実家暮らし。
最近妙な気配を感じていた。

その日は仕事でとても嫌な事があり、帰りにしこたま飲んだんだ。
それでも気分が晴れず、帰宅し自室に入ってからも纏わり付く誰かの視線にイラついていた。
だからかもしれない。魔が差したというか。


恐らく勉強を見てもらおうと思ったんだろう、妹が部屋に入ってきた。
「お兄ちゃんお帰――」
「びっくりするほどユートピア!びっく――」

硬直する俺達。気まずい沈黙。

「……お、お兄…」
「……その…」

その時だった。

ばたばたばたばた。
わざとらしいほど足音を立てて見えない誰かが部屋を飛び出していった。

「??お、お、お兄ちゃん今の…!?」
「お、おう、これは由緒正しい除霊法なんだ」
何とか体裁を取り繕う事ができた俺。
とは言っても全裸を見られたわけで暫く妹に微妙な距離をとられたが。

そして気配の主はというと、何故か戻ってきていたりする。
最終更新:2011年03月06日 09:20