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ポケモントレーナー誕生?

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ポケモントレーナー誕生? ◆OmtW54r7Tc


街の手前、B-4エリアにてコロコロカービィは放送を聞いていた。
放送の内容について、特にこれといって思うようなところはなかった。
精々、自分が殺した同族の名前が呼ばれてるな、とかすぐ隣が禁止エリアか、とかそれくらいのものだった。
コロコロカービィが興味を引いたのは、放送後にふくろに追加された一枚の用紙…既に死亡者の名前には線を引かれた参加者名簿だった。
そこには確かにあった。自分の求めていた相手が。

「星のカービィ…やはり貴様もいたか」

倒したいと思っていた相手の名前を確認し、コロコロカービィは安堵する。
奴は間違いなく、この場所のどこかにいるのだ。

「俺が倒す前に、死ぬんじゃねえぞ?」

自分の発した言葉に、苦笑する。
自分が倒すから死ぬなとは、我ながら身勝手な要求だ。
そもそも、自分が星のカービィを倒そうと考える理由に、奴自身は何の非もない。
ただ自分が勝手に嫉妬し、勝手に恨み、それを発散しようとしているだけだ。
例え倒したとしても弟(妹)が誕生するわけでもなく、完全に自己満足だ。
それでも彼は、胸に宿る憤りを晴らさずにはいられなかった。

「俺は、孤独だ…」

カービィ、マリオ、ポケモン、ドラクエ。
人気のあるゲームは、シリーズ化してどんどん新作、もとい弟や妹が作られていく。
しかしそんな人気ゲームの影に隠れる番外という位置づけの自分達に、そのような機会が回ってくる機会などそうそうありはしない。
しかし、番外系でも『ドラクエモンスターズ』や『ポケモン不思議のダンジョン』などのようにシリーズ化しているものだってあるし、続編なんかが作られてるものがあるのだ。
そして自分も、本来ならそうなるはずであったのだ。
しかしそれは、叶わなかった。

勿論、広い意味でいえば自分も『星のカービィシリーズ』の一員という事にはなるのだろう。
しかし、そんな親戚の叔父さんとかいとこみたいな関係など満足できない。
自分が誕生を望むのは、『コロコロカービィ』の新作、弟(妹)なのだ。
1作でもいい。
自分の続編が、新作が、弟が、妹が、欲しい。


「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い…」


ゆえに、コロコロカービィは憎んだ。
次々と新作を作られていくゲーム達を。
弟や妹を生み出されていくゲーム達を。
星のカービィ個人に向けられていたはずのその憎しみは、より大きく、より広くなっていた。





「ピッカッチュウ!」
「ん?」

動物の鳴き声が聞こえ、顔を上げる。
そこには、かの有名な黄色い電気ネズミが立っていた。

「ピカチュウ…?」

目の前に現れたのは、アニメでも絶賛大活躍中のあのポケモンだった。

(ポケモンゲームの参加者か…?)

確かこの殺し合いにはポケモンのゲームは4人参加していた。
しかしその内3人は既に放送で名前を呼ばれ、残っているのは『ポケットモンスター緑』のみ。
そうなると、この目の前のピカチュウこそポケモン緑ということになるだろうが…

(でも、仮に緑がポケモンになるとしても、フシギダネ、またはその進化形か、あるいは草タイプになりそうだよなあ)

仮にピカチュウになるとしたら、それは『ポケットモンスターピカチュウバージョン』ではないだろうか。
しかしピカチュウバージョンはこの場には呼ばれていないはずだ。

(きらきらきっずから奪った荷物には、モンスターボール…もといポケモンがあった。となると、このピカチュウも誰かの支給品ってことになるか?)

そういえば、あのモンスターボールの中身をまだ確かめていない。
戦力の把握も兼ねて、コロコロカービィはモンスターボールを取り出して、中のポケモンを出した。
ボールから出てきたポケモンは…


「ピッピ♪」


…ピッピだった。(NOTギエピー)
なんというか、余り頼りにならなさそう。


「ピ~カ~♡」

ピカチュウは、ピッピを見て目にハートマークを浮かべていた。
目の前で手を振ってみても、気づかない。
ピッピを一度モンスターボールの中に戻すと、睨まれた。
ほっぺからは電気をバチバチさせている。

「…俺に着いて来たら、あのピッピといつでも会わせてやるぜ?」
「ピカピ!?ピカピカ!」

試しにそんなことを言ってみれば、あっさりと了承の意を示してきた。
なんともまあ、単純な奴だ。


とりあえず、もう一度ピッピを出してみた。
案の定再び目をハートマークにしたピカチュウをスルーして、先ほどモンスターボールからピッピを出した時に一緒に出てきた紙を見る。
そこには、ピッピの詳しいデータが書かれている。

「使える技は、うたう、まるくなる、ひかりのかべ、そしてゆびをふる、か…」

攻撃技らしいものがないが、まあ補助役としてはなかなか優秀かもしれない。
特にうたうなんかは、かなり使えるんじゃなかろうか?
アニメのプリンのイメージだと無差別に眠らせてしまう技のイメージがあるが、多分ゲーム仕様で対象は1体だろう。
そして唯一攻撃技になり得そうなのがゆびをふるであるが…

「ピッピ、ゆびをふる」

試しに使ってみた。
その結果出てきたのは…

「『かなしばり』…相手の技を封じる技か」
「ピッピ♪」
「で、それを誰にかけた」
「ピッピ♪」(ニコッ
「笑ってごまかすな!てめえ俺にかけてんじゃねえよ!」

どうやら、転がる能力が封じられたようだ。
いったいいつ解けるんだろう。

「くっそ、ドジ踏んじまった…」

気を取り直してピカチュウの技を確認しようとしたが、ピッピのようなデータの書かれた紙がない。
試しに使える技を使わせてみようかとも考えたが、先ほどのピッピの時みたいな失敗をしかねないので、やめといた。
というか、仮に技を使うよう頼んでもピッピに夢中で聞いてくれそうもなかった。
まあ多分、電撃くらいは使えるだろう。
こいつを使う時は、ピッピはモンスターボールに戻しておく必要がありそうだ。

「とりあえず、行くとするか…」

かなしばりがいつ解けるかは分からないが、解けるのを待つつもりはない。
そんなことをしている間に星のカービィが殺されてしまっては目も当てられない。
なにしろ、最初の6時間で57人の内34人が殺されているのだ。
楽観視などできなかった。
まあ、転がる能力がなくとも跳ね上げ能力があるし、手駒も二匹いるからどうにかなるだろう。

「待ってろよ、星のカービィ」

重い身体を動かし、コロコロカービィは街の中へと入り込んだ。

「ピッピ♪」
「ピカチュウ~♡」

頼りになるのかならないのか分からない、二匹を連れて。



【C-4 街】

【コロコロカービィ】
【状態】憎しみ、転がる能力封印
【装備】モンスターボール(ピッピ)
【道具】支給品一式×2、不明支給品×2、ピカチュウ
【思考】
1:殺し合いに優勝し、続編の『コロコロカービィ2』を誕生させる
2:星のカービィを倒す
3:新作や続編を作られるゲーム達が憎い
4:F-ZEROを利用する
5:ブルーファルコンを回収するつもりはない(見つけたら破壊する)
※外見は丸々とした体型の巨漢の男です。
※身体を丸めて転がることで超スピードでの移動が可能で、さらに跳ね上がることで周囲にいる者を跳ね上げて転ばせることができます。
 転がるスピードと破壊力は連続して転がり続けることにより上がっていきます
※転がる能力が一時的に封印されました。
 一定時間が経てば解けると思われます。


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