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文房具第2話
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datui
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あの子の望み ◆wKXHcFOzbI
「さぁて、これからどうするかね」
漫画本の乱立する本棚の片隅に、ロケットペンシルの姿があった。
手に握り締めるのはコルトSAA。その無骨な鉄隗こそが、彼に支給された武器である。
それは言うまでも無くアタリだったが、彼の顔は不満げだった。
「煙草だったら良かったんだがな」
銃を弄びながら、そんな馬鹿げた事を呟く。
実際の所、彼は殺し合いなんてどうでもよかった。
生き返らせたいほど持ち主に心酔していた訳ではなかったし、
殺したいほど仲が悪い文具が居るわけでもなかったからだ。
そもそも、この殺し合いの直前まで、彼はケンちゃんの机で長い眠りについていた。
買われた当初こそ物珍しさで使用されていたものの、数ヶ月で彼の居場所はシャーペンに取って変わられた。
彼の時代は終わり、その存在は引き出しの奥底で忘れられたように朽ち果てるはずだったのだ。
「半分以上死んだ奴に殺しあえとはね」
心中でくすりと笑いながら、ロケットペンシルは銃をくるくると手の中で回す。
表に出ていたのは短い間だったとはいえ、知り合いが居ないわけではない。
筆箱を中心とした筆記用具組とは、それなりに友人関係を結んでいたつもりだ。
「ま、あいつらは俺と違って人がいいからな。
ゲームに乗ってるかもしれねえな・・・・・・あんたはどうなんだい?」
そう呟きながら、ロケットペンシルは手にしたコルトを背後に向ける。
そこにはイングラムM10を手に、静かに佇む筆箱の姿があった。
漫画本の乱立する本棚の片隅に、ロケットペンシルの姿があった。
手に握り締めるのはコルトSAA。その無骨な鉄隗こそが、彼に支給された武器である。
それは言うまでも無くアタリだったが、彼の顔は不満げだった。
「煙草だったら良かったんだがな」
銃を弄びながら、そんな馬鹿げた事を呟く。
実際の所、彼は殺し合いなんてどうでもよかった。
生き返らせたいほど持ち主に心酔していた訳ではなかったし、
殺したいほど仲が悪い文具が居るわけでもなかったからだ。
そもそも、この殺し合いの直前まで、彼はケンちゃんの机で長い眠りについていた。
買われた当初こそ物珍しさで使用されていたものの、数ヶ月で彼の居場所はシャーペンに取って変わられた。
彼の時代は終わり、その存在は引き出しの奥底で忘れられたように朽ち果てるはずだったのだ。
「半分以上死んだ奴に殺しあえとはね」
心中でくすりと笑いながら、ロケットペンシルは銃をくるくると手の中で回す。
表に出ていたのは短い間だったとはいえ、知り合いが居ないわけではない。
筆箱を中心とした筆記用具組とは、それなりに友人関係を結んでいたつもりだ。
「ま、あいつらは俺と違って人がいいからな。
ゲームに乗ってるかもしれねえな・・・・・・あんたはどうなんだい?」
そう呟きながら、ロケットペンシルは手にしたコルトを背後に向ける。
そこにはイングラムM10を手に、静かに佇む筆箱の姿があった。
「ロケットペンシルちゃん・・・・・・」
「久しぶりだな、筆箱の姉さん・・・・・・てか、“ちゃん”はやめてほしいんだがな」
彼の困ったような言葉に筆箱はクスリと笑う。
一番年長の彼女を中心とした筆記用具組は、数ある文房具の中でも持ち主と最も関係が深いチームである。
のんびり屋の彼女は他のメンバー達を弟・妹のように可愛がっており、ロケットペンシルも色々と癒されることがあった。
だが今は、あの頃のほんわかとした雰囲気は感じられず、その表情は苦悩と困惑に満ち満ちていた。
「姉さん・・・・・・あんたは、殺し合いに乗ってんのか?」
投げかけられた疑問に、筆箱は困ったように目を伏せる。
『そういや、俺らの中じゃ姉さんが一番、あのガキとの付き合いが古かったな・・・・・・』
ケンちゃんが入学した時からと聞くから、かなりの古株なのだろうと、ロケットペンシルは考える。
「あいつが・・・・・・ケンちゃんが、殺し合いなんて望んでると思ってるのか?」
「そんな事、思ってないわ。あの子はとても優しい子だったもの・・・・・・」
再度の問いに筆箱は頭を振って答える。
彼女のその答えに、ロケットペンシルは満足したように、そして安堵したように頷く。
「んじゃまあ、速いとこ鉛筆の奴らと合流して、筆記用具組再結成と・・・・・・」
「だから、これは、私の我侭」
「久しぶりだな、筆箱の姉さん・・・・・・てか、“ちゃん”はやめてほしいんだがな」
彼の困ったような言葉に筆箱はクスリと笑う。
一番年長の彼女を中心とした筆記用具組は、数ある文房具の中でも持ち主と最も関係が深いチームである。
のんびり屋の彼女は他のメンバー達を弟・妹のように可愛がっており、ロケットペンシルも色々と癒されることがあった。
だが今は、あの頃のほんわかとした雰囲気は感じられず、その表情は苦悩と困惑に満ち満ちていた。
「姉さん・・・・・・あんたは、殺し合いに乗ってんのか?」
投げかけられた疑問に、筆箱は困ったように目を伏せる。
『そういや、俺らの中じゃ姉さんが一番、あのガキとの付き合いが古かったな・・・・・・』
ケンちゃんが入学した時からと聞くから、かなりの古株なのだろうと、ロケットペンシルは考える。
「あいつが・・・・・・ケンちゃんが、殺し合いなんて望んでると思ってるのか?」
「そんな事、思ってないわ。あの子はとても優しい子だったもの・・・・・・」
再度の問いに筆箱は頭を振って答える。
彼女のその答えに、ロケットペンシルは満足したように、そして安堵したように頷く。
「んじゃまあ、速いとこ鉛筆の奴らと合流して、筆記用具組再結成と・・・・・・」
「だから、これは、私の我侭」
ぱららららららららららららららんっ!!!!
激しい音と共に、ロケットペンシルの体が吹き飛ばされる。
筆箱の持った軽機関銃。その天井を向いた銃口からは、煙草のように紫煙が棚引いていた。
「やっぱり、これは扱いずらいわね」
「ね、姉さん・・・・・・」
全身を震えさせながらロケットペンシルは顔を上げる。
近距離から機関銃の弾幕を受けたのだ、すでに彼の命は尽き掛けている。
彼がまだ生きているのは、筆箱が銃器に慣れてなく、その弾丸の幾らかが外れてしまったからにすぎない。
「ごめんね、ロケットペンシルちゃん。あの子のために、死んで」
その残り僅かな時間をも奪おうと、再び機関銃が向けられる。
それと同時にロケットペンシルのコルトSAAも、筆箱へと向けられた。そして・・・・・・
筆箱の持った軽機関銃。その天井を向いた銃口からは、煙草のように紫煙が棚引いていた。
「やっぱり、これは扱いずらいわね」
「ね、姉さん・・・・・・」
全身を震えさせながらロケットペンシルは顔を上げる。
近距離から機関銃の弾幕を受けたのだ、すでに彼の命は尽き掛けている。
彼がまだ生きているのは、筆箱が銃器に慣れてなく、その弾丸の幾らかが外れてしまったからにすぎない。
「ごめんね、ロケットペンシルちゃん。あの子のために、死んで」
その残り僅かな時間をも奪おうと、再び機関銃が向けられる。
それと同時にロケットペンシルのコルトSAAも、筆箱へと向けられた。そして・・・・・・
「・・・・・・どうして?」
筆箱は倒れ付したロケットペンシルの側に佇んでいた。
ロケットペンシルの全身には無数の穴が開き、助からないことはもはや明確だった。
「どうして、撃たなかったの?」
その問いに、彼は無理矢理笑みを作りながら言った。
「泣いてる姉さんを、撃てるわけねえだろ・・・・・・」
「ありがとう」
彼女の言葉に満足気な笑みを浮かべて、男の灯は消えた。
筆箱は倒れ付したロケットペンシルの側に佇んでいた。
ロケットペンシルの全身には無数の穴が開き、助からないことはもはや明確だった。
「どうして、撃たなかったの?」
その問いに、彼は無理矢理笑みを作りながら言った。
「泣いてる姉さんを、撃てるわけねえだろ・・・・・・」
「ありがとう」
彼女の言葉に満足気な笑みを浮かべて、男の灯は消えた。
【現在位置:本棚の片隅】
【筆箱】
[状態]:健康
[道具]:イングラムM10(残弾18/30)、イングラムの予備弾薬
コルトSAA(残弾6/6)、コルトSAAの予備弾、支給品一式×2
[行動方針]:優勝して、ケンちゃんを復活させる
[状態]:健康
[道具]:イングラムM10(残弾18/30)、イングラムの予備弾薬
コルトSAA(残弾6/6)、コルトSAAの予備弾、支給品一式×2
[行動方針]:優勝して、ケンちゃんを復活させる
【ロケットペンシル:死亡】
【残り41『人』?】
【残り41『人』?】