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リワマヒのひまわり




ヒマワリが咲いた。

でっかく咲いた。天高く咲いた。
いや、もののたとえとかじゃなく、ほんとうに(w。
ヒマワリといえばそもそもあれ。
風鈴、蚊帳と並ぶ夏の風物詩。
陽光が光と熱を枯れることの無いシャワーのように照りつける中、
太陽に向かって黙然と起立する一本気なやつ。
それが、愛鳴藩国の空に大きく花開いていた。

話は少しさかのぼる。
わんわん帝國はEV81偵察機迎撃作戦にて未知の勢力に対し、
情報収集も半ばに先制攻撃を選択。
結果、広島に対する核攻撃を受け気圏中には粉塵と放射性物質が飛散。
いわゆる核の冬を引き起こした。

愛鳴藩国、九頭竜川摂政は国民に対し深く謝罪した。
帝國の選択は藩国の選択であるし、その行動により生じた結果は
責任者がとるべきものなのだ。
藩国首脳部は、核攻撃が行われたことが伝わると同時に国民に地下への避難を命じた。
地下行動や地下迷宮を利用した大深度の避難、交通施設は、
皮肉にも充分その役目を果たしたのだった。
放射能汚染から地下環境を守る設備設置を急ピッチで進めてはいたが、
放射性物質の長い半減期(プルトニウム238で2400万年)
および核の冬による気候変動による将来への絶望が国内を覆っていた。

しかし、明けない夜は無く、希望もまた無明の中からこそ生じる。
アイドレス世界に一筋の希望が生まれ、世界を照らすのだった。
その希望とは、漢!リワマヒ国!
食料負担にあえぐ各国を救済する食料供与イベントの開催。
さらに放射能除去ヒマワリ「ヒューガ・アオイ」の無料配布であった。
天は自ら助くものを助く、という言葉もあるが、
危機に対し真っ向勝負で打ち破ったその意志と行動力は、
いかににゃんにゃんであっても特筆されるものだ。

かくして「コスモクリーナー」「日本の奇跡」に継ぐ放射能除去の奇跡が誕生した。


そして現在。愛鳴藩国ではリワマヒ国から空輸された「ヒューガ・アオイ」の苗を
国内各所に植え、大事に育ててきた。
国民全員の、いやアイドレス世界の願いが込められていた。
願いを受けヒマワリ達はスクスクと成長していった。
中にはいつまでもスクスクと伸び続ける株もあったが…

グググ子摂政、荒風ヒオ秘書官はジープに乗り、国内各所の放射線濃度を確認していた。
オレンジ色の放射線防護服を着た二人は、黄色い花が両側に咲く道に差した、
長く大きな影に向かっていた。
「りっぱな花が咲いたよなー」
「おっきなひまわりになりましたねー」
二人は見上げていた。
ずっと上を。ずっと空を。
そして首が痛くなった。

藩国北部、愛鳴山のふもとの温泉地付近に植えられた一株は、
藩国の土壌、温泉、地熱、放射線その他もろもろの要素で
突然変異と呼ばれるものに変化していた。

【超巨大ヒマワリのスペック】
 全高600メートル
 幹の直径30メートル
 花の直径100メートル
 葉の全長(最大)200メートル
 ※イラスト参照
 手を掛けすぎて、こんなに、ちょーきょだいなヒマワリになっちゃいました(w
 (九頭竜川)

「えーと、なんでこーなっちゃったのかなー ヒオさん」
「摂政、いいじゃないですかー 大きいことはいいことですよ」
荒風ヒオが手元の計測器の数値を確認する。
「ガイガーカウンターの数値が見る見る下がってますよ」
「光合成」。
植物は空気中の二酸化炭素をその身に取り込み、固化する役割を果たしてきた。
ヒューガ・アオイは放射線を取り込み、
どのような仕組みによってか無害化してしまう。
繰り返すが、これはリワマヒの奇跡だ。

藩国を覆ったヒマワリは、再び人々を地上に立たせた。
日に向かって黙然と立つ、黄色いヒマワリに皆は感謝した。
そして愛鳴山に並んでそびえ立つ、ひときわ大きなヒマワリを見上げた。

「ほんとうにおおきなヒマワリね~」
「うん、すっげー」
「あれは人の善き心の表れなのよ」
「うん、漢字の漢と書いて(おとこ)と読むんだよね」
「リワマヒ国さん。この名前は忘れないでいようね…」
「はい、お母さん!」



【2007.5.27】九頭竜川上梓
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