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. ガルガンダ山脈の西斜面、砂漠へ吹き降ろす風による豊富な日射と、ガルガンダ山からの雪解け水で育つ植物です。 元々は、ドワーフ達が気付け薬として少量利用しているだけでした。ドワーフ達は、アルコールの方が好きですからね。 これに最初に目をつけたのは、アルナス人でも特に禁欲的な、岩の部族の長老達でした。 彼らは瞑想に耽る事を好みますが、部族の若い者達には、退屈に映る事もありました。 そこで長老達は、居眠りをする若者に、濃く入れたコーヒーを・・・・強制的に飲ませました。 そうすると、眠気を払い、落ち着きを持って瞑想に入る事ができるのです。 (※濃くブラックなコーヒーはとても苦く、ルグナナムなどはトラウマになり、終生コーヒー嫌いでした) コーヒーは「情熱の炎を鎮め、頭脳を冴えさせる秘薬」として、人間世界に侵入します。 この頃は、ドワーフ達の好む乳酒と物々交換で入手していたようです。 砂漠に鷲の部族による金銭収入が入り始めると、状況が変わります。 ドワーフ社会では、貨幣経済が発達していたと言うよりも、純粋に貴金属としての金が好きだったようです。 金の臭いを嗅ぎつけたドワーフは、鷲の部族向けにコーヒーの生産量を増やしだしました。 最初は、用も無いのに苦いコーヒーを飲むには抵抗があったようですが、巡礼者護衛の夜番はたちまちカフェイン中毒になりました。 部族にコーヒーが根付いた頃には「鷲の部族は夜戦に強い」と評判になりました。 オステアは、フェリルで生産された粗糖が海路運ばれ、精糖されて大陸中に送り出される、砂糖交易の中心地でした。 鷲の部族でも行動範囲の広かった者が、コーヒーに砂糖を入れると飲み易くなる事を発見します。 嗜好品としてのコーヒーの誕生です。 エフォードは、ラザムの神官達の嗜好を良く研究して、世界初のコーヒーハウスを作りました。 部屋には大理石の宗教彫刻が並び、白を基調とした壁面には、歴代の教皇の法衣を纏った肖像画。窓はステンドグラスで飾られていました。 彼女たちは高位の神官になって、教団の未来を討議するような気分で、ホーリートーンがどっちを向いて笑ったとか、イオナとホルスの関係とか、 法衣の着こなし方等について、連日討議を繰り広げました。 祈りを済ませた空腹を、砂糖たっぷりの菓子とコーヒーで満たしたのは言うまでもありません。 コーヒーハウスは大盛況でした。 イオナを支持する神官達はコーヒーハウスに集まったので、コーヒー党(コーヒーパーティ)と呼ばれ、 ニースルーを支持する者達は集会室で紅茶を飲んだので紅茶党(ティーパーティ)と呼ばれました。 イオナは、お菓子の作り方を習うと称して先輩神官の部屋に通いました。 本人も甘党でカフェイン中毒だったのですが、第一の目的は年配者との人脈作り。趣味と実益を兼ねて、と言ったところでしょうか。 イオナは可愛い妹・娘を演じる事の達人でした。イオナに敵対する者は、「ババア転がしの天才」と陰口を叩きました。 ---- - おもしろかったです。 &br() -- 名無しさん (2011-02-01 23:52:27) - こういう世界観深める方向って新しいね。 &br()面白い。 -- 名無しさん (2011-02-02 10:37:54) - 新しいし良く出来てる。今後増えそうな予感。 -- 名無しさん (2011-02-04 21:22:05) #comment(size=60,vsize=3) ----
. ガルガンダ山脈の西斜面、砂漠へ吹き降ろす風による豊富な日射と、ガルガンダ山からの雪解け水で育つ植物です。 元々は、ドワーフ達が気付け薬として少量利用しているだけでした。ドワーフ達は、アルコールの方が好きですからね。 これに最初に目をつけたのは、アルナス人でも特に禁欲的な、岩の部族の長老達でした。 彼らは瞑想に耽る事を好みますが、部族の若い者達には、退屈に映る事もありました。 そこで長老達は、居眠りをする若者に、濃く入れたコーヒーを・・・・強制的に飲ませました。 そうすると、眠気を払い、落ち着きを持って瞑想に入る事ができるのです。 (※濃くブラックなコーヒーはとても苦く、ルグナナムなどはトラウマになり、終生コーヒー嫌いでした) コーヒーは「情熱の炎を鎮め、頭脳を冴えさせる秘薬」として、人間世界に侵入します。 この頃は、ドワーフ達の好む乳酒と物々交換で入手していたようです。 砂漠に鷲の部族による金銭収入が入り始めると、状況が変わります。 ドワーフ社会では、貨幣経済が発達していたと言うよりも、純粋に貴金属としての金が好きだったようです。 金の臭いを嗅ぎつけたドワーフは、鷲の部族向けにコーヒーの生産量を増やしだしました。 最初は、用も無いのに苦いコーヒーを飲むには抵抗があったようですが、巡礼者護衛の夜番はたちまちカフェイン中毒になりました。 部族にコーヒーが根付いた頃には「鷲の部族は夜戦に強い」と評判になりました。 オステアは、フェリルで生産された粗糖が海路運ばれ、精糖されて大陸中に送り出される、砂糖交易の中心地でした。 鷲の部族でも行動範囲の広かった者が、コーヒーに砂糖を入れると飲み易くなる事を発見します。 嗜好品としてのコーヒーの誕生です。 エフォードは、ラザムの神官達の嗜好を良く研究して、世界初のコーヒーハウスを作りました。 部屋には大理石の宗教彫刻が並び、白を基調とした壁面には、歴代の教皇の法衣を纏った肖像画。窓はステンドグラスで飾られていました。 彼女たちは高位の神官になって、教団の未来を討議するような気分で、ホーリートーンがどっちを向いて笑ったとか、イオナとホルスの関係とか、 法衣の着こなし方等について、連日討議を繰り広げました。 祈りを済ませた空腹を、砂糖たっぷりの菓子とコーヒーで満たしたのは言うまでもありません。 コーヒーハウスは大盛況でした。 イオナを支持する神官達はコーヒーハウスに集まったので、コーヒー党(コーヒーパーティ)と呼ばれ、 ニースルーを支持する者達は集会室で紅茶を飲んだので紅茶党(ティーパーティ)と呼ばれました。 イオナは、お菓子の作り方を習うと称して先輩神官の部屋に通いました。 本人も甘党でカフェイン中毒だったのですが、第一の目的は年配者との人脈作り。趣味と実益を兼ねて、と言ったところでしょうか。 イオナは可愛い妹・娘を演じる事の達人でした。イオナに敵対する者は、「ババア転がしの天才」と陰口を叩きました。 ---- - おもしろかったです。 &br() -- 名無しさん (2011-02-01 23:52:27) - こういう世界観深める方向って新しいね。 &br()面白い。 -- 名無しさん (2011-02-02 10:37:54) - 新しいし良く出来てる。今後増えそうな予感。 -- 名無しさん (2011-02-04 21:22:05) - マグダレナと仲良さそう -- 名無しさん (2023-06-28 01:13:04) #comment(size=60,vsize=3) ----

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