自治体職員有志の会

第1回オフ会

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第1回オフ会

講演概要

講演会&オフ会の風景

講演概要

1 日 時:平成15年6月27日(金)16時~18時
2 場 所:名古屋国際センター5階 第4、第5会議室
3 内 容:以下のとおり
(1) 講演
① 講 師:森貞述高浜市長
② テーマ:「住民自治の確立とこれから求められる職員像」
③ 内 容
・今日、6月27日は企業にとっては、株主総会が集中する特別な日である。シャンシャン大会で済む時代は終わり、まさにガバナンスが問われている。
・自治体も同じである。あえて経営と言わせていただくが、自治体経営のあり方が問われている。三重県の北川前知事はマニフェストを提唱された。これは従来、抽象的な表現だった公約を期限付、数値付にするものである。
・経常利益日本一のトヨタは取締役の報酬が2,100万円であるが、カルロス・ゴーンにより立ち直ったとはいえ、トヨタとは開きがある日産の役員報酬は、1億4千万で、トヨタの約4倍である。これをどう考えるか。
・かつて地方自治体の置かれている立場は護送船団であったが、今後は、勝ち組と負け組に二極分化する。
・企業に起きている変革と同じ現象が、自治体にも降りてくる。基礎的自治体が自立するときである。
・後で新聞(6・27日経新聞朝刊)を回すが、最高裁の小法廷で固定資産税に関して評価額を実勢価格より高く設定するのは違法との判決が出た。かつて土地を持っていることが価値であったが、活用しなければ価値がない時代になった。
・固定資産税や都市計画税は市町村にとって基幹税(6割)であるので、この判決の持つ意味は大きい。
・持続可能な自立した都市を目指す必要がある。「じりつ」にはもう一つあって自律」-身の丈にあった分相応ということも大事である。
・マーケット・オリエンテッド、コンシューマー・オリエンテッドということ、つまり市民志向でいくべきである。
・自治体は、これまで供給側の論理でやってきたが、今後は需要者側の論理が求められる。
・納税者である市民には3つの顔がある。株主、利用者、パートナーの三つである。供給者側の論理は通用しない。「予算、人がない」ということをよく言うが、ない中でサービスをどのように提供していくかである。
・職員が「市長が恥をかくといけない」とレジュメをくれたが、書いたものを読むのが苦手なので置いておきます。
・任期中のことを振り返ると第一のターニング・ポイントは再開発事業だった。JR名古屋やほとんどの地方都市の駅前再開発が頓挫している。高浜市ではあえて専門学校(日本福祉大学)をもってきた。
・職員には方程式の答えを求めるのではなく「プロセスを大事にせよ」と言っている。結果の責任は首長が取れば良い。
・第二のターニング・ポイントは高齢社会の問題である。かつて高齢化、国際化、情報化(今と違う意味)ということが言われたが、あれもこれもはできない。何を選択するかが重要。行政は黒子に徹しながら、その担い手となる素地を育てて いく。
・12年1月に地方分権一括法と介護保険法が成立したが、これが第三の転機である。この介護保険の導入により市町村が自己決定、自己責任を持つこととなった。高浜市も福祉自治体として福祉ユニットを活用することになった。 
・介護保険では、県と市町村の関係から国と自治体の関係へと変化する中で市町村の力量が試された。供給側でないものを生み出した。
・第四番目の転機としては、市町村合併を含めた流れである。来年4月から地域福祉が努力義務となった。地域福祉については住民、地域を切り口に考える。
・住民参加については、職員も住民として参加する。恥ずかしい話だが、第四次総合計画までは策定をコンサルに丸投げだったが、住民の参画を得てワーキング・グループがコンサルを入れずに作った。これにより職員のレベルが上がった。
・港湾の管理について、プレジャー・ボートの放置の問題がある。PFI手法を取るにはVFMの考えが要る。NPOを入れた高浜マリンクラブを作った。職員にとって挑戦していく手法となる。どれだけのエネルギーを使うかを学習するプロセスである。
・家族ケアと施設の中間にユニット・ケアがあり、第一号を杉並区がつくり、高浜市は第二号である。
・財政がきつくなったときに、いろいろな選択肢、引出しを持っていることを示す。
・社会福祉法人の理事を県会議員がやっている場合が多いが、彼らは大規模特養を求めている。
・挑戦を続けていけば、風穴を開けることができる。
・首長が政治を使ったら職員は育たない。担当を飛び越していくと、職員の発想を殺すことになる。職員を生かし、職員が対応している状況を把握することから始まる。政治を使うときはお礼を言ってもらうときだけにしている。
・首長の任期は4年であるが、自治体は企業と同じゴーイング・コンサーンである。
・合併の問題には行政資源の最大化合併過程にある圧力から職員が鍛えられるがある。合併圧力を跳ね返すための切磋琢磨が必要。企業には小が大を飲む合併や対等合併があるが、自治体の場合は、小が大を飲む合併や対等合併はありえない。
・職員には強いものを徹底的に伸ばせと言っている。高福祉、高負担と言い切っている。自治体OBの方は、大変と言われる。(悪い意味)
・統一地方選挙では「ただにします」という発言が多かったが、受益と負担の関係が要ると思う。
・常に他との違いを際立たせていくことは、いばらの道だがやらなければならない。
④質疑応答、意見交換
 冒頭のトヨタと日産の役員報酬の話は、ゴーンが社員に痛みは強いるが成果が出れば、他はどうあろうと横並びではなく、ちゃんと報いるということだと思う。

Q)ブレーンはいないが、経済紙を参考にされているということだが、市民の声をどのようなアンテナでつかむようにしているのか。
A)父親との約束で家業(醸造業)はやめないことにしているので、消費者の声は商売からも入ってくる。ものごとには経済事象から入るようにしている。それが自治体にどう返ってくるか。成果主義でやっていくことが求められる。定型的に 求められるものではない。選挙の時期も声が入るが、市長室に閉じこもらないで現地や現場へ出かけるようにしている。「よきに計らえ」では、良い情報しか入らない。「高浜市行政行動規範」をつくって唱えるようにしている。
Q)市民満足と職員満足の関係についてどう考えるか。
A)悩ましい問題であるが、「自治体職員は」という枕詞に対してどちらに重きを置 くか。職員の時間単価とパート職員の差も考えないといけない。公認会計士に「役所の職員は変わらない」と言われる。市内の企業の経理を見ていると公務員は まだまだ恵まれているということだ。拠って立つところは税ということ、市民の 納税意識を考えないといけない。賃金では職員満足は難しいが、登用や研修では図っている。 
Q)住民が怒らない、自治体が再建団体にもならないことが問題ではないか。
A)「マーケット・セグメントしろ」と言っている。自治体はあまねく公平と言われるが、そうやれるか。郵便局はあまねく公平だそうである。自治体職員の最後の砦は政策形成能力だと考えている。
Q)NPOの活用について
A)行政が仕切ってはダメ。自己実現することから始めなければ何も出来ない。自立した組織になることが重要。宅老施設の食事について、料金などに差が出ると不 公平との意見もあったが、各施設の判断に任せた。「金は出しても口を出すな」である。行政にとって重要なのは就労の場を確保することである。職員の雇用が大事か、地域の自治が大事かを考えなくてはならない。時代とともに担い手が変わっていく。NPOに変わるものもある。職員はもっと高度な計画立案などに注力することが重要である。

4 連絡事項
 次回は8月下旬から9月上旬にかけ、尼崎市の白井市長をゲスト・スピーカーに関西地区で開催する。

 

 

講演会&オフ会の風景

当日、高浜市森市長を講師に講演会を行いました。

参加者は全国から集まった会員22名です。

森市長を囲んで真剣な質疑がおこなわれました。

素晴らしい講演会となったと思います。森市長を始めお世話に
なりました参加者の皆様に厚く御礼申し上げます。

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