チェンジ・ザ・ワールド☆

act.33(市来)

最終更新:

streetpoint

- view
管理者のみ編集可
エピローグ











 「俺と結婚でもするか?」


 昼食のパスタを食べていると、聞き覚えのあるセリフを凱が私に向って言い放った。


「へ?」

「顎にトマトソース付いてるぞ」

「わわっ!」


 慌てて鏡を取り出し、汚れを落とす。もー、急に変なこと言うから、思わずソースが飛んじゃったじゃない。

 入社して3年、私は25歳になっていた。


「これでよし、と。ていうか今なんか凄い事を耳にした気がするんだけど。また冗談なんだよね?」

「俺は本気だ」


 3年前とは違って凱は笑うことなく私を見つめ続けている。


「本当に? 本当に私でいいの?」

「お前以外に誰がいるんだよ」


 ぽろっと涙が零れた。まさか凱がこんな事言ってくれるだなんて思いもしなかったから。嬉しくて泣きながら何度も頷いた。


「お前は本当に面白いな。顔、凄い事になってるぞ」


 泣きまくってメイクはボロボロ。でも3年前とは私も違う。メイクなんて自分でも完璧に直せちゃう。といってもまだまだカレンの腕には遠く及ばないけれど。


 凱の事はずっとずっと好きだった。付き合う事になっても、私の方がいつも凱の事を思っていた気がする。だから凱から言ってくれた事が本当に嬉しい。

 これからもずっとずっとあなたが好き。










 その日の夜「ねぇ、私は凱の事ずっと好きだったけど、凱はいつ好きになってくれたの?」って聞いたら、少しだけぶっきらぼうに彼はこう言った。


「新作発表会で白波瀬社長とお前が知り合いだって分かった時、内心嫉妬してたな」


 って。

 それを聞いて、私はまた一つ笑顔をこぼした。





END







次へ → act.33(市来)




お帰りの際は、窓を閉じてくださいv
お話はこちらに戻る
目安箱バナー