楔 [イミコ アルジェン]

イミコさんが入室しました
イミコ : (セントラル北方、ちょうどラフトが伏せていたあたりの、一面を見渡せる丘)
イミコ : (そこに槍を縦につき、目を瞑り 何かを待つ)
アルジェンさんが入室しました
イミコ : ──来たな。銀の弾丸。
アルジェン : (彼方の空が星のようにキラッと光り
アルジェン : (流星めいて飛来、 イミコに対峙するように着地する
イミコ : “家出”した男がどこに身を隠していたかと思えば…
アルジェン : ――、(ずしゃっと軽く地を滑り)…イミコ様。
イミコ : 話を聞きに来た。
アルジェン : (片手には何か雑な麻袋を手にしている 中身は――抗魔金属だ。
アルジェン : 話、ですか?(イミコからその単語が出たのが不思議、といった風に
イミコ : 人を、敵を見かければ即座に殺す怪物みたいな顔で見るな。
イミコ : …何故、“メラ・レウカ”の戦場へ出向いた。
アルジェン : ――、…(イミコを見て)何故…ですか。
アルジェン : …イミコ様も、ライキリ様も対峙した『世界の大敵』です。戦わない理由は…(目を逸らしがちに
アルジェン : ……いえ。 止めよう。正直に話します。
イミコ : …。
アルジェン : …以前イミコ様と対峙した時、…オレはヌマチ…友達を、どうしても殺す決断ができなくて。
イミコ : (どうやら話を聞く体勢
アルジェン : …、どうしたらいいのか分からなくなっていました。(あらゆる表現を考えた末に出てきた言葉
イミコ : おい。
イミコ : …いや、続けろ。
アルジェン : …、友達の事だけは譲れないのかなって、そう思ったけど、友達を理由にするなとも言われて。
アルジェン : …オレはずっと、『世界の敵』を倒す事で、自分が此処に生きている事を、ゆるしてきたつもりだった。
アルジェン : だけど、それができなくなって、「友達」だから特別なんだって思いたかったけど、それも理由にしちゃいけないって、
アルジェン : …だったら、他にどうやって自分をゆるしたらいいんだろう。そう思ってる時に、メラ・レウカが現れた。
アルジェン : 全身抗魔金属。都市に、人々に甚大な被害を及ぼしている。明確な『世界の大敵』です。
アルジェン : だから、ソレを倒して、……このヴァースを大厄からすくって死ぬつもりでした。(ごくあっさりと
アルジェン : そしたら、自分の事、ちょっとは許せるかなって。(はは、と首傾げてイミコに笑う
イミコ : アルジェン、口をあけろ。大きく。
アルジェン : ・・・え?
イミコ : 早くしろ。
アルジェン : は、はい。 あー(きょとんとしつつ、口を開く
イミコ : (踏み込んで顎に向けてロケットアッパー
アルジェン : ッッッ  (ガチンッッッ
アルジェン : (アッパーが減り込み上空に吹っ飛んでいく
イミコ : 通常時は非力なので、なるべく痛いようにしてみた。
アルジェン : ― ――(どしゃっと地に落ち、顎押さえて顔上げて)、い、、いみこひゃま!??
イミコ : ディーンという男なら何を言われたかもう忘れたか!
イミコ : (男から)散々諭されたことを忘れたか!
アルジェン : ッ、、、
イミコ : だが、良し!自分の事を、許せると。誰かに頼らず、許せると少しでも思えたなら良し!
イミコ : 結局、“レウカ”との戦いもそのディーンという男の武器となり働いたではないか。
イミコ : 戦って勝って、それで少し許されたのではないか?他ならぬ、自身に。
アルジェン : ……。(少し俯き、自分の胸に手を当てて)…そう、かもしれません。それに…
アルジェン : …世界を、すくって死ねたら僥倖だと思っていたけど、…街はあんな風になって、世界中に抗魔金属がばら撒かれてしまって、
アルジェン : 大きな戦いだけで終わりにはできない、…まだ、助けたいものが沢山あるんだなって。
イミコ : ソニアに赦されなくても、やりたいことならあるだろう。
アルジェン : …今は、そんな風にも思っていて。(麻袋を見遣る 自身で回収した抗魔金属
アルジェン : そう、ですね。…まだ、終わりにはしたくないんだと思います。…今は。
イミコ : わかってるなら、危うく死ぬようなことをするな。
イミコ : ワタシ達は武器だ。ワタシ達は希望だ。オマエは違うかもしれないが
イミコ : ワタシ達は救済だ。が、それは在り方と居場所の問題だ
アルジェン : ……。(イミコを見上げて
イミコ : アルジェン・パッラ。オマエの居場所はきっとメシアリングでは無かったのだ。
イミコ : きっとその新たな居場所でオマエは少しずつ救われるだろう。たとえば…
イミコ : ヌマチという魔物を守ったら、オマエの心は救われるだろう。
イミコ : それにラフトとかいう、あれはやっぱりちょっと倒しといたほうがいいかもしれないが、
イミコ : そういう冒険者についても守ったら、いや救われないと思うので救わないでいいぞ
アルジェン : …ら、ラフトには話を聞いておくので! …その、そんなにおかしな人じゃないと思うので…(伺うように
イミコ : 忘れよう。今のは。…ともかく、自殺めいた動きはやめてくれ。
イミコ : ワタシとて、オマエのことが心配なうちの1人ではある。
アルジェン : は、はい。(姿勢正して
イミコ : …その、なんだ
イミコ : 無事でよかったな。
アルジェン : …、っ(不意を突かれて
アルジェン : ……、 …ありがとうございます。イミコ様。
イミコ : その抗魔金属については、こちらで処分しておこう。
アルジェン : ははっ集めたはいいものの、自分じゃどうしようもなくて(困ったように笑って
アルジェン : じゃあ、お願いします。(立ち上がり、麻袋をイミコに渡す
イミコ : なんならトワでも呼べばいい。案外、来るだろう。アレならば。
イミコ : (受け取り)それはそれとしてオマエとはいずれ戦うことになるだろう。
アルジェン : …トワ様にも、色んな事を教えてもらいましたからね(一般常識とか)。お礼を言っておかないと。
アルジェン : …、イミコ様。(前を向いて
イミコ : ただ、そうだ、気落ちして本気を出せない“銀の弾丸”と戦ったとしても
イミコ : それは勝利ではないので、今は避けているだけなのだ。
アルジェン : …オレは、やっぱりイミコ様と戦いたくは無いですから。
イミコ : ワタシは戦いたいぞ。
アルジェン : いずれ刃を向けることになったら、その時は……全力で逃げます。(はは、と
アルジェン : …オレはもう、戦う相手を選べる。…そういう事だと思うから。
イミコ : なるほど、そういうことだろう。
イミコ : …なら、(近づいて、耳打ち
アルジェン : 、?
イミコ : …ソニアには気をつけろ。
アルジェン : ―、…。
イミコ : (離れて)ワタシとてソニアの命であれば、オマエと戦うことになるがー
イミコ : 今のところは、各地に散らばりきった抗魔の回収が忙しいな。
イミコ : ああー、まったく魔物と戦う暇もないなー
アルジェン : ……、…!(口結んでるが、あからさまに安心、というか喜んでる顔
イミコ : では、そういうことだ。…いずれな。
アルジェン : …はい。
アルジェン : …どうかお元気で。イミコ様。
イミコ : 達者でな、アルジェン・パッラ(片手掲げて
イミコ : (天界へ消えていく)
イミコさんが退室しました
アルジェン : ……(消えていくイミコを見送り
アルジェン : …さて。(くるりと踵を返す イミコと逆方向に進むように
アルジェン : …オレも、行かなくちゃ。(とんっと片足で地を踏み
アルジェン : (空に消えていく
アルジェンさんが退室しました

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最終更新:2018年06月24日 00:23