○年某日
「寂しいなら一緒においでよ」
「…本当に…いいの…?」
「いいよ」
「…自分から取り殺されたいなんてバカじゃないの…?
 …あんたみたいな奴、あたし、だ、大嫌いなんだからっ!!
 覚悟しなさい、すぐに取り殺してやるんだからねっ!!」


×年3月31日
「あ、あんたなんか大嫌い!」
「うん、毎日言われてるから知ってる」
「…その、今日何の日か知ってる?」
「今日? 3月最後の日? 年度末?」
「えっ」
「えっ」
「(一日間違えた…)…その…バカ、大嫌い!!」(半泣き逃走)


△年4月3日
「……(今年は間違えないぞ今年は間違えないぞ今年は)」
「暫く静かだけど何か悩みあ
「きゃ!? あ、その、そう、あんたなんか大嫌い!!
 …と、その、今日は…」
「4月3日? 何の日だろ?」
「!!(またやっちゃった…!? 幽霊になると時間感覚鈍るから…)」
「それで何か悩みが
「あるけどあんたには言わない!! バカーっっ!!」


□年4月1日
「あたし幽霊だけど、あたし、あんたのこと、す、す、好き!!」
「…ええと、ナイスジョーク?」
「えっ」
「えっ」
「だってそこの日めくりカレンダーまだ3月…」
「あ、ごめん、ちょっとサボってた。今日は4月1日」
「っっバカー!!!」(半泣き逃走)
「…カレンダーなんか気にしなきゃいいのに。
 まあ本音聞けるまであと一息みたいだけど」

 ・・・

そんなこんなで彼女が僕への想いをまっすぐ伝えてくれたのは、
老衰で大往生した僕の葬式の日でした。
最終更新:2011年04月16日 22:39