諸般の事情により一人暮らしをすることになった私は部屋探しをしていた。
しかし、都内で4万以内となるとなかなか見つからない。
結局、前の住民が自殺したばかりという曰く憑きの部屋に住む事になった。
住み始めてから常に誰かに見られてる気配を感じていたが気にしない事にしていた。
一週間が過ぎ、夜中の三時、さぁ寝ようというときにドアが激しく叩かれた。

誰だろう?
鍵を開けた瞬間覆面の二人組が押し入ってきた。

「我了、殺命!詔馬、不叫金那!」
明らかにチョンだ、それもかなり質が悪い。
チャイ服で青竜刀…一発で分かった、オレかなりピンチ。

コミュニケーションが成立しない、と見るや悪チャイ達は手っ取り早くいく方を選んだらしく青竜刀を振りかぶる。
オレ結構すごいピンチ。
と、奴らの動きが止まる。
「不好碼!咫鬼!鞏走也」
奴らの視線は私の後ろに向かっているようだ。
目をやると天井から血塗れの女が逆さにぶら下がり
視線だけで殺せそうな形相で奴らを睨み付けていた。
「逃走了!」
あまりに剣呑なその女の様子にチャイ強盗達は慌てて逃げ出した。

その女はそれを見届けるとザリザリと逆さ吊りのままにじり寄って

「まったくダラシがない!
男ならあれ位撃退しなさいよ!まったくチキン野郎なんだから!」と罵ってきた。
文字通り上からの物言いに一瞬呆気にとられたが、結果として助かったのは確かだったので
「…ゴメン、いやでも本当助かったよ。わざわざ助けてくれてありがとう」

と言うと血が紛れるくらい女は赤面しつつ
「べ、べ、別にあんたを助けに出てきた訳じゃないって!
そろそろとり殺してやろうと思って出てきただけなんだから!
そこに偶然強盗がいただけよ!」

とムキになってきた。

興奮のあまりか鼻から猛烈に鼻血を垂れ流してきたので
「あんまり血を流すと立ちくらみ体質になるよ、コレで拭いて」
とハンカチを鼻にあてようとすると
「ちょ!ちょっと!、やめなって!ハンカチ汚れちゃう…
じゃなくて!
そんなボロ布鼻にあてろっての?!」

「じゃあティッシュで」

「仕方ないわね!え…何丸めてんのよ!詰めなくってもいいってば!変態野郎!」
「いいからいいから、はーい鼻だしてー」
「う…そこまで言うなら特別にさせてあげるわ!感謝しなさい、このウジ虫野郎!」

女は鼻の穴にティッシュを詰めようとした瞬間、緊張のあまり大吐血しました。
最終更新:2007年03月19日 03:12