増田茂「メガ・ベンチャー」(1997)

評価

★★★☆

ひとこと

2000年前後(ITバブル時)に仕事としてベンチャー探しをしていた頃に入手した本。
ハーモン,スティーブ「ザ・キャンチャーキャピタル」ウルフ,マイケル「回転資金」などとともに読んでました。


分類



目次

  • 第一部 メガ・ベンチャーによる米国の復活
    • 第1章 間違いだらけのベンチャー論議
      • 五年前に何と言ったか 振り回された経営者
      • ベンチャー・バブル  ベンチャー立国・ベンチャー亡国
      • エンジェルが存在するのはなぜか  ボランティア精神と投機心
      • 赤字企業でも株式を公開してよいのはなぜか  情報公開が防ぐ市場の混乱
      • ストック・オプションに規制がないのはなぜか 経営者の解雇も辞さない社外重役による監査制度
    • 第2章 リセッションこそ飛躍の原動力
      • 景気後退期の日米の対応の差 攻めの米国、守りの日本
      • 亀裂が生ずるマーケット 持たざる者の独壇場
      • 経営資源のコストが低下  一〇割引のオフィス家賃
      • 資金の流入 ナスダックにはお金がざくざく
      • 失われた五年間 日本企業は冬眠中
    • 第3章 ベンチャーが育つ米国の環境
      • 成功には方程式がある 必勝法を発見した起業家達
      • 方程式に則った事業展開 パラノイアだけが生き残る
      • パートナーシップが根付いた米国社会 金は出すから自分でやれ
      • ビジネスマンのプロ根性 アマチュアにチャンスなし
      • 素晴らしきカントリー・ライフ  米国ではコンピューターは畑で育つ
    • 第4章 ベンチャー生態系
      • 生態学的産業構造 ベンチャーは生態系の中で育つ
      • シリコン・バレー 驚くべきベンチャー・ジャングル
      • ゴールデン・トライアングルとテクノロジー・コリダー 一粒のベンチャー、もし死なずば
      • 躍進するローカル・ベンチャー・ランド どうやってベンチャー生態系を作るか
    • 第5章 米大企業の逆襲
      • スーパー・エリートのベンチャー入り 大企業社長よりベンチャー経営者が偉い?
      • 大企業が振興ベンチャーに勝てない 質とスピードで凌駕される大企業
      • 大企業がベンチャーを学んだ 突如として姿勢を変えた大企業
      • 大企業が笑う日 豚とベンチャーは太らせて食え
  • 第二部 米国の躍進を支えるベンチャー・キャピタル
    • 第6章 ベンチャー・キャピタルの役割
      • 成功したベンチャー企業の影には 実の親よりベンチャー・キャピタル
      • ベンチャー・キャピタルの投資 実態は意外に堅実?
      • ビジネス・プロデューサー 産業界のジョージ・ルーカス
      • 求められるキャピタリスト像  優秀な者は一握り
    • 第7章 ベンチャー・キャピタルの実態
      • 事業としてのベンチャー・キャピタル 宝探しのプロフェッショナル
      • タイプ別ベンチャー・キャピタル 個人経営から大企業系列まで
      • 看板不要の実力主義 個人的信頼がすべての世界
      • 資金力よりプロポーザル よいネタには資金が殺到
      • 投資リターン 一〇〇倍になるか元手を失うか
    • 第8章 ベンチャー・キャピタリストとしての生き方
      • ベンチャーへの投資は危険か 優良銘柄なみにハイリスク?
      • ゼロン・グループ マンハッタンの日本人キャピタリスト
      • ベンチャー投資を決めるまで 書類の山で金を掘る
      • 成功の秘訣はフェアネス 極限状況では抜け駆けなし
  • 第三章 ベンチャーで再生する日本経済
    • 第9章 社会への五つの提言
      • 一億総ベンチャー 幸せになりたくないための口実探し
      • ベンチャーを理解せよ メガ・ベンチャーを生むための頭脳改革
      • プロフェッショナルを支援せよ 本物のビジネスマンの流動化促進のために
      • 東京の奴隷になるな 東京でなければできないということはない
      • 大学をベンチャー化せよ 大企業大学とベンチャー大学
    • 第10章 起業家への三つの提言
      • お金持ちになりたいのならば ビル・ゲイツの教訓
      • マイクロ・ニッチからグローバル・ニッチ ドメスティック・ビジネスでは潰される
      • 本格派ビジネスを志向せよ ニュー・ビジネスには食傷気味
    • 第11章 経営者への五つの提言
      • 過去のフォーミュラを捨てよ 米国進出しか選択肢はない
      • ベンチャー化で大企業病を払拭せよ 競合相手は隣の事業部
      • 企業内ベンチャーの取り組みを変えよ 社外リソースで社内ベンチャー
      • 自社でベンチャー・キャピタルを持て 道楽型資本投資を戦略レベルへ
      • コーポレイト・パートナーシップを強化せよ 取り残されないための唯一無二の方法



気になる表現


メモ

  • 危険なベンチャーをめぐる日本の論調(米国が××だから・・・)
    1. 米国でベンチャー企業が成長しているから、日本もベンチャー企業を育成しよう
    2. 米国にはエンジェルがいてベンチャーに資金が流れているから、民間資金活用のため、エンジェル育成のために税制で優遇しよう
    3. 米国は早くキャピタルゲインが得られてるから、公開基準を緩和しよう
    4. 米国は赤字の会社も上場できる、赤字の会社も株式を公開してよいことにしよう
    5. 従業員のやる気を引き出しているから、ストックオプションを解禁しよう
    6. 米国ではベンチャーキャピタルが活躍しているから、税金でベンチャー・キャピタルを作ろう
    7. 米国にはさまざまなインキュベーション・システムがあるから、税金でインキュベーション・システムを作ろう
    8. 米国では学生の作ったベンチャーが大成功しているから、学生にベンチャーを作らせよう
    9. 米国にはシリコン・バレーがあるから、日本もハイテク産業を誘致してシリコン・バレーを作ろう
    10. 米国は規制緩和が進んでいるから、規制緩和しよう

  • 米国の背景
    • 米国の株主は日本の株主ほど忍耐づよくない(赤字でも公開できる理由)
    • 社外取締役による監査制度(ストックオプションに規制がない理由)

  • 成功の方程式
    1. ニッチを狙った事業計画
    2. 事業資金を集める(まずは業界を理解しているVCや個人投資家から)
    3. スタートアップに専念
    4. マーケットに参入する(数か月で完全にリーダシップを握る)
    5. 株式を公開する
    6. 金持ちになる

求められるVC像
    1. 分析力
    2. 想像力
    3. 縁の下の力持ちとしての認識
    4. プロジェクトを成功させる意欲
    5. ベンチャー魂

ゼロン・グループが投資を行う場合の項目
    1. グローバル・ニッチ
    2. テクノロジー・リーダーシップ(サービス・小売業の場合は業態リーダーシップ)
    3. マネジメント・リソース
    4. 外部の人材の受け入れに対するフレキシビリティー
    5. 成功の兆候
    6. 他のインベスターの顔ぶれ
    7. ゼロンに求められているサポート
    8. ストーリー性
    9. 五年以内に上場できる見込み
    10. リスク・ファクター(が予見されていること)


参考文献

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最終更新:2011年11月13日 12:07