就職の為にアパートを借りて2日目。
狭いが小綺麗な感じがするアパートを借りれて良かったと思う。
しかし、何か部屋が暗いんだよな。

で、仕事が忙しくてアパートに殆ど帰る暇も無く二週間が過ぎて、ようやく暇に成りつつ有り、連休の土日を利用して
前から読み掛けの小説を読破しようと思い読み始めた土曜の朝。
ゴロゴロしながら布団の上で小説を読み始めたんだが、どうも頭が重い。
(何か風邪引いたかな?忙しかったから体調でも崩したかな?)と思いながらお昼位まで小説を読み耽ってました。

かなり頭痛も激しく成って来たんだが小便がしたくなり、トイレに立つとふと頭痛が無くなりました。
(さっきの頭痛は何だったんだろ?)

トイレを済まして布団へと戻ろうとしたら寝室に誰か居る気配が有る。
寝室の入り口に女性が布団の方へ向いて立ってる。

暫く唖然としてると、女性がこっちにユックリ振り向いた。
中々の美人な女性だ。
女性「やっと気が付いたのね。あの時警告して上げたのに・・・・」
(気が付いた?警告?何だろ???)
女性「まだ判って無いようね。貴方はさっき死んだのよ」
俺「え?俺は死んで無いぞ?トイレに行ってちゃんとトイレもしたし」
女性「なら自分の目で実際にどうなのか確認して見なさい」
と女性が寝室の入り口から寝室の外へと少しずれたので、俺は寝室の中へ入って布団の方へ視線を向けると。
(え!!!? 俺が横たわってる・・・・)

女性「貴方は、もう私と永遠に一緒よ」と冷ややかな微笑みを浮かべました。
俺「嫌だ!俺はまだ死んで無い!」
自分の横たわってる体を擦ったり揺すったりしましたが、どんどん冷たく成って行きます。
助けを呼ぼうと電話の受話器を持とうとするが、スルリと擦り抜けて持てません。
部屋から飛び出そうとするにも玄関のドア取っ手が掴めません。
掴めないなら擦り抜けて外へ出れると思い、擦り抜けて外へ出ようにも何故か外へ出れません。
女性の元へ戻り
俺「何故なんだ!俺が死んでしまう!」
女性「もう遅いのよ。貴方は既に死んでいる」
女性「それに、貴方は自縛霊化してるから、この家から出れ無いでしょうね」と微笑みを浮かべながら言いました。
(まだやりたい事が一杯有ったのに・・・・・)

一応落ち着いて?諦めて?女性に自己紹介しました。
俺「俺は、前田 信広(のぶひろ) って言うんだ。君の名前は?」
女性「私は、沢田 紀子(のりこ)よ。これから永遠に宜しくね」
俺「永遠に宜しくねって・・・・まあ今の所どうしようも無いし仕方が無いか・・・・」
とは言った物の涙が薄っすら浮かびました。

そのままする事も無くダラダラと毎日が過ぎて行きました。
来訪者も無く、電話も来ない。(俺ってどうでも良い存在だったんだな)

ふと、自分の死体を見ると腐敗が始まって居ました。
(え?こんなんも見なければ成らないのか・・・)
白骨化するまでそう時間は掛からなかったな・・・
だって時間は永遠に有るんだから・・・

二人で永遠に共にしようとするか。
最終更新:2007年03月19日 04:55