リアルでエロゲみたいなことが起きたんだが@wiki

佳奈恵&花月ルート 其の八

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集

花月―――真にかわゆきことかな――――

今日は午後休講だったから、大学は午前のみ
件(クダン)の墓の花のお供えのことについて、調べといてくれた人がいて、
今日はそれの報告しに来てくれたんだけど、なぜだかお小遣いを貰ってワーイな状況になったので……

電話で花月を呼びつけることに
大型ショッピングモール(通称ジャスコ)制服姿のまま来いと伝えておき、
15時頃に、花月、自転車に乗って現れる。

俺「お待たせ」
花月「……遠すぎるぞ、ここは」
俺「ま、学校の人に見られるよかマシでしょ」
花月「大体、私を呼び出してどうするつもりだ」
俺「どうされたい?
花月「……」
俺「『どうされたい』と言われて、いま真っ先に思いついたことを白状しなさい」
花月「言えるか!そもそも、どうして和泉でなく私なのだ?」
俺「まあ、佳奈恵はいま修学旅行前で色々忙しそうだし、また北辰テスト近いから勉強に集中させたいし」
花月「……」
俺「じゃあ花月とかでいいや、って」
花月「帰っていいか?」
俺「可愛いから駄目
花月「……」

テクテクと適当に、店内を歩き回る。
俺「実はね、こないだ墓参り行ったとき、花がなかった理由がわかったんだ」
花月「……調べたのか」
俺「それで、その調べてくれた人が、なぜだか俺にお小遣いくれたんだ、学生だからって」
花月「……」
俺「で、せっかくお金貰ったから遊びたいな思って、花月を呼んだんだ」
花月「なるほど」
俺「そういうことだから、ショッピングでも―――」
花月「待て」
俺「報告はまだ無しよ。相当に相当らしいから」
花月「意味がわからないのだが」
俺「大人になればわかるよ
花月「嘘だ
で、今日会った時から思ってたことを言ってみる。

俺「そういや、全然汗かかないよね、花月」
花月「……生来、暑さには強いからな、私は」
俺「暑さに強いのか、単に汗かきにくいのか」
花月「? 同じじゃないのか?」
俺「後者なら、発汗作用がきちんと働かないってことだから、熱射病か日射病になりやすいらしいよ」
花月「ふむ……」
俺「俺は基本的に暑いの苦手だからアレだけど、自分ではどんな感じなん?」
花月「確かに、平熱は高いほうかもしれない。体育の時間に倒れたこともあったしな」
俺「ちょっと待って、それは自殺に関連した自演って言ってなかったっけ?」
花月「流石に、酸欠状態の演技は無理だ。知っているなら、教えて欲しい
俺「いや、知らんから」

で、何気なく花月の手を握る。

花月「……」
俺「おお、凄い冷たい」
花月「何、を……」
で、手握ったまま、歩く。

俺「ひんやりしてて、いいねぇ」
花月「……」

花月がうつむく。
前の髪が長いときと違い、今は表情が丸わかりの状態。
俺「……うつむいてても、にやけてんの丸見えですよ」
花月「そ、そんなはずはない!」
俺「『そんなはずはない』って、にやけ顔見えることが、ってこと?」
花月「う……手を離せ」
俺「やだ」
花月「はなせっ、は~な~せ~

ブンブン手を振っているが、俺は離さない。
俺「んな子供っぽいことしないでって、もう中三なんだから」
花月「どうして握る力がこんなに強いんだ……以前のマクドナルドのときは、完全に手加減していたのかっ」
俺「いえす、ま、これ以上握ってると佳奈恵に怒られそうなんで……

花月の手をはなす。
花月「どっと、疲労感が……」
俺「で、どうよ、好きな人とか出来た?」
花月「……いない」
俺「まあ、今のままじゃ、誰かと付き合ったりはしないほうがいいと思うよ」
花月「? 何故だ?」
俺「なんかこう、対人恐怖症というか……他人が不快だったり不機嫌だったりすると、物凄く気にしそうなタイプっぽいからさ」
花月「……」
俺「真面目な人ほどそうなんだけどね、相手のことを気遣いすぎて、自分が神経を病んじゃうっていうパターン
花月「……和泉ほど、私は器用でもない。そう言われても、すぐに変わるわけでもない」
俺「佳奈恵はねぇ、最初は花月に対して、尊敬の目のみで見てたみたいなんだけどね」
花月「……」
俺「色眼鏡なしで言うけど、佳奈恵は完璧人間に近いから、意識しすぎないほうがいいよ」
花月「そうか……」
俺「ま、地道にね、地道に努力を」
花月「うむ、奮励(フンレイ)を」
俺「……やっぱり最初は、その文語寄りの口調をどうにかしないとね
買い物といったものの、特に何するでもなく、二人でアイスを食べ終わり、だらける。
花月がうーうー微妙にうなりながら、テーブルに横頬をへばりつかせ、ぐてーっとする。

花月「文語は駄目か」
俺「文語が駄目というより、人に言って通じない言葉は駄目だ。小難しい論文じゃないんだから」
花月「今の私のジカンか……」
俺「なに、時間? なんか予定あるの?」
花月「時艱(ジカン)だ、難問という意味で……はぁ」
俺「たれパンダみたいな状態でつぶやく言葉じゃないぞ、それ」
花月「なら、荊棘(ケイキョク)でいい……」
俺「結局さ、難しい言葉で、自分の本心悟られたくない}ってことなんでしょ」
花月「むぅ……」
俺「難しい言葉に変換しないで、『行く行く』とか素直に言えばいいのに」
花月「……私は一生、それをネタに貴様に茶化されるのか……」
俺「反応してくれるから楽しいんですよ」
花月「じゃ、反応せん……まどろむ
俺「……ほほぅ」
俺も花月と同じように、グテーっとテーブルに突っ伏す。
で、おぼろにつぶやく。

俺「……花月……にゃんこ……好き?」
花月「……猫のことか……」
俺「花月……にゃんこ……好き……?

『にゃんこ』の部分の音量を、下げる。}
ちなみにこのとき、花月と顔が至近距離の状態。}

花月「……」
俺「花月…………ゃんこ……好き……

語尾の疑問調を削除。
にゃんこの部分を、聞こえるか聞こえないかぐらいにして……
俺「花月……好き……
花月「……………………ゃ」
俺「……」
花月「……」
俺「今、『にゃあ』って言った」
花月「……我慢の限界に来ていたところだ」
俺「何の?」
花月「……言えるか、馬鹿が」
俺「これをきちんと言うことが、難語脱出の第一歩だよ」
花月「む……言えというのか」
俺「うん」
花月「わかった、言ってやろうではないか」
俺「おお、言ったれ言ったれ」
花月「もうなんだ、あれだ、悶え死にそうになって興奮状態になって、貴様をどうにかしてやろうと思ってたとこだ
俺「つまり?」
花月「にゃあということだ」
俺「……大丈夫?
花月「……貴様が、言えと……」
俺「……文語はなかったけど、次は理路整然と話せる訓練か」
花月「難しいことばかり、要求しおってぇ」
俺「嫌じゃないくせに」
花月「……」
俺「今、素直に思ったことは?」
花月「……どうやら」
俺「ん?」
花月「貴様の、恥ずかし責めを乗り越えない限り、ありのままの自分を手に入れることが出来なさそうだな……」
俺「まあまあ、そんな難しいこと言わずに、今はふみゅ~ってだらけてようか」
花月「ふむ……」

で、バイトの時間まで、こんな調子でひたすらぐて~っとしてました。


ぷよと花月の間の空気は「和み」と「まどろみ」と「萌え」がいい感じにテイストされてます 感じた方はもれなく幸せになれちゃったりしまっせー

和みは楽しく、その時はとても平和

今日はバイトも何もなく暇だったので、また花月を
都市型大型デパート(俗称ジャスコ)に呼び出す。

ちなみに佳奈恵は、何か文化祭の運営委員やることになったらしくて、最近微妙に忙しいらしい。
で、花月がいつも通り自転車に乗って登場。この時午後4時。

俺「やっほ」
花月「昨日に続いて今日もか……」
俺「佳奈恵は修学旅行に文化祭準備に忙しいだろうしね、お手ごろな花月が一番良いのです」
花月「光栄と受け取るべきか、どうなのか……」
俺「ほら、またアイスでも食べに行くべさ」
花月「……ふむ」
で、昨日と同じくフードコートで二人でアイスを食べる。
食後、花月またグテーっとテーブルに突っ伏した状態に。

花月「アイスは、和むな……ふみ、和む……」
俺「和みすぎだが、『ふみぃ』とか」
花月「『ふみぃ』とは言ってない、『み』できちんと止めてる……ふみ」
俺「『か~わ~い~い~』とか言われたかったり?」
花月「貴様からは結構だ」
俺「そう言われると意地でも言いたくなるんだが」
花月「貴様は、囲碁出来ないのかっ、囲碁……」
俺「囲碁は無理」
花月「なら将棋はどうだ」
俺「飛車の目の前の歩をひたすら進めるのが、最強ってことは知ってる
花月「……ヘボい
俺「花月の、囲碁・将棋の実力はどんなもんなの?」
花月「囲碁は敵なしだ、というか、最近囲碁ばかりで将棋をやっていない。だから今からでも私に追いつくと思うぞ」
俺「そなのか、じゃあ頑張ってみようかな、将棋」
花月「ふむ」
俺「勝ったらどうする?」
花月「貴様が、か?」
俺「そそ」
花月「……期間は」
俺「一ヶ月」
花月「ああ、有り得ないから好きにしていいぞ、なんでも言うこと聞いてやろうか」
俺「わーい」
花月「私が勝ったら」
俺「……」
花月「……思いつかない」
俺「『31』連れてって、アイスおごってあげるよ。一週間ぐらい」
花月「負け戦に、大きく出るものだな……」
俺「花月におごってあげたい、っていうのが目的だから」
花月「真摯な心がけだな、ふむ」

ちなみに、中学時代は将棋部の子に常勝してたぐらいやってたので、この時点で負けるつもりはさらさらなし

俺「そういやさ」
花月「なんだ……」
俺「グッタリしすぎじゃない?」
花月「懈怠(ケタイ)なく励みすぎてた反動だ……」
俺「だらけてる割に、きっちり難しい言葉は使うんですね」
花月「考えてみればここ数年、布団に入ることもなかった」
俺「え、どういう意味?」
花月「ずっと、こうして机に突っ伏して、寝ていたからだ」
俺「腰痛めますよ」
花月「和やかな気分でいると、いつも発作的な狂気に見舞われていた
俺「……」
花月「……姉を尻目に、自分一人だけ幸せな気分に甘んじている私を、当時は無意識的に罰していたのかもしれぬ
だから、布団にも入れなかった。血反吐を吐いたこともあった。実は鼻血だったかもしれないが
俺「……」
花月「……今は、薄い。痛く薄い。死に向かって生きてた、どんな興味にも手を出さなかったあの時よりすら、薄い。けれど……」
俺「けれど?」
花月「……和む

花月が、じゃれ合うように、向かいに座ってる俺の腕を掴む。

花月「もう、正体不明・原因不明のバチルスは……」
俺「知らなかった、横文字にも強かったのか」
花月「馬鹿め、馬鹿が」

そして、たれパンダの体勢のまま、顔だけ持ち上げて、

花月「……ありがとう

俺「……」
花月「……な、なんか言え」
俺「んー、やっぱり『感謝する』とか『礼を言う』とか『三拝九拝』のほうが似合うな、花月には」
花月のおデコをつっつく。

花月「ふみ、やめいっ」
俺「やじゃ」
花月「連日、出来るだけ簡単な言葉を使えと散々言ってきたのは、どこのどいつだ」
俺「そりゃ、頭の弱そうな単語のほうが、普通萌えるし
花月「『萌える』という言葉は、いつから卑猥な意味を持つように……」
俺「で、前から聞きたいことあったんだけど」
花月「何だ」
俺「佳奈恵の家行って、何してんの?」
花月「ああ、そういえば一度遭遇したな、和泉家で」
俺「化粧品とかファッションとか、教えてもらったり?」
花月「なのだが……和泉は少し、世間とズレがあるらしいな……」
俺「というか、佳奈恵は服装うるさいから、結構マニアックなのも手伸ばしてたりするじゃないの?」
花月「なんだか奇抜な服装ばかりで……見たことも聞いたこともない横文字ばかりだ……」
俺「まあ、金はあるんだから、好きなように研究してみれば?」
花月「わからなさすぎて、初期の夢中さがなくなりかけているというか……」
俺「不器用ながらも少しずつ知識つけていくのと、いつまでもわからないわからないって連呼し続けるの、どっちがいいと思う?」
花月「む……貴様の癖に正論を言いおって」
俺「あと、もう一個あんだけど」
花月「何だ?」
俺「なんで俺への呼称が『貴様』?」
花月「昔は敬意の意味もあったんだ、あまり気にするな」
俺「俺はいいんだけど、周りに人がいる時に『貴様』呼称は、さすがにまずいよ」
花月「じゃあ何がいいんだ」
俺「『おアニちゃま』
花月「頭が弱くなるから駄目だ」
俺「貴方でいいじゃん、敬語モードのときの」
花月「敬語モードのときはいいが、普通に話してるときは……若干来ない」
俺「『こなた』
花月「古すぎて、使いこなす自信が今ひとつだ」
俺「『汝』
花月「言い方が他人行儀すぎる」
俺「普通に上の名前で」
花月「それも他人行儀だ」
俺「……なかなか難しいね」
花月「ふみ……」
俺「そういや、佳奈恵に対しては『和泉』だよね、上の名前
花月「……それがどうした」
俺「下の名前で呼んであげれば? 友達なんだし、『カナ~』とかって」
花月「絶対『気持ち悪いわね』とさげすんでくるぞ、和泉は」
俺「試しに呼んでみなよ、意外と喜ぶと思うよ」
花月「小さいのでいいから、もう一個だけアイス買って来てくれれば考えてやる」
と言い、花月が俺に小銭を渡す。

俺「……おなか壊しても知らんよ」
花月「ふむ……」
で、先のお店で買って、花月の所に戻る。

花月「ふみ、ありが……」
俺「どしたの?」
三段重ねアイスを見て、絶句する花月。
手をつけなかった小銭を彼女の前に置いて、向かいの席に戻る。

花月「まあ、食べきれないことは、ないがな……」
俺「じゃ、佳奈恵を下の名前で呼んでみてね」
花月「造作もないことだ」

で、黙々とアイスを食べ続ける花月。
だが、二段目の青色のアイスに差し掛かったあたりから、表情が曇る。
花月「この、青いのは……なんだ」
俺「ミントと何かの果物だと思ったけど」
花月「……」

すっとアイスを差し出して、
花月「この部分だけ食べてくれないか、あまり美味しくない」
俺「……間接キッス}はそこまで嫌じゃないけど、けど流石に人がベロベロ舐めたアイスはちょっと……」
花月「……仕方ない。食べれないことはないが……」
で、再びちびちびとアイスを舐め始める花月。

花月「……間接キスとは何だ?
俺「恋愛小説とかに、出てこなかった?」
花月「知らないから聞いている」
俺「……手繋ぐ云々で恥じらうレベルなら、聞かないほうがいいと思うけど」
花月「云々言ってないで早く言え」
俺「二人の男女が、ある媒体の同じ箇所に口をつけることによって、キスしたような錯覚に陥る事が出来るラブラブ交流の一つ
花月「……」
俺「ですよ」
花月「……口付けを交わそうと申し出てたのか、わっ、私は……」
俺「いやいやいや、そんな大層なものでもないから」
花月「なんだ、じゃあ缶ジュースならいいのか!?」
俺「『いいのか』って、何に対して言ってるのさ」
花月「いや、い、いや……」
俺「大丈夫? 顔赤くなってきてるけど」
ホントは赤くなってなかったけど

花月「だ、黙っていろ……たかだか望みをつぶやいたぐらいで……鬼の首を取ったように……」
俺「ブツブツ言うのはいいけど、アイス溶けてきてるよ」
花月「今から食べようとしてたところだ、ああ、もう、なんなんだ貴様は」
俺「楽しそうでいいね♪」
花月「一発殴っても構わないか?
俺「真っ向勝負じゃ敵わないと見て、暴力に走るのはいけないっすよ」
花月「じゃないと……こそばゆすぎて悶えそうになる……ああそうだ」
俺「何?」
花月「和泉はどうして、執拗に私のことをくすぐってくるのだ?」
俺「ごめん、たぶんそれ俺の影響だ
花月「貴様っ……生きては帰れないと思え……!」
俺「怖すぎです花月さん。反応しなきゃいいじゃん」
花月「…………無理」
俺「そんな失望一杯の目でこちらを見られても」
花月「はるか遠い記憶に、姉に少しだけやられた記憶がある程度で……まさか今になって、自分がこれ程までに弱いとは思わなかった」
俺「鍛えれば?」
花月「何か方法があるのか?」
俺「ひたすらくすぐられるとか}」
花月「……訓練の最中に、息絶えるぞ」
俺「あとは鍛えるしかないんじゃない? 例えばお腹が弱いんなら、腹筋鍛えるとか」
花月「……」
俺「あとね、くすぐられたら素直に声出して笑ったほうがいいよ。こらえると、息苦しくなるだろうし」
花月「声出して笑うとか……耐え難いぞ」
俺「どういう意味で?」
花月「気色悪いに、決まっている……」
俺「腕出して」
花月「……」
無言で、左腕を差し出す花月。
夏服なので、当然腕は綺麗に露出している。
で、指で芋虫のように花月の腕を這ってみる。

花月「ふみぃっ!?
ちなみに、すでに花月の左手首は固定済み。

俺「いっぽんば~し~とか知らない?」
花月「ししっ、しぅ……っ

くすぐったくてそれどころじゃないらしい。
で、隙を見計らって、花月の腋の下をぐにゅぐにゅする。

花月「やめっ、きゃめっ、あはははははっ!
俺「はい終了」
左手首を離すと、蛇のようにシュッと花月の腕が引っ込み、
脇の下をぎゅっと閉じて、少し潤んだ目で俺を見る。

花月「きっ、貴様……こんなことして……!」
俺「笑えたじゃん、よかったよかった」
花月「いいわけあるかっ!」
俺「姉貴も、天国から花月の笑顔を嬉しそうに見守ってるよ」
花月「くっ、無理矢理良い話に持っていって誤魔化すな」
俺「アハ
花月「……それで、どうだったのだ」
俺「え、何が?」
花月「……笑い方だ。どうせ貴様は、また『可愛かった』とか浮ついたことを言うのが目に見えてるが……」
俺「可愛かったよ
花月「……予想していたとはいえ、いざ言われると、やはり恥じるな……」
俺「可愛いよ
花月「一回でいい」
俺「で、楽しいです
花月「……私もだ


何というか、「萌え」よりも「和み」の方が需要ありそでね? しかし何だこのほんわか空気は
こっちまで巻き込まれて…はぅ~

貴様だけに許すまどろみの姿

花月「……なんだ」
俺「やぁ、何してたかな、って」
花月「今か? 本を読んでいた」
俺「何読んでたの?」
花月「佳奈恵から貰った……よくわからない、ファッション誌だ」
俺「ほほぅ、雑誌名は?」
花月「キャムキャム……でいいのか」
俺「……キャンキャンだ」
花月「犬みたいだな」
俺「つーか佳奈恵そんなの読んでたんだ、ちょっと意外」
花月「しかし……淫靡な服装ばかりだな」
俺「夏特集とか?」
花月「この写真なんて、街中で腹部を露出している……」
俺「ちょっとやってみたいにゃーとか?」
花月「こんな、売女(バイタ)のような格好は……」
俺「ヘソ出しで売春婦なら、ワンピースとかどうすんのよ」
花月「……まどろんできた」
俺「いつも何時ぐらい寝てんの?」
花月「12時前には眠りに入っているか……ただ最近は、5時起きに変わったのだ」
俺「……5時って、まだ新聞も来てないぞ」
花月「前は6時起床の1時間走りこみだったのだが、最近は妙に糖分を摂取しているように思えるから……1時間増やした」
俺「ああ、だから会った時とかグテ~ってしてるのね」
花月「ふむ、一応理由があったとはいえ、今までひどく禁欲的に生きていたことを痛感している今日この頃だ」
俺「しかし、朝から2時間はキツいべ?」
花月「他にやる事もない。受験もどうせ通る。暇だ……」
俺「くすぐられる特訓でもしてれば?」
花月「……貴様のせいで、昨夜は地獄のような夢を見たぞ……」
俺「どんな夢?」
花月「私は崖に座っていて、しばらくすると水位が上がってきて、海中に飲み込まれた
俺「ふむふむ」
花月「やがて深海にたどりつき、小魚の魚群が私めがけて突進してきた。そして、私の全身を張り付くように泳ぎ回った
俺「……」
花月「くすぐったさに水中でガボガボ言ってる所で、ようやく目が覚めた
俺「楽しそうでいいね」
花月「確かに、ふと楽しくなる瞬間はあるが……
俺「……へ~ぇ」
花月「訂正する。そんな瞬間なぞない」
俺「もう遅いかも」
花月「じゃあアレだ、将棋で負けたら好きなだけやるといい」
俺「……墓穴掘ったね」
花月「しかし、当日になれば、今の約束は無意味だったことに、すぐ気づくと思うがな」
俺「どういう意味?」
花月「相手になればいいが、ということだ」
俺「だよねー、お手柔らかにね」
花月「と言いつつ貴様は油断を誘うから油断ならない」
俺「結局どっちっすか」
花月「まどろんでおるのだ……」
俺「じゃ、そろそろ……」
花月「ああ、わかった」
俺「急で悪かったね、おやすみ」
花月「……御休み、ふみ
俺「……最後の『ふみ』は何?」
花月「『アイスの実』の最後の一粒を食べて、至福のあまり思わず漏れた喜びであるのだった……」
俺「大丈夫ですか花月~、キャラ変わってますよ~?」
花月「ふみぃ、貴様は良い、まどろめる……ああ、御休み」
俺「あんがと、おやすみ」


えー、あー、うん 見事に堕ちちゃってますねぇ しっかし五時に起きるなんて…僕には到底できないYO!(毎日起こされてます)

男(大学生)一人、女(中学生)五人の焼肉団欒

佳奈恵の部屋の扉をノックすると、
「ちょっと待ってて」と返ってきたので、そのまま入る

佳奈恵「……!」
上半身下着姿の佳奈恵を拝んだので、扉を閉める。
そしてしばらくして、「死にたかったら入ってきなさい」とのお言葉が。

俺「やほ」
佳奈恵「ちょっと待っててって言ったでしょうが!?」
俺「ごめんごめん、つい癖で」
佳奈恵「そんな癖は一日も早く消し去りなさいよ。それに……」
俺「それに?」
佳奈恵「見られてもいい時は、ちゃんと迷ってあげるから……
俺「……」
佳奈恵「べ、別に変な意味じゃないわよ、まったく……」
俺「ま、指導ちゃっちゃと終わらせようか。佐藤さんは6時ぐらい?」
佳奈恵「そうね」
で、ちゃっちゃと明日の修学旅行の話で盛り上がり、指導終了。

俺「じゃ、行こうか」
佳奈恵「ええ」
そして邸を出る際に、佳奈恵ママンからクレカ渡される。
多少押し問答はあったが、結局俺側が折れて、甘えさせていただくことに。
その後、

佳奈恵「カード貸して」
俺「はい、落すなよ?」
佳奈恵「ふふ、カードで買い物なんて、私にとっては日常茶飯事なのよ?」
まあ、この台詞は後に嘘だったと判明するのだが、それはともかく、焼肉屋に向かう。最初は叙々苑行くつもりだったんだけど、人の金になったので、安楽亭に変更
佐藤さんたちにもメールでその旨を伝えると、ほどなくやってくる。
今日は時間の割にはあまり混んでなくて、すぐに座敷席に案内される。

そして焼肉屋に来た時はいつも通り、肉の注文は全て人任せにする。
俺「そういや、三人ともバスケ部?」
佐藤さんが連れてきた子に尋ねてみる。

友達A「私とBはそうっす。Cだけ……」
友達C「あ、私はアレです、ダチですダチ」
佐藤さん「私たちの中だったら誰選びます?」
俺「んー……じゃあ、佐藤さん、かな。っ!?」
向かいに座ってた佳奈恵から、蹴りが入る

佐藤さん「ダメですよ、そこは佳奈恵にしとかないと」
俺「教師と生徒が、恋愛とか駄目なの」
佳奈恵「そうよ、私だって男の先生から、嫌々指導受けてるんだから……」
俺「なに、和泉さんって学校でもいつもこんなにつっけんどんなの?」
友達B「違いますよ! 超いじられキャラですよ!?」
佳奈恵「……どうだか」

その佳奈恵の首を、佐藤さんが突っつく。
佳奈恵「ひゃっ!?」
佐藤さん「おお、さすが変態
俺「なんだ、指導の時と全然違うんだね、和泉さん」
佳奈恵「……あっ、貴方も貴方で、キャラ違うから微妙にムカつくわ……」
俺「けど指導の時大人しいから、学校でもあまり友達少ないかと思ったら……」
佐藤さん「明日の修学旅行の班決めのとき、佳奈恵引っ張りダコだったもんね。変態なのに」
俺「佐藤さんも、枕詞のように変態連呼してるね……」
佐藤さん「そういえば、今日花月は呼ばなかったんですね」
俺「ああ、体調悪いんだって」

本当は、いまだクラスの女子と仲良くないと聞いてたから。
友達C「え、花月さん知ってんですか?」
俺「え、ああ、まあね……」
友達B「どんな関係なんっすか?」
俺「6年前に亡くなった、花月のお姉さんの元の恋人
友達B「……」
俺「……っていうのは嘘で、昔からの親の付き合いでの知り合い」
友達A「……あはは、初っ端の嘘はドラマ見すぎですって!」
俺「そういうドラマ好きなんだ、ハハハ」
佳奈恵「現実は、こんなものよね」
佐藤さん「ねーヘンタイ~、目の前のピーマン食べて
佳奈恵「う……」
佐藤さん「あ、この子ヘンタイで反応した」
佳奈恵「黙ってなさいトカゲ猫
俺「『ピーマン食べられないの~』とかベタなこと言わないよね?」
佳奈恵「……白米が、もうないから無理よ」
俺「つまり単体では食べれないこと白状してますよ、和泉さん」
友達C「花月さんって普段どんな感じなんです? 学校じゃ凄いクールなんですよ」
俺「ああ、確か修学旅行も行かないんだよね」
友達A「修学旅行どころか、学校行事ですら滅多に見ないっすよ、あの人」
俺「昨日電話したときは……」
佳奈恵「え、電話したの?」
俺「ちょ、まじプライベートとかやめてくんない?」
佳奈恵「恋びっ、生徒に向かってどんな言い方よそれ!!」
佐藤さん「……セーフ」
俺「セーフなの今の」
佐藤さん「誰もわかってないからセーフですよ、あんさん」
俺「そういやみんな、彼氏とかいんの?」
友達A「あ、私はいます。後はフリーとか言っちゃってるけど、ホントのとこはどうなんだかねぇ……いっひっひ」
佳奈恵「いないったらいないわよ、恋愛なんて下らないわ」
佐藤さん「ああ、佳奈恵って彼氏出来たらヘタれて没頭してなんでも言うこと聞くタイプだね」
俺「答え知ってる人は、さすが的確だね」
佐藤さん「私はフられちゃったしなぁ……はぁ、いい人斡旋して下さいよ」
俺「……え、俺に言ってんの?」
佐藤さん「いえっさー」
俺「どんな人がタイプとかある?」
佐藤さん「一緒にいて楽しい人ですね、あと顔も最低ラインなら……」
俺「ああ、じゃあ俺はダメだ、顔が」
佐藤さん「そこの鉄板で顔焼いたって、最低ラインにかすりもしないと思いますけど
俺「褒めすぎ、佐藤の癖して生意気な」
佐藤さん「のぉ~び~た~くぅ~ん(ドラっぽい声色で)」
友達B「佳奈恵とか、彼氏出来たら絶対デレデレなるよね」
友達A「君はツンデレのままでいいんだよ? 佳奈恵」
佳奈恵「何よもうツンデレとか……」
佐藤さん「はい、ご飯ないんでしょ? 私もうお腹一杯だから残り食べてくれる?」
佳奈恵「……」
佐藤さん「……」
佳奈恵「ど、どうしてもっていうんなら、食べてあげてもいいわよ?
友達A「出たー! ツンデレ~!!」
友達B「ねえねえ、こっち来てよ、撫でてあげたいから」
俺「……見事に、いじられキャラやってるね」
佳奈恵「不本意ながら……」
友達B「そういや、花月さんどんな感じなんです? ホント知りたいんですよ」
俺「クラスから孤立してるようなことは本人から聞いたけど、どんな感じなの?」
友達C「孤立はしてますけど、別に織田さんみたいにキモがられてるんじゃなくて、近寄りがたいっていうか……」
友達B「『生まれが違います』オーラガンガン出てるんですよ。超金持ち家の佳奈恵とかこんな有様なのに」
佳奈恵「(ピーマンを頑張って食べてるので、反論出来ない状況)」
俺「確かに、前は友達とかいらない的な態度だったけど、今はクラスに溶け込みたいみたいよ? まあ、今からじゃもう難しいだろうから、
  高校から頑張れば、とは言ったけど」
友達B「仲良くとかしたいんですか? あの人って」
俺「とことん不器用みたいだし」
友達C「でも、何か野球部の子とか、普通に話してるみたいですよ、花月さんと」
俺「……詳しく」
佳奈恵「(……まだモシャモシャしてる)」
佐藤さん「食べれないんなら、出してくれば?」
友達C「花月さんって、朝なんか河川敷走ってるみたいで、で、クラスの野球部の男の子もたまに行くみたいなんですけど、花月さんと適当に話してるっぽいです」
俺「どんなこと話してるって?」
友達C「『うぃーす』とか『ちゃーす』とか、で、花月さんは無言でペコリと」
俺「……それは会話とは言わない」
友達C「で、で、花月さんが走り終わったの見計らって声かけると、色々話してくれるとか」
俺「それはどんな話を?」
友達C「あ……その男の子が言うには、言葉が難しすぎて自分でも何話してたかよくわからないんだそうです」
俺「……ものすごく、よくわかる」
友達C「でも、なんか花月さんぐらい容姿が凄まじいと、もう顔見て、目合っただけで幸せな気分になれるって言ってました」
俺「ほへぇ、花月って妙な人気あるんだね。ちなみに佳奈恵は?」
友達C「佳奈恵……なんで、全告白を断っちゃうの?」
佳奈恵「え……」
友達B「佳奈恵すっごいよね、ラブレター」
友達C「てか、なんで佳奈恵が告白される時って、ラブレターが多いんだろうね」
俺「そんなに告白されてんの?」
友達C「下駄箱開けたらパラパラッってラブレターが落ちてきたんですよ。中に10枚ぐらい入ってて
俺「それなんて漫画?」
佳奈恵「普通、一枚でも入ってた時点で、後の人は入れるの自粛すると思うんだけれども……」
俺「いや、つっこみどころはそこじゃない」
佳奈恵「罰ゲームよ罰ゲーム、どうせ私抜かした全校生徒で、壮大な罰ゲームでもやってんだわ」
友達B「同じ学年で、約六分の一の男子が佳奈恵に告ったんじゃない?」
佐藤さん「いや、それは多すぎ。四分の一ぐらいだって」
俺「増えてますよ佐藤さん」
友達C「で、なんで作らないの? もうコチョコチョすんのも疲れたから、大人しく白状しなさい」
佳奈恵「疲れるからよ、色々」
佐藤さん「ほらほら、ピーマンあげるから白状しなって」
佳奈恵「嫌いなものあげるってどんだけサドよ、貴方」
友達A「先生は何か知りません?」
俺「知らないねぇ……男っ気ゼロだし、ホント気難しい生徒ですよ」
友達B「あれ、でも佳奈恵ってホント、指導の時は違うんだ」
友達A「いるじゃん、塾と学校でぜんぜん態度キャラ違うやつとか」
佐藤さん「あるいは、先生に恋心寄せたりしてるからだったりして」
佳奈恵「猫、うるさい」
友達A「え……マジ?」
俺「そ、そうだったのか……?」
佳奈恵「うるさい、黙らせたい、ピーマンやっぱり嫌い……」


いいなぁ…こんな楽しい学園ライフ送りたいよ…(英語で言う「School Days」違う?) ラブレターがどさーって…男なら真正面から告白せんかい!
「モテるのは美男美女の大罪、モテないのはブ男ブ女の枷」 それと野菜は文句言わずに食いましょう …茄子?あんなもの食い物でねぇ!! スイマセンデシタ
で、この後本題 ついにあの御方が―――――――――――――!?

雪っては本当に白いのか?

一時間ぐらいして、佐藤さんの携帯が鳴る。

佐藤さん「はい」
俺「お、やっとか」
佐藤さん「……うん、わかった、いいよ、待ってる、じゃね」

ピッ

俺「今から来るんだ、遅いんだね」
佐藤さん「やっと終わったんだって、塾」
で、なんかオドオドしながら女の子が入ってくる。
佐藤さんがここだよ~と勢いよく手を挙げる。

雪の子「遅れちゃいました、もうごちそうさまですか?」
佐藤さん「これからこれから、ほらほら、座って」
雪の子「はい……」

パッと見、オットリ系タイプ。
ただ、何の根拠もない直感だけど、確かに花月の言うとおり、
一癖二癖ありそうな雰囲気は醸し出してた。
雪の子「初めまして、和泉さんの家庭教師の方、ですよね?」
俺「ええ、そうです。初めまして」
雪の子「結構お若いんですね……先生という割には……」
俺「まあ、そうです……ねぇ。雪の子さんも、他の5人に比べて、おっとりしてるというか……」

ここで、また佳奈恵と佐藤さんから蹴りが入る

雪の子「トロいとか、言われますけどね……色々大変なんですよ、こんな性格も」
俺「ま、肉食べなさい、肉」
雪の子「はい、いただきます」
そもそも俺は、何言っても笑って返してくれるような人との会話のほうが得意なので、
ちょっと雪の子出現あたりから、トーンダウンする。

俺「彼氏とかいるの?」
雪の子「え、わっ、私はいないですよ……和泉さんじゃないですし……」
佳奈恵「だから、いないわよって」
雪の子「え、この方とお付き合いしているのでは……?
佳奈恵「……」
俺「いやいや、ただの家庭教師ですから」
雪の子「そんな、毎週密室で男女が二人でいて……きゃはー
佐藤さん「雪ちゃん、落ち着いて」
雪の子「え、でも違うんですか」
俺「教え子と付き合うなんて……教師として、失格ですよ」
雪の子「さすが……尊敬します」
俺「そういや明日の修学旅行、佳奈恵と同じ班なんだって?」
雪の子「はい」
佳奈恵「……ま、迷子とかなったりしないでよね」
佐藤さん「いや、佳奈恵が迷子になってエーンエーンしてる様子しか、思い浮かべないんだけど」
佳奈恵「ふふっ、私がそんな泣き虫に見えるのかしら?」

佐藤さん・俺・友達A・B・C「見える
雪の子「緊急時の電話番号は、きちんと控えておいてくださいね」
佳奈恵「……泣きたい」
で、会計。

佳奈恵「じゃ、私払っておくから、外行ってていいわよ」
佐藤さん「ほーいっす」

みんなは外の自転車置き場に向かってしまったが、俺だけ、
入り口あたりで佳奈恵の会計の様子を見守る。
佳奈恵、佳奈恵ママンから預かったカードを店員に渡す。
店員、佳奈恵に何か聞く。
佳奈恵、少し怪訝そうな顔して答える。
店員も、佳奈恵が聞こえなかったと思ったのか、また聞き返す。
佳奈恵、返答。
店員、それに対しまた

俺「なに、どうかしたの?」
佳奈恵「あ、支払い方法を聞いてくるから、そのカード払うって言ってるのに」
俺「……ご迷惑をおかけしました。一回払いでお願いします」
で、みんなと解散して、佳奈恵と二人で自転車でスイ~っと帰る

佳奈恵「……」
俺「まあ、背伸びするのはいいことだと思うよ」
佳奈恵「うう……うるさいわねぇ」
俺「ま、明日から修学旅行、楽しんできてね」
佳奈恵「あの子はどうするの?」
俺「花月? 土曜にどっか連れてく予定」
佳奈恵「そう……」
俺「……本当に、何も言わないんだね。花月とどっか行くとかってことに}」
佳奈恵「とめてほしいの?」
俺「ただ、気になるだけ」
佳奈恵「なら、素直に甘えなさいよ」
俺「……あい」


そんなこんなで「雪の子」登場~ 一癖も二癖もありそうな御方です …まさかっ…! バレたのかっ……!?
ざわ…ざわ…

とまぁふざけてないで、、、ぷよさんは佳奈恵さんのこと心配してるのね 本当に



.

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー