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**&color(blue){同盟締結の会談模様} 同盟締結の会談場、クイニックには既にリューネ騎士団の名だたる将が集結していた。 その中心にて軍に守られるようにして佇みむ赤い髪の女性がいた。女性は騎士式の礼を カルラに対してしたのちに、 「お初にお目にかかります。リューネ騎士団総長、アルティナといいます」 と自己紹介をする。 「ぐ、グリーン・ウルスのカルラですぅ」 四海に響き渡る美貌とカリスマ性の持ち主。それを目前にしてカルラは少し怖気た。 「カルラ殿、この度我らリューネ騎士団がクイニックを占領したのは一重に  魔王軍から雪原・リュッセルの民を守るためです。クイニックの方々には既に  了承を得て、協力関係にあります。貴女方はグリーンの民を守るために兵を挙げられた  と聞いております。ならば、我らが同盟を結ぶことは理に適っているとは思いませんか?」 「え、ええっ……と」 理路整然とクイニック占領の理由と同盟に際する建前を述べる相手にますます押される。 「あんたの言うことには概ね同意だわさ。ドラゴン乗りたちの手下になれってのなら  いやだけど、お友達ってことなら構わないだわさ」 助け舟を出したつもりであったが、礼を失したポートニックの態度に場の空気が悪くなる。 リューネの宿将オーティはこう返す。 「こほん。風の賢者殿、我らが誠意を持って同盟を持ちかけたのです。その言い方は少し……」 兼ねてから懸念の通り、この者達は礼を知らず、国でも軍でもない。その考えが騎士たちの 中で復活し始めていた。風の賢者さえいなければあんな奴等なんのことはない、そう囁き出す者もいた。 グリーン側も騎士団のどことなく初めから見下した態度が気に入らなかったが、その苛立ちはピークに達した。 「いえ、誠意が足りなかったのはこちらの方ですよ、オーティ。そうですか、グリーン自治区は  カルラという一人の少女を守るためのものであったのですね。実は、リューネ騎士団もそうなん  です。私という世間知らずをみんなが必死に守ってくれている、ただそれだけなんです」 先ほどまでの凛然とした態度を崩してみせて、誰もが心を許してしまうような笑みを浮かべる。 アルティナはその場の淀んだ空気を清め、和らげた。これが彼女の実力である。 だが、皮肉にもこの行為は風の賢者とアイスマン王の脳裏の 『この騎士団はこの女がいなくなったら終わりだな』という考えを決定的なものとした。 その場は無期限同盟ということでアルティナ・カルラ両名のサインによって同盟は締結された。 あくまでこの同盟はアルティナとカルラが生存していることを前提としている。 幸か不幸か、アルティナが戦死した後もグリーン・リューネ間が対立することはなかったが、 この日誓われた大義に意味があるものだと信じるものは果たして、どこにいるのか。 ---- #comment(size=60,vsize=3) ----
**&color(blue){同盟締結の会談模様} 同盟締結の会談場、クイニックには既にリューネ騎士団の名だたる将が集結していた。 その中心にて軍に守られるようにして佇みむ赤い髪の女性がいた。女性は騎士式の礼を カルラに対してしたのちに、 「お初にお目にかかります。リューネ騎士団総長、アルティナといいます」 と自己紹介をする。 「ぐ、グリーン・ウルスのカルラですぅ」 四海に響き渡る美貌とカリスマ性の持ち主。それを目前にしてカルラは少し怖気た。 「カルラ殿、この度我らリューネ騎士団がクイニックを占領したのは一重に  魔王軍から雪原・リュッセルの民を守るためです。クイニックの方々には既に  了承を得て、協力関係にあります。貴女方はグリーンの民を守るために兵を挙げられた  と聞いております。ならば、我らが同盟を結ぶことは理に適っているとは思いませんか?」 「え、ええっ……と」 理路整然とクイニック占領の理由と同盟に際する建前を述べる相手にますます押される。 「あんたの言うことには概ね同意だわさ。ドラゴン乗りたちの手下になれってのなら  いやだけど、お友達ってことなら構わないだわさ」 助け舟を出したつもりであったが、礼を失したポートニックの態度に場の空気が悪くなる。 リューネの宿将オーティはこう返す。 「こほん。風の賢者殿、我らが誠意を持って同盟を持ちかけたのです。その言い方は少し……」 兼ねてから懸念の通り、この者達は礼を知らず、国でも軍でもない。その考えが騎士たちの 中で復活し始めていた。風の賢者さえいなければあんな奴等なんのことはない、そう囁き出す者もいた。 グリーン側も騎士団のどことなく初めから見下した態度が気に入らなかったが、その苛立ちはピークに達した。 「いえ、誠意が足りなかったのはこちらの方ですよ、オーティ。そうですか、グリーン自治区は  カルラという一人の少女を守るためのものであったのですね。実は、リューネ騎士団もそうなん  です。私という世間知らずをみんなが必死に守ってくれている、ただそれだけなんです」 先ほどまでの凛然とした態度を崩してみせて、誰もが心を許してしまうような笑みを浮かべる。 アルティナはその場の淀んだ空気を清め、和らげた。これが彼女の実力である。 だが、皮肉にもこの行為は風の賢者とアイスマン王の脳裏の 『この騎士団はこの女がいなくなったら終わりだな』という考えを決定的なものとした。 その場は無期限同盟ということでアルティナ・カルラ両名のサインによって同盟は締結された。 あくまでこの同盟はアルティナとカルラが生存していることを前提としている。 幸か不幸か、アルティナが戦死した後もグリーン・リューネ間が対立することはなかったが、 この日誓われた大義に意味があるものだと信じるものは果たして、どこにいるのか。 ---- - うーん、アルテイナ様が黒くない -- 名無しさん (2023-10-09 18:04:34) #comment(size=60,vsize=3) ----

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