう人間じゃないから…かもな」と答える。

家でふさぎ込む祐一。こんな体になっちゃって、俺はどんな顔をしてスコアに会えばいい? 
すると、そこにきざみが話しがあると言ってやってくる。きざみが祐一を連れだった場所は、廃墟となった家…
きざみはもっていたタバコが沢山入った紙袋からタバコを一本取り出し、祐一に投げる「吸うかい?」
しかし、祐一はもらったタバコを投げ捨てる。
きざみは高い物を粗末にするな!と一瞬怒って祐一に掴みかかるが、すぐにやめて、タバコを拾って紙袋に戻すと、
自分の生い立ち、そして宴プレイヤーになった経緯を語り出す。

この廃墟の家はきざみの父親の家だった。
しかし、きざみの父親は生真面目さ故か、新しい時代には新しい技術が必要だと思い、ある時から、マニュアルに無いような事までやり始めてしまった。
それ以来、業者の足はぱったりと途絶え、本社からもリストラ、だれもきざみの父の話を聞こうとはしなかった。
杏子の父は間違った事は言っていなかったらしいが、世間的にはただの胡散臭い新技術、そのうち、きざみの家は困窮し、その日に食べるものにも困る事になった。
父親は間違った事を言っていないのに、誰も耳を傾けない事を悔しく思ったきざみは、
「みんなが父親の話をマジメに聞いてくれますように」という願いと引き替えに裏鍵と契約し、宴プレイヤーになったのだ。

宴プレイヤーになったきざみは、父が表の世界から世界を救うなら、自分は裏の世界から世界を救うんだと、糞ゲッター退治に励んでいたが、
ある日父にからくりがバレ、大勢の業者がただ新技術の為じゃなく宴の力で集まってきたという事が発覚してしまう。
父親は激怒してきざみを糞ゲッターと罵り、精神がおかしくなり、最期はきざみ1人を残して家族を道連れに無理心中を図った。

他人の都合を知りもせず、勝手な願い事をしたせいで
結局、誰もが不幸になった…

そんな痛すぎる経験をしたきざみは、これからは魔法を他人の為ではなく
自分自身だけの為に使い切ると決心したのだ。

奇跡というのはタダではない。
希望を祈れば、それと同じ分だけの絶望がまき散らされる。
そうやって差し引きをゼロにして世の中のバランスは成り立っている

きざみが祐一に忠告しているのは祐一がきざみと同じ間違いから宴プレイヤーになったから…
きざみは祐一に、これ以上後悔をするような生き方をするべきじゃないと言ってくる。
しかし、祐一はそんな生き方を否定、自分は高すぎる対価を払ったなんて思ってないし、この力は使い方次第で素晴らしいものになると言い放つ。
そして、きざみがタバコをどうやってゲットしたのか?と聞いてきて、きざみが答えに困ると、
「そのタバコは吸えない」と「もらっても嬉しくない」と言ってその場から去っていく。

俺は俺のやり方で戦い続ける…
この先、またきざみがそんな祐一を許せないと思ったら、またきざみと戦うと祐一は言う。 

翌日…出社してくる祐一。ポコ吉とあやきが明るく出迎えるが、登校途中、スコアが会社に出社してくる姿を目撃する。
スコアが登校してきても祐一の表情はすぐれない。
放課後、ポコ吉に話があると呼び出される祐一。ポコ吉は「ヴァンガードの話」と言って、実はスコアの事が好きだと祐一に言ってくる。
ポコ吉は、祐一は自分にとって大切な友達なのでぬけがけも、横取りもしたくない、スコアを見つめていた時間は自分より多い祐一には、先を越す権利がある。
と言って、自分がヴァンガードファイトする翌日の放課後まで、祐一に時間をあげるから、後悔がないように決めろと言ってくる。
夜になり、祐一はいつものように、糞ゲッター退治へ…
落ち込んでいる様子の祐一… 玄関ではあやきが待っていた。
あやきに優しく声をかけられ、祐一は涙を流し、自分の気持ちを吐露する。
今日、「ポコ吉を助けなければよかった」と思ってしまった自分の気持ちを悔やみ、そして、スコアに対して自分は何もすることができない事を悲しむ。
あやきに抱きついた祐一は…

ポコ吉にスコアを取られてしまう…
でも、俺は、何もできない…
だって、俺は、もう死んでる…
ゾンビだもん…
こんな体でユビートしようぜ、なんて言えない…
麻雀してなんて言えない…

自分の気持ちを思いっきり吐露した祐一は少し気分がよくなる。
あやきを伴って糞ゲッター退治へ…

祐一が糞ゲッター退治をしているのを結界の外から見ているきざみの所にろくすたが現れる。
ろくすたは、きざみが祐一に獲物をあっさりと譲っている様を不思議がる。

今回の糞ゲッターは…
Yuki Hirano

糞ゲッターと戦っている祐一は確かに苦戦していた。
祐一が糞ゲッターに呑み込まれそうになった時、きざみが助太刀に入る。きざみは、お手本を見せるといって、そのまま戦いを引き継ごうとするが、
祐一は再び立ち上がり、糞ゲッターへ向かって突進、ついに、糞ゲッター本体をとらえ糞ゲッターに何度も殴りかかる。
祐一は衣服のあちこちを破きながら狂ったように笑い叫びながら糞ゲッターを殴る。

ホントだ!その気になれば痛みなんて…
完全に消えてしまう!!

場面は暗転し、あやきの声が響く…「やめろ…もうやめるんや…」

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最終更新:2011年04月23日 03:06