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恵まれていない。そう言われれば、否定したくなる。そういう時期もあった。
決して僕は裕福な家庭に生まれたわけではない。父の顔を知らず、母はいつも疲れていた。
けれど、まだ余裕がある。ゴミを漁り、使えそうなネジ等の部品を集め、日銭を稼ぐ。
寝床への帰りに味の無い合成パンを買い、母と分け合う。そして次の日を迎える。
明日を迎えられるだけ、僕は恵まれている。此処は、それすらもできない子供が多い。
だから、恵まれていた。だって、疲れていても母は笑ってくれたし、僕もそれに応えて笑っていた。
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母は借金の形に、“能力”を売ったという。その際に体も売り、僕を身篭り、育てた。
その話はこれまで何回か、母から聞いていた。でも、もう過去の話だと思っていた。
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その日のゴミ漁りを終え、寝床へ帰ってきてみたのは、殴打され事切れた母の姿だった。
そこに居た男達は手に手に鉄パイプや廃材を持っていて。怒りの表情を隠しもしていない。
母を殺したのはそいつらだということはすぐわかった。だが、理由がわからなかった。
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何故だと、僕は問いかけたのだろう。母を殺された怒りよりも、疑念と絶望の方が勝っていた。
…オッド・アルジール。僕の母は、オッド・アルジールが手をつけた女の1人だという。
だから殺していいと。アルジールの血筋は全て死んだほうがいい、この世のゴミだと。
男達はそれだけ言うと、僕に向かって武器を振り下ろし──
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「…またあの夢か」
『タイヨウ』 595159
名前:古威流太陽(コイルタイヨウ)
種族:魔人(雷)
年齢:14歳
性別:男
外見:鉄道警察の正規部隊の制服。身長179cm。寝癖のついた白髪。首にかけたヘッドホン。
顔に、左上から右下にかけて斜めに大きな傷痕が入っている。
普段着だと黒いパーカー。ヘッドホンをつけ、フードを被って人相を隠す。
能力:その血は後天性能力の覚醒候補に恵まれていた。父の吸収した魔眼。
数多くあるその能力が、後天性として彼にそっくりそのまま受け継がれたのだ。
しかし魔人能力は発現できるのは基本的には一つ。彼は、選択の機会に恵まれた。
30以上の力。爆炎。凍結。念動力。重力。洗脳。吸収。崩壊。いずれも強力無比。
数ある中から、彼は……“雷”の魔人能力のみを選んだ。ただの、雷の魔人である。
それは父の魔眼コレクションには無い、彼が元から持っていた可能性。
父と同じ“魔眼”の能力を得れば、多くの能力を得る機会を得られただろう。
複数の魔人能力を得ることも可能であっただろう。父がそうであったように。
だが彼はただ一つを選択した。父との決別をするために。
血液:彼の血液は後天性能力の宝庫。本人は既に雷の魔人であるため、意味は無い。
またあくまで潜在能力の因子であるため、特に耐性を得られるわけではない。
この血は彼をコピーしたり、彼の血により能力を発現する場合には関係が出てくる。
血を理解するモノは、彼を狙う。しかし彼もただではやられない。親父譲りの技で迎え撃つ。
基本性能・固有スキル
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CL:S/S
SL:-/-
ML:-/-
LL:-/-
耐久:B 防御:B(A)筋力:A 知覚:S
速度:A+ 機敏:A 空中:D 経験:B
※成長速度が早く、ステータスが今後向上する可能性が高い
※速度・機敏はAだが、“雷神天輪”による移動の場合は瞬間移動。
※再登場につき速度A→A+、経験C+→Bと向上。
また空中Dに関してはイオノクラフトがあるため詐欺。
固有スキル
+雷属性 :雷属性の魔人であるため、雷全般に対して強い。さらに彼の場合は吸収も可能。
親父にない技として、電撃を放ったり掴んで流したりといった雷属性攻撃がある。
また“雷眼天視”“雷神天輪”など雷属性の魔人らしい技を複数持つ。
+鋼体化 :ステータスを一部向上可能。全ステータス向上ができる親父には及ばない。
+練成武具使用:練成術によって作られた武具を使用可能。彼自身は練成術を完全には使用できない。
鋼体化は出来ても、金属練成や磁力操作は不可能。雷に特殊な性能を載せることはできる。
±悪魔の因子 :本人に意味は無い。コピー能力の対象になった場合、様々な能力の顕現可能性がある。
ただしその性質を理解せず、理解していてもコピーしようとした場合…危険な暴走状態に陥る。
ある意味でのコピーカウンターだが、かなり厄介な相手を生み出しかねない性質。
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魔人能力・武装
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NEW!!
“雷光天陽”:オーバードライブモードに移行。全身が白熱チャージ状態になる。
モギリ・キセルが打ち放題、さらに二重モギリなど火力も増加。
ただしおよそ190秒ほどで終了、その後十分に寝るまで魔人能力が使えなくなる。
“雷嵐天風”:イオノクラフト効果により浮上、空中移動する。
そこそこの速度があるがそのままだと小回りが利かない。
“雷眼天視”:対象の座標を捕捉する能力。転移しようが捕捉し続ける追跡能力。
射程は気合いれると都市内は追跡できる程度。
“雷神天輪”:雷の速度で移動する瞬間移動能力。“雷眼”と併せて狼藉許さぬ追尾者となる。
ただし“雷眼”の相手へ迫るため回避技としては使いにくい。
“雷雲天走”:攻撃力、速度、敏捷をさらに向上。瞬間移動では無いがこれを発動すると親父のような機動が可能。
“雷装天撃”:全身に電撃を纏う。鳴切、切迫の威力をさらに向上。
素手 :素手である。鋼体化をかけることで防具は要らなくなる。
鉄道警察はスタンロッドや仕込み手袋など、電気ショック関係の武装が多い。
彼の場合は自分が発電機のようなものなので不要なのである。
磁気ブーツ :一方、足は分厚いブーツに覆われている。練成武具。壁歩きが可能。
特に金属製、車両とは相性がよく車外での戦闘で安定性を得られる。
親父の得意な足指を使った掴み技はできないが、蹴りの威力は高い。
格闘術 :親父は鋼体化によって無茶苦茶するが、彼の鋼体化はディギー技術の真似事である。
また筋力も親父ほど無い。生粋のディギー人に対して、雷の魔人であるだけでは脆弱である。
必殺技
鳴切(モギリ):電撃をチャージした状態で繰り出す、必殺の白熱手刀。
チャージが露骨に見えるのが弱点。
切迫(キセル):モギリの飛び道具版。白熱爆発を引き起こす。
こちらも露骨にチャージが見える。
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「鉄道警備隊、正義部隊所属。古威流タイヨウだ」
「俺は都市を守護する。親父のためにも、俺のためにもだ」
「此処は、俺の居場所でもある。踏み荒らすなら容赦はしない!」
「──父の話をするな。それ以上、踏み込むなら俺は我慢ができん」
「都市に巣食うゴミは全てこの俺が始末する。此処はオニールやセントラルとは、違う。
秩序と平穏が保たれた世界だ。この世界を、守る。何をしてでも…だ。それでいいんだよな、親父」
最終更新:2020年12月23日 00:20