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ラストバトルに願いを

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ラストバトルに願いを ◆NIKUcB1AGw



戦いの口火を切ったのは、3DSだった。
彼の……正確には彼が纏う鎧の腕から、マリオワールドと星のカービィに向かってエネルギー弾が放たれる。
マリオワールドは体をスピンさせ、マントでそれを弾く。
一方の星のカービィは、大きく後ろに跳んで弾丸を回避した。

「コロコロカービィ、スーパーデラックス……力を借りるわ!」

星のカービィが手にしたのは、コロコロカービィの遺品にしてスーパーデラックス出典の支給品。
コピーのもとDX(プラズマ)である。

「お返しよ!」

プラズマのコピー能力を得た星のカービィは、意趣返しとばかりにエネルギー弾を飛ばす。
それは3DSに直撃するが、彼は意に介さない。

「その程度の攻撃じゃあ、僕のアーマーにダメージは与えられませんよ」

余裕の台詞を吐く3DS。その眼前に、マリオワールドが迫る。

「ならば、これはどうかな!」

マリオワールドの拳が、3DSの顔面を捉える。
だがそれでも、3DSはまるで堪えた様子がない。逆に、マリオワールドの拳から血が流れ落ちる。

「無駄ですって。ラスボスにそんなしょっぱい攻撃が効くと思ってるんですか?」
「だったら、これでどう!」

挑発的な3DSの言葉に、星のカービィの叫びが重なる。
マリオワールドが注意を引きつけている間に、彼女はプラズマエネルギーを最大まで溜めていた。
その手から、プラズマ波動弾が放たれる。

「たしかにこのレベルの攻撃なら、有効ですね。
 まあ、かわしますけど」

3DSは宙に逃れ、波動弾を易々と回避する。
そして空中から、エネルギー弾を連射。
しかしそれは、スピンマントとプラズマバリアの前に阻まれる。

「ふむ、お互い決め手不足ですか」
「それなら、そんな高いところにいないで接近戦で決着をつけましょうよ。
 怖いのかしら?」
「安い挑発ですねえ。ですが、せっかくなんで乗ってあげましょう」

3DSに、この膠着状態を打開する手段がないわけではない。
だが今の彼は、ラスボスの矜持を持って行動している。
相手の誘いに乗った上で、それを叩き潰す。それがラスボスらしい行動というものだ。

「お手並み拝見といきましょう!」

急降下して、3DSは星のカービィに迫る。
星のカービィは、なかなか動き出さない。

(ただのハッタリ? いや、この期に及んでそんなことをするとは思えない。
 まあなんにせよ、打ち砕くだけだ!)

3DSの拳が振り上げられ、星のカービィめがけて振り下ろされようとする。
その瞬間、星のカービィが隠し持っていた巻物を開いた。
彼女が所持していた、未使用支給品の一つである。

「かなしばりの巻物!」

星のカービィが、巻物の名前を宣言する。
すると巻物が光り輝き、3DSはその光に飲み込まれる。
光が消えたとき、3DSは空中に静止していた。
動かないのではない、動けないのだ。

「かなしばりの巻物」、それは「トルネコの大冒険」出展のアイテムだ。
効果は隣接している全てのモンスターを金縛りにし、行動不能に陥らせるというもの。
金縛り状態は攻撃を受けない限り、決して解除されることはない。
相手が、どんなに強力なモンスターであってもだ。
後のシリーズならばこれを無効できるボスも登場するが、ボスという概念のない初代トルネコではそういったモンスターも存在しない。
すなわち、3DSにも自発的に金縛りから脱することは不可能なのだ。

「ターン制のトルネコならともかく、この場では敵に密着しなきゃ使えないこのアイテムは使いどころが難しい。
 だから、ここまで死蔵することになったんだけど……。最高のタイミングで使うことができたわね」
「…………」

星のカービィの言葉を、3DSは顔色一つ変えずに聞いている。
もっともこれはかなしばりの効果で表情筋も動かせないからであって、内心どう思っているかは定かではないが。

「マリオワールド、これを」

3DSに視線を向けたまま、星のカービィは二つ目の未使用支給品をマリオワールドに投げ渡す。
それは、ビンに入った液体だった。
その名を、ファイトいっぱつ@ドラゴンクエストV。
攻撃力を2倍にするバイキルトの呪文と同じ効果を持つ、使い捨てアイテムである。
なおこのバトルロワイアルにおいては、効果時間が短めに設定されている。

「こっちは、もっといい使いどころがあったかもしれないけど……。
 今さらそれを考えても仕方ないわ。ここで活かしましょう」
「わかった」

星のカービィに促されるがままに、マリオはビンの中の液体を飲み干す。

「なるほど、すごい効果だ……。みるみるうちに力が湧いてくる……!」
「じゃあ、効果が切れないうちにさっさとやっちゃいましょう。
 タイミングがずれると、金縛りが解けて逃げられる可能性がある。
 できる限り、私にタイミングを合わせて」
「やってみよう」

マリオワールドは、3DSの背後に回る。
星のカービィは3DSの正面にいるため、彼を挟み込む形になった。
その星のカービィは、プラズマエネルギーを溜めている。
程なくして、それは最大値に到達した。

「いくわよ!」
「おう!」

すでに二人は、共にいくつもの修羅場をくぐり抜けた間柄。
合図は、それだけで充分。
プラズマ波動弾とマリオワールドのパンチが、ほぼ同時に3DSを捉えた。

(いったか……!)

マリオワールドは、心中でそう呟く。
鎧を砕く手応えはあった。倒していてもおかしくはない。
だが、すぐさま本能が警告を告げる。「逃げろ」と。
考えるよりも早く、後ずさる。だが、間に合わない。
鋭角なパーツを装備した腕が、マリオワールドのみぞおちに叩き込まれる。

「ごばあっ!」

うめき声と血を吐き出しながら、マリオワールドの体が吹き飛ぶ。
その体は、ちびマリオにパワーダウンしていた。
つまり、致命傷レベルのダメージだったということだ。

「今のは……さすがに効きましたよ……」

地面に叩きつけられるマリオワールドを見つめながら、3DSは言葉を紡ぐ。
その息の乱れようが、彼の受けたダメージの大きさを物語っている。
事実、彼の鎧は前後共に大きく破損していた。

「だがそれでも……僕の優位は揺るがないぃ!
 あなた方二人を葬るなど……テトリスのレベル1よりたやすいことぉ!」

絶叫と共に、3DSは星のカービィに襲いかかる。
とっさにラミアスの剣を構えて迎撃する、星のカービィ。
だが今の彼女は、プラズマの能力を使うために「剣を巧みに使う能力」を解除していた。
その状態では、十全に剣を振るうことなどできない。
3DSの重い打撃を受け止められず、剣は後方へと吹き飛ばされる。

「サービス期間は終わりです……。死ねぇ!」

ノーガードの星のカービィに、至近距離からエネルギー弾が撃ち込まれる。
星のカービィは、おのれの死を覚悟した。
だがエネルギー弾は星のカービィを捉えず、突然飛び出してきた「何か」に当たった。

「嘘……でしょ……?」

星のカービィは、目の前で起きていることが信じられなかった。
彼女の代わりにエネルギー弾を受けたのは、小柄なピンク色のポケモン。
すなわち、ピッピだった。

「モンスターボール、開けてないのに……。自分で出てきて……?」
「ピッ……ピ……」

戸惑いを抑えられない星のカービィに対し、ピッピは血の気の引いた顔に無理をして笑みを浮かべる。
だがその笑顔は、叩き込まれた3DSの拳に粉砕される。

「雑魚ポケモンごときが……大事なラストバトルにしゃしゃり出てこないでくださいよ……。
 しょせんあなたごときが命を張ったところで、大勢に影響は出ない……。
 無駄死になんですよ……!」

改めて星のカービィに対し、エネルギー弾を撃ち込もうとする3DS。
だが次の瞬間、彼の全身を苦痛が襲った。

「があっ! こ、これは……毒……?」
「無駄死になんかじゃない……。あの子は最後に、あなたに一矢報いたのよ……」

3DSは気づいていなかった。ピッピが死の間際、「ゆびをふる」を発動していたことに。
それによって発動した技は、「どくどく」。
相手を1ターンごとにダメージが増幅する特殊な「毒」状態にする、初代環境において猛威を振るった技である。

「あの子は自分の大切なものを奪ったゲームの主催者に、命を賭けて反撃した。
 私も、彼女の想いを受け継ぐわ。もちろん、このゲームで死んでいった仲間の想いもね」

星のカービィが、一度取り落としたラミアスの剣を拾い上げる。
能力の交換をしている余裕はない。先ほどと違い、生じた隙は長続きするものではないのだから。
だが、一撃放つだけなら今のままでも支障は無い。
3DSの首をはねるだけなら。

「さよなら、ラスボスさん」

剣が、横一文字に振るわれる。
首が切断され、仮面をつけたままの3DSの頭部が宙を舞う。
全てが終わった。星のカービィはそう確信した。
だがその確信は、すぐに打ち砕かれる。
3DSの頭部が、ぴたりと空中で停止したのだ。

「な……!」
「おや、本当にこれで終わりだと思っていたのですか?
 だとしたら、浅はかですねえ。
 ラスボスに第2形態はお約束でしょぉぉぉぉぉぉ!!」

アーマーが3DSの体を離れ、首の周囲へと集まっていく。
そして、新たな形へと再結合していく。
それは人ではなく、獣の姿。
翼を持つそのシルエットは、怪鳥のようにも竜のようにも見えた。
3DSの頭部は、その胴体の中央に収まる。

「ここからが本番ですよぉぉぉぉぉ!!」

狂気に侵されつつある雄叫びが、フィールドに響いた。


【主催本部(デデデ城)】

【星のカービィ】
【状態】ダメージ(小)
【装備】ラミアスの剣@DQ6、コピーのもとDX(プラズマ)@星のカービィスーパーデラックス
【道具】支給品一式×4、不明支給品×1、斧、コピースター×16、ハム語辞書@とっとこハム太郎2、
    おいしい水&サイコソーダ&ミックスオレ@ポケットモンスターシリーズ
【思考】
1:3DSを倒す
※外見はほしのあきに似た女性です。
※ 「飲み込んだ相手の能力をコピーする」能力と「ワープスターを操る」能力は「別の能力のスターを飲み込むと元々持っていた能力のスターを吐きだす」という仕様上、同時併用できないので「ワープスターを操る」能力発動中はコピースターを取り込めません。


【スーパーマリオワールド】
【状態】ダメージ(大)、攻撃力2倍、ちびマリオ
【装備】なし
【道具】支給品一式×3、まほうじんのつえ@魔法陣グルグル2、きぬのローブ@DQシリーズ、ファイアフラワー@スーパーマリオワールド
【思考】
1:この殺し合いを終わらせる
※外見はスーパーマリオです。
※スーパーマリオ、ファイアマリオ、マントマリオに変身する能力、またその状態なら致命傷を受けてもちびマリオになるだけで命に別状はありません。


【ニンテンドー3DS】
【状態】どくどく、3DSビースト
【装備】3DS型ベルト
【道具】なし
【思考】
1:バトルロワイアルを終わらせる

【ピッピ 死亡】

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