猫耳少女と召使いの物語エロパロ保管庫@WIKI

太陽と月と星03

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太陽と月と星がある 第三話

 
 
 私の御主人様は、ヘビです。
 ゆえに脱皮するそうです。
 ものの本によれば、脱皮後は空腹であり、軽い興奮状態だったりするそうです。
 
「というわけで、軽食をお持ちいたしました。サンドイッチです。卵もあります」
 御主人様好みのコールタールのようにどろりとした苦いコーヒーとか、その他諸々準備済みです。
 なのに御主人様は無言です。
 ベッドの上でシーツに包まり、まるで引きこもりのようです。
 脱皮してどう変わるのかよく知らなかったのですが、数日の精彩を欠いた様子とは異なり、
シーツで体の大半が隠れているにもかかわらず、やけに艶かしい雰囲気を漂わせています。
 そしてダイエット中にお菓子屋さんを通りすがってしまったような…複雑な目で私を見ています。
 ひどく気になる目線です。
 マダラの人は同性にも狙われると言う意味が、よく分かりました。
 爬虫類は脱皮の直後は肌が柔らかいから、危険を避けるために隠れるという意味もよく通じます。
 これは確かに危険です。
 引きこもりたくもなるはずです。
 私ですらなんだか御主人様を直視できないんですから。
 
「御主人様~」
 空いている手を目の前で振ると、睨まれました。
 どうやら意識はあるようです。
「宜しければお風呂も入れますが?」
「今はいい」
 やっと返事が来ました。
 ベッドからはみ出す長い尻尾を踏まないように避け、御主人様の隣に腰掛ける事にします。
 お盆を膝に載せてサンドイッチを手に取り、軽くシーツを引くと御主人様が不審そうな表情を浮かべました。
「はい、あーん」
 怪光線級の睨みです。
 艶かしい雰囲気と相まって鳥肌が立ちそうです。さすがボスキャラ。
「おなか、すいていませんでしたか?昨日から召し上がっていませんが…」
 無言で皿ごととられました。
 仕方ないので手に持った分は自分で食べようか…どうしよう…。
 あ、そんな、こっちに背を向けること無いじゃないですか…。
 勢いあまって尻尾当たりましたよ。
「コーヒーもどうぞ」
 尻尾でとられました。
 しかし、器用な尻尾だなぁ…。
 ぷりぷりでつやつやしています。絶対もち肌。
 
 触りたい…超触りたい…撫でて弄繰り回してぇ…
 
 内心疼く感情を押し殺し尻尾を見つめる私。
 御主人様が咀嚼する音が静かに寝室に響きます。
 我ながら、今回は美味しくできたと思います。
 スパイスの効いたお肉をこんがり焼いたのが勝利のポイントです。
「もうないのか」
 お代わりの催促が来ました。ちょっと嬉しい。
「あとこれだけです」
 手に持ったままだった一切れを渡すと御主人様はぱくりと一口で食べ…呑み込みました。
 ヘビだから。
 ヘビだからなんだろうなぁ…。
「コーヒーもどうぞ」
 二杯目を手渡す頃には、随分と御主人様の機嫌も良くなっていました。
 どうやら欲求が満たされたようです。
 
「御主人様、ところであの皮はどうすれば宜しいでしょうか?」
 皮とはもちろん御主人様の皮です。尻尾の。
 でかいです。
 長いです。
 いや、普通生ごみだと思うんですが。
「もしかして、それなりの手順で処理するとか、病気の時に食べるとか、記念に取って置くとかしますか?」
 それとももしかして
「財布に入れておきますか?」
 御主人様、無言でこちらを凝視しています。
 誤解されてそうだから一応、フォロー入れておこう。
「あっちでは、抜けた歯におまじないしたり、へその緒とって置いたり、ヘビの抜け殻をお財布に入れると金運が良くなるという民間信仰があったんです。」
「ヘビ…」
「あっちのヘビは御主人様とは違いますよ」
「知ってはいるが」
 複雑そうな表情を浮かべる御主人様。どんな想像しているんだろう。
「日本では神社で祭られたりとかしていましたし、昔話とかでは人間に化けて結婚したりとか…だから結構身近なんですよ」
 ふと、御主人様の表情が変わりました。
「結婚?」
 胸倉掴れると苦しいし、今の御主人様に寄られると異様に照れるんですけど。恐るべし、脱皮効果。
「お嫁さん貰おうとしたり、お嫁さんになったり色々ありますよ」
 大抵上手くいかないで退治されますが。
 ところで何で御主人様尻尾ばたつかせているんだろ。
 …あとそろそろ離して欲しい。顔近いです。
「で、結局、皮どうしましょうか?」
 私の言葉に御主人様は手を放し、腕組みしました。
「オマエの好きにしていい」
 そう言われても…使い道…漢方薬くらいしか…さすがに言えないけど。
「そういえば、あっちには人皮加工の照明とかあるんですよね…御主人様、そういうの興味ありますか?」
 あ、御主人様の顔が非常に険悪に。
「もちろん、これはヒトの話ですよ?御主人様の抜け殻使おうとなんて思っていませんよ?」
 誤魔化してみようとするも、興味があるのか、御主人様微動だにしません。目が座っています。
 あー…
 興味、あるんですね、ヒト皮に。
「試してみますか?あとでプロにお願いしないといけないとは思いますが採取だけなら、
多分…ここだと血が飛び散るのでお風呂場とかの方がいいと思いますが…」
 果物ナイフを手渡そうとしたら、頭はたかれました。
 痛い…。
「本当にお前は俺の欲求をヘシ折るのが好きだな!それなら次からは風呂上りに来るのはやめろ。あとな…」
 
 説教は延々続き、御主人様の肌が完全に乾いて硬くなってもしばらく続きました。
  
 
                                                  
                                                                                 おしまい

 

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