岩崎みなみは逃げる。朝比奈みくるから。6/から。
今の彼女には、全ての者が恐怖の対象だったから。
だがそんなみなみの逃走劇は、あっけなく幕を閉じることになる。
今の彼女には、全ての者が恐怖の対象だったから。
だがそんなみなみの逃走劇は、あっけなく幕を閉じることになる。
「よう、岩崎」
みなみの進行方向に、サブマシンガンを携えた一人の男が現れる。
言うまでもなく、赤木しげるだ。
言うまでもなく、赤木しげるだ。
「ずいぶんと苦しそうな顔じゃないか。今、楽にしてやろう」
恐怖に顔を引きつらせるみなみに向かって、アカギは自動販売機のボタンを押すような気軽さで引き金を引く。
連続した銃声が響き、鮮血が宙を舞った。
連続した銃声が響き、鮮血が宙を舞った。
◇ ◇ ◇
朝比奈みくるは走っていた。岩崎みなみに追いつくため。そして彼女を守るため。
(さっきの銃声……。まさか、岩崎さんが? どうか、無事でいてください!)
みなみの無事を祈りながら、みくるはなおも走る。そして数分後、彼女は残酷な現実を突きつけられることになってしまった。
「岩崎さ……」
みくるが見つけたのは、民家の壁に背を預けて座るみなみの姿だった。
それだけなら、ただ休んでいるだけに見えたかも知れない。
しかし、みくるには夜の闇の中でもはっきり見えていた。
みなみの胸に、血の花がいくつも咲いているのが。
それだけなら、ただ休んでいるだけに見えたかも知れない。
しかし、みくるには夜の闇の中でもはっきり見えていた。
みなみの胸に、血の花がいくつも咲いているのが。
「岩崎さぁぁぁぁぁん!」
いてもたってもいられず、みくるはみなみに駆け寄ろうとする。
だがその直後、彼女の足を激痛が襲う。
同時に転倒したみくるは、顔面をしたたかにアスファルトへ打ち付けた。
だがその直後、彼女の足を激痛が襲う。
同時に転倒したみくるは、顔面をしたたかにアスファルトへ打ち付けた。
「うう……」
痛みにうめき声をあげるみくる。だが、彼女に与えられた痛みはこれだけでは終わらない。
「この闇の中で足下に張られているピアノ線を見つけるのは難しいだろうけど……。
それにしても迂闊だったんじゃないの、みくるちゃん」
それにしても迂闊だったんじゃないの、みくるちゃん」
みくるにそう告げたのは、物陰から姿を現したつかさ。
彼女は早足でみくるに近づくと、その体に重なるようにしてナイフを突き刺す。
彼女は早足でみくるに近づくと、その体に重なるようにしてナイフを突き刺す。
「かはっ!!」
深々と背中にナイフを突き立てられたみくるの口から、叫び声と共に鮮血が吐き出された。
彼女の負った傷は、充分に致命傷。だが、それでもつかさは安心しない。
今一度、今度は心臓にナイフを突き立てる。
彼女の負った傷は、充分に致命傷。だが、それでもつかさは安心しない。
今一度、今度は心臓にナイフを突き立てる。
「……ッ!」
今度は、声すら出ない。みくるの口からは、血反吐と荒い息だけが吐き出される。
「一丁上がり。ちょろいもんだね」
淡々と呟きながら、つかさはみくるの上から降りる。
そのままアカギの隠れている場所に向かおうとした彼女は、次の瞬間「何か」に貫かれていた。
そのままアカギの隠れている場所に向かおうとした彼女は、次の瞬間「何か」に貫かれていた。
◇ ◇ ◇
みくるは、まだ生きていた。とはいっても、心臓を刺されているのだ。
その命は、風前の灯火。すでに意識は途絶えかけている。
それでも、彼女の中には確固たる意志があった。
その命は、風前の灯火。すでに意識は途絶えかけている。
それでも、彼女の中には確固たる意志があった。
(高良先輩も、泉先輩も、岩崎さんも……。みんなみすみす死なせてしまって……。
このまま何も出来ずに死ぬなんて……。そんなのは嫌!)
このまま何も出来ずに死ぬなんて……。そんなのは嫌!)
みくるは半ば無意識のうちに、己の右目に手を伸ばしていた。その手が、目にはめられていたコンタクトレンズを外す。
みくるには、一つの秘密があった。
実は彼女も、チンクやKXと同様に異能の持ち主なのである。
だが彼女は、そのことをクラスメイトの誰にも教えていなかった。
仲のよかったハルヒにも、キョンにも、長門にも、古泉にも。
なぜなら、その異能はあまりに殺傷能力が高かったから。
みくるの異能とは、右目から放出される高出力のレーザーであった。
彼女は自らの力を恐れ、他者にその存在を告げなかった。
そして特殊コンタクトレンズで、異能を封じていたのである。
しかし今、みくるは自分の死を目前にして異能の封印を解いた。
実は彼女も、チンクやKXと同様に異能の持ち主なのである。
だが彼女は、そのことをクラスメイトの誰にも教えていなかった。
仲のよかったハルヒにも、キョンにも、長門にも、古泉にも。
なぜなら、その異能はあまりに殺傷能力が高かったから。
みくるの異能とは、右目から放出される高出力のレーザーであった。
彼女は自らの力を恐れ、他者にその存在を告げなかった。
そして特殊コンタクトレンズで、異能を封じていたのである。
しかし今、みくるは自分の死を目前にして異能の封印を解いた。
「みくる……ビー……ム……!」
消え入りそうな声と共に、みくるの右目から色鮮やかな光線が放たれる。
その光は、みくるに背を向けていたつかさの胸を貫く。
その光は、みくるに背を向けていたつかさの胸を貫く。
「え……?」
自分に何が起こったか理解できぬまま、つかさは倒れる。
それとほぼ同時に、みくるは今度こそ息絶えた。
それとほぼ同時に、みくるは今度こそ息絶えた。
◇ ◇ ◇
「ククク……これは予想外と言わざるを得ないな……。朝比奈にあんな力があったとは……。
柊つかさをここで失ったのは少々痛いが……。まあ、誤差の範囲内だ。
どのみち、いずれは処分しなければいけなかったわけだしな」
柊つかさをここで失ったのは少々痛いが……。まあ、誤差の範囲内だ。
どのみち、いずれは処分しなければいけなかったわけだしな」
三人の少女が散った戦場に現れたアカギは、不敵な笑みを浮かべつつ一人呟く。
そうしながらも、彼女たちが持っていた武器を回収することは忘れない。
そうしながらも、彼女たちが持っていた武器を回収することは忘れない。
「一気に三人死んで……残る参加者もわずか……。そして……どうやらその中の一人がお出ましのようだ」
武器の回収を終えたアカギは、首輪探知機を取り出してチェックする。
そこには、こちらへ向かってくる一つの光点が映し出されていた。
そして数分後、その光点が指し示す人物がアカギの前に現れる。
そこには、こちらへ向かってくる一つの光点が映し出されていた。
そして数分後、その光点が指し示す人物がアカギの前に現れる。
「よう、アカギ……。みなみ、見てねえか?」
「こいつのことか?」
「こいつのことか?」
アカギは6/に向かって、みなみの死体を無造作に蹴り飛ばす。
もちろん、それが何を招くのか承知の上で。
もちろん、それが何を招くのか承知の上で。
「な…………! あ、アカギぃぃぃぃぃぃ!!」
「来いよ、6/。お前ごとき、策を弄するまでもない。正面から戦い、そして殺す」
「来いよ、6/。お前ごとき、策を弄するまでもない。正面から戦い、そして殺す」
戦闘、開始。
【4番 朝比奈みくる 死亡】
【7番 岩崎みなみ 死亡】
【29番 柊つかさ 死亡】
【残り3人】
【7番 岩崎みなみ 死亡】
【29番 柊つかさ 死亡】
【残り3人】
【2番 赤木しげる】
【学年】中1
【状態】左腕負傷
【所持品】サイレンサー付き拳銃、手榴弾×3、サブマシンガン、フルフェイスヘルメット、スナイパーライフル
日本刀、首輪探知機、コンバットナイフ、リボルバー、鉈、バールのようなもの、アイスピック
鎖鎌、クロスボウ、警棒、大型拳銃、ショットガン、はさみ
【能力】知力:S 体力:B 狂気:S
【学年】中1
【状態】左腕負傷
【所持品】サイレンサー付き拳銃、手榴弾×3、サブマシンガン、フルフェイスヘルメット、スナイパーライフル
日本刀、首輪探知機、コンバットナイフ、リボルバー、鉈、バールのようなもの、アイスピック
鎖鎌、クロスボウ、警棒、大型拳銃、ショットガン、はさみ
【能力】知力:S 体力:B 狂気:S
【40番 6/】
【学年】高3
【状態】重度の疑心暗鬼
【所持品】クルミ一袋、金属バット、鉄パイプ、スタングレネード×2、アサルトライフル
【能力】知力:B 体力:C クルミ投げ:B
【学年】高3
【状態】重度の疑心暗鬼
【所持品】クルミ一袋、金属バット、鉄パイプ、スタングレネード×2、アサルトライフル
【能力】知力:B 体力:C クルミ投げ:B
【40番 6/】
Former
Next
【5番 朝比奈みくる】
Former
Next
死亡
【7番 岩崎みなみ】
Former
Next
死亡