生きることは戦うことなり
薄暗い山道の中で、一人の少年が煩悶していた。
(夢、ってことはねえよな。そういや前に読んだラノベにこんな感じの話あったっけか)
それにしても、まるでゲームか漫画の中の話みたいじゃないか。
(とうとう俺もゲームとラノベにはまりすぎて頭がおかしくなったか？ そんな泉の奴でもあるまいし……)
どうにもまだ信じられない気持ちでいっぱいだが、今自分がここにいるということは事実。
この殺し合いとかいうのも現実のものとして受け入れるしかないだろう。
気にかかるのは自分の知り合いがここにいないかということ。
さっきは動転していたということと、目の前で行われた異常な(としか言い様の無い)光景に気を取られていて周りを確認することができなかった。
彼の友人にはこんな事態に直面してもいつもの調子で強かに生き延びそうな者もいる。
しかし彼の双子の弟はそうではない。いつもどこか抜けていて目が離せない、はっきり言えばグズである。
もし弟までこの殺し合いとかいうのに巻き込まれていたとしたら、と考えると背筋が凍る。
(つかさがこんなところで生き残れるわけがねえ……クソッ。頼むから居てくれるなよ)
焦る心を抑えて、落ち着いてこの状況から抜け出す方法を考えようとした彼の目の前に、唐突に場違いなものが飛び込んできた。
(夢、ってことはねえよな。そういや前に読んだラノベにこんな感じの話あったっけか)
それにしても、まるでゲームか漫画の中の話みたいじゃないか。
(とうとう俺もゲームとラノベにはまりすぎて頭がおかしくなったか？ そんな泉の奴でもあるまいし……)
どうにもまだ信じられない気持ちでいっぱいだが、今自分がここにいるということは事実。
この殺し合いとかいうのも現実のものとして受け入れるしかないだろう。
気にかかるのは自分の知り合いがここにいないかということ。
さっきは動転していたということと、目の前で行われた異常な(としか言い様の無い)光景に気を取られていて周りを確認することができなかった。
彼の友人にはこんな事態に直面してもいつもの調子で強かに生き延びそうな者もいる。
しかし彼の双子の弟はそうではない。いつもどこか抜けていて目が離せない、はっきり言えばグズである。
もし弟までこの殺し合いとかいうのに巻き込まれていたとしたら、と考えると背筋が凍る。
(つかさがこんなところで生き残れるわけがねえ……クソッ。頼むから居てくれるなよ)
焦る心を抑えて、落ち着いてこの状況から抜け出す方法を考えようとした彼の目の前に、唐突に場違いなものが飛び込んできた。
「……なんだ、こりゃ？」
路上で仰向けに倒れていたのは一体の人形だった。
それもおそらくはビスクドールというやつだろう。人形にしては大きく、赤ん坊くらいの大きさがある。
凛々しい顔立ちに立派なカイゼル髭、そして中世の貴族のような豪奢な衣装を纏っている。それにしても、古いものに見えるわりにはまるで今にも動き出しそうなほど精緻に作られていて、こうして見つめているとまるで新しい趣味に目覚めてしまいそうな……
路上で仰向けに倒れていたのは一体の人形だった。
それもおそらくはビスクドールというやつだろう。人形にしては大きく、赤ん坊くらいの大きさがある。
凛々しい顔立ちに立派なカイゼル髭、そして中世の貴族のような豪奢な衣装を纏っている。それにしても、古いものに見えるわりにはまるで今にも動き出しそうなほど精緻に作られていて、こうして見つめているとまるで新しい趣味に目覚めてしまいそうな……
(え？)
今、人形の目蓋が開いたように見えたのは気のせいか？ と思う間もなく、
「汚い手でいつまでも触るな、不遜者が！！」
と人形が口を開き、カイゼル髭で少年の腕をぴしっと叩いた。
地面に着地した人形は乱れた衣服を整えながら少年を見上げ、
「ふん、人間のオスは想像以上に乱暴者だな」
と吐き捨てた。
「な……な……?」
人形が喋ったのだから驚くのも当たり前だが、そんな少年の様子など意に介することなく人形は
「ふむ、しかし喉が乾いた。そこな下僕、朕は紅茶を所望であるぞ。直ちに持って参れ」
それを聞いた時、ようやく少年にいつもの調子が戻ったのだった。
「知るかあああああ！！」
と人形が口を開き、カイゼル髭で少年の腕をぴしっと叩いた。
地面に着地した人形は乱れた衣服を整えながら少年を見上げ、
「ふん、人間のオスは想像以上に乱暴者だな」
と吐き捨てた。
「な……な……?」
人形が喋ったのだから驚くのも当たり前だが、そんな少年の様子など意に介することなく人形は
「ふむ、しかし喉が乾いた。そこな下僕、朕は紅茶を所望であるぞ。直ちに持って参れ」
それを聞いた時、ようやく少年にいつもの調子が戻ったのだった。
「知るかあああああ！！」
しばらくのち、ようやく落ち着いた少年はひとまず目の前の人形と会話してみることにした。
「俺は柊かがみ。高校生だ」
「ふむ。これはまた下僕に相応しき珍妙な名前よのう」
「悪かったな。よく言われるけど。で、あんたは一体……」
「あんたなどと気安く呼ぶでない。朕を誰と心得る。朕は薔薇紳士が第五ドール、真紅なるぞ」
人形は長いカイゼル髭を弄りながら傲慢な口調で言った。
「根本的な疑問なんだが、薔薇紳士ってなんだ？」
「ふっ、それはだな、親父殿に作られた我ら七人の兄弟たちの……いや、まあいい。この場では意味も無かろうし、下僕に聞かせても詮の無いことよのう」
喋ることがいちいち癪に触る人形だった。だいたい自分はいつの間に下僕になったというのか。
(これなら泉や日下部のほうがまだマシだぜ)
そう思った途端、忘れかけていた不安が胸をよぎる。
まさか、みんながここにいるなんてことは想像したくないが……
「どうした、腑抜けた顔をしおって」
「なんでもねえよ。それよか、あんたは今からどうする気なんだ？」
「知れたことよ。生きて帰るため、戦うのみ。しかしあの女たちの言に従うというのも癪である故、殺し合いになどは乗らぬがな」
「つまり、あの連中を倒す方法を探す、と？」
然り、と人形は首肯する。
「でも、そりゃあやっぱ難しいよ。相手が何者かもわかんねえのに」
「ふん、愚かしい。この場に置いて戦わねば生きられぬことは明白ではないか。元より、生きることは戦うことなり！！」
「俺は柊かがみ。高校生だ」
「ふむ。これはまた下僕に相応しき珍妙な名前よのう」
「悪かったな。よく言われるけど。で、あんたは一体……」
「あんたなどと気安く呼ぶでない。朕を誰と心得る。朕は薔薇紳士が第五ドール、真紅なるぞ」
人形は長いカイゼル髭を弄りながら傲慢な口調で言った。
「根本的な疑問なんだが、薔薇紳士ってなんだ？」
「ふっ、それはだな、親父殿に作られた我ら七人の兄弟たちの……いや、まあいい。この場では意味も無かろうし、下僕に聞かせても詮の無いことよのう」
喋ることがいちいち癪に触る人形だった。だいたい自分はいつの間に下僕になったというのか。
(これなら泉や日下部のほうがまだマシだぜ)
そう思った途端、忘れかけていた不安が胸をよぎる。
まさか、みんながここにいるなんてことは想像したくないが……
「どうした、腑抜けた顔をしおって」
「なんでもねえよ。それよか、あんたは今からどうする気なんだ？」
「知れたことよ。生きて帰るため、戦うのみ。しかしあの女たちの言に従うというのも癪である故、殺し合いになどは乗らぬがな」
「つまり、あの連中を倒す方法を探す、と？」
然り、と人形は首肯する。
「でも、そりゃあやっぱ難しいよ。相手が何者かもわかんねえのに」
「ふん、愚かしい。この場に置いて戦わねば生きられぬことは明白ではないか。元より、生きることは戦うことなり！！」
人形はそう言うと、カイゼル髭を引っ張りながら不遜な笑みを浮かべた。
「では下僕、貴様も朕に従ってくれるのであろうな？」
「下僕になった覚えは一切無いが……ま、こんな馬鹿なこと一刻も早く止めたいってのは同じだしな。少しくらいなら付き合ってやってもいいぜ」
何故か、この人形に底知れぬ迫力を感じたのだった。
「では下僕、貴様も朕に従ってくれるのであろうな？」
「下僕になった覚えは一切無いが……ま、こんな馬鹿なこと一刻も早く止めたいってのは同じだしな。少しくらいなら付き合ってやってもいいぜ」
何故か、この人形に底知れぬ迫力を感じたのだった。
【一日目深夜/Ｇ‐６】
【柊かがみ＠らき☆すた】
[状態]：健康
[装備]：なし
[所持品]：支給品一色、不明支給品2～3
[思考]：
1：真紅と一緒に行動
2：知り合いや兄弟がいないか確かめる
3：殺し合いには乗らない
[状態]：健康
[装備]：なし
[所持品]：支給品一色、不明支給品2～3
[思考]：
1：真紅と一緒に行動
2：知り合いや兄弟がいないか確かめる
3：殺し合いには乗らない
【真紅＠ローゼンメイデン】
[状態]：健康
[装備]：なし
[所持品]：支給品一式、不明支給品2～3
[思考]：
1：かがみと一緒に行動
2：殺し合いには乗らないが遅い来る者には容赦しない
[状態]：健康
[装備]：なし
[所持品]：支給品一式、不明支給品2～3
[思考]：
1：かがみと一緒に行動
2：殺し合いには乗らないが遅い来る者には容赦しない
