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強く速き者よ この手を引き導いて

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強く速き者よ この手を引き導いて  ◆Iku3M44SGw


「3DSに最新技術でリメイクされた時点で私、勝ち組じゃね?」

 10歳くらいの少女がグッとガッツポーズをした。
 彼女の名前はポケットモンスター青。(以下ポケモン青)
 かの有名なポケットモンスター赤、緑のマイナーチェンジ版である。

「リメイクなんて決まった暁には奴ら(赤、緑)よりも相対的に上になる!」

 リメイクという言葉はポケモン青にとって魅力的だった。
 なんせ自分だけゲームボーイアドバンスでリメイクされなかったのだから。
 売上的にも後発の更にマイナーチェンジ版のピカチュウ版に負けている。
 不遇か不遇じゃないかで言えば、ちょっと不遇である。

「私は3DSでポケットモンスターウォーターブルー(仮)を出すぞォ! 増田ァ!」

 そして、ポケモン青は意気揚々と道なき道を歩き出した。
 狙うのは勿論、『優勝』のみ。出来ればいるであろうポケモン赤とポケモン緑は自分の手で倒したい。
 確認した支給品のモンスターボールにはカメックス(吹雪、ハイドロポンプ、はかいこうせん持ち)が入っていた。
 これは彼女にとって好都合であった。使い慣れたポケモンがいるのだから非常に心強い。

「……いた」

 森の拓けた場所の切り株の上に人影があった。
 だが…… 

「へ、変態だ――――っ!!」
「ん?」

 いたのは……ガチムチボディの裸ネクタイの男だった。
 その手には御立派なバナナが握られていた。
 しかし、そのポケモン青の声で男は彼女の存在に気付いた。

「おっと、俺は変態じゃない」
「嘘こけ!! そんな変な恰好の男が殺し合いに乗って無いはずがない!!」
「(どういう決め付け方なんだ……)それにしても……いいのかい? お嬢ちゃん、ホイホイ殺し合いに乗っちゃって?」
「……なんで私が殺し合いに乗っているとわかったの?」
「まあ、所謂野生の勘という奴だ」

 このガチムチボディの裸ネクタイの男の名はスーパードンキーコング。
 何故、彼がこんな格好なのかというと、主人公である二代目ドンキーコングのリスペクトである。

「行け! カメックス!!」
「おいおい、俺の敵は鰐で、亀は専門外なんだけどなんだけどな。
 ……それに二対一ってのはフェアじゃねぇな」
「関係ないわ、そんなこと! 勝てばいいいのよ!!」
「やれやれ、しょうがないお嬢ちゃんだ」


「だったら、俺が二人になろう」
「なっ!?」


 背後からガチムチボディの裸ネクタイ(二人目)が現れた。

「100本もバナナ食ったからな――」
「――いつの間にか俺が二人になっちまったぜ」

 スーパードンキーコングはバナナ100本で食って1UPしていたのだ。
 結果的にそれでスーパードンキーコングは二人に増えたのだ。

「……まあ、とりあえず、やるんだったら公平に―――」
「「二対二(タッグマッチ)でやろう」」

 前後に立ち塞がるガチムチボディの裸ネクタイの男達。

「まあ、今のポケモンのシステムであるダブルバトルに慣れておく必要があるからね」 

 それに対する少女とポケモン。
 そして、ついに異種タッグマッチが始まろうとしていた!!




【ポケットモンスター青 死亡】
【スーパードンキーコング 死亡】



 だが、次の刹那にはその決着が着いた。
 とんでもない速度で突っ込んできた青いマシンに一瞬で轢き殺された。
 本来の速度よりはかなり遅いが、それでも速い部類に入るだろう。

「さすがCF……のマシン!」

 三人と一匹を一気に轢き殺した青いマシン。
 そのマシンの中でヘルメットを被った男(37歳)はガッツポーズを決める。
 彼の目的もまた『優勝』であった。
 しかし、ただの優勝ではない。

「俺はこの殺し合いを最速でクリアする!!」

 タイムアタック同様。
 コンマ0.1秒でも早くこの殺し合いをクリアする。
 一番手っ取り早くクリアするには殺し合いに乗ると即決断したのだ。

「そして俺は証明してやる! 最速こそが最強! NO SPEED, NO LIFE.だ!」



【F-1 森】

【F-ZERO】
【状態】絶好調
【装備】ブルーファルコン@F-ZERO
【道具】支給品一式
【思考】
1:殺し合いの最速クリア
※外見はキャプテン・ファルコンのヘルメットを被った男(37歳)です。
※超一流のドライビングテクニックを持っています。


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