171 :本当にあった怖い名無し:2005/11/26(土) 16:10:37 ID:SIlqZTCa0
これうまくかえてくんない?
(1/3) (長文スマソ)
おれの家の隣の空家からさぁ、夜になると、時々変な音が聞こえるんだよ。
まるで、人間か動物か分からない何かが、暴れて、叫んでいるような、例
えようのない、そら恐ろしいものなんだよ。昼間は全然音がしないのによ。
ガシッ、ガシィッって低い響きの中に、時折、うめき声が混じっててさぁ。
のどかな田舎町だし、下手に駐在さん呼んで何もないと、酷く叱られるだ
ろうし、放置しようと思ってね。本当、放置すべきだったと後悔してるよ。
わすれもしない、あの夜だよ。隣家のもの音がいつにもましてうるさくて、眠
れなくてさ。最初は、ガスン。。。ガシィ。。。って、これまでも何度か経験のあ
る、鈍い、低い響きだったんだ。でも、その夜は違った。だんだんと、音が暗闇
の中で、大きくなるんだ。そして、そのたびに「ぎゃぁ!うがぁ!」って、内臓が
はみだしそうな、心の凍りつくうなり声(悲鳴?)がはっきり聞こえるんだよ。
今度ばかりは、絶対におおごとだと思って、すぐに駐在さんに電話したんだ。
夜だから、駐在さんも自転車でくるんだけど、でも、なかなかこないんだよ。
2時間くらいたったかなぁ、不安になったよ。相変わらず、隣の音は聞こえる。
時間がたつのがすごく長く感じられたよ。もしや、誰か監禁されてんじゃない
だろうか、とか、もしかして女の子かも、とか、変な正義感が膨らむんだよ。

覚悟を決めて、おれは突入する事にしたんだ。腕っぷしには自信があったし。
護身用に、農作業で使う鉄杭と鎌を持ってった。玄関まで行くと音がやんだ。
しーんと静まり返った闇の中、おれはドアをそうっと押した。ギ・ギ・ギ。。。
ロウカは、気味悪いくらい広くて、懐中電灯で照らしても、暗闇に覆われてた。





172 :本当にあった怖い名無し:2005/11/26(土) 16:11:06 ID:SIlqZTCa0
2/3)
電気でも付かないかと思い、手探りで壁を探ってみたんだ。音が出ないよう
気をつけて、スイッチを探した。でも、スイッチが見つからない。。。この家に
は、電気もないのか?ってイライラしたよ。そしたら今後は、懐中電灯が
消えた。何の予告もなしに。「マジカよ!うそだろ!」って、思わず大声を出
すんだ。そのときだった。後ろから、「すぅっー。はぁ。すぅっー。はぁ。」って、
なんか不気味な呼吸音がするのに気が付いたんだ。もう怖くて動けなくて。
ようやく、「うぉぉ!!」て声を出した時には遅かった。俺は突然崩れ落ちた
。力の入らない俺の視界に黒い女がすぅっと入って、口元を歪め言ったよ。

「ヒヒヒ。ワスレロ」。。。ってね。そして、おれのスネを軽く噛んだ。全身を、
とり肌が一気に覆ったよ。黒い女はスネに歯形をつけると、その跡をペロ
リとなめた。そのとき、暗闇になれた俺の目は、黒い女の青白い目を見たん
だ。女は、今度はおれのスネを少し噛みちぎった。気絶した。何時間たった
ろうか、翌朝、俺は家の隣の「空地」で目覚めた。



173 :本当にあった怖い名無し:2005/11/26(土) 16:11:57 ID:SIlqZTCa0
(3/3)
となりには、知らないおじさんの死骸が転がっていた。傷だらけの。。。
駐在さんが驚いた様に近づいてきて、言ったよ。「君も心臓が止まってたん
で、死んでると思った。」僕は、「ここに家があったはずでしょ」って聞いた。
夜中までは、確かにあった。。駐在さんは、「あんたの家の隣のことだら。
むかしからここは空地だよ」って言ってる。。。さらに、駐在さんは、昨晩
のことを聞きたいから、病院で検査受けたら、事情聴取したいと言った。
止めてほしかったよ。混乱してるし、もう思い出したくなかった。でも、止
めるわけなかった。おじさんは他殺みたいで、おれは重要参考人。でも、お
れは、忘れなきゃいけないんだよ。だって、黒い女に言われたんだからな。
ばかだったよ。変な正義感で、スケベ心で、突撃して。あんな音ほっとけば
良かったのに、って。駐在さんを呼んだんだから、あとは任せておいても良
かってに、ってね。黒い女のことは取調べ中何があっても絶対口にしなかっ
た。結局、おれは、おじさんの死亡推定時刻にアリバイがあり、動機もない
ので、罪をかぶせられることはなかった。今でも俺は、空地の隣の、この家
にすんでる。縦も横も上も下も、何を信じていいか分からない。でも、このス
ネに、縦に残った傷跡は物語る。黒い女が幻ではないことを。おれが忘れ
えないあの女との再会を、心のどこかで望んでいることを。。おしまい。



あんまおもいつかんのでスマソ
最終更新:2007年03月17日 18:19