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ライダークロス 隣り合わせの灰と青春(後編)

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ライダークロス 隣り合わせの灰と青春(後編) ◆MobiusZmZg


【3】

 踏み足から生まれた勢いと、安定した腰の位置を活かした、上段の蹴り。
 少女のそれと思えない一撃に対して、アルスが恐怖を感じなかったといえば嘘になる。
 けれど、自分のもとに来てくれたザビーゼクターによって作られた装甲は、頑強なものだった。
 わずかであろうと、狙いと間合いを外したはずの正拳で骨を砕かれた瞬間に感じた力の差はない。
 そうして、思ったままを信じられる。信じるほどに、スズメバチも輝きを増すかのようだ。

(一撃で終わる。一方的に終わらされる。さっきまでなら、そうだったかもしれないけど)

 この少女と、ぶつかりあう余地を与えられた。
 過剰殲滅されず、また、過剰殲滅をしないだけの距離感が与えられた。
 少女を許すかどうかは別として、これは、アルスにとっての救いに他ならない。
 信頼。聞こえのいい単語のもとに仲間を血に染めさせるような行いは、出来れば二度とやりたくない。
 ニムがこの少女と同じようなかたちに変じていたとしても、彼が貫きたい気持ちに、変わりなどなかった。

「幸せ? あたしはそんな、おめでたい人間じゃない」

 聞こえのいい単語がもうひとつ、寡黙だった少女の口から放たれた。
 こちらが一撃で粉砕出来ないと見えたか、あるいは、数的な不利を警戒してだろうか。
 幸せ。こちらの揚げ足を取るような語調で、《もうひとりの勇者》はアルスの盲目をあざける。
 耳朶を打つのは、時間稼ぎのような皮肉だった。なにかから逃げて、目を閉ざすような台詞だった。

『そうやって悩んでるあいだは、アルスはマジメで、誠実で、正しいままでいられるよね』

 くしくも、少し前にニムが口にした言葉をなぞるかのように、少女はアルスを見上げている。
 乾いた声で笑いながら、彼女はアルスよりも自分のことを下において、その四肢をひらめかせた。
 相手より自分を下においていながら、蹴りに軽い拳を交えて繋ぐ連撃は、相手の防御を想定しない。
 歪んだ自信でもって、彼女は相手を引きずり込まんと動いている。羨んだ相手を陥れようと、戦っている。
 アルスを引きずり降ろす間は、自分は底(そこ)から動かないでいられるとでも、信じているかのようだった。

「いい、さ……おめでたい――《人間》と思ってくれるなら!」

 フェイクの拳を、本命の蹴撃を、アルスは左腕一本で受け止めていく。
 いくら丁寧に受けたとしても、衝撃は砕けた右肩に波及すると分かってはいた。
 けれども回避してしまえば、その瞬間にすべてがご破算になるような気配も感じていた。
 ひとり、黙々と旅を続けていた自分と彼女は、そこが似ている。なにかを諦めることに慣れている。
 だったら、自分くらいは受け止めてやるべきだと思った。相手が諦めるまで、諦めてやりたくないと思った。
 ニムに言われたことを活かしてやれば、骨折を癒してくれようとする彼女に応えられるような気がした。

 結果、十数回の交錯を経てなお、いまだ少女は跳ばないでいる。
 《勇者》から離れたアルスと少女の交錯は、我慢比べのようだった。

「そんなの、勝った側だから言えるんじゃないか!」

 しかし、均衡とは、いつまでも続くものではない。
 激情を扱いかねた少女の声が弾けると同時、彼女のバックルでバッタが跳ねる。
 少女のふくらはぎで、バッタの脚を模した部品がたわむさまを、アルスはしっかりと見て取った。
 先刻は氷を足場にしてしまったことで、一撃で終わったものの……あれがバッタの本質ではないことも。
 マスクドライダーシステムを構築した組織・ZECTでは《アンカージャッキ》と呼称される部品――
 名を知らずとも、あのカラクリが跳躍を続けるバッタの脚を模していることは理解できた。

「勝った、側?」

 このまま、彼女に再びしゃがませてはいけない。
 緑に輝いてたわんだ《バッタの脚》。あの関節にだけは触れさせない。
 だから、声をあげていた。単純でもいい、疑問を呈して、言葉の応酬を行っていた。
 巧まずして揺れた声に、つたない言の葉に、アルスは思いの丈を込める。

「俺を勝った側だって言えるほど、きみは俺のことを知らないだろ?」

 その言葉に、アルスの感じた苛立ちがなかったと言えば嘘になる。
 その言葉に、アルスの覚えた憤りがなかったと言えば嘘になる。
 その言葉に、アルスの仲間の影がなかったと言えば嘘になる。

 敬虔な僧侶であるというのに、悪魔の力を与えられてしまった少女。
 様々な知識に通暁するばかりに、人を殺してでも生き残ろうとした魔法使い。
 彼女たちに降りかかった難題と試練を思えば、勝ったなどとは言えないではないか。
 殺し合いの場に呼ばれるまで、自分の盲目にすら気付かなかった自分とて、それは同じだ。

「……あんたはまだ、無くしてない。力があって、仲間がいるじゃない。
 それなら、あんたにだって、あたしのことなんか」

 救おうとしても、救えないものがある。
 一面の事実は、あの魔法使いから存分に教えられている。
 先刻、さんざん心配したロシェにしても、いまの彼がどうなっているかは分からない。

「救ったりできるわけ、ない」
「そんなこと――ないだろ!」

 だからこそ、ここで同じことを繰り返したくはなかった。
 駄々をこねるようにして、単純だが素早い連撃を、今度は避ける。
 避けるばかりではなく、左腕ですくい上げるようにして打ち返してやる。
 打たれるとは思っていなかったのか、反撃を受けた少女は明らかな隙をさらした。
 彼女がひるんでいる間に、アルスはさらに間合いを詰める。

「どうして、俺が動くまでに決めつけるんだ。どうして、先回りして限界を置きにいくんだよ!」

 連打を受け続けた先で得られた、ほんのわずかな時間の空隙。
 万金にもたとえられよう好機を、アルスは格闘戦にすら不適な間合いへの接近に使い尽くした。

「そんなんじゃ、きみもまわりも救われない。……きみに、なにもしてやれなくなるから」

 仮面をまとった少女の左腕を、いまだ無事な左腕でつかみあげるために。
 左手どうしの握手は別れの証。商人から聞いたことのある話など、この際どうでもいい。
 振りほどこうとした彼女のつま先を、アルスは軽く、しかして容赦なく、踏みつけてやった。

「殴られた分の、お返しだ」

 重心の移動など、させてやらない。
 ここまでの距離に近づいたのに、今さら振り出しになど戻れない。
 もしも両腕が無事であったなら、アルスは視線をそらすことも許さなかっただろう。
 彼女が周囲に及ぼした影響に、彼女自身が目をそらしていい道理もない。
 だから、せめてアルスだけは、少女と真っ向から目を合わせた。
 仮面の下に隠れていても、視線をぶつけ続けていた。


「……そこまで言うなら、あんたがあたしを救ってよ……」


 始まりかけた、二度目の我慢比べ――。
 場に降りた沈黙と膠着を破ろうとするのは、やはり少女の側であった。
 あからさまに捨て鉢となっているとみえた態度が、アルスの視界で認められる。
 相手を邪魔だと思っていることの分かる語調が、アルスの耳朶を打ち据える。
 だが、少なくとも彼女は対話に応じた。アルスの作ったフィールドのほうに降りてきた。
 冷たいが、自分を投げ出すような言葉が、少女を受け止めたいアルスを後押ししてくれる。

 けれども彼女には、先ほどまでの力がなかった。
 吐息にからんだ重苦しさには、どこか粘着質なものがにじんでいる。
 彼女が背負ったものの性質を暗示するような嘆息が、刹那、アルスとの間隙を満たした。

(重い、のか? 家族が……親父のことが、そんなに重たかったのか?)

 その意味を汲みとりきれないままに、主導権を渡されたアルスは、一瞬だけ困惑した。
 果たして、彼女は這い上がりたいのだろうか。這い上がる気があるのだろうかと、疑ってしまった。
 このまま声を聴き続けたなら、自分も彼女の重みに引きずられるのではないかと、恐れてしまった。
 一瞬の危惧を見透かしたかのようなタイミングで、少女は吐く息にあざけりの色を添える。

「救いたいなら、ここで仲間を亡くしなさいよ。そうすれば――あんたにも、あたしの見るものが分かるから」
「きみはッ!!」

 あざけりと同時に、少女はアルスを怒らせるだけの名分を示した。
 それと分かっていながら、仲間を守りたい少年は、彼女に引きずられてしまう。

「手。離したね」

 事実の確認をするかのように、宣告は淡々としていた。
 しかし、少女がアルスを見限った後の状況の推移は、恐ろしく速かった。
 彼女の初手は、右足の裏だった。土埃をたてつつ、装甲に覆われていない相手の腹を蹴りつける。
 手が離れると知っていたような思い切りの良さで蹴り脚を伸ばした少女は、彼との間合いをさらに離した。
 ……まるで、相手が手を離したのなら、自分のほうも離していいのだと言いたげな態度で。
 勝手に手を伸ばしてきた者に、自分の側がかかずらう義務などないのだと言わんばかりに。
 それは、致命的な失敗に塩を擦り込むにも等しい、悪趣味ともいえる行いだった。
 そうされても仕方がないと思えるのが、アルスの優しさで、弱味だった。

「一回離したなら、もう一回、伸ばしてみせるさ……」

 けれども、ここでものごとを放り出すなら、彼とて《勇者の息子》で終わっていたのだ。
 少女の続けた忍従を、アルスは知らない。アルスの重ねた忍耐を、少女は知らない。
 それでも、彼らが《勇者》たりうる者であれた理由は、道を進む意志の強さに集約されよう。
 数瞬ののち……彼女が行った舌打ちには、『しつこい』との意味がこもっていたのであろうか。

(やっぱり、そうなっちゃうよな)

 アルスのしつこさが筋金入りなら、少女の意固地な部分もまた同じだった。
 相通じるようでいて、究極的には初対面でしかない相手の挙動を、アルスは間近で見据える。

 正確には、見ているしかなかったのだ。

 ついさっき、彼女はアルスに返事をよこすこともなく、ベルトに左の指を滑らせた。
 バックルの脇に据え付けられているスイッチを、人差し指の腹でもってずらす。
 アルスが“普通に”認められたのは、それだけだ。たったのいち動作を経た彼女は――

「――もう、あんなところにいるだって?」

 目にも留まらぬ速度でもって、アルスから、ひいては勇者の生家のあった場所から離れていた。
 その言葉を聞いたニムが、合点のいかない様子で少年の視線が向かった先を見る。

「……分かるの? っていうか、あの子が見えるの?」
「ああ。たぶん、こいつのおかげで」

 ベホマの詠唱を受けながら、アルスは左腕におさまったものを示してやった。
 ザビーゼクター。彼をニムと同じ、仮面の戦士に変えたカラクリだ。

「バッタを使ったあの子と、同じように変身出来たんだ。
 だったら……俺のほうにも、今のあの子と同じようになれる、なにかがあるはずさ」

 アルスの指は、まず、少女の触れたベルトの脇にと向かった。
 右の脇、そして左の脇に、スイッチと思われる突起を見つけられるが、だめだった。
 少女と同じように指を滑らせたところで変化はない。苦労して触れた右も、左も、スイッチの形は変わらない。
 同じように。同じ。変身した少女と自分は、バッタとスズメバチは、いったい何が違うというのだろう。

 疑問を前に、立ち止まって考えあぐねる。
 そうしていながらも、そのじつ蜂の巣穴で安穏としているような――
 アルス自身に他ならない異形の姿が、ニムの黒い胸甲をとおして彼の目に入る。

「……もしかして」

 指は、吸い寄せられるようにスズメバチの体に向かった。
 バッタと同じようになれた少女と、自分の最大の違いはそこだ。
 アルスが同じようにあるべきスズメバチ。ザビーゼクターは、何も言わない。
『言わねば分からない者に、自分を使う資格はない』とでも言いたげに、ただずんでいる。
 彼女の羽が、少女を視認出来ても速度に劣る少年の指に触れたのは、数瞬の間を置いてのちのことだった。
 資格者の肘側に尻を向けていたスズメバチが、回転にともなって最大の武器を衆目にさらす。
 それにともなって、胸甲や手甲ばかりか、仮面までもがひび割れ、間隙から排気を始めた。

 キャストオフ。

 針で貫くべき相手を、蜂となって貫くべき意志を決めたアルスは、頑強で安楽な“巣”を脱ぎ捨てる。
 胸甲がはじけ飛んだ刹那、装甲の厚さで劣る少女が選んだ札は……もう、彼には分かっていた。
 ゼクターがアルスの体に流している何らかの力が、戦場から離脱しようとする少女の姿を視認させ続けている。
 《クロックアップ》とやらを利用した彼女は、装甲の雨を回避するまでもないほどに、間合いを離していた。


 ―― Change Wasp ――


 ゆえに、ザビーが殻を破り、真に蜂となる瞬間を見ていたのは、ニムだけであった。
 脱皮の一瞬、限界を超えたその時だけは周囲のすべてを吹き飛ばすようでありながら――
 漆黒に染められた仲間の胸甲に映る蜂の姿は、アルスの目から見ても美しいものだと思えた。
 金と黒を基調にした装甲は、さながら星のごとく、夕暮れどきの陽光を照り返しているのだから。

「ありがとう。ずっと、見守っててくれて」
「――折れてるの、後にするつもり?」
「ごめん。もうちょっとの間は、我慢できると思う」

 肩をすくめたニムの言いたいことは、アルスにも分かっていた。
 ロシェの呪文による失血と、ルーラによる疲労とが、いちど立ち止まった彼の膝を笑わせているのだ。
 少女の拳による骨折や、殴打を受け続けたことによる衝撃については、改めて言及するまでもない。
 筋繊維と組織を断たれたすえの内出血も、悪化してしまえば処置するほうがつらくなるだろう。

 ……けれど、ここで少女を逃がしてしまえば、本当に追いつけなくなってしまう。
 もう一回伸ばすと決めた手のやりどころも、少女の揺らぎも、永遠に失われてしまいかねない。
 誰かを守るためには体の状態も大事だが、貫くべきものを見失っては、心のほうが折れかねない。

「体が痛い方は、もう慣れてるから。ここで心残りを作るほうが……ずっと、つらいよ」

 ゆえにこそ、アルスは自身の体に負担を強いた。
 うなずいてくれた仲間に、背中を任せていい相手にうなずき返して、ベルトに触れる。

「クロック、アップ」

 ザビーゼクターより響いた電子音は、アルスの選択を受容し、肯定した。
 燃えるような夕映え、かすれゆく雲を割いてふたつの音声がクロスしたのと同時――


 未知の領域が、勇者の前に展開される。


 ×◆×◇×◆×

【4】

 ……タキオン粒子。
 語源のとおりに、どんなに減速しても光速で動くと仮定されるもの。
 その恩恵を受けるのは、ワームと、ワームを討滅すべきマスクドライダーシステムの資格者だ。
 ベルトの脇にあるスイッチに指を滑らせた瞬間、ライダーフォームはタキオン粒子の流れを支配する――。

 アリアハンの城下町にて展開された、超高速移動と超高速戦闘。
 舞台の役者であるふたりの勇者が余人に見えない理由は、彼女の知らない次元でうたわれる存在に拠った。
 逆に言えば、ギャラリーであるニムの側に見えないのは、アルスと少女自身の動きだけだ。
 戦闘のさなかに物が壊れれば、それは見える。戦闘のさなかに武器の火花が散れば、火花は見える。
 仮に、激しい雨の中で彼らが立ち回っていたら、雨脚の輪郭が少し変わって見えることだろう。

 相手にピオリム、自分にボミオスをかけても理解に足りない領域での戦い。
 それを初めて見たはずの僧侶が想像力を働かせることが出来たのは、少女の初手に起因した。

(まったく。よっぽどここでアルスを殺しときたいみたいだね)

 《クロックアップ》。
 少女の腰に巻かれたベルトが残し、アルスがなぞった異形の力。
 それでもって逃げ去ったと思われた少女が選んだのは、呪文による面攻撃であった。
 結局、アルスがクロックアップすると同時に放たれたギガデインは、彼の踏み出しを追い切れなかった。
 けれども、ニムの視界を真っ白に染めるほどの閃光は、異形である彼女をしてうめきをあげさせ、
 強い光のなかに刻まれた影が、彼らのありようを僧侶の少女に知らしめたのだ。

「……だけど、あんなに激しい動きを強いられるなら、絶対長くは持たないな。
 アルスは傷のことがあるし――あちらさんは、アルスがああなる前からずっと動いてたはずだから」

 だからこそ、ひとりごちたニムは、自分の仮説に自信をもてる。
 超高速移動の恩恵と負担から先に解放されるのは、アルスよりも少女が先だと。
 これは、長期戦において支援呪文がかけたそばから解けていくのと同じような理屈でもある。

 なにも見えないニムに、少女が動いていたとまで想像出来る根拠は――
 《キャストオフ》。アルスが『脱皮』した際に、なにも起こらなかったことによる。
 弾き飛ばされた鎧を前に、少女が素早く避けていたなら土ぼこりのひとつもあがっただろう。
 弾き飛ばされる合金のかたまりを甘く見ていたなら、少女の型がひとつ、宙に出来ていたかもしれない。
 どちらも起こらなかった以上、あの瞬間、少女は面制圧に向いた場所を探していたとの推測がかなう。

(逆に言えば、面攻撃なら……クロックアップ? されても平気だと思ったのかな)

 そうだとすれば、少女のほうも高速戦闘には慣れていないということになる。
 もっとも、仮面の異形にせよ虫型のカラクリにせよ、根からして違う異次元の産物なのだ。
 クロックアップというものが、加速した『常と違う感覚』を逆手にとれるシロモノでも無いかぎりは――
 避けても無駄な攻撃を行うという少女の考えは、ある意味では正しいものだといえる。

(で、今は城のほうか。上手いこと、目印を作ってくれてる)

 石畳のへりに出来たひび割れを認めて、ニムは見当をつけにかかった。
 教会から持ってきた天秤。神が生前の善行をもとに魂をはかる道具が、彼女の手中で風を受けている。
 戦いの場にそぐわぬ道具を構えた彼女は、路地から城の様子を一望出来る場所へと駆けた。

(新しい力を無理して使うな、って言うけど……。
 巻き込まないような面制圧っていうとコレくらいだもん。アルスの頑張りにだって応えなきゃ)

 ……憐れむべきは、隣人の魂。
 魂の軽重をはかるは、魔人の掲げる天秤。
 白く無機質な秤の受け皿が、骨をすり合わせたかのように軋んだ音をたてる。
 魂をふるわせ、嘆きをもたらすは、人の重みを計上し、冥界へといざなう黒き騎士の力。
 アルスに先駆けて、少女が“戻る”瞬間を狙うと決めたニムの手は、ソウルバランスと呼ばれる悪魔の業だ。
 そして、これこそが、アルスとともにあることを決めた、僧侶の本気の証拠でもある。
 これまで一人で戦ってきたアルスが、不器用ながらも自分の意志を貫き通そうとしているのだ。
 それが分かっているのなら、背中を任せるとまでアルスに信じられた彼女が、本気にならない理由はない。
 勇者ではない、彼自身に信頼を返せるのなら、同族の魂をもてあそぶ罪業に対する罰も受けよう。

 ひとりぼっちの勇者と、ひとりぼっちの異形。
 だからこそ、ふたりなら戦える。戦って、戦いぬける。
 ふたりで、皆でいるためならば、いかな壁も乗り越えられる!


「アルス!」


 加速した状態でも、きっと聞こえるであろう、声。
 単純ゆえにこそ万感を込められる呼び声を、ニムは詠唱の代わりとする。
 次の瞬間――天秤は傾き、悪魔の雷が《もうひとりの勇者》を大地に縛った。

 *  *  *

 相手に雷が突き立ったと同時、スズメバチの針がうなりをあげていた。
 ザビーゼクターの針に込められた力を開放した、アルスの獅子吼が夕空にこだまする。
 体に負担のかかる高速移動から、すでにして開放された少女には、少年の針を避けるすべはない。
 剣を盾として構える動作すら、光速の世界に身を置いている者には、ひどく緩慢なものと感ぜられる。


 ―― RIDER STING ――


 それならば、彼女に手心を加えるべき者は、アルスの他にいなかった。
 電光。勇者の雷を思わせるが、緑味の強い輝きを帯びたスズメバチの針――
 それを、誰に、何に刺すか。その力でなにを貫き通すかは、アルスの決めるべきことでもある。
 接触の瞬間。対象とぶつかった針からは、青白い色に遷移した火花が生まれた。


 ―― CLOCK OVER ――


 剣そのものが発光しているような一瞬を経て、その片刃が砕け散る。
 少女の得物と引き換えに、アルスの針は、相手の肩口を少しく貫いた状態で止められた。
 人間相手なら骨をも貫いただろう鋭さと、手加減できるものではない電光の威力に、少年の側が戦慄する。
 それでも、呼吸の律動に世界が噛み合う感覚が、アルスに少しく平静を取り戻させてくれる。

 城の前で立ち止まったのは、仮面を取り払った勇者。ふたりのマスクドライダー。
 彼らを見守っていた異形は、黒き騎士の名を冠せられた魔人、ブラックライダー。
 そこに現れる第四の人物は、女王の騎士たる男性。ドゥーハン王国を守りきる――


「ロシェッ!」


 城の堀端から姿を見せたクイーンガードに向けて、アルスは叫んでいた。
 彼との再会が意外だったわけではない。城から街が一望できる以上、こちらの動きは掴まれても仕方がない。
 派手な戦いの末に正門前にまで移動していれば、城の内部にいても気付かない確率は低いだろう。
 それよりも、アルスには見逃せないものがあった。“それ”ゆえに、ロシェから目を離すことが出来なかった。

「それは、いったい。誰の血だ……」

 返り血が、ここで初めて会った者の体に染み付いている。
 遠目から見ても分かるほどに、三つ編みの長髪にからんだまま落ちていない。
 黒くねばって、かたまりつつある流体は、他のなによりも分かりやすい証拠であった。
 かりに、相手の心臓をひといきに貫いたとして、こんなにも汚れることが出来るのだろうか。
 疑いかけて思い直す。マントを重く湿したサマンサの出血は、彼女の軽さを納得出来るほどに多かった。
 少年を前にして、歩を進める騎士は沈黙を保ち続ける。それこそが、アルスの予想を裏付けているようだった。

 それでも、少年は返事を待った。
 自分たちに向けて歩みを続ける騎士が、自分に答えを返すときを待ち続けた。
 クロックアップ。ピオリムを超えた加速を終えて以降、肩で呼吸をしていたところで――
 ついに片膝がくずおれる。ニムに抱えられて、右肩に痛みがはしっても、うめき声さえ出せない。
 クイーンガードは、倒れ込んでいる少女のそばで、しばらく足を止めていた。
 ちいさくあがったうめき声。とげを失っている響きは、それでも彼女のものだと判る。
 彼女を抱え上げた騎士の表情は、もはや、判然としない。

「スティプル」

 かすみはじめた視界のなかで、アルスが頼れるのは聴覚と、触覚と、嗅覚だけだ。
 そのうち、前のふたつが急を告げた。赤い、違う。赤から橙に、橙から白へ遷移するのは――
 炎の、柱か。名も知らぬ少女と騎士へ続く道に、熱のかたまりが打ち立てられたのだと肌が伝える。
 ロシェの織り上げた耳慣れない呪文の結びは、決然とした響きを少年の耳に残した。

「か、は――っ、う……くふッ」

 ……どうやら、呪文だけがロシェの置き土産ではないようだ。
 可燃物でも仕込んでいたのだろうか。風下にいたアルスは、煙に呼吸を妨害される。


「――いないッ!?」


 だが、彼が真に驚き、息を詰めたのは、ニムの言葉の中身にだった。
 いない。炎の柱をたてて、わざわざ動きを封じたのなら、少女を抱えて城に行くつもりではなかったのか?
 ルーラのような呪文か、はたまた、キメラの翼のような道具でも使ったのか。
 考えは様々に浮かぶものの、なにか、決め手が足りない。いいや、足りなくて当たり前だ。
 炎の呪文を使った以降のロシェが何をしたか、詳しいところはアルスに見えなかったのだから。

「アルス? しっかりして、ねえ!」

 きっと、炎に視界を封じられた、ニムのほうにも。
 腕の怪我を重くみたのだろう、体を揺らさずに呼びかけてくれる彼女は、ひどく優しい。

「ごめん。あの子を、なんとか……したかったのに」

 優しい彼女に謝ってしまうのも悪い気がしたが、言葉を選ぶ余裕もなかった。
 サマンサのときは、マントに隠した。だけど、自分自身の血を浴びることのほうは、もう慣れている。
 それなのに。他人のものと分かる返り血を見ただけで、ここまでの衝撃を受けてしまうなんて――


「なん、て――《勇者》だ」


 自戒と自責の相半ばしたつぶやきは、落ちていく意識にも苦く沁みた。


【D-3/アリアハン・城下町/夕方(放送直前)】
【アルス(男勇者)@ドラゴンクエスト3】
[状態]:気絶、疲労(大)、MP消費(中)、右肩粉砕骨折+内出血、裂傷複数(処置済み)、中度失血
[装備]:クギバット@MHシリーズ、ザビーゼクター&ザビーブレス@仮面ライダーカブト
[道具]:基本支給品×2、不明支給品×0~4
[思考]:ひとりで死ぬのは、怖い。だから、一緒に生きていく
0:気絶中
1:ニムのことを信じてみせる。《もうひとりの勇者》をなんとかしたい
2:思いを守るために、他者への敵意を示すような手段は選びたくない
[参戦時期]:ゾーマ復活後。アレフガルドに到達している
[備考]:バラモスをひとりで打倒しています。
 ザビーゼクター@仮面ライダーカブトに資格者として認められました。

【ニム(女僧侶)@ドラゴンクエスト3】
[状態]:悪魔化(魔人 ブラックライダー@真・女神転生3)、魔力消費(小)
[装備]:ルーンアクス@魔界塔士、天秤@現地調達
[道具]:基本支給品×2、カマエル@DQ9、サウザーのバイク@北斗の拳、あぶない水着@DQ3
[思考]:全部ノアの仕業だ! ゆ゙ る゙ ざ ん゙ !
0:アルスを介抱する。襲撃者とロシェはどこに……?
1:アルスと行動。だがこの姿だけは……やっぱりありえん(泣)
[参戦時期]:ゾーマ復活後、アレフガルドに到達している
[備考]:男盗賊やサマンサとともに、のちのアルスの仲間になっています(26話参照)。
[ブラックライダーのスキル]:ソウルバランス(敵全・HPを半減+魔封/魔力属性)、絶対零度(敵複数・氷結)

※サマンサ@DQ3の遺体は、アルスのマントにくるまれた状態でD-3/アリアハン・教会に安置されました。
※D-3/アリアハン・勇者の家が崩壊しました。ラムザ@DQ3の遺体は瓦礫の下に埋まっています。
※腹切りソード@METAL MAX RETURNSの残骸は、D-3/アリアハン・城下町に放置されています。


 ×◆×◇×◆×

【5】

 少女のまとう外套は、首をも覆う類のものであった。
 襟巻きのように巻き付いた布の隙間には、無彩色の塵が少しく溜まっている。
 二本の指でつまんだなら即座に輪郭を崩した、それは樹や何かを燃やしたものではあり得ない。
 指の肌理に湿り気を残す粉塵の感触は、魂をもてる者どもの遺灰のそれだと理解出来た。
 寺院も機能しない、そもそも、遺灰の概念があるかどうかも分からないこの場所において――
 ロシェは、相手を灰にしてしまえるすべと、灰をもとの状態に戻すすべの両方を知っているがゆえに。

 相手を一瞬で塵と変える、アッシュ。
 神への祈りによって相手を蘇生させる、カーカスとカテドラル。
 死の一形態といえる灰と親しくあるのは、魔術師魔法と僧侶魔法の双方を修めているから。
 なにより、取り憑き続けた相手を灰と変える死神と隣り合わせに、ドゥーハンの廃墟を探索したからだ。

(地下牢や城を探索するのも……久方ぶりか)

 もっとも、扇の訓練を兼ねた休息を終えてのち、城を巡っていたのは別の理由がある。
 支給品ではフォローしきれない、細々とした道具。地下の冷気を防ぐための毛布に、外套など。
 いわゆる生活雑貨のたぐいを集めておこうとしていたのだが、上に出たおかげで面白いものが見られた。
 単体だけでは、危惧すべき事項なのだろうが……対になりうる札は今、彼の傍らにいる。

 だが、対策ができうるからとはいえ、けっしてロシェの気分は良いといえない。
 ある王国に復讐するために捨て子を刃と変えた、かつての《育ての親》のことが――。
 終には武神をおのが魂で揺り起こした老司教の面影が、思い出されてならなかったからだ。

 *  *  *

 目が覚めて、真っ先に気にしたのは周囲の薄暗さだった。
 治癒の魔法でもかけられてしまったのか、傷の痛みはいやに軽い。
 だからこそ、薄暗いなかで不自然に距離を離されたデイパックに左手が伸ばせた。

「あ……」
「すまないが、中身をあらためさせてもらった」

 剣が砕けたのは覚えているが、手を入れられたような感覚がある。
 それを肯定するような第一声が、相手の男から発せられた。

「常に周囲を警戒し続けるわけにもいかないだろう。城から続く階段には、すでに罠を仕掛けている」

 エルフの髪を弦にしたという石弓が、たしかに袋の中から消えていた。
 上手いことを言って着服したのだと思えないのは、扉の先にある光景が証明している。
 ナジミの塔に続くはずの地下通路には、細くとも強い絹糸と、木切れを使った鳴子が仕掛けられていた。
 扉の先で水の流れる音を聴いて、ようやっと、ミレニアにも現在地の把握がかなう。
 ここは、男の言うとおり、アリアハンの城の地下……正確には、地下牢だ。

「そして……ゼクターというのか。《THEBEE》とやらの説明書きを持っていたのはきみだろう?
 脱皮は彼の意志だとしても、クロックアップを見せるとは。いささか札を切りすぎたな」

 男の指摘は、真実だった。
 真実であるからこそ、ミレニアには返す言葉もなかった。
 マスクドフォームからライダーフォームに脱皮する、《キャストオフ》については……仕方がない。
 自分にしても、ホッパーゼクターからある種の意志を受けて、魔物にライダーキックを連発出来たのだから。
 だが、その前段階にある変身を。そして、ライダーフォームからさらに進化を見せる超高速移動――
 クロックアップの存在を無知な資格者に悟られてしまったのは、確かに彼女の失策なのだ。

「あんた……どう、して」
「私は、すでにして人類を滅する人類だ。故郷に生きた人のために、国を滅ぼすと決めた人間だ。
 だが、独力では犬死にする。ああした異形には勝てないと解したからこそ、私はきみを拾ってきた。
 ここに来るには、瞬時に拠点に戻る道具の力を使った。同時に撹乱も行っている」

 ――いま少しは休めるだろう、と。
 流れを理解するのでなく、理解を強いるような説明こそが返答だった。
 そうではない。どうして。どうして私を選んだのか。私なんかを助けたのか。
 乾いて、渇いてひび割れた声には、冷淡な響きが返ってくる。

「きみにももう、分かるはずだが……超高速戦闘に対応できたのは、私ではなくきみのほうだ。
 それだけでも、私にはきみを助ける意味がある」

 最後の一節で、今までの言葉が染み渡った。
 目の前にいる男は、絶対に、仲間などではない。
 最後のひとりを目指し、ノアに命ぜられた殺し合いを戦い抜くと決めた者。
 その考えに至った委細はどうあれ、最終目標が同じであるからこそ、競合せざるを得ない者だ。

 それなら。それなら、この男が倒れようとも、構うことはない。
 倒れられても、背負われても、なにをするのも相手の勝手なのだから。
 相手が、勝手に自分の益になると考えた末の行動であるというのだから。

 だったら、もう、いいのだ。
 背負われる自分が、気に病まなくても。
 相手が背負っただけ、自分が背負わなくても――

「……あ。ぅ、ぐ……かふッ」

 吐き出す息に水気が交じった。
 硝子のそれとは思えない瓶に入った水を、ミレニアは男の手から奪っていた。
 むせて、えずき、手許がまどっても、乾いている。からだが渇いている。
 失ってしまった血と体液の分だけ、いまは水が欲しいのだ。

 たとえそれが、気に入らない相手が差し出したものであるとしても。
 たとえこれが、気に入らない相手にひれ伏すような行いだとしても。

「マスクドライダーとやらが二人となれば、単騎で戦うことの限界も理解できたろう。
 その点については、私も似たようなものだが――
 強い絆は、剣でも切れない。単騎では防げぬ連携の数々を、私は知っている」

 最後にこいつを蹴落とせるなら、それでいい。
 アルスやニムといった者を蹴散らせるなら、それでいい。
 そこまで考え、敵意を込めて相手をねめつけたところで――
 ミレニアは、男の瞳が不自然なまでに表情を消していることに気付いた。

「あんたの……名前は」
「ロシェだ」

 呪文を封じられた自分に代わって、名剣から癒しの力を開放している彼は短く返す。
 ロシェの目的は――故郷の人々を救うために、故郷を滅ぼす、だったか。
 やはり、血が足りない。毛布をかぶっても寒い。ひょっとすると、空腹も影響しているのか。

「ミレニア。あたしは……ミレニア」

 氷のような無表情は、光に目を背けたものであると。
 平穏な日々を諦めたがゆえのものなのだと気付くまで、少女はしばしの時を要した。


【D-3/アリアハン城・地下牢/夕方(放送直前)】
【ロシェ(男主人公)@BUSIN~wizardry alternative~】
[状態]:中度疲労、魔力消費(小)
[信頼度]:義(ミレニア)
[装備]:クイーンガードの剣@BUSIN、アイスブレード@ソウルキャリバーⅢ、
 魔浄扇@真・女神転生if...、魔戦の護符@BUSIN
[道具]:基本支給品×3、モドリ玉×2@MHシリーズ、道具類@現地調達、不明支給品×1~4
[思考]:優勝狙い。女王と民草の魂を解放するために生き残る
1:城を拠点にしつつ、参加者を殺す。超高速戦闘(クロックアップ)への対抗策が欲しい
2:可能ならば、ミレニアにアレイドアクションを教える
[参戦時期]:異空で主人公の本体と出会った後~ラスボスと戦う直前
[備考]:人間/善属性(性格・正義感)/職業・盗賊→騎士(Lv5までの魔術師魔法・すべての僧侶魔法使用可)

【ミレニア(女勇者)@DRAGON QUEST3】
[状態]:大きく疲労、右鎖骨下に刺傷(止血済み)、全身にダメージ(中)、やや失血、魔封(時間経過で解除)
[信頼度]:疑(ロシェ)
[装備]:夢見るルビー@DQ3、毛布@現地調達、ホッパーゼクター&ゼクトバックル@仮面ライダーカブト、
 ゼクトマイザー&マイザーボマー(110/200)@仮面ライダーカブト
[道具]:支給品一式×2、ビームライフル(10/30)@魔界塔士、クルーザー@仮面ライダーX、太矢×39
[思考]:背負われたくない。だから、すべてを蹴落とす
1:現状はロシェと行動する。数を打ち破るだけの力が欲しい
2:アルスとニム、ロシェのことが気に入らない
[参戦時期]:ロトになった後
[備考]:ホッパーゼクター@仮面ライダーカブトに資格者として認められました。

【アレイドアクション(アレイド)について】
 ロシェとミレニアの間で、以下のアレイド=連携行動の習得・運用が可能になりました。
 パーティランクは同行者の平均値。現状は(義+疑)÷2で「盟」となります。

 [習得可能なアレイド]
 ・Wスラッシュ(前衛ふたりが敵単体へ同時に飛びかかり、高いダメージを与える)
 ・牽制射撃(後衛が、前衛に向けられた物理攻撃を飛び道具or投石で妨害する)

※D-3/アリアハン城・地下牢への階段に、エルフの石弓を利用した罠(クロスボウ・ボルト)が仕掛けられました。
 低所に張られた糸に引っ掛かると、天井付近から装填の終わっている矢が一本だけ発射されます。
 また、地下牢からナジミの塔へ続く扉の先にある通路には、木切れと糸を使った鳴子が仕掛けられています。


【天秤@現地調達】
アリアハンの教会から、ニムが調達したもの。
分銅との釣り合いをとることによって、対象の重量を計る道具。
神話においては、これで人の業を計って天国行きか否かを決める例が存在する。

【モドリ玉@MONSTER HUNTERシリーズ】
エペ(ソードマスター)に支給された。
ベースキャンプへ一瞬にして戻ることが出来る消費アイテム。
使用する際、地面に投げつけると視界いっぱいに煙が噴き出すのも特徴のひとつ。

【エルフの石弓@BUSIN~wizardry alternative~】
ミレニアに支給された。
後列攻撃が可能な両手用の石弓。
エルフの髪を使った弦につがえられた矢は、標的を眠らせる追加効果を得る。
また、クロスボウ用の太矢(クォレル)がセットで支給されている。

【道具類@現地調達】
アリアハン城から、ロシェが収集したもの。
内訳は糸や布類、野営用の毛布、小さな木づちと釘など。
軽い工作には有用だが、精密機械の扱いは不可能。武器としての転用も難しいと思われる。


059:ライダークロス 隣り合わせの灰と青春(前編) 投下順に読む 060:*うみのなかにいる*
059:ライダークロス 隣り合わせの灰と青春(前編) 時系列順に読む 062:ジャガンは月輪に飛ぶ
059:ライダークロス 隣り合わせの灰と青春(前編) アルス :[[]]
ニム :[[]]
ミレニア :[[]]
ロシェ :[[]]



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