穹廬奴の魔術師


時は単于・ゲルニードによる穹廬奴全軍の召集よりも前。
穹廬奴の魔術師、スーフェンは長城(=ネルザーン砦)攻略における
小さな戦に従軍していた。
モブ穹廬奴隊長「敵は小勢。さっさと攻め落としてしまえばよかろう」
スーフェン「敵軍の魔術師の動きに隙はない。ここは正攻法では厳しいだろう」
モブ穹廬奴隊長「ふっ、なにを弱腰な。そんなもの、俺がひねり潰してくれる!」
スーフェンの静止も聞かずに、方面軍の司令官は自ら先陣を切って突進する。
渋々ながら防御壁を展開して猪突する味方を援護するも、焼け石に水。
城楼から放たれる大量の魔法のよって穹廬奴たちは成す術なく死んでいく。
結局、この戦いは負けに終わった。
スーフェン「今、戻った。今回も我らの負けであったな」
ゲルニード「スーフェン、貴様! おめおめと逃げ帰って来おって!
おまえは何のために剣を持っているのだ!? しかも勇士たちの死を
愚弄するような口をききおって!!」
スーフェン「魔法を軽んじたからだ。魔法を支配せねば穹廬奴の中原制覇など夢のまた夢だ」
ジェイク「落ち着かれよ、単于。スーフェン、確かに我が軍は魔法に対して備えが甘い。が、
それを支えるのが貴様の役目ではなかったか?」
スーフェン「兵法も知らぬ蛮愚どもをどう支えろと? 聡明であった貴殿も耄碌したと見えるな」
チョルチョ「単于のみならず、土門に対してまでなんて口を! 単于、この者は穹廬奴に必要ありません!
すぐ処刑すべきです!」
無言のまま、ゲルニードの近習がスーフェンへの歩を狭める。
スーフェン「巫女よ。おまえごときの矮小な脳と非力な魔法でこの阿呆どもをどうにかできると?」
チョルチョ「貴様のような外道と話すことはない!」
スーフェン「ふん、救いようのない馬鹿どもだな。……焙烙発破」
突如発生する爆発。その場にいた術者と宿老以外の者が一瞬だけひるむ。
その一瞬の隙をついて、スーフェンは逃亡した。

沼地のはずれにて……。
スーフェン「これでは穹廬奴が滅ぶ日もそう遠くはないな。……ふむ。いずれにしよ、
乱世が訪れるのには間違いはないようだ。まずは、中原にでも行くとするか」



  • モブにも名前があると良かった -- 名無しさん (2023-04-30 11:18:59)
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最終更新:2023年04月30日 11:18