「20100907(火) 12:46:32」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

20100907(火) 12:46:32」(2023/04/30 (日) 11:27:39) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

**&color(blue){ピヨンが生まれた理由} アイスマン。 グリーンに存在する精霊の亜種である。彼等がグリーンの人間と共に暮らす様に為ったのは、実はそんなに昔の事では無い。 話はカルラが生まれるずっと前まで遡る。 ある年、グリーンにブリザードが襲い掛かった。ただのブリザードならばグリーンの民はビクともしない。 しかし、このブリザードは今までとは勝手が違った。 いつまで経っても止まないのだ。 屈強なグリーンの民も次第に次第に疲弊しはじめ、一人、また一人と倒れた。 何かおかしい。 女戦士が雪原へと向かった。そこで彼女は驚く物を目にする事になる。凍りついた雪原の生物達。雪原の暴君、アイスドラゴンさえもが彫像と化していた。 唖然とする女戦士の前に、吹雪にのって何かが飛び掛かる。紙一重で避けた女戦士の前で立ち上がったそれは、なんとも奇妙な物だった。 ボロボロのマントを付け胸元に青い宝玉を持つ歪んだ人型をした巨大な雪の塊。雪巨人とも違う、明らかに生物でないそれは、吹雪を纏って再度飛び掛かる。 槍で凌ぎ、すれ違い様に攻撃する。攻撃を加えた所がボロリと崩れる。しかし雪の怪物は怯む事無く突撃を繰り返す。 どれくらいの時間が経っただろう。女戦士も雪の怪物も満身創痍、鎧は凹んでボロボロ、槍もひび割れて今にも折れそうな程である。 対する怪物も身体を何度も砕かれ、既にまともな人の形すら残していない。 そんな極限とも言える状態の中で女戦士は一つの疑問を感じていた。 敵の攻撃から、殺意や悪意を感じ無い。さながら虫の羽を無邪気に毟る子供の様な感じである。 悩む女戦士を気にもせず、雪の怪物は更に強く吹雪を纏って突撃した。 一瞬の油断、咄嗟に受けた槍は折れて鎧は砕け、女戦士の身体は空を舞った。 雪の怪物は嬉しそうに周りを踊る。しかし一向に動かない女戦士を見ると、踊るのを止め、女戦士をつついたり揺さぶったりし始めた。 強い吹雪に段々と埋もれゆく女戦士の身体。容赦無い雪の暴風に女戦士の身体はどんどんと色を失って行く。 雪の怪物は自らが纏う吹雪を解き、付けていたボロボロのマントで女戦士の身体を包む。しかし、それでも女戦士は弱ってゆく。 暫く悩んだ後に雪の怪物は、女戦士に覆いかぶさる様に身を伏せる。吹雪は未だ止まず、雪の中にその姿は埋もれて行った。 暗闇の中で女戦士は目を覚ました。風の無い空間、寒いとは言え吹雪の中よりか暖かい空間。首を傾げていると、周りが動き出した。 真っ暗闇から、再び暗い吹雪の中へ。動こうとした女戦士は自分の身体が何かに包まれている事に気が付いた。気を失うまで戦っていた怪物が付けていたマント。 周りを見回すと、すぐ後ろに怪物は立っていた。慌てて戦いの構えをとるが、怪物は戦うそぶりも見せない。 黙って砕けた槍の尖端を手に取ると、胸元の宝玉を叩き割った。砕けた宝玉は大きく飛び散り、怪物はただの雪となって崩れ落ちた。 いきなりの事態に呆然とする女戦士であったが、はっと気付く。あれ程迄に荒れ狂っていた吹雪が止んでいた。 凱旋。グリーンに戻った女戦士は仲間達に英雄として讃えられた。しかしその顔は浮かばず、国の人達は首を傾げた。 その夜、女戦士は一つの雪だるまを作り、砕けた宝玉のカケラを中に埋めた。死んだ怪物の墓標の代わり。 無邪気な怪物。自らを砕いて吹雪を停めた変な奴。例え吹雪の原因が怪物であったとしても、彼女は恨む気にはなれなかった。 恐らくあの怪物は遊びたかっただけなのだろう。強大な力を持つ何も知らない無邪気な子供。 凍って止まったモンスター達が死んだ事にすら気付かずにいたのだろう。弱ってゆく自分を見て初めて死を学び、己の力の強大さを知った。 それ故に、自らを砕いたのではないだろうか。なんとなく、そんな気がしたのだ。 女戦士は家に帰り、眠る。しかし、睡眠は扉に何かがバンとぶつかる音で妨げられた。扉を開けると、足元にさっき作った雪だるまが鎮座していた。 誰かの悪戯だろうか、扉を閉めて再びベッドに入ろうとした矢先、再びバンと扉が鳴った。 睡眠を妨げられ不愉快な面持ちのまま、乱暴に扉を開けると、雪だるまがコテンとこけた。しかし、雪だるまは自ら立ち上がる。 よくよく見ると、雪だるまには目があった。無邪気な子供の様な、宝玉のカケラで出来た目。 余りにも珍妙なこの事態に、女戦士は思わず笑った。笑う他に何をすれば良いのかわからなかったとも言える。 雪だるまはピヨンと名前を付けられた。口を作ると、雪だるまは最初に付けられた己の名前を連呼した。 挨拶までは教えられた物の、それ以降人間の言葉を覚える事は無かった。 赤く染め上げサイズを合わせた怪物のマントを肩に掛け、この小さな雪の王様に相応しい王冠を被せ、折れた槍を杖にして女戦士の新たな家族が生まれた。 やがて女戦士は結婚し、娘を産む。カルラと名付けられた娘はピヨンにべったりとくっついて育ち、名乗りの挨拶をするだけのピヨンと意思疎通を行う様になる。 後に国を護る為に戦うカルラの横には、小さな雪だるまの王様が常に居たと言うが、これはまた別のお話。 ---- - 実はそんなに昔の事では無い。 &br()話はカルラが生まれるずっと前まで遡る。 &br() &br() &br()↑の記述が矛盾している気がします。 &br()また、カルラが生まれるずっと前までさかのぼるということは、女戦士がカルラを産んだ時にはかなり高齢であったか、怪物と決闘した時、かなり幼かったということになる気がします -- 名無しさん (2011-03-18 17:51:02) - まあ矛盾点はありますが良く出来ていると思います。 &br()ピヨンの人材オープニングに使えるかも? -- 名無しさん (2011-03-19 00:29:25) #comment(size=60,vsize=3) ----
**&color(blue){ピヨンが生まれた理由} アイスマン。 グリーンに存在する精霊の亜種である。彼等がグリーンの人間と共に暮らす様に為ったのは、実はそんなに昔の事では無い。 話はカルラが生まれるずっと前まで遡る。 ある年、グリーンにブリザードが襲い掛かった。ただのブリザードならばグリーンの民はビクともしない。 しかし、このブリザードは今までとは勝手が違った。 いつまで経っても止まないのだ。 屈強なグリーンの民も次第に次第に疲弊しはじめ、一人、また一人と倒れた。 何かおかしい。 女戦士が雪原へと向かった。そこで彼女は驚く物を目にする事になる。凍りついた雪原の生物達。雪原の暴君、アイスドラゴンさえもが彫像と化していた。 唖然とする女戦士の前に、吹雪にのって何かが飛び掛かる。紙一重で避けた女戦士の前で立ち上がったそれは、なんとも奇妙な物だった。 ボロボロのマントを付け胸元に青い宝玉を持つ歪んだ人型をした巨大な雪の塊。雪巨人とも違う、明らかに生物でないそれは、吹雪を纏って再度飛び掛かる。 槍で凌ぎ、すれ違い様に攻撃する。攻撃を加えた所がボロリと崩れる。しかし雪の怪物は怯む事無く突撃を繰り返す。 どれくらいの時間が経っただろう。女戦士も雪の怪物も満身創痍、鎧は凹んでボロボロ、槍もひび割れて今にも折れそうな程である。 対する怪物も身体を何度も砕かれ、既にまともな人の形すら残していない。 そんな極限とも言える状態の中で女戦士は一つの疑問を感じていた。 敵の攻撃から、殺意や悪意を感じ無い。さながら虫の羽を無邪気に毟る子供の様な感じである。 悩む女戦士を気にもせず、雪の怪物は更に強く吹雪を纏って突撃した。 一瞬の油断、咄嗟に受けた槍は折れて鎧は砕け、女戦士の身体は空を舞った。 雪の怪物は嬉しそうに周りを踊る。しかし一向に動かない女戦士を見ると、踊るのを止め、女戦士をつついたり揺さぶったりし始めた。 強い吹雪に段々と埋もれゆく女戦士の身体。容赦無い雪の暴風に女戦士の身体はどんどんと色を失って行く。 雪の怪物は自らが纏う吹雪を解き、付けていたボロボロのマントで女戦士の身体を包む。しかし、それでも女戦士は弱ってゆく。 暫く悩んだ後に雪の怪物は、女戦士に覆いかぶさる様に身を伏せる。吹雪は未だ止まず、雪の中にその姿は埋もれて行った。 暗闇の中で女戦士は目を覚ました。風の無い空間、寒いとは言え吹雪の中よりか暖かい空間。首を傾げていると、周りが動き出した。 真っ暗闇から、再び暗い吹雪の中へ。動こうとした女戦士は自分の身体が何かに包まれている事に気が付いた。気を失うまで戦っていた怪物が付けていたマント。 周りを見回すと、すぐ後ろに怪物は立っていた。慌てて戦いの構えをとるが、怪物は戦うそぶりも見せない。 黙って砕けた槍の尖端を手に取ると、胸元の宝玉を叩き割った。砕けた宝玉は大きく飛び散り、怪物はただの雪となって崩れ落ちた。 いきなりの事態に呆然とする女戦士であったが、はっと気付く。あれ程迄に荒れ狂っていた吹雪が止んでいた。 凱旋。グリーンに戻った女戦士は仲間達に英雄として讃えられた。しかしその顔は浮かばず、国の人達は首を傾げた。 その夜、女戦士は一つの雪だるまを作り、砕けた宝玉のカケラを中に埋めた。死んだ怪物の墓標の代わり。 無邪気な怪物。自らを砕いて吹雪を停めた変な奴。例え吹雪の原因が怪物であったとしても、彼女は恨む気にはなれなかった。 恐らくあの怪物は遊びたかっただけなのだろう。強大な力を持つ何も知らない無邪気な子供。 凍って止まったモンスター達が死んだ事にすら気付かずにいたのだろう。弱ってゆく自分を見て初めて死を学び、己の力の強大さを知った。 それ故に、自らを砕いたのではないだろうか。なんとなく、そんな気がしたのだ。 女戦士は家に帰り、眠る。しかし、睡眠は扉に何かがバンとぶつかる音で妨げられた。扉を開けると、足元にさっき作った雪だるまが鎮座していた。 誰かの悪戯だろうか、扉を閉めて再びベッドに入ろうとした矢先、再びバンと扉が鳴った。 睡眠を妨げられ不愉快な面持ちのまま、乱暴に扉を開けると、雪だるまがコテンとこけた。しかし、雪だるまは自ら立ち上がる。 よくよく見ると、雪だるまには目があった。無邪気な子供の様な、宝玉のカケラで出来た目。 余りにも珍妙なこの事態に、女戦士は思わず笑った。笑う他に何をすれば良いのかわからなかったとも言える。 雪だるまはピヨンと名前を付けられた。口を作ると、雪だるまは最初に付けられた己の名前を連呼した。 挨拶までは教えられた物の、それ以降人間の言葉を覚える事は無かった。 赤く染め上げサイズを合わせた怪物のマントを肩に掛け、この小さな雪の王様に相応しい王冠を被せ、折れた槍を杖にして女戦士の新たな家族が生まれた。 やがて女戦士は結婚し、娘を産む。カルラと名付けられた娘はピヨンにべったりとくっついて育ち、名乗りの挨拶をするだけのピヨンと意思疎通を行う様になる。 後に国を護る為に戦うカルラの横には、小さな雪だるまの王様が常に居たと言うが、これはまた別のお話。 ---- - 実はそんなに昔の事では無い。 &br()話はカルラが生まれるずっと前まで遡る。 &br() &br() &br()↑の記述が矛盾している気がします。 &br()また、カルラが生まれるずっと前までさかのぼるということは、女戦士がカルラを産んだ時にはかなり高齢であったか、怪物と決闘した時、かなり幼かったということになる気がします -- 名無しさん (2011-03-18 17:51:02) - まあ矛盾点はありますが良く出来ていると思います。 &br()ピヨンの人材オープニングに使えるかも? -- 名無しさん (2011-03-19 00:29:25) - ↑↑ &br()重箱の隅ィ! -- 名無しさん (2023-04-30 11:27:39) #comment(size=60,vsize=3) ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: