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マジンガー大決戦!

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匿名ユーザー

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マジンガー大決戦! ◆gry038wOvE


 ヒーロー戦記プロジェクトオリュンポスは、ワープスターで殺し合いの会場にやって来たばかりだった。
 やはり、こうして殺し合いなどに招かれてもすぐには順応できず、ただ呆然としたまま、周囲の森を見回していた。
 そして、項垂れた。

 彼には、まだこの状況が上手く掴めていない。
 こんな事をする意味が全然わからないのだ。
 ニンテンドー3DSでリメイクされることがそれほど望ましい事なのだろうか──それが、彼にはわからなかった。

 「ヒーロー戦記」というゲームは、微妙な作品が多いコンパチヒーローシリーズの中では非常に評価の高い作品である。
 ウルトラマン、仮面ライダー、ガンダムの三作品が夢のようなシリーズでありながら、何故かドッジボールやサッカーや相撲をするようなヘンテコゲームが多かったコンパチヒーローでは、かなりまともなドラマのある本作は稀有だったのだ。
 ドラマパート、RPG形式のゲームパート、そして本編の意匠を残しながらもゲーム的に改良されたキャラクターの評価の高さから、今作はもはやコンパチの中では伝説の一作となっている。
 スーパーロボット大戦に繋がる物語も展開されるため、スパロボファンにも有名である。それほどの作品でありながら、SFC時代以来、このゲームは殆どリメイクされる事はない。
 第四次スパロボSだかで「ヒーロー戦記もよろしく!」とか言われるわりに、スーファミのない家庭ではあんまりやる機会がないのが現状である。

(もしかすると、プレイヤーにとっては、ここらでリメイクされるのも良いのかもしれない……)

 ふと、そんな考えが浮かぶ。
 ヒーロー戦記のカムバックを求めているプレイヤーは多くいるはずだ。
 やった事のある人間も、やった事のない人間も。
 そんな人間たちは、ヒーロー戦記の勝ち残りを密かに応援しているかもしれない。

(────いや、駄目だ! 俺は何を考えているんだ!)

 しかし、やはりヒーロー戦記はそんな考えを改めた。

 この殺し合いでヒーロー戦記が生き残り、ヒーロー戦記がリメイクされる事が多くの人間にとって幸せである事は明らかだが、その為にたくさんのゲームを犠牲にするわけにはいかない。
 殺し合いに乗ってしまえば、このゲームをプレイしてきた当時の子供たちの夢を壊してしまう。
 何せ、ヒーロー戦記はウルトラマン、仮面ライダー、ガンダム──日本の子供たちに大人気の三大ヒーローを題材にしたゲームなのだ。きっと、ヒーロー戦記を買った子供たちは、ゲームそのものではなく、自分の憧れのヒーローをゲームで使いたかったから買ったに違いない。
 そんな純粋な願いとともにあるこのヒーロー戦記というソフトが殺し合いに乗って言いわけがない。
 時を超えてもヒーローは子供たちの模範でなければならないのだ。

 それに、ヒーロー戦記が発売されたのは1992年。もう20年以上も前である。
 この時代には、まだウルトラマンティガも、仮面ライダークウガも、機動武闘伝Gガンダムもなかった。
 そんな時代のゲームが今更ニンテンドー3DSで出てきたところで、何がウリになろう。
 今の子供たちにとってのヒーローは、ギンガやウィザードやユニコーンのように、「スーパーヒーロージェネレーション」に参戦している面子だ。

 老兵は去りゆくのみ。
 スーパーヒーロー戦記は、当時の子供たちの思い出としてあればそれでいい。
 大人はスーファミを買え。中古で探せ。それでいいのだ。

「ニンテンドー3DS、許さん!」

 過去のゲームたちに縛られる大人たちに喝を入れ、ヒーローとしてこのゲームを打破するッ!
 それが、ヒーロー戦記がすべき、今の行動方針であった。






 そんな決意を胸にヒーロー戦記が森の中を歩いていると、突如として上空から巨大なテトリスブロック型の拘束具を纏ったロシア人のような物が降って来た。

 それは、ゲームでテトリスブロックが落ちてくる感じではなく、何かに吹き飛ばされたような勢いを持って落ちてきたのだった。
 このままいくと、テトリスブロック型の拘束具を纏ったロシア人のような物は転落死してしまうだろう。
 あのテトリスブロック型の拘束具を纏ったロシア人のような物が何者かはわからないが、このまま放っておくわけにはいかない。

「危ない!! 変身!!」

 自分の上に影を作ったテトリスブロック型の拘束具を纏ったロシア人のような物を救うべく、ヒーロー戦記はその腹部に変身ベルトを出現させた。
 彼──ヒーロー戦記の能力は、「変身」であった。
 ゲシュペンテスト、ガンダム、仮面ライダーBLACK、ウルトラセブンの四人の主人公(等身大)に変身し、その能力で戦う事ができるのである。



        ヽ             /
         ヽ、           /
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          !ミ ヽ、;;;;;/l_|」_!_ニ´ j             ヽ ヽ、 〉ー、
          ヾ  _,.-‐<ニ二二7_〉/              ヽ (__//⌒!
          ヽ 「|\i´ニニニニコ/              _  〉  `ー<
           ` ト、_`ーニ二ニ7 _     _,.-‐‐- 、 / ヽj   {  ヽ
             | `ー---‐ '| |l |  ̄ ̄{レ'     ヽ \ ゝ  ヽ ノj
         _,.-‐j      /l ll |    |ミ!     _,,.ヽ___`フ三二彡j
      __r'´  | |i'i ー===' ll | || |    lミ{   /    / `ー---‐'/
  /´ ̄i三l   { |l l     j l///    ヾヽ /     l      /
  {    {彡|   ヾ三三、,===='   o   ヾミミヽ     ヽ    /
 {    |ミミl        }{   ,.---、n    ハ三ニヽ___ヽ、___ノ
  ヽ   l〃ソ!       ||   {_i⌒i_,ノ    /__j   


 今回は、キングストーンの光を発して、仮面ライダーBLACKに変身した。
 テトリスブロック型の拘束具を纏ったロシア人のような物は、仮面ライダーBLACKの両腕に横を向いて落ちていった。

「……大丈夫か!?」

 しかし、BLACKの両腕で呼びかけられたテトリスブロック型の拘束具を纏ったロシア人のような物は、既に返事をする事はなかった。
 まるで待ちガイルの体制から発されるサマーソルトキックを受けたかのように、テトリスブロック型の拘束具を纏ったロシア人のような物が纏っているテトリスブロック型の拘束具の底部は、凹んでいた。
 落下する以前に受けた傷だろう。これがおそらく直接の死因である。
 このテトリスブロック型の拘束具を外してしまえば、テトリスブロック型の高速具を纏ったロシア人のような物の本体(ロシア人)はミンチより酷い状態になっている事は想像に難くない。

「くっ……手遅れだったのか……」

 これが殺し合い。
 これが、人が死ぬという事だ。
 もし、そこにいれば救うことができたかもしれない命が誰かに奪われた。
 その事実は、ヒーロー戦記の胸に悲しみを残した。
 強く拳を握り、テトリスブロック型の拘束具を纏ったロシア人のような物を助けられなかった無力を痛感する。

 ヒーロー戦記は、仮面ライダーBLACKの姿のままでテトリスブロック型の拘束具を纏ったロシア人のような物を埋葬する事にした。
 巨大な腕が悲しく地面を掘りだしていく。そして、テトリスブロック型の拘束具を纏ったロシア人のような物をそこに埋めて、変身を解除した後で両手を合わせる。

「すまない……テトリスブロック型の拘束具を纏ったロシア人のような、名もなき知らぬゲームよ……俺は君を守れなかった」

 誰が彼を殺したのかはわからない。
 唯一、ヒーロー戦記にわかるのは、テトリスブロック型の拘束具を纏ったロシア人のような物を殺害したのは、待ちガイルの体制から発されるサマーソルトキックのような技を使ったという事だけだった。
 それだけでは何の手がかりにもならない。

 しかし、殺し合いに乗っているゲームがいるというのはこれで明らかになった。
 悲しいが、いまだにニンテンドー3DSでのリメイクを求めるスーファミorゲームボーイソフトがあるという事なのか──。

「ん……? これは……」

 テトリスブロック型の拘束具を纏ったロシア人のような物が落ちてきた近くには、支給品の入っているふくろも置いてあった。
 ヒーロー戦記は、それを開けてみる事にした。悪人に使われるよりは良いはずだ
 すると、中から現れたのは、空にそびえるくろがねの城スーパーロボット──マジンガーZである。
 マジンガーZを手に取ると、ヒーロー戦記は、無理に笑顔を作った。

「マジンガーZか! こいつは使えそうだな!」

 マジンガーZ──これはおそらく、スーパーロボット参戦出典のアイテムである。
 テトリスブロック状の拘束具を纏ったロシア人のような物はこれを使えなかったのだろうか。
 今のところ、ゲシュペンテスト、ガンダム、仮面ライダーBLACK、ウルトラセブンにしか変身できないが、これでマジンガーZにも変身できるようになったのだ。




「────おやおや、マジンガーZが見えたから来てみれば、こんな所に参加ゲームがいたんですか」




 ふと、ヒーロー戦記の背後から声がした。
 そちらを見ると、銀髪のカツラを被って白衣を纏った速水もこみちのような男が立っている。

「うん? 君は……?」

 今のところ、殺気は感じられない。
 ヒーロー戦記は、その相手の姿を見て、無警戒に訊いた。

「私はぬ~ぼ~。ゲームボーイのソフトです。森永製菓から発売されたチョコのキャラを題材にしたキャラゲーですよ」

 ぬ~ぼ~。その名前を覚えている人間はいるだろうか?
 黄色いゆるキャラみたいなやつである。元々は、森永製菓のお菓子のキャラであった。
 一応、今も存在するには存在するのだが、今日、彼には90年代ほど彼の存在感はない。むしろ、今は圧倒的に絶賛炎上中のぬ~べ~の方が有名でタイムリーだ。
 ぬ~ぼ~そのものはもっとモンスター的な容姿であったが、今回はモンスター型の参加者は認められない為、銀髪のカツラを被って白衣を纏った速水もこみちのような姿になっている。

「そうか。俺は、ヒーロー戦記プロジェクトオリュンポス。スーパーファミコンで発売された、ウルトラマンと仮面ライダーとガンダムが共演するRPGゲームだ!
 俺はこのゲームには乗っていない。一緒にこのゲームを主催したニンテンドー3DSを倒さないか!?」

 ヒーロー戦記は、ぬ~ぼ~に提案する。
 良い相手か悪い相手かはわからないが、まずは誘う事を優先だ。
 ぬ~ぼ~が悪い奴ならば、戦うしかないかもしれない。しかし、良い人ならきっと乗ってくれるはずだ。

「3DSを倒す……?」
「ああ、一緒に倒すんだ!」

 ぬ~ぼ~は、少し思案した。

「……いいでしょう。一緒にこのゲームの打破を考えましょう」

 ぬ~ぼ~は、笑顔を作ってそう言った。

「さて、それじゃあ行きましょうか……とりあえず、街でも目指してみましょう」



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 ……彼は、そう言ってヒーロー戦記に背中を向けると、邪悪に笑った。
 背中を向けたのも、その笑みが堪え切れなかったからである。

 ────ぬ~ぼ~は、殺し合いに乗っていた。


 このぬ~ぼ~というゲームは、今や近所のファミコンハウスが潰れた時に1円で買われてしまうようなゲームである。別にものすごく悪いゲームというわけでもなく、普通の──いや、むしろそこそこの良ゲームだった。
 だが、癒し系ゆるキャラのような外見であるというのに知名度は落ちてきたし、ぬ~ぼ~がお菓子のキャラクターだった事も、CMに今はもう逮捕されちゃった芸能人が出ていた事も忘れられつつあった。
 週刊少年ジャンプの似たようなタイトルの漫画に知名度を食われ、その地獄先生を商標登録の都合で妨害した事なんかが有名になってしまっている。
 この体たらくをどうにかするには、もはやニンテンドー3DSの移植と完全リメイクを果たすしかない。

(この支給品では勝ち残れそうにありませんからね。ヒーロー戦記さん、あなたを利用させてもらいます)

 ぬ~ぼ~の支給品は、到底使えないアイテムであった。
 本来なら、ぬ~ぼ~には、あらゆるアイテムを上手く利用して困難を乗り越える能力が備わっている。しかし、今回の支給品はその能力をもってしても使いようがない。
 ただ、ここに来た時も、上手く立ち回るには、支給品以外の道具も必要だと思っていたので、そこに落胆はなかった。

 そんな折、目の前でテトリスブロック状の拘束具を纏ったロシア人のような物体が落下していくのが見えた。
 あれは道具に使えそうだと思ってそこに行ったら、マジンガーZがあった。こっちの方が使えそうだったが、気づけば、もっと使えそうな道具が目の前にあった。

 彼にとって必要なのは、テトリスブロック状の拘束具を纏ったロシア人のような物体でもなければ、マジンガーZでもない。
 そう、ヒーロー戦記プロジェクトオリュンポスというゲームの持つ正義感だった。
 正義感はいかようにも利用できる。間違った悪を教えてその殲滅を命ずる事だってできる。邪魔な参加者を彼に消してもらったっていい。



 ────ぬ~ぼ~は、彼というアイテムを利用し、上手にこの殺し合いを生き残ろうと画策していたのである。
 一方、ヒーロー戦記はそんな事に一切気づいていない。



 ……この二人の運命がどうなるのか、それはまだ誰にもわからない。






【F-6 森】

【ヒーロー戦記プロジェクトオリュンポス】
【状態】健康
【装備】マジンガーZ@スーパーロボット大戦
【道具】支給品一式×2、不明支給品
【思考】
1:殺し合いはさせない。
2:テトリスブロック状の拘束具を纏ったロシア人のような物を殺した人間を探す。
3:街目指そう。
※外見は1987~1989年ごろの倉田てつをです。
※能力は「ゲシュペンテスト、ガンダム、仮面ライダーBLACK、ウルトラセブンへの変身」です。バンダイ系の変身ヒーロー・ロボットは支給品等で補えます。
※テトリスの支給品を拾ったので、彼の不明支給品だったマジンガーZにも変身できるようになりました。

【ぬ~ぼ~】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、ぬ~ぼ~にとって全く使えない不明支給品
【思考】
1:ステルスマーダーとしてゲームに乗る。
2:ヒーロー戦記に協力するフリをする。
※外見は銀髪のカツラを被り白衣を纏った速水もこみちのようにも見える田代まさしです。
※能力は「ほとんどのアイテムも持ち上げて駆使できる事」です。
※自分より大きい場所を上り下りするには道具を踏み台にする必要があります。


【備考】
※F-6まで吹き飛ばされたテトリスの遺体は埋葬されました。






「サンダアアアアアアアァァァァブレエエエエエエエエエエエエエエエエェェェェェェェェェェクッッッッ!!!!!!!!」






                              !
                               l!
                                |ゝ
                          、 |(
                         \`Y 〉
                          !、  .ノ/
                            j Y´ ィ
                         / ,、 ー'(
                         !´ .`ァ,、 ヽ
                           ノ (_
                          ,ィ' <__,ィ
                          !/} r- 、Y´
                          !ー' ヽ_,、
                           | リ )  .、\
                           !ソ〈  /ヽ!
                          __/ ,イ
                            `Y {ヽ!
                            |. ',
                        ,ィ 〉 > ,イ!
                      _,. イ_ ´ _/
                        /´ ̄`ヽ >
                      __ |ヽ'´ ヘ.,_
                  ヽ、 \N  Y´ ̄
                      _`>ヽ 〉  ゝ _,.ィ!
                  `丶          /
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                          乂;;;;;;;;;;{;;;;;;;':,  \>'´ ./;;;;;};;;;;;;;;;;} >'´
                      \~´!;;;;;;;;;;':,    /;;;;;;;;;∧ー='ヘ,ィ:::!
                            \ヽ;;;;;;;;;;':,_/;;;;;;;;;;;;/ ヽ_,. ノ::ヽ!





 ────しかし、よくある感じで話を纏めようとしたその瞬間、突然の雷鳴とともにぬ~ぼ~の野望は絶たれた。


 すさまじい雷の一撃。
 それはぬ~ぼ~の背中に直撃し、彼の一発ネタのような生命を絶ち切ったのだった。
 その熱と衝撃に、生身のゲームが耐えられるわけがなかった。

(────そん、な…………)

 ぬ~ぼ~が振り向いて最後に見たのは、マジンガーの顔であった。
 この場において、マジンガーZを持っているのは、ヒーロー戦記だけのはず。

(そうか、やはり他のゲームなど、信用しては、ならなかっ…………──────)

 ぬ~ぼ~は、ヒーロー戦記に、ステルスマーダーとして利用できる相手なのという信頼を持って対応していた。
 ステルスマーダーとして他人を利用するにも、相手が自分と同タイプの人間ではないと見極めて信頼する裁量が求められる。

 目論みは失敗したのだろうか。
 自分は不覚だったのだろうか。

 ヒーロー戦記は、不意を突いてぬ~ぼ~を攻撃した──彼はそう思ったまま死亡した。
 ぬ~ぼ~は、黒焦げの死体になるまで、事の真相に気づかなかった。






「ぬ~ぼ~さんッッッ!!!!!」

 目の前にいた男が突然黒焦げにされた瞬間、ヒーロー戦記は、ただ立っていた。
 この瞬間も何が起こったのか、彼は理解していなかった。ましてや、彼を殺してなどいない。
 焼け焦げたぬ~ぼ~の熱い体を抱き寄せ、涙すら出ぬ間に背後を振り返る。

「なっ……!!」

 そこにいたのは、2m大のグレートマジンガーであった。
 変身、したのだろうか? 彼は一体、何者だ? しかし、そんな事を考える暇も、仲間の死に涙を流す暇もないのだった。
 グレートマジンガーは、ロボットの冷徹な瞳でこちらを見ていた。

「──次は貴様だ、雑種」

 このグレートマジンガーの正体はわからないが、彼はどうやら殺し合いに乗っているらしい。
 この瞬間、ヒーロー戦記の胸には激しい怒りが込み上げてきた。

「おのれ……ぬ~ぼ~さんは、この殺し合いを一緒に止めようとしてたんだぞ! 何て事をするんだ!」
「フン。この我(オレ)以外のゲームなど、滅ぼうと知った事か……」
「くっ……!」

 ──こいつは……こいつは……。

 何の罪もないぬ~ぼ~を殺した。そして、今、ヒーロー戦記も狙おうとしている。
 目の前のグレートマジンガーは、使い手次第で神にも悪魔にもなるマジンガーを、躊躇いなく悪魔の為に使った。
 一体、何のゲームなのかはわからない。
 しかし、少なくとも目の前の敵は許されてはならない所業を犯した。

 人、それを悪と呼ぶ!




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 `` 、       `` - 、                   ,,,... -ー ' ' ' ' """" ' ' '-.7ヘ ,,_
    `` 、        `` - 、     _ ,,,.. -ー '''' ""´´     _ , , , . . .._ ./ ヘ  `''-
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    :ミミ|Y-ー''"´         _,,..-/i'r,_Y´__,,,..r-‐:':":´:`ーニ、-、;.:-ニ:':":´: ;,> _、_,.r-‐、  ヽ
,,..-ー'"ミミ|:|ミミ     _,,...-‐''''"´ _,,..`'-'ー''ヽ、  `ヽ、:_:.:.-''ニ'‐:':-ニ'-、;.:-‐ニ-:':": :l_i''"レ'   `,
     |:|ミミ,,...-‐''"´  _,,..-‐''"´: : :  : : : : .`ヽ、  ` <: : : ; : -‐`.-.、`'‐、;,;.:.r‐ニ-:":`;   ;
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         '::,、_             _,,..-_ニ- ''"         | ,,..-''"  ノ ヽ  ノ  ヽ、
          `-ニ‐-....__     _,..-‐''ニ-''"          ,,. 人    .ノ' i、\ソ ; ヽ、
            ``'''ー-ニ二ニニ-‐''"´         ,,..|‐''´ ノ ヽ、  ノy メl \メ ;; \

「パイルダーーーーーーーーー……オーーーーーーーーーーーーーン!!」


.                    {}
                    } {
         |``ヽ,         } {          ,〆|
         |   |      ,/"⌒``ヽ、      |  |
         |   |    γ´        ヽ    ,|  |
         |   |)   /           ヽ  ( |  |
         |   ||  γ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐、  i|  |
         |  /|   ャ---------------ッ´  ||  |
         レ'´ .|.{ γ‐ンヽ   |;;  γγー、  }.|\,|
           | { λ__ノ) ).  .|;  ( (___丿  } |
      , - '´`rュo==‐‐‐イィ.---.┴----->‐‐‐==O  rfー-;,_
    ,/´    } }  `` ̄t二fー-.!-‐‐t__f ̄ ̄"´  //;;;;;;;;;;;;ヽ、,
   ノ       } }      { (.) }    { (.) }      //:::::::::::::::::::::::〉
  キ        } }    ゝ 丿   ゝ ノ     //::::::::::::::::::::::::/
   キ       .} }、__    v       v   __,;///::::::::::::::::::::::::/
   キ       } };;;;λ           丿;;;;;;//:::::::::::::::::::::::::/
    キ       } };;;;;;λ          ,ノ;;;;;;;//::::::::::::::::::::::::::/
    キ ,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;トト;;;;;;;ヽ         ノ;;;;;;;イイ;;;;;;;;;;,,,,,::::::::::::/
     キ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ;;;;;;;ヽ      ノ;;;;,,イイ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::,,,,,/



 ヒーロー戦記は、その叫びとともにあの名もなき男の支給品のマジンガーZを発動した。
 ヒーロー戦記は、敵グレートマジンガーと同じ、2m大ほどのマジンガーZへと変身する。




              __
             /: : : :`ヽ
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          /: : : : : ://⌒\ ⊆ヾ┬'´.ィ{ ̄  __
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              く:〃: : : : : : : : _  -‐      ∨:::::::     \: : : : :/: : :.//:\
               / ソ _: : -‐                 ∨:::::}     \/____彡 : : : \
           `¨                  `¨´       |: : : : : : : : : : : : : 丶
                                            ト、: : : : : : : : : : : : : :\
                                          \丶   ________)
                                               ‐-    ______ノ



「……ほう、これは驚いたな。貴様もマジンガーを操るか」
「当たり前だ! 俺はヒーロー戦記プロジェクトオリュンポス! 全てのヒーローに変身できるのだ!」
「……フン。しかし、この我の操縦技術には敵うまい」

 ヒーロー戦記は、マジンガーを取りこんだ状態から、自分の意思で必要に応じて装着・変身しているのであって、操縦しているわけではない。
 だが、相手は操縦技術といった。つまり、機体を誰かが操縦する形で進むゲーム──スーパーロボット大戦シリーズのソフトという事か?
 だとすれば、マジンガーのような機体を操る事ができるのも当然と言える。

 ……しかし、ヒーロー戦記には、仮に相手がスーパーロボット大戦だったら幾らかマシだと思えるような真実が、この直後に伝えられる事になった。






「心して聞くが良い。我の名前はスーパーマリオカート。────要出典だが、wikipediaによればSFCソフトで日本国内最大の売り上げを記録したソフトだ!!」





 スーパーマリオカート。
 その名を聞いた瞬間、──ヒーロー戦記は目の前の敵の圧倒的な威圧感に膝から崩れそうになった。

「な、なんだと……!?」

 彼が一番最初に会った「悪」は、あまりにも絶大な力を持っていた事に、この時彼はようやく気づいた。
 スーパーファミコンソフトで最も売れたというデータが、果たして真実か否かは関係がない。
 目の前の敵が、「スーパーマリオ」の名を冠しており、ましてやマリオカートシリーズの原典であるという事実が彼を怯えさせたのだ。
 事実がどうであれ、そんな噂が立つほどに売れたソフト。
 知名度も抜群。ゲーム性も抜群。人気も抜群。歴史に残るソフトが敵なのである。

「フン。怖気づいたか、雑種。この我の売り上げを前にひれ伏すがいい!! 我は総てのSFCソフトの王。貴様のようなキャラゲー風情に到底敵う相手ではないわ!!」
「な……なぜ、あなたのように3DSで真っ先に新作が出たようなカセットが殺し合いに乗るんだ!!」

 確かに怖気づいてはいたが、ヒーロー戦記の中の正義感は失われていない。
 啖呵を切って、ヒーロー戦記は問うた。それは、魂の叫びだった。

「……ほぅ、なるほど、どうやら貴様は甘い男と見た。そんな貴様に理由を教えてやろう!!」

 おそらく、グレートマジンガーの中でスーパーマリオカートは、ヒーロー戦記の事を嘲笑っただろう。
 しかし、その笑みを取りやめて、高らかに言った。



「────最初から、スーパーファミコンにもゲームボーイにも、この我以外のソフトなど不要だ!! その他のゲームなど我の引き立て役に過ぎん!! 全てこの場で消し去ってくれるわ!!」



 その言葉を聞いた時、ヒーロー戦記の中にあった怯えが消え、悪に対する怒りが湧きおこってくるのを感じた。

「そんな理由で、お前はぬ~ぼ~さんを殺したのか!! ……まさか、お前が、テトリスブロック状の拘束具を纏ったロシア人のようなゲームも殺したのか!?」
「そいつは知らないな。しかし、どの道、他の奴に殺されなければこの俺に殺される運命だっただろう」
「くっ……!!」

 国内一位の売り上げが果たして真実か否か、──そんな事は関係ない。
 目の前の敵は許してはおけないのだ。
 ゲームの命を簡単に奪い、その死をまるで嘲るように見下ろす。最悪の蛮族。
 ウルトラマンは、仮面ライダーは、ガンダムは、ヒーローは、────こんな相手を前にして、何というだろうか。

 そう、こう言って奮い立つだろう。






「────俺は貴様を許さん!! スーパーマリオカート!! 覚悟しろッ!!!」





 そこから、熱いバトルは始まった。





                     ロケットパーンチ!!
                         ,__   __
                         ||、`α,| /
                         ヽ>Kフ(>
        G仁l '_`,=- =      <ヽ[l!l!l![/フ
                          ヽ_l l_/,ヽ((6^)
                         ∠ヽ__(^\  ̄
                        /__/,,,,,`l二ヽ
                         '''''''''''''''''''''''''''''




            . -‐ニ ̄ニ‐- .
       _/           \_
 =二 ̄ /               ',  ̄二=
     ̄7'' ―― ___ ―― 戈 ̄
――― 从,,i ;         `. 、 .尢r、――――――
      /\じ'jl|此ト=メ i;_,,爻,,i| 刈ゞメ
       ``‐ヾ:;!Iヅ 〃!iメト辷-" ^






                     ………………………
                         ,__   __
                         ||、`α,| /
                         ヽ>Kフ(>
                       <ヽ[l!l!l![/フ
                          ヽ_l l_/,ヽ((6^)
                         ∠ヽ__(^\  ̄
                        /__/,,,,,`l二ヽ
                         '''''''''''''''''''''''''''''





                     ……………やったか?
                         ,__   __
                         ||、`α,| /
                         ヽ>Kフ(>
                       <ヽ[l!l!l![/フ
                          ヽ_l l_/,ヽ((6^)
                         ∠ヽ__(^\  ̄
                        /__/,,,,,`l二ヽ
                         '''''''''''''''''''''''''''''





                     ,、  ,、 ,、
                     /i|  |:| |.i:l、
                      .| l.|_|:|_ノ l :|,-
                   l`L、_〈_〉 l__/_ll.|
                    `-ヘ YムY /-'.
                 _   トTTTレイ  __
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            {::::::::::::{:::::::::::::\:::::::::::::::/:::::::::::::::}:::::::::::}  <フン、痛くも痒くもないわ!
            .弋::::::::i:::::::::::::::::::.\::::/::::::::::::::::::::::i:::::::ノ
             | ̄¨| ::::::::::::::::::::::`'゙::::::::::::::::::::::::::「 ̄|
             |   i::: ,.-──────-、::::::i   |
            ト┴---`i             i'゙---┴イ





                        な、なにぃーっ
                         ,__   __
                         ||、`α,| /
                         ヽ>Kフ(>
                   G仁l '_`<ヽ[l!l!l![/フ
                          ヽ_l l_/,ヽ((6^)
                         ∠ヽ__(^\  ̄
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         ̄丶 : : \     .|/´ヽ ヽこ!ノV
         \: : :\ ./!  i_, ィK>|_L'_/
           \: : :\二二!ー-、!_l_/7 ィ
        ., -::''::::\ : : \/ \'i l| l l7ニニ!       <こちらの番だな……
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イ         .,.      ./{!、:::::::::::::::::::::>'´     γ:::/\:::::::::`'''=‐- ..,,/_| |       ./                    ヽ'´\ ´) ヽ ',ヽ' ´',
             /  乂:::::::::::>''´        ,':::::ヘ_./::::::::::::::::::::::::::::~ミ、j     ./                     `ー-'r'  ノリ .〉 乂ノ
             .,ィ´,r=ァ7=ァミ:>''´            l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}   /                         `~´.(__/
           lノ /.// / /               r、l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| ,ィ''´
            `~.(ノ_/              | ヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::リ./ .|

 

 そして、そこから先、マジンガー最後の三分間は三十分以上に渡って、グレートマジンガーにボコボコにされ続けた。
 バトルというには、あまりにも一方的な残虐ファイトであった。
 力の差は歴然。マジンガーは色々頑張ったが無理だった。グレートマジンガーには勝てない。
 全て書くのも面d……躊躇われるほどの凄まじい猛攻に、ヒーロー戦記は遂にマジンガーの変身が強制解除されるに至った。



「フッフッフッ……どうだ、雑種よ。思い知ったか、これが王である我と貴様ら雑種ゲームソフトの差だ。……では、そろそろ死んでもらおう」



 ヒーロー戦記にはもう、目の前のスーパーマリオカートという強敵に立ち向かう力はなかった。
 グレートマジンガーを操縦するスーパーマリオカートは近づいて来る。
 一歩、一歩。ゆっくり来るのは、ヒーロー戦記が怯える様を見て愉しんでいるからに違いない。

 ──まずい。このままでは……、死ぬしかないのか……。
 ──俺はまだ、何もやっちゃいないんだぞ……。

 グレートマジンガーを得たスーパーマリオカートの能力は圧倒的だ。
 その精密なドライビングテクニックは、あらゆる必殺技を何なくこなすほどである。
 こちらに来る。
 まずい。まずい。まずい。まずい。
 すまない、……みんな、……子供たち……。







 ……しかし、その途中でグレートマジンガーは何かを踏んづけた。

「ん……? これは……」

 そこにあったのは、ぬ~ぼ~の遺体であった。
 黒焦げの遺体は、彼が踏むと崩れ落ちる。

「……負け犬の屍か。フンッ!!」

 グレートマジンガーは、邪魔とばかりにそれを蹴り飛ばした。

「あっ! ぬ~ぼ~さん……! 貴様、何ていう事を……!!」

 他の者の遺体をこうして弄び、蹂躙するスーパーマリオーカートは到底許せる相手ではない。
 しかし、ヒーロー戦記にはもはや立ち向かっていく勇気はなかった。
 今叫んだ時も、体中の痛覚が悲鳴をあげていたくらいだ。
 立ち向かう力などどこにもなく、逃げる隙も今はない。



「なっ────」

 だが。





 ────その時、不思議な事が起こった!!




 グレートマジンガーが、突如として、すってんころりんすっとんとん、という感じで回転してクラッシュしたのである。
 グレートマジンガーには、その瞬間に明らかに隙ができたのを、ヒーロー戦記は見逃さなかった。

「どういう……」

 どういう事だ、と言おうとした矢先にもう一度、グレートマジンガーがクラッシュする。
 この感覚は覚えがあった。
 まさか、と思って真下を見る。
 やはり──そこにはバナナの皮が落ちていたのであった。

「バナナ、だと……!? ぐあっ!!」

 バナナの皮──それは、マリオカートシリーズをやった事のある者ならば誰でも知っているであろうアイテムだ。
 これを踏むと、機体を操縦していた人間は滑ってくるくる回ってしまい、ひどいタイムロスになる。

 おそらく、これはこのぬ~ぼ~の支給品だったのだろう。
 今回は、三つも支給されていたらしく、それが縦一列に並んでいる。前方に進行しつつあったグレートマジンガーはそれを回避する術がない。
 しかも、クラッシュしてそのまま進行した場合、目の前に次のバナナが置いてある感じで、回避不可能な間隔を置いてバナナが配置されている。これは絶妙だ。
 グレートマジンガーは、三つ目のバナナに向かっていくしかなかった。

「──ぬわあああああああああああああああああっっっ!!!!!!」

 これを一度踏むごとに、グレートマジンガーの機体は摩耗していく。
 ましてや、三連続で喰らった日には、今マジンガーに与えたダメージと同等の機体損傷もありうるだろう。
 まずい。
 早速だが、スーパーマリオカートはピンチであった。



「まさか、ここで……くっ……雑種ごときにいいいいいいいいいいいいいいいいいいっっっっっ!!!!!!」



 そして、グレートマジンガーは三つ目のバナナですってんころりんすっとんとんする事になった────。






 ヒーロー戦記は、森の中を走っていた。
 どこをどう走って来たのかは、もう覚えていない。
 しかし、逃げるのに精いっぱいであった。
 ヒーロー戦記の体力はもはやゼロに等しい。スーパーマリオカートは強敵だった。
 あのぬ~ぼ~が遺してくれたバナナの皮がなければ、ヒーロー戦記はあのまま死んでいたかもしれない。

「……すまない、ぬ~ぼ~さん……」

 こうして、死して尚助けてくれたぬ~ぼ~の遺志に、ヒーロー戦記は答えられなかった。
 スーパーマリオカートを倒す事ができず、ぬ~ぼ~の遺体をあの場に放りだしていしまった。
 ああして踏みつけられた時、かなり怒りが湧いたというのに、何もできなかった。

「……俺は、……………………」

 ヒーロー戦記の体力は限界だった。
 彼はその森の中で倒れ、しばらく意識を失った。



【E-6 森】

【ヒーロー戦記プロジェクトオリュンポス】
【状態】気絶、大ダメージ
【装備】マジンガーZ(2m大・中破)@スーパーロボット大戦
【道具】支給品一式×2、不明支給品
【思考】
0:気絶中
※外見は1987~1989年ごろの倉田てつをです。
※能力は「ゲシュペンテスト、ガンダム、仮面ライダーBLACK、ウルトラセブンへの変身」です。バンダイ系の変身ヒーロー・ロボットは支給品等で補えます。
※テトリスの支給品を拾ったので、彼の不明支給品だったマジンガーZにも装着・変身できるようになりました。







「くっ……我がバナナで滑っている間に逃げたか、雑種が……」

 グレートマジンガーをふくろに無理やり詰め込んだスーパーマリオカートは悪態をついていた。
 車つながりで仮面ライダードライブの泊進ノ介の顔をしているスーパーマリオカート。
 子供には到底見せられない姿だが、これが映像媒体ではないのは幸いして、子供の夢を壊すような事はなかった。

 それよりか、今はスーパーマリオカートが殺し合いに乗っているという絶望の方が上回るだろうか。
 彼は、バナナの皮で滑って転んでも、尚、その化け物じみた体力で生きていた。
 この後の状態表を見ればわかると思うが、今回はダメージ(小)程度である。

「この雑種さえいなければ……」

 スーパーマリオカートは、ぬ~ぼ~の遺体を何度も蹴り、踏みつけた。
 この邪魔物が余計な支給品を取っておかなければ、こんな事にはならなかったはずだ。
 例によって、コイツにバナナが支給されていたとは、運の悪い事もあったものだ。
 せめて、こちらが使っていれば、他の参加者を容易に殺せただろうが……。
 ……まあいい。
 悔やんでも仕方があるまい。

「……仕方がない。次の獲物を探すか」

 スーパーファミコンソフトの王──スーパーマリオカートは、そう呟くと森の中を再び歩き出した。



【F-6 森】

【スーパーマリオカート】
【状態】ダメージ(小)
【装備】グレートマジンガー(2m大・中破)@スーパーロボット大戦
【道具】支給品一式×2
【思考】
1:全てのゲームソフトはこの我(オレ)の前にひれ伏すがいい!
※外見は泊進ノ介です。
※能力は「騎乗・操縦技術」です。あらゆるマシンを操縦することができます。
※どうやってグレートマジンガーに乗ってるのかはわかりませんが、とにかく自分より小さい乗り物でも何でも乗れます。





【ぬ~ぼ~ 死亡】
※ぬ~ぼ~の支給品だったバナナ(の皮)×3@スーパーマリオカートは使用されました。


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