天然コウビサセロー

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chibaisland

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概要

冒頭部分引用
 あれから十数年が経ったいま、もうひとびとの口の端に上ることはなくなってしまったが、千葉島の歓楽街のひとつである馬頭銀座の入り口には、かつて毎日のようにひとりの少女が立っていたものだった。年のころは十四、五歳だったろうか、いつもお下げにした黒い髪に白いワンピース、そして肩からは小さなポシェットをかけて、朝から晩までアーケードのはしっこにひとりぽつねんと佇んでいた。彼女がそこに立つ目的と言えばただひとつ、馬頭銀座に出入りする男たちにかたっぱしから声をかけることだった。どんな相手にでも決まって一言だけ、「コウビサセロ」というのがその少女が唯一発する言葉であった。


リンク

『天然コウビサセロー』は以下のリンクから読むことが可能である。



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