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モンスターの生態 - (2007/12/19 (水) 00:04:21) のソース

*モンスターの生態:第一回 ヤマツカミ

名前:ヤマツカミ(浮岳龍)

種族:動物界 軟体動物門 頭足類 四腕目 オオツカミ科 ヤマツカミ族 

弱点:水・竜

 ヤマツカミ、その名の由来は、空中に浮かぶことができ、タコの様な体型が手のひらに見えること。そして山を掴めそうな程に大きい、それ故「山掴ミ」と呼ばれているという説が一般的であるが、山にあると言われる、かつて神が雨や雷などを交易品として取引していた場所「津」(船着き場)を守っていたと言う伝説のため「山津守」と呼ばれたという説がある(龍人族の伝承より、神の船は空を飛び山に泊まると信じられていた)。しかし最初にその名を聞いたときは例外なく前者の意味だと捉える。

 その巨大な体の中には雷光虫が住み着きヤマツカミの体の中の環境の良さゆえ異常繁殖・巨大化している。この雷光虫とヤマツカミは共生関係にあり、雷光虫がヤマツカミの体内の水分を電気分解することで、体内に水素を作り出し、それを浮力源としている。この水素をためる袋は高濃度で水素が封入されており、空気が・つまり空気に含まれる酸素とほとんど交じり合っておらず、火属性の武器で攻撃したからと言って、容易に爆発することはない。しかし空気と交じり合うことで、もちろん爆発は可能になり、電気で火花を散らすことにより爆発させる技も持っている。

 ヤマツカミの眼はカメラ眼とよばれる脊椎動物と同じ構造の目を持っているため視力は悪くない。
 一見頭に見える、丸く大きな部分は実は胴体であり、足の付け根部分が頭となる。すなわち頭から足(腕)が生えていることになる。

 ヤマツカミは襲われることがめったにないためあまり知られていないが、外敵(ラオシャンロン級の大きさ)に襲われたとき自分で足を切り離すことができ、自分で切り離した足は再生する。時折2本に分かれて生えることもあり、4本以上の足を持つヤマツカミも存在する。

 またストレスによって自分の足を食べることがあるが、このとき食べた足は再生しない。



特産品について:武具への使用以外は、龍木を材料とするものが大半であり龍木の木彫りによる工芸品は数え切れない。皮を使ったバッグはとても軽いと評判である。

主な特産品

龍木紙:背中に生えている龍木を使い、樹海に住む職人が腕をふるって作る丈夫な紙。特別な絵を描く時や、後世まで残したい文をつづるときに用いられる。ヤマツ紙という愛称で、ドンドルマなどに店舗を構えるギルド経営雑貨店「クック」にて販売中。

龍木炭:その名のとおり龍木で作った炭、火力よりも長い間燃えることが売りの炭



料理:栄養的には、ビタミンE、タウリンが多いほか、亜鉛・DHA・EPAも高い。

ヤマツカミは酒の肴に申し分なく、酢漬け・燻製・干物・塩漬け・丸焼き・刺身など、酒を飲むときには人気の食材である。酒の魚以外では揚げ物や炒め物に使用される。

主な料理

ツカミ飯:ヤマツカミの下足(げそ)を取り外し、腹ワタを取り除いたツカミの胴身に洗った米を詰め込み、爪楊枝等で米が飛び出さないように留めた後、醤油ベースの出し汁で炊き上げたもの。胴身に詰める具材として、下足を細かく刻んだものや筍など山菜類を入れることもある。



飼育方法:前例がないため不明

著者;フェアリー

監修;観察人と呼ばれるハンター ビストロUシェフ モンスターを研究する龍人族男性

「謹啓 
揺らめく雷光虫に、温暖期の訪れを肌で感じるこの頃となりました。共に学んだ 
学術院の皆様の御健勝を心からお喜び申し上げます。 
さて、この度古遺物調査隊である私が、古龍研究所当てに本書簡をしたためさせていただきましたのは、 
他でもない古龍に関する報告で御座います。 
王国から遙か東、私たち調査隊が「古塔」と呼ぶ古代遺跡に駐留し、調査を進めていた最中のことです。 
いつものように研究資料収集と遺跡発掘のため、遺跡の中心にそびえる古塔へ向かっておりました。 
この辺りは高地故の寒冷気候ながら、降雨量も少なく空気も澄んでおり、晴れた日には駐留する 
キャンプから遠くの塔が見えるほどでした。 
しかし、その日は何かが違いました。これまで見たことのない様な乱雲が、古塔を隠すかのようにすっぽりと覆い、 
遺跡の周辺は禍々しい「何か」に満ちあふれていました。調査隊の誰もがきっと同じ事を感じたのでしょう。 
「今日は中止にしよう」 
誰かがそう言いました。真にお恥ずかしい話出るが、私自身もそう思っていました。 
しかし、既にキャンプを離れて暫く来ていると言うこともあって、結局、隊長である主査の号令に従い 
歩を勧めることに。それからしばらく後のこと、先行する調査員が顔面を蒼白にさせながら、私たち本隊の元に戻ってきたのです。 
突然の出来事にざわめく調査隊。とにかく何があったのか調べるべく、(本意ではなかったのですが) 
急いで遺跡へと向かいました。 
すると……私たち調査隊の目の前に、これまで見たことのない驚くべき光景がひろがっていたのです。 
遺跡に周道を埋め尽くす、おびただしいかずの小飛竜。そして何よりも私たちを驚かせたのは、 
天を覆わんばかりの巨大な…例えるなら学術院の裏にある丘ほどもある…生物。そう、それは明らかに 
空に浮いており、しかも信じられないことに生きていたのです。 
浮岳龍ことヤマツカミ。古龍研究所の皆様ならご存じでしょう。しかしそれが最古の龍、ヤマツカミだと 
知ったのは後のことです。私たち調査隊が唖然としている間も、ヤマツカミはゆっくりと移動しており、 
それも古塔のある方向へと向いていました。学者としての性分なのでしょう…私たちも「負わねばならない」という 
使命感から、いまや小飛竜の毒気に満ちあふれたその道を、必死で走り抜けました。 
そうして、ようやく古塔へと辿り着いたとき、私たちは初めてヤマツカミの巨大な全容を目の当たりにしたのです。 
「浮岳龍」の名が示すとおり、その姿は当に「岳」である、私たちが知る生物の域を超えていました。 
さらに、恐らく頭長部だと思われる表面はもはやそれがもともと何であったのかを知る予知もないほど 
樹木やこけがびっしりと生えており、おそらくこの古塔と同じか、もしくはもっとふるくからあるものだと感じられました。 
どうやら私たちの存在など気にかける様子もなく、吹き抜けとなっている塔の内部にゆっくりと進入し、 
更に高見を目指し移動を続けるヤマツカミ。 
ある者はメモを必死に取り、ある者はその姿を描くべく塔の最下層で筆をキャンバスに走らせていました。 
さらに調査員の一人は、塔の内壁に沿って走っている階段の踊り場から、なんとヤマツカミに向かって 
飛び降りたのです。幸いにもそれほど高さはなく、その調査員は立ち上がると、腰に帯びていたナイフで 
ヤマツカミに生える苔や様々な植物を表皮共々剥ぎ取っていきました。 
それでもヤマツカミは気にすることなく上昇を続けます。そのうち他の調査員も次々とその巨大な体に 
飛び乗り、同じように採集を行っていました。みな、功名心にかられ、注意力が低下していたのでしょう。 
異変は起こりました。ヤマツカミはゆっくりと(体の下にある巨大な口から)大きく息を吸い始め、 
合わせて風船を膨らませたように体も大きくなっていきました。それとともに上昇する速度が増し、 
そして次の瞬間、表皮から巨大な光る物体が次々と飛び出してきたのです! 
まるでカンタロスの成体ほどもあるそれが浮遊する様は、最初、あまりにも幻想的な光景で、誰もが目の 
錯覚だと思っていました。しかし、しばらくふわふわと飛び回った後、目にも止まらぬ早さで近くに 
いつ調査員に近付き触れた途端…耳をつんざくような音を上げ爆発したのです。巻き込まれた者達はもはや 
跡形もなく、辛うじて最初の爆発を避けた者も次々とその光る物体の犠牲者となっていきました。 
気付いたとき、調査隊はその殆どを失い、ほうほうの体でキャンプに辿り着くことが出来たのは、私を含む 
数人のみでした。もはや、同じ場所に再び調査で訪れることはないでしょう。それほどまでにヤマツカミとの 
遭遇は衝撃的で、いまなお悪夢となって私たちを苦しめます。今回の被害は私たち調査隊の浅はかな判断と 
功名心が招いてしまった結果ではありますが、それでも何人もの調査員が命に代えて得たヤマツカミの 
サンプル素材とスケッチは、必ずや古龍を研究する皆様の役に立つと考えております。 
ここに不運にも異国の地で命を落としてしまった調査員の冥福を祈ると共に、私たちの偉大なる王立学術院が 
さらなる発展を遂げるよう、心からお祈り致します。 
敬白 



追白 
私議、大変恐縮ではありますが、同封した書簡を都に住む私の妻と娘にお渡し下さい。」

出典:ハンター大全2