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サンリオタイムネット~繋がる未来と過去~

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匿名ユーザー

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サンリオタイムネット~繋がる未来と過去~ ◆OmtW54r7Tc


星のカービィの目の前に、一人の女の子が現れる。
その女の子――サンリオタイムネット過去編(以降は過去表記)は俯いた顔を上げると、口を開いて言った。


「私を、殺してください」


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それは、サンリオタイムネット未来編(以降未来)がポケットモンスター緑に戦いを挑む少し前の事

『じょ、冗談でしょ、未来?』

過去は、未来の言ったことに耳を疑った。
ちなみに一応この二人、双子の姉妹なのだが、姿は異なっている。
過去の姿は、【マッチこ】というモンスター、いわゆるときのかけらと呼ばれるものだ。

『私は本気だよ、過去お姉ちゃん。優勝して、3DSにリメイクされる!』
『そんな、どうして…』

未来の宣言に、過去はショックを受けた様子を見せる。

『私たちは、GBA版の開発が予定されながら結局開発されなかった。お姉ちゃんだって、あの時の事悔しがってたじゃない!』
『ええ、そうね。GBAで生まれ変わった私たちを、みんなにプレイしてほしかった』
『今でも発売されなかったGBA版を望んでいる人がいる。その人たちの為にも、私は3DSでリメイクしたいのよ』

姉妹の喧嘩は続く。
過去は、未来のように他のゲーム達を犠牲にするこの殺し合いに積極的になる気にはなれなかった。

『ねえ未来。私はね、妹であるあなたが大好きなの』
『な、なによいきなり』

姉からの突然の告白に赤面する未来。

『だから、あなたがいなくなったらすごく辛い。死んじゃいたいくらいにね』
『………』
『そして、他のゲーム達にも…特に長期シリーズ化してるものには兄弟姉妹が沢山いるでしょう。私は、その子たちにもそんな悲しみを味わってほしくないのよ』
『他のゲームなんて知らないよ。私は、私達は、私達の為だけに生きればいいの』
『私達、か…ふふ、私の事も入れてくれるのね』
『そりゃ、その…私だってお姉ちゃんの事好きだし』
『そう、ありがとう。…でも、それなら尚更、殺し合いに乗るなんて言わないでほしい』
『え?』
『分かってるの、未来?この殺し合いに勝ち残れるのは一人。つまりそれは、姉である【私も倒さないといけない】ということなのよ』
『あ……』
『私達は二人で一つ。どちらか一つだけがリメイクされるなんてあり得ないし考えたくもないわ!お願い未来、考え直して!』

サンリオタイムネットは、引き裂かれた未来と過去の時間軸を一つにし、修復することを目的としたゲームだ。
故に未来と過去…どちらが欠けてもゲームは成立しない。
私達姉妹は、二人で一つなのだ。
しかし未来は、過去に背を向けると、言った。

『ごめんお姉ちゃん…それでもやっぱり、私はリメイクされたいんだよ。『劣化ポケモン』なんて言われても、それでも私達を遊んでくれたみんなの為にも!その為なら…お姉ちゃんだって殺す』
『未来!』
『…だけど、今は見逃してあげるよ。お姉ちゃんを殺すのは、最後にしてあげる♪』

そういうと未来は、姉に背を向けたまま走り出した。



未来が去ってからしばらく、過去は呆然としていた。
妹が、自分を殺してでもリメイクを望んだことに動揺を覚えていた。

『と、とにかく、止めないと』

ショックを受けている場合ではない。
妹が、未来が誰かを殺してしまう前に、止めなければ。
過去は、走り出す。未来を追って。
そして。

『え……』

過去は、目の前の光景に目を疑った。
そこには、倒れている妹の姿があった。

『未来!未来!』

未来のもとに駆け付けた過去は、彼女の身体を揺する。

『嘘だよね…冗談だよね。ねえ、起きてよ!』

しかし、未来が目を覚ますことは、永遠にない。
サンリオタイムネット未来編は…死んだのだ。


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「私とあの子は、二人で一つ。あの子がいなくなった今、私には生きている価値なんてない」

「だから、殺してください」

サンリオタイムネット過去編の告白に、星のカービィは胸を痛めた。
彼女の気持ちは、よく分かる。
自分も、スーパーデラックスがいなくなったらきっととても悲しいだろうから。
殺し合いに乗っている以上、彼女の提案に反対するつもりはない。
だけど、その前に…

「…あなたの妹の遺体の場所へ、案内してくれないかしら」



星のカービィと過去は、未来の遺体のもとへとやってきていた。

「そういえば…頭が真っ白になってて、埋葬するの忘れてたな。星のカービィさん、手伝ってくれませんか」
「いいえ、その必要はないわ。この子の遺体は…私が食べるから」
「え…!?ど、どういうことですか!?」

星のカービィの言葉に、過去は驚き険しい顔で問い詰める。

「私の能力…コピー能力は知ってるでしょう?」
「え、ええ…」
「実はね、コピー能力は二つの能力を組み合わせてミックスすることができるのよ」
「!もしかして…」
「ええ、あなたと未来をミックスさせるわ」
「あ…」

過去の目から、涙がほろりと流れた。

「私と未来は…本当の意味で、二人で一つになれるんですね!」
「そういうことね」
「ありがとう…本当にありがとう!」

感極まった過去は、星のカービィに抱き付く。

「ちょっと、いきなり抱き付かないでよ」
「星のカービィさんの身体、柔らかい…♪」
「む、胸に顔をうずめるな!」



しばらく百合百合しい光景が続いたが、過去がようやく落ち着きを取り戻すと、星のカービィはコホンと咳払いする。

「未来のそばに立って。二人同時に食べるから」
「あの、待ってください」

食べる準備を整えようとする星のカービィに対して、過去が待ったをかける。

「あなたはもしかして…この殺し合いに乗ってるんですか?」
「…ええ、そうよ」

今から殺す相手に隠し事などしても無意味だと思ったので、正直に答えた。

「あなたも…リメイクを望むんですか。未来のように」

星のカービィの言葉に、過去は悲しそうに呟いた。

「別にリメイクなんてどうでもいいの。私は…あの子の為にも、優勝しないといけないの」
「あの子の為?どういうことですか?」

話に食いついてきた過去を見て、星のカービィはべらべらと話し過ぎたと少し後悔した。

「これから死ぬあなたには関係ないことでしょ?ほら、未来の所へ行って」
「そんな話聞かされたら、気になって成仏したくてもできませんよ!化けて出てほしくなかったら、教えてください!」
「どんな脅し文句よ。…まあいいわ。捕まってるのよ、3DSに。私の同族…スーパーデラックスがね」
「つ、捕まってる!?同族ってことは…弟か妹みたいなものですよね?」
「まあ、そうね」
「そんな…兄弟を人質に取られてるなんて」

過去は、まるで自分の事のようにショックを受けているようだった。

「だから私は、優勝して解放してもらうのよ。スーパーデラックスを」
「ちょ、ちょっと待ってください。星のカービィさん…それ、本気ですか?」
「ええ、本気よ」
「そう、ですか…」

過去は、しばらくう~んと唸ると、口を開いた。

「一つ聞かせてください、星のカービィさん」
「なによ?」
「あなたは、スーパーデラックスさん以外にも弟や妹がいますよね?彼らの事は、愛していないのですか?」
「そんなわけないでしょ。みんな私の仲間で、家族みたいなものよ」

特に『星のカービィ2』、『星のカービィ3』などは、自分の続編である為本当に弟や妹と呼んでも過言ではないだろう。

「そうですか…そうですよね。という事は、やっぱり気づいてないだけか…」
「?どういうことよ?」
「ねえ星のカービィさん、あなたは私達と違ってメジャーなタイトルで、ゲームを幾つも出していますよね」
「え、ええ…」
「それなら…あなた以外の同族がこの殺し合いに参加している可能性も、あるとは思いませんか?」
「えっ…」

過去の言葉に、星のカービィは絶句する。
他の同族…自分やスーパーデラックス以外の仲間が、参加している!?

「おそらく、この場には同世代のハードのカセットが呼ばれていると思います。あなたには、同世代の同族がたくさんいるんじゃないですか?」
「あ……」

言われて、星のカービィの脳裏にはいくつもの同族のカセット達の姿が頭に浮かんだ。
『星のカービィ2』『星のカービィ3』『カービィのピンボール』『カービィボウル』『カービィのブロックボール』『カービィのきらきらきっず』『コロコロカービィ』…。

「そんな…そんなこと」
「同族を…家族を大切に想うあなたにはその子たちを殺すことなんてできないはずです。ですからどうか、殺し合いに乗るなんて悲しいこと言わないでください」
「い、今更そんなことできるわけないでしょ!?私はもう、二人のカセットを殺した!後戻りなんて出来ない!」

そう、気づいたところでもう遅い。
自分は既に穢れ切ってしまった。
今更やめようなんてそんな虫のいいこと、出来るわけがない。

「まあ、あなたがどうするかは、これから死にゆく私には関係ないことですが、最後に一つ、いや二つかな。言いたいことがあります」
「な、なによ?」
「あなたが自分のしたことを悔いてやり直そうと思うなら…あなたが殺したその人の力で、他のカセット達のことを助けてあげてください。そうすれば、私や未来も、それにあなたが殺したカセットも、報われるはずです。そしてもう一つは…」

そこで一端言葉を切ると、過去は晴れやかな笑顔で言った。


「弟や妹を、大事にね」




星のカービィは、三つの☆を眺める。
『す~ぱ~ぷよぷよ』のコピー。
『サバイバルキッズ』のコピー。
そして、『サンリオタイムネット 未来&過去』のミックスコピー。

『あなたが自分のしたことを悔いてやり直そうと思うなら…あなたが殺したその人の力で、他のカセット達のことを助けてあげてください』

「今更…どうしろっていうのよ」

ともかく、星のカービィは歩くことにした。
疲労はだいぶとれたが、ダメージや傷の方は街の方で何かアイテムでも見つけないと厳しいだろうか。
そういえば、今まで食べた参加者のリュックは、みんな食べるときに一緒に飲み込んでしまっていた。
今食べた過去編のリュックもそうだ。
星のカービィは飲み込んだ三つのリュックを吐きだし、中身を全て自分のバックに移し替えた。

「とりあえず今は他の同族…弟や妹達を探そう。他の事は…歩きながら考えよう」

殺し合いに乗るのか乗らないのか。
その結論を保留にしたまま、星のカービィは歩き出した。

【B-1 森】

【星のカービィ】
【状態】疲労(中)・傷だらけ・ダメージ大
【装備】斧
【道具】支給品一式×4、不明支給品×4、す~ぱ~ぷよぷよの☆、サバイバルキッズの☆、サンリオタイムネット未来&過去編のミックス☆
【思考】
1:同族たちを探す。殺し合いに乗るかどうかは保留
2:スーパーデラックスを助けたい、けど…
※外見はほしのあきに似た女性です。
※「飲み込んだ相手の能力をコピーする」能力を持っています。


『未来…未来!』
『過去お姉ちゃん、その…酷いこといって、ごめんなさい。あんな大見得切ったのにあっさりやられちゃって、我ながらカッコ悪いよ』
『ううん、いいの。もういいのよ。こうしてあなたと一緒にいられるなら』
『お姉ちゃん…』
『私達は二人で一つ。これからは、ずっと一緒よ』
『うん、そうだね…お姉ちゃん、大好き!』

こうして、引き裂かれた未来と過去は一つとなった。
破壊された「ときのはしら」は、再び一つとなったのだ。


【サンリオタイムネット過去編 死亡】


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