恋姫学園プロローグ


  俺が皆と聖フランチェスカに戻ってから、いや正確には聖フランチェスカを舞台とする外史に飛ばされてから1週間がたった。
  この世界では、愛紗達が普通に受け入れられている。ここは俺が望んだ世界であり、俺にとって愛紗達はなくてはならない存在だったからだろう。
  周囲と自分たちとの認識の差にとまどいつつも、徐々に新しい生活に慣れ始めたようだ。
  皆が今住んでいるのは、学校から徒歩30分のところにある、少し郊外にある和風の豪邸だ。27人の女の子+俺+化け物がゆうゆうと生活できるほどでかい。
  貂蝉がここを教えてくれたのだが、奴曰く、俺が皆との生活を望んでいたため、今まで通りに生活できる住居まで作り上げてしまったという超御都合主義的なものの結果らしい。
  幸いにして、でかい母屋が一棟のほか、離れが四棟もあったので、前の世界と同じようにすみわけすることが出来た。



  1300年という年月の差はとてつもないものだった。彼女たちにとって周りにあるものが全て不思議なものだった。
  俺が前の世界に言ったときとはまた別の驚きだったのだろう。彼女達にとって、周囲には何の用途なのか全く想像もつかないものばかり。自然も少なく、また道も完全に舗装されている。
  幸いにもこの世界にやってきたのが春休み期間中だったのでこの世界の常識を教える時間はあった。
  最初の頃は舗装された道路に驚き、信号に驚き、自動車に驚き、テレビに驚きと、忙しい毎日だったが、今ではもう時々聞かれる程度になっていた。
  頼られるのは気持ちが良かったので、少しさびしい気もした。





  そして新学期になった。





  桜並木の間を歩く。暖かな日差しの中、花びらがはらはらと舞い落ちる。
  それを浴びながら俺は愛紗、鈴々、朱里、蓮華、華琳という豪華なメンバーで学校に向っている。
  鈴々が燥ぎ廻り、朱里は控えめに一歩後ろに、蓮華がその隣に、華琳は俺の右隣に、愛紗が左隣から華琳を牽制しながら歩いている。
  両手に花、どころか全身に花といった状態だ。嬉しい状況なのだが、華琳がひっついてきて、愛紗の機嫌がドンドン悪くなっていくのを感じて怖い。うかつに鼻の下を伸ばしていると愛紗に抓られる。胃がキリキリしてきた。
  何故こうなったのか、少し前に記憶を遡る。

  朝、出かけようと思ったら門の前で彼女たちが待っていた。どうやら俺が朝食を食って、着替えてくるまでの間に、俺と登校する権利を巡って壮絶な死闘があったらしい。
  確かに全員と登校するのは恥ずかしいし、まず無理だ。多すぎる。
  結果としては各国における力関係が明白に浮き彫りになった感じのメンバーとなった。
  なにやら当番制で毎日代わるとか。



  学校に近づけば近づくほど周囲の目が痛くなっていく。
  愛紗たちはやはりこの世界でもよくモテるらしく、男子は勿論のこと、女子からの支持も厚いようだ。もう親衛隊も結成されているとかされていないとか。
  そんなかわいい女の子を侍らしている俺、なんていったらもう諸悪の根源の如き扱いだ。某ゲームの土○稟もビックリのシチュエーションだからな…。
  後で及川に聞いたら、俺はエロエロ大魔神とかそんなしようもない名前で呼ばれているらしい。

「はぁ………」

  自然とため息が漏れる。

「どうかしましたか、ご主人様?」

  隣の愛紗が聞いてきて、みんなの心配そうな視線が集まる。

「え、いや……なんでもない、なんでもない…よ」

「そうですか、何かあったらすぐにお知らせください」

  まさか彼女たちが原因なんて言えるわけもなかった。


  歩くこと40分弱、聖フランチェスカについた。人数が多かったため、普通より時間がかかった。
  名残惜しいが、皆それぞれのクラスに散っていく。
鈴々、朱里は一年一組、俺、愛紗は二年一組、蓮華は二組、華琳が三組。俺は玄関で鈴々たちと、廊下で華琳たちと別れて、自分の教室に向った。二階の一番端が一年一組の教室だった。
濃い茶色のドアを開ける。

  ガラッ

  さて、今日も一日Vっと………と、気分を新たに教室に入ろうとしたら、壁があった。

「え?」

  いや、壁と間違えるような巨根、否、巨漢がいた!!

「あ~んらご主人様ぁ、あたしに何かご・よ・う?」

  筋肉隆々の男が腰をくねらせている。ふんどし一丁で。全身の毛が総立ちした。

  ガララララ……

  無言で扉を閉めた。しかし閉まる直前にゴツい手がそれを阻んだ!!

「まぁいやだわご主人様、ヒトの顔をみて逃げるなんて♪い・け・ずぅ」

「嫌だぁ!!こんな化け物と同じクラスなんてぇええええ!!」

  俺は化け物に背を向けて一目散に逃げようとした。が、愛紗がそれを引き止める。

「ご主人様、ご安心ください。アレは教員ですから、同じクラスではありません」

「え?本当?……助かった…」

  あやうく絶望して新たな外史に逃げるところだった。

「助かった、とは心外ねん。あたしさびしいわぁ~」

「黙れ化け物、さっさと失せろ」

  冷ややかに愛紗が斬り捨てる。

「あらあら怖い。そんなに目くじらをたてるとご主人様に嫌われちゃうわよ?」

  そんな台詞を残して貂蝉はおとなしく帰っていった。一体何の教員なのか、それだけがただただ恐ろしい…。











「大丈夫ですか?ご主人様」

「ああ、大丈夫……只ビックリしただけだから」

  心なしか、周囲の目が敵意から哀れみに変わった気がした。






[あとがき]
お目汚し、ごめんなさい。
自分の文才のなさに絶望する毎日です。
orz

「個々の表現をこう変えたほうがいい」などのアドバイス、大歓迎です。
「論外」・「下手くそ」・「やるきあんのか?」見たいな感想はやる気をそがさせる原因なのでやめてほしいっす。
orz

最初、貂蝉は三年生の予定でした。公式サイトの制作日記にあったドクダミの君を再現したかったのですが、夢幻@雪〈改〉さんの貂蝉先生の予想に大爆笑して、これは取り入れるしかない!!と思って急遽先生に変えました。
ぶっちゃけ女の子多すぎです。なんとかこじつけで前の世界と同じような生活を送れるようにして、かつ一度に登場するキャラを減らそうと頑張っているのですが…。
選択肢つけて、最低でも愛紗Endと華琳Endと蓮華Endの3つをつくりたいな~と思っているのですが、かなり大変orz
特に、他のキャラも活躍させなきゃならないから、選択枝がそれだけで一気に増えるので…。マジメに書きたいEndと全員分のEndつくるとしたら、イベントは150個以上、Endは30個以上になります…。


一緒になって書いてくれる人募集中です。
特に予定している選択肢がそこそこ多く、一人で書くのは限界がありますし、他のヒトの意見なども聴きたいので。

2/13 19:05第1回修正
2/14 09:55第2回修正
2/14 23:14第3回修正




  • 恋姫無双のssはまだ少ないですからねぇ
    応援しますよー -- セン (2007-03-18 13:56:19)
  • 頑張って下さい続き期待してます -- 立花 (2007-04-04 19:22:31)
  • いやー恋姫SS読ませていただきました。
    とてもおもしろいですねw
    これからも頑張ってくださいねw
    -- 杏仁豆腐 (2007-04-06 21:00:29)
  • 確かに、土○稟より何倍もの嫉妬攻撃を浴びること間違いなしですな。
    それで攻撃してきた輩は恋姫達の攻撃でボコボコに・・・w
    これからも頑張って下さい -- 山樹 (2007-04-08 14:35:38)
  • 恋姫のSSは大好きです。いろいろなヒロインと絡ませて
    ほしいです。がんばってください。 -- くろう (2007-05-11 15:25:13)
  • 化け物のあたりがかなり思お白かったっス。 -- タロー (2008-08-25 09:00:19)
  • 一刀が土○稟なら及川は緑○樹か? -- 名無しさん (2009-04-05 22:55:27)
  • 僕はまだ18じゃないので(高1)まだゲームはしたことがないけどアニメでみました。続きドンドン書いて下さい。楽しみにしてます。

    -- 銀吟 (2009-04-06 16:04:16)
  • うん。おもしろい! -- 名無しさん (2009-09-19 16:06:21)
  • ボクは18じゃないけどゲームを
    して感動して、今ssのサイトを放浪してる
    ダメになりかけてる学生です。
    みんな可愛すぎです。
    -- 一刀が羨ましい高1 (2010-08-07 21:35:08)
  • ぬいた(ノ゚Д゚)ノシ☆ http://www.l7i7.com/ -- age (2012-01-05 10:28:23)
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最終更新:2012年01月05日 10:28