病院から帰った俺は口の中の血をゆすごうと風呂場のドアを開けた。

すると例の女が脱衣所にいた。
女は俺を見るとパンツを足から引き抜く姿勢のまま固まった。

ブラウスのボタンが外しかけで屈んだ姿勢で胸元も丸見えだ。

その胸はほとんど起伏らしい起伏もなくなんとなく可哀相になってくるくらいだった。

「まだ…なのか?」 

パンツを下ろす途中の両足の付け根は

生えていなかった。

あまりに発育が遅いんじゃないかと思いうっかり口走ってしまう。

「ん…すぐ入っちゃうから―」

『まだ脱ぎおわらないのか?』的な意味に取り違えたようで素で返してくる女。
しかしすぐに我に返ったようで眼が危険な色合いを帯はじめた。

とりあえずこのままではヤバいので先手を打って逆ギレすることにした。

ピッチャーのように振りかぶってズビシッと胸を指差し

「ダメのダメダメだ!」

「はぁッ!?何が?」
案の定うろたえる女。

「なんなんだよ!?その胸は!お前はアレか?
自分で自分の成長を止めたエスパーかなんかか?」

「え?…えぇ?」

「ヒマラヤの氷の絶壁を征服したロッククライマーでさえお前のバストには絶望の涙を流して退却するに違いない!」

「……ヒマラヤの絶壁以下?」
女はショックでぐわんぐわんと揺れはじめた。

なんか楽しくなってきた俺は勢いついて
股間を指差して続けた。

「おまけになんだ!?その不毛地帯は!
いまどきロシアのツンドラ地帯だってもう少し何かはえてるぜ」

「……」

「あやまれ、それでツンデ霊名乗るなんて世の中なめてるだろう
あやまれよぅ」

最終更新:2007年03月19日 05:37